数年前のこと、私は恋人の車に乗って、僕は小学校時代に暮らしていた××にいった。
車の中から、小学校、○○第二小学校を捜すが、見つからない。
しょうがなく、外に出る。寒い夜。手はかじかみ、耳がちぎれそうになる。
地図を見て捜しても見つからない。どこにもない。
それどころか、見覚えのある建物がひとつもない。僕の前にあるのは、見慣れぬ初めて見る町だった。
唯一、変わってないのは高速下の児童遊園だった。子供の頃あんなに高かったジャングルジムも滑り台も小さく、みすぼらしく見えた。
この児童遊園を手がかりに、昔の地図を思い出そうとする。
でもできない。
知らない坂ができ、知らない道ができ、知らない高層住宅ができていた。自分の暮らした土地とは、あまりにも違っていた。
小学校は見つからない。ただ、だだっ広い空き地があった。
つい最近つくられただろう空き地。
「ここじゃない?」
そう、そこだった。小学校は跡形もなく取り壊されてた。何もなかった。
犬の散歩をしていた女性にきく。
「ここに小学校ありましたよね?」「ええ」
「今どこに?」
「ちょうど高速道路の向こうにあります。でも、ここにも造りますよ」
とりあえず行ってみる。でも、新校舎だ。僕の見覚えのあるものは何もない。どこにもない。
東京はこういう街なのだ。
東京は変わるのではない。東京はなくなるのだ。