メル友症候群






この物語は何人かの実在の女性に起こった話を元に書き表したノンフィクション(実話)です。

2003年9月25日 著者funwaka
当小説の著作権はfunwakaに有ります。
他の表現媒体へ無断で転載・転記・引用することを堅く禁じます。

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出会い系、メル友症候群。



出会い系に申し込む男の99%はセックス相手を捜している。

出会い系に申し込む女性の99%は恋愛を夢見ている。


出会い系に群がる男の殆どはセックスフレンドを獲得しようと申し込む。
オスの性の本質は愛から起こるのでは無く精液放出という遺伝子伝達の本能から起こる。
オスは自ら妊娠するというメスのような遺伝子の確実な保存が出来無い。

だからオスはそこら中に精液をまき散らす事で自らの遺伝子の保存確率の高さに努めるようになる。
故にオスは生まれながらにして常に精子放出が出来るメスの確保に汲々とする生き物となる。

堅実で真面目な女性は出会い系に近づかないだろう。
セックス目当てのツールだという事を、その不純さを、何となく解っているからだ。
普通の女性は出会い系のいかがわしさを知っている。


これらの事を考え分析すれば出会い系では男百人に女一人のような極端な需要と供給のアンバランスが起こると解るだろう。

故に出会い系を利用する女は勘違い贅沢病ウイルスに罹患する。
これが出会い系の、テレクラ症候群、メル友症候群の病原体である。



【恋愛は男女の心のコミュニケーションと身体のコミュニケーション。】
【コミュニケーションの極意は、互いの存在や力量、必要性、重要性を認めあう事である。】
【愛とは相手主体の思考と行動である。】 


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甲斐知美は24才。
地方の短大を卒業して都会の会社に就職して二年。
最初は会社の寮にいたのだが、最近一人暮らしに憧れワンルームを借りている。

最初の頃は都会の華やかさに圧倒されながらも繁華街に繰り出してはその雰囲気を楽しんでいた。
今でも時々は会社の友達と出かけ映画やウインドウショッピングをする。

しかし、都会では一歩外に出ればお金が飛ぶように出てしまう。知美の少ない給料での都会の一人暮らしはきつく、金銭的にそうそう出かけられはしない。家賃の負担が多くなる分休日は近所で買い物をして過ごす事が多くなっていた。

休日の昼過ぎ、いつものように一週間の食料を買い込んで家に帰った。夕食の仕度にはまだ間が有りテレビを見ながら、食料品を取り出していると食料品とは違った柔らかく暖かい手触りに違和感を覚え袋をのぞき込んで見ると携帯のティッシュがある。

どおりで食料品とは違う手触りのはず。それは駅前の買い物時、ティッシュ配りの男性から押しつけられるように受け取らされたものだ。

いつもはティッシュ配りの男性を避けて通る知美だったが、その日は男がいきなり目の前に立ちはだかり差し出され反射的に受け身の性格のせいもあるのか思わず手を出し受け取ってしまったのだった。

テレクラに電話するなど知美にはそうした行為をする女性の心理が全く理解出来無い。
テレクラに行く男は性欲にギラギラしていかにも品が無く、電話をかける女は男に飢えてセックス目当てそのものような気がする。


【退屈な貴女のくつろぎの時間に】 【恋愛を求める男女の出会いの場所】 【電話が結ぶ幸せな出会い】

ティッシュに書かれている宣伝文句を何気なく読みながら知美はテレビに目を移した。
日曜午後のテレビは相も変わらずいつものお笑い芸人か使い古されたタレントのオンパレード、それ以外はゴルフの番組。


今日もいつものように夕ご飯を簡単に作りテレビを見ながらそれを食べる。
知美の脳裏に【退屈なくつろぎの時間に】の文字が浮かび上がった。


「以前の私もそうだった。」と知美は思った。しかし、それも先週までで終わった。
先々週からの知美はご飯を直ぐに終わらせてしまう。今の知美は忙しい。
黒のノートパソコンが知美を待っているからだ。

職場の後輩がインターネットの楽しさを教えてくれたのは一年前だったが当時は仕事以外でもパソコンに向かうほどの興味は無かった。しかし何度もインターネットの世界の楽しさを聞かされると次第に興味を持つようになり、一ヶ月ほど前決心して少ない小遣いをやりくりして買ったパソコンだった。

最初は調べものや旅行などの情報を集めるだけだったが、そのうちアダルト系も見るようになった。
インターネットの世界のポルノは凄いと聞かされていたがその激しさには驚いたが直ぐに嫌気がさし別の興味に移ってしまった。

