今夜も呑んだよB[六本木morph発行のフリーペーパー『morph』8月号より転載]

  狭山市駅前の「和民」。狭山市のライブを終えて、またまた打ち上げだっ!

 蒸し暑い一日を締めるのは、やっぱり生ビールでの乾杯だ。

 沖縄フェア開催中につき、つまみはゴーヤチャンプルー、海ぶどう、島らっきょう、タコライスなど、沖縄一色。

も 海ぶどう、このプチプチ感がたまらーん。キャビアと言って出せば信じる人がいるかも。

さ タコライス、蛸が入ってないわ。

も タコスライスなのよ。

さ え?タコのスライスも入ってないわよ。

も だからっ、タコスのライスなの!

ほ 沖縄と言えば…、ううう。

も どうした、星野。

ほ あの、赤提灯のマスターこわかったよう。

さ あ!沖縄ぼったくられ事件ね。

15・6年前、だるま食堂は仕事で初めて沖縄に行った。ついたその日、明日からの仕事に備えて英気を養う為一杯やろうと、夜の街へ繰り出した。

も 素直に表通りの居酒屋にでも入ってれば良かったのよ。

さ でも、路地入ったあたりに通の店があると思うじゃない?

ほ 赤提灯だったから安くてうまいんじゃないかと…。

も 入ってみると、メニューに値段が書いてない。

さ お客さんがみんな観光客っぽくてそわそわしている。

ほ マスターが、ミスタースポック。耳はとんがってるわ、前髪は揃ってるわもうそっく  り。

も そこで、帰ってればよかったのよ。

さ 森下さんが、常連ですみたいな顔して「ビール2本とまずは枝豆!」なんて頼むから悲劇の幕が開いちゃったんじゃない。

ほ スポックのショータイムが始まりましたねえ。ぶるぶる。

ビールと枝豆を運んできたスポックは、「何にしますう?」と不気味な笑顔。私達が悩んでいると、「お刺身なんかどう?沖縄来たら、海のもの食べなきゃ」。値段が心配な私達が「お幾らぐらいから、あるんですか?」と聞いたとたん、スポックの顔色が変わった。そして両手を幽霊の様に前にだらりと下げ、私達のテーブルの周りをぐるぐる回り出したのだ。しかもツーステップで。

 メニューを握り締め、呆然としている私達に、スポックは回りながら呪文のように囁いた。「ここまで来て、美味しい物食べるのにお金の事気にしちゃだめよ〜。さあ〜お刺身〜どーう?どーう?」

も 怖かったー、ツーステップがっ。

さ それに合わせて前髪がかっぱかっぱ揺れるのよねえ。あ、星野ちょっと似てる。

星野、座りツーステップをする。

ほ さあお刺身どーう?どーう?

も 一番安いのは何ですか?

ほ (不機嫌そうに)貝かしら?

も じゃ、貝のお刺身を下さい。

ほ 貝のお刺身盛り合わせねっ。(スポックはどことなくおかまっぽかったのだ)

も 似てる似てる、歯の出具合もそっくり。

ほ あまり嬉しくないな。

さ 出てきてびっくり。1センチくらいの見たこともない小さな貝が山盛りにっ!

も しかも固いっ。小石を食べてるみたい。

ほ あたしは、おいしかったわよ。

さ ひえー、すごい歯ね。

も もう小石をじゃりじゃりしながらも気が気じゃなかったわよ。お勘定のことを考えると。

さ 私、スポックの元、仲居をする覚悟までしたわ。

ほ ビール4本と枝豆と貝の盛り合わせでいくらだったっけ。

も 忘れもしない、2万3千円よっ!

さ 痛かったわね。

ほ 一人一万くらいで、沖縄1週間をやりくりしようと思っていたから、残りは7千円。

も 苦しかったけど、教訓を得たわね。

さ そう!うまい店は地元の人に聞けっ!よね。

ほ その後の1週間は、おかげで安くてうまいもんだらけ。ありがとう、沖縄!

も そう思えば、安い買い物よね。

ほ 貝だけにね。へへ。

も …。

さ また、沖縄行きたーい。

も そうだっ、沖縄に行って泡盛を飲もうっ!

ほ 今日のところは、シークワーサーサワーで

3 乾杯!

あ、また乾杯しやがった。