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1981年に春山直英氏に発注し、3年後の84年5月に完成したお気に入りのチェンバロでサイズは長さ233センチ、幅95センチ、63鍵の二段鍵盤で8フィート×2プラス4フィートである。左右に半音ずらせるようになっている。親しかった輪島の塗師故奥田達朗氏に「ウレタン樹脂などは材を密閉してしまうが漆は樹液だから塗ってからも木は呼吸できる、きっと良い結果が得られるに違いないよ」という言葉に従って拭漆(木地に生うるしを直接摺り込み、乾いたら磨く工程を繰り返す塗りの技法で木目がきれいに浮き出るのが特徴)仕上げにした(奥田達朗氏が急逝したために弟の奥田二郎氏の仕事となった)。音質だけを追求したので装飾などは一切無い。プレクトラムにはダチョウの羽根を使っている(加工調整は一切自分で行う)。アセタール樹脂のデルリンやカーボンのプレクトラムもあるが、楽器の命である“音色”を得るためには鳥の羽根などの生きたものがベストであるというのが私の持論である。 |