知美が夢中になりはじめているのは出会い系のホームページだった。 テレクラはセックス目当ての男が群がっているいかにも品のない出会い系ツールだと思うのだが、インターネットの世界はそうは思えなかった。

パソコンを利用するインターネットは最新の情報ツールだ。今の時代は情報だインターネットだパソコンだとテレビでも会社でも世の中全てが騒ぎ立てる。パソコンに詳しければ時代の先端を行く者のような錯覚さえおこさせる。それほどパソコンやインターネットは時代の先端だともてはやされている。

そこに勘違いという落とし穴が有る。 ツールは最新で、それを利用する技術や頭脳は先端を行くかもしれないが、それを安易に出会い系に利用するヒト種族の(男女の)意思と性質体質行動は、テレクラと何も変わりがないからだ。

知美がたどり着いたホームページは趣味の仲間募集であったり、友達募集、恋愛相手募集と色々なコーナーが有り、それぞれに自己紹介が書き込まれている。

恋愛相手募集は圧倒的に男性の書き込みが多い、後輩が言っていたとおりだった。
知美も興味が湧き書き込もうと思ったが恋愛相手を募集するには恥ずかしい。
一週間躊躇していたが、【友達募集】なら書けそうだと思える。 

知美は勇気を出して掲示板に向かった。

年齢は一つ上の25才、女性、名前はアキコ、趣味は読書と映画鑑賞、男女問わず友達募集、と掲示板に簡単に書きこんでゆく。。。

簡単な文言では有るが、何度も確認をし、終えるとパソコンを閉じた。
夕食の後片づけをし、いつも見ている番組を見ていたが、その間もパソコンが気になって仕方がない。

番組が終わると同時にはやる気持ちを抑えてパソコンのスイッチを入れてメールをチェックした。。

書き込みをしてから二時間ほどしか経っていないのに四通のメールが届いていて驚いた。
ドキドキした、文通の楽しさが解ったような気がする。しかもこちらから相手に申し込んだのでは無く相手から自分への申し込みなのが嬉しい。マウスを動かすのももどかしくメールを開ける。

【アキコさん初めましてケンジです。 友達でも恋人でも募集です。年齢は22才ですけど、大人っぽく見られるほうです。こんな年下の僕でも良ければメールまってまーす! 身長は172体重は60です。宜しく!】

【トモと言います。19才ですが何故か僕は年上好み。年上の女性募集中です。ジャニーズ系の僕でも良ければ友達として付き合ってください。身長174体重は59。前はバンドやってたけど今は聞くほう中心です。宜しく〜!】

【初めましてアキコさん。義弘といいます。28才独身、身長176、体重68、会社員、趣味はドライブ、テニス、映画、といったところです。彼女いない歴5年、休日はもっぱら外で過ごす事がおおいので日焼けしています。恋人募集中ですがとりあえずはメール交換からいかがでしょうか。】

知美の心臓は高鳴りっぱなしだった、 友達募集と書いたのだがいきなり男性から、しかも恋人応募らしきメールだった。
知美は高校時代に一度だけ恋愛の経験が有る。一年ほど付き合って身体の関係になる直前までいったのだが、そのへんで何故か気まずくなり別れてしまった。だから未だに処女だった。

それ以来恋人はいなかった。もしも恋人と深い付き合いがあったのなら恋人がいない寂しさが辛かったかもしれないが切実に恋人が欲しいとも思っていなかった。恋人が欲しくないわけではなくそのうち自然な出会いが有るだろうと漠然と思い過ごしていたからだろうか。

モテ無いほうではないと自分では思っている。付き合った男子以外にも中学高校と数人に告白されてはいたが軽い調子で言われたので知美も軽くあしらって断ってしまっていた。

二年間の東京暮らしで恋人が出来無かったのは知美の職場に年齢的に釣り合う年頃の男性がいなかったからだと思っている。今度職場を変えるときには若い男性の多い会社を選ぼうと密かに決心している。

オンナの心理と身体は不思議なもので、恋人募集の男性からのメールを読んだとたんに高校時代の恋人とのキスを妙になまめかしく思い出していた。

身体がざわついてくる感覚に包まれながら知美は四通目を開けた。

【アキコさん、こんちは、私は大石勉といいます。掲示板みました。友達募集と有りましたが男の私でも宜しいでしょうか?。年齢は32才、身長は175Cm、体重は63で少し痩せ形です。スポーツは好きですが最近はゴルフくらいでサッカーや野球観戦が多いです。もし宜しければリターンメールをお願い致します。楽しくおつきあい出来ればと思います。(^^)】

