登山に挑戦しよう

  九重教育キャンプでは、体験学習の主活動として集団登山を実施しています。一口に

「集団登山」と言っても簡単なことではありません。45年の歴史を持つ、この「九重教育

キャンプ」で、全員が久住山(中には大船山や三俣山、時には中岳もあります)頂上を目

指し、全員が山頂に立った学校は、指を折って数えるほどです。13才の中学生から60才

近い先生、それも100名以上(500名以上の時もありました)が達成するのは至難の業

です。野営地(キャンプ場)が1000b以上の位置にあることから、気圧がかなり低いこと

を認識した野営生活をしないと、登山をする体力を損なってしまいます。

                  

  空気だけのペットボトル         山頂の空気を詰めて学校に持ち帰ったもの

 私たちがよく口にしている合い言葉(クーネルダース)「食う・寝る・出す」は端的に登山

成功のキーワードとなっています。食べて体力を付けること、体を休めて疲れを癒すこと、

出して体内を快調にすることを意味しています。一口に食べるといっても、おいしいおかず

とご飯が必要です。おいしいおかずづくりとご飯づくりをするためには、気圧の低さからくる

水の沸点低下を理解しておかなければなりません。下界より早く沸騰するから水が下界よ

り早めになくなります。するとご飯の場合「ごっちん」ができます。従って、下界で炊くときよ

りも水を多めにいれます。次に快眠の工夫はどうでしょう。よく「頭寒足熱」と言われます。

つまり、足をぬくめて、頭は冷静にしておくとすぐに、よく眠れるということです。しかし、テン

トの中は布1枚で囲まれた部屋ですから、風に揺れる木の音や、人の話し声がよくきこえ

ます。また、夜は気温が急降下することから、足や体が冷えてなかなか暖まりません。体

を冷やさない工夫が必要です。最後に人の生理現象です。どんな環境の中でもできる訓

練も必要でしょう。仲間と一緒に行ったりという努力が必要となります。

 このように、九重教育キャンプを実施すること自体が多くの自然体験学習の入り口なの

です。山も福岡県にある山と質が異なり、すべてが火山なのです。石一つ取っても、砂岩・

礫岩・粘板岩といった堆積岩はありません。少量の雨が降ってもすぐに浸み込んでしまい

ます。多くのことを事前に学習して、知恵を絞って活動に取り組みましょう。

 


 中体連が利用する主な登山コース
  

  A、キャンプ場 → すがもり峠 → 北千里け浜 → 久住別れ → 久住山頂 → 久住別れ
          
    → 西千里ケ浜 → 沓掛山 →牧ノ戸峠 → キャンプ場  
    (全行程、100名の団体で約8時間)

  B、キャンプ場 → 牧ノ戸峠 → 沓掛山 → 西千里ケ浜 → 久住別れ → 久住山頂 →
    久住別れ → 北千里ケ浜 → すがもり峠 → キャンプ場
    (全行程、100名の団体で約8時間・Aの逆コース)
            

    ※ Aコースはコースの終わりにトイレと水場が、Bコースは最初にトイレと水場があることに
     なります。また、平成17年に、久住別れにバイオトイレが完成しました。

        


  C、キャンプ場 → すがもり峠 → 北千里ケ浜 → 久住別れ → 御池 → 中岳山頂 → 
    御池 → 久住別れ → 西千里ケ浜→ 沓掛山 → 牧ノ戸峠 → キャンプ場
    (全行程、約100名の団体で9時間)

  D、キャンプ場 → 自然観察路 → 雨ケ池 → 坊がつる → 大船山山頂 → 坊がつる 
    → 雨ケ池 → 自然観察路 →キャンプ場
    (全行程、100名の団体で約10時間)

  E、キャンプ場 → すがもり峠 → 三俣山四峰 → 三俣山一峰 → 三俣山四峰 → 
    すがもり峠 → キャンプ場
    (全行程、100名の団体で約6時間)


   ハイキンングや自然散策       

 九重は火山地帯です。温泉をはじめ、吹き出る蒸気を利用した地熱発電、「地獄」を

はじめとした観光地、牛の放牧、高原野菜畑など、都市部ではなかなか見かけない風

景を目にします。火山地帯の自然発見や、生活体験を計画してみてはどうでしょう。

キャンプ場から徒歩100分、筋湯温泉の奥に、九州電力八丁原地熱発電所がありま

す。九州電力に前もって予約をすれば、発電所内の見学可能です。
近くには、九州大

学植物研究所、「お糸地獄」等があります。


 
 九重連山には、めずらしい高山植物が多く見られます。本州のアルプスに生息する

幾多の高山植物がここ九重にあります。つまり高山植物の南限になっているのです。

長野県の上高地から約1日をかけてようやく見られる植物が、やまなみハイウェイか

ら数時間山に入ると見られるのです。登山口となる、長者原付近には、自然観察路が

整備され、めずらしい植物と出会うことができます。

 また、長者原には、「ビジターセンター」が建設されており、めずらしい植物等の写真

が展示されています。また、長者原から湯布院に向かって足を運ぶと、ラベンダー園

や牧場、そして高原野菜畑が広がっています。散策コースにおすすめです。