art32m-kギャラリーのペーパークラフトについて
(現代のものづくり スーパーリアリズムペーパークラフト、その発想と展開)

自然な形を紙型に起こす
 野生の鳥を作ってみたい。7年前、町田に越して来た。自宅の脇を流れる境川のカワセミを追いかけてバードウォッチングにはまり、そう思った。最初に考えたのはバードカービング、木ぎれを使ってカワセミの写真を見ながらカッターで削って頭と胴体を作った。なかなか良い出来でこれに得意のスーパーリアリズムで色を塗ればかなりリアルなカワセミが出来ると思いながら木彫りを眺めていたとき、ふとある考えが浮かんだ。
「この木彫りにいくら丁寧に絵を描いて仕上げても1羽のカワセミしかできないが、これを紙型に起こしてペーパークラフトにすればみんなで作れる。」
 そして、木彫りを眺めながらこれを紙型に起こす方法として思い付いたのが「ミイラ方式 」だった。
ミイラ方式の手順
1.木彫りを包帯で巻かれたミイラのように、紙の粘着テープなどを使って巻く。
2.そのテープに適当に切れ目を入れて剥がしていく。
3.とにかく剥がした物が平らな平面になるように切れ目を入れる。
  その結果、平面になったとすれば、のりしろを付けて組み立てれば元の立体になる。
  これでどんな立体でも平面の紙型に起こせる。

パソコンの時代が可能にしたリアリズムの追求
 紙型が出来て、これにスーパーリアリズムで絵を描けばリアルなカワセミのペーパークラフトが完成するはずだが・・・。自分の目で見た物を見たままに表現出来なくては絵描きとは言えない、画家になるためには絶対に必要な技術だと思い、20数年前から習い始めたスーパーリアリズム絵画は、簡単な牛乳瓶などでも数ヶ月、香港の夜景に至っては1年以上の時間がかかり、同じ物をもう一度描くのは難しい。そこで、これまでのペーパークラフトにはないスーパーリアリズムを実現するためにパソコンを使うことにした。CG等もパソコンの出始めのころから研究していたが、近年その性能の向上はめざましく、以前は1・2枚の写真を扱うのも大変だったが、最近は何枚でも自由に操作できるようになった。こんな時代の変化も、スーパーリアリズムペーパークラフトを実現できた要因の一つだ。紙型をパソコンに取り込んでのりしろを付け、各部分に撮り貯めた写真からその部分を探して、縮小・拡大・歪みや色調等の補正処理をして貼り付ける。写真屋さんに頼んでやっていたのではとても実現できなかった事が、パソコンとスーパーリアル絵画によって鍛えた目で、自分の手でも出来るようになった。発想を形に結びつけるものづくりの可能性がパソコンの出現によってさらに広がった。 これが「現代のものづくり」の展開である。

2007.7.15 菅野正人

 ペーパークラフトの新しい表現が実現出来たと思います。ペーパークラフトは「ものづくり」を通して色々な能力が鍛えられる私達にとっても子供達にとっても絶好の教材です。是非、親子で当ギャラリーのスーパーリアルペパクラに挑戦して頂き、自分の手で作り上げる悦びとリアルな驚きをお楽しみ頂きたいと思います。ペンギンの顔や背中などもどうぞじっくりと眺めてみて下さい。これまでになかったような、スーパーリアリズムペーパークラフトを充分味わって頂ける事と思います。

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