誠実そうな文章だった。真面目な人なのだろうか、、知美の頭の中はぐるぐると回り始めた。最初の年下の二人はいかにも軽く明るく決めている。知美はこうしたタイプは苦手だった。知美は今もジーンズやスポーティな服装をすると大学生に間違われる。髪もショートでストレートだからだろうか。

しかし、知美は外見と違い性格は真面目でおとなしい。だからだろうか学歴を高くは望んでいなかったが男には落ち着きと知性が欲しかった。知美が知らないことを教えてくれるような頼りがいの有る男が好みだった。
そういう意味では知美は年上好みなのだろう。

最初の二人に書きかけたリターンメールを止めて三番目と四番目の男性にメールを書くことにした。

義弘という男性は快活そうだしスポーツマンのようだ。
大石は真面目で誠実な男性に思える。

知美は二人の男に囲まれプロポーズされたような錯覚さえ起こした。
しかも断ろうと思う男も二人もいるのだ。

知美は普通の恋愛のカタチから外れはじめている事に気づかなかった。

その時の知美を誰かが見れば、頬は緩みっぱなしで嬉しさが溢れた顔に気味悪がったかもしれない。目は輝いて熱を帯びているようだった。それほど知美は我を忘れてメールの文章を何度も読み返していた。コーヒーを飲みながらも目はパソコンの画面から離れなかった。

コーヒーを飲み終えた頃には知美の頭の中は、どう返事を書こうかと次の展開に移ったが、そこで思考が行き詰まってしまった。

気持ちは高揚していた、楽しかった、しかし返事を書く段になると知美の締まりが無かった眉の間に皺が刻まれる。
返事の文章が出てこない。

仕事で書く文章とは違い、異性への、しかも恋人になる可能性のある男へのメールである、手紙と同じなのだ。
堅ぐるしく書くのも、くだけすぎるのも変に思われるのではないかと思ってしまう。
そうなると最初の書き出しの文章からどう書こうかと迷ってしまった。

書いては削除、書いては削除を繰り返した。義弘に書きかけ、諦めて、大石に書いて躊躇するを繰り返した。
頭がグチャグチャになり、お風呂に入って落ち着こうとバスルームに行き蛇口をひねる。

湯が溜まるまでテーブルに戻りコーヒーを飲む。何気なくメールの送受信をクリックした。今度は6通来ていた。いずれも男性からだった。知美は笑ってしまった。嬉しさをとおり越して呆れたと言ったほうがいいのかもしれない。

小さい頃父親に連れられて夏休みに小アジを釣りに行った事がある。あの時と一緒で次から次に苦労もせずにどんどん魚が食いついてくる。不思議だった、今までたった一度の子供っぽい恋愛経験しか無い知美に次から次へと男性が交際を申し込んで来るのだ。

知美はメールの返事を書くのを諦めて1時頃にベッドに潜り込んだのだが、興奮して眠れる筈もなく再び起き出してメールチェックをした。三十分間隔でチェックする度に着信メールが増えていた。ますます眠れない。

三度ほど繰り返し結局その土曜日の夜知美が寝る夜中3時までに届いたメールは27通にも上った。

明くる日の日曜日知美は起きると同時にパソコンに電源を入れた。寝苦しい夜だった。うつらうつらしながら深い眠りに届かずとうとう熟睡するのを諦め早朝6時20分、ベッドから抜け出した。

いつもどおり暇な日曜日だった。何も予定は無い。明くる日の仕事が眠くならないように昼寝をすればいいと思い睡眠3時間半に満たないままで起きる事にしたのだ。しかし、起きると決めたら急いで顔を洗い気持ちを引き締めパソコンに向かった。この時すでに知美はメール中毒に陥ってしまっていた。

またまたメールは15通も増えていた。昨夜から合わせて42通。それにしても男というのは寝ない種族なのだろうか。
知美にはそれも新しい発見だった。

年齢は上は53才、下は高校生。いくら知美が年上が良いと言っても53才は抵抗が有る。父親と同じくらいの年だった。
高校生はもちろんパス! 

それにしても50代から40代の男が何故25才と書いてある女に交際を申し込んでくるのか知美には理解出来無かった。
30代ならまだ解る気がするが何故に40代以上の男から送られて来るのか、それに20代の女が返事を書くと思う事が知美には不思議でしょうがない。

結局知美は皆に返事を書くことを諦めた。それよりも断る男性と、メール交換をしてみたい男性とを区別してみた。
上は35才商社マンだという男から、下は23才のフリーターという男まで8人に的を絞った。
選別基準は、敬語をきちんと書いている文章、スポーツマンかアウトドア嗜好派を選んだ。

一人一人に返事を書くのも時間がかかりすぎるから全て同じ文章にした。一人か二人だったらその男性だけへの文章を考えただろうが10人近くにもなると一人一人に書いたのでは一日かかっても終わりそうにないからだ。

これこそが女性における出会い系、メル友症候群に陥る典型的ケースで、〔モテタと勘違いする事による錯覚&贅沢病〕なのだが、知美はそれに気が付かない。

もちろん男はそれ以上である。なにせ男100人に女1人の世界なのだ、各出会い系ホームページのメル友募集の女に片っ端からメールを送る。70〜80通と送るのだからコピーした文章でなければ到底無理である。出会い系で無くとも男はマメでなければ女など獲得できるものではない。

【アキコです。メールありがとうございます。募集に書き込んだのは初めてなのでとても緊張しています。私は地方出身なので友達が欲しくて募集を出しました。これからも時々はメール交換を宜しくお願いします。 追伸、大石さんはどちらにお住まいの方ですか? 私は今は東京です。】

名前だけを変えて8通全て送った頃には11時になっていた。 その間にも10通ほど申し込みが来たがどれも返事を書かないと決めたのと同じようなメールなのでそのままにしておいた。

それから午後になるまで朝食のトーストにバターをつける間もテレビをつけても、コーヒーを飲んでも、知美の目は液晶画面から離れなかった。知美の人生でこれほど夢中になり楽しめた事が有っただろうか、間違いなく初めての経験だった。

最初に男性から二度目のメールが来たのは昼過ぎの2時頃だった。

【メールありがとうアキコさん、山口です。アキコさんは地方出身と書いていましたがどちらですか?私も地方出身(宮城県)です。現在住んでいるのは東京です。私は大学の頃からこちらにいますのでもう13年になります。多少はこちらの事を知っていますので少しは教える事は出来ると思います。今日は雨で(所属している草野球が)キャンセルになり、どこにも出かけず家にいたのでアキコさんのメールに直ぐにリターンメール出来てラッキーでした。またお暇な時でも結構ですので返事を頂けると嬉しいです。】

この男性、山口智也からは昨夜の12時頃の着信で、35才の会社員、身長176体重62 趣味はスポーツ(草野球)をする事、身体を動かすことが好き、ドライブ、と書いて有った。

知美はハートも身体も刺激を受けていた。顔が輝き始めていた。楽しかった。当然である。子供であろうと青年だろうと年寄りだろうと、他から求められ必要とされる事ほど人にとって全てが嬉しく満たされ心地よいものは無い。

反対に人が落ち込む原因の殆どは無視されたり反対されたり必要とされなったり、と感じる時だ。
それが続くと人は精神を病む。人に見放され精神を病んだ者への特効薬はその者への関心である。好意である。病んだ精神は明日への希望でしか立ち直れない。求められる事、それこそが明日への光となる。

知美は自分の人生がこんなに明るいものになるとは想像も出来なかった。

今まではただただ、仕事と家での食事、たまに友達と映画かウインドウショッピング、それが特に嬉しいとか楽しいというより退屈しのぎという感じだった。会社の仕事と毎日の生活、朝起きて通勤して仕事して帰ってきて食事を作り風呂に入り、寝る。朝になりまた起きての繰り返し。それが苦痛では無いにしても「人生ってこんな平凡なものなのだろう。。」と漠然と思っていた。

いつかどこかの男性と出会って恋をして結婚する。そして子供を産む。子育てをして年老いてゆく。自分の父親や母親と同じ人生を歩むのだろうとは思っても、それが楽しいことなのかどうかさえ知美には解らなかった。

しかし突然に目の前が輝き始めた。 何人もの男性が私に交際を求めて来ている。そのうちの誰かと私はこれから恋愛をしセックスをするようになるかもしれない。しかもそのうちの誰かと結婚するかもしれない。

知美にとって、それは今の空気と同化したような生活を水色にもピンクにも変えるほどの明るさだし、刺激だった。
明日への夢が膨らむ生活になった。知美はメール交換に夢中になった。

それから一ヶ月過ぎた。 あれ以降も10通ほどの交際申し込みメールが有ったが知美はもうそれらには見向きもしなかった。最初のやり取りでメールを書くことは意外と辛い事だったからだ。

二通三通とやり取りすると男性からは次々に質問も書かれ話題を持ちかけてくれるのでそれに答えるだけで良く、知美からもそれぞれの男性へ興味のある事、知りたい事へ質問のメールを送れば良く、またそれに答えてくれるの繰り返しで、新たな話題を考えたり、何をどうするかと考えて文章を書く必要がないのでキーボードを打つのに時間がかからなくなっている。

初めての相手にはそれなりに気に入ってもらえるような文章を考えなければならない。
何度もメール交換した相手には、気に入られようと文章を考えながらキーボードをうつ必要が無くなる。
何度ものメール交換で気安くなった相手と気遣わなければならない相手。
どちらを優先するようになるかは明らかだろう。

恋愛の基本は相手主体の思考と行動なのに、出会い系だからこそあり得る大勢の男を選べる立場を利用した誠意のない全員へのコピー文章を使ってしまうという、贅沢無神経病に知美は陥っていた。

男も同じ事、メル友募集に片っ端からコピー文を張り付けて何十と送る。オスはメスを獲得するまではメスの数十倍の努力を用スル生き者である。メスが受け身を身上とするだけにオスは押しの一手でなければならない。

二週間で知美のメール交換の相手は徐々に減り、頻繁にするのが三人、時々になったのが三人、二人はもう音沙汰無しになっている。その二人には知美がリターンメールをするのが嫌になり三通ほどのメールに返事を書かずに放っておいたところ相手からも途絶えたのだった。

頻繁にメール交換をする三人の男性に興味が出てきたのと相殺するように他の5人には興味が沸かなくなった。
元々知美はマメでは無い。あと三人の男性からのメールには三〜四日後にはリターンメールをする。
そして相手からも何日か後にはメールが届くので、知美の負担にはならないのでとりあえずは続いている。

知美の興味が湧いた三人は高田義彦と大石勉に山口智也だった。

中でも山口が知美の一番のお気に入りで、地方出身というところも知美の気持ちを楽にしていた。
知美は九州の宮崎山口は岩手と出身地は全然違っていても何故か親しみが持てている。
他の二人は都内だった。

知美の安心感の出所はほんとうは出身地の違いでは無く山口の言葉遣いだったのかもしれない。
メール交換をし初めて2週間後には三人と音声チャットをしていたが、いつもゆっくりと始まる山口の話し方が知美に落ち着きを与えてくれる。

初めて音声チャットをした時、用意が出来て相手の声が聞こえたときには知美の心臓は破裂しそうだった。
三人ともそんな知美のドギマギを察して気遣ってくれたので二度目からは知美も少し余裕で話せたが、殆ど相手の話に答える程度で終わってしまっていた。

その時の印象が山口がとても良かったのだ。一度しか恋愛経験が無い事を伝えた時も山口は「実は僕も一度だけしか無いんです。しかもそれ以来恋人いない歴7年です。」 と自嘲気味に笑って言ったのが知美に好感を持たせた。

機械メーカーの山口の職場には女性が少なく出会いの機会が無いのだと言い、小さな事務系の会社に勤める知美も同じく男性社員はおじさんばかりで出会いが無いのだと、互いに次に就職するとすれば若い異性が多い会社を選ばなければと、うち解けて冗談を言い合える仲になっていた。

音声チャットでうち解け初めて10日ほど過ぎた頃、知美は山口から映画に誘われた。知美もすでに山口に対して好感を持っていたので直ぐに「喜んで!」と言いたかったのだが、一応女性としての慎みを見せ「一緒に行きたいのですけど、、少し考えさせてください。。」と答えた。

知美は山口が引いてしまうのではないかと心配だったが山口のトーンは少しも変わらず「知美さんにも予定が有るでしょうし、見たい映画を捜す為にも返事は少し後でも結構ですよ。ゆっくり考えておいてください。」と言ってくれた。

知美は山口が引かなかった事も、その上知美の事を考えての言葉、ゆっくりで良いとの変わらない態度が嬉しかった。

この時点で知美は山口に恋に落ちてしまっていた。女は男の優しさに魂を奪われるものである。但し、あくまでその男に最初から好意を持っていればの話だが。。。

女は男の言葉をリピートする。まして文章は永遠に無くならない。男の殆どはメールを一〜二度しか再読しない。しかし殆どの女は気に入った男のメールならリピートをしまくる。

暇が有れば男の嬉しい言葉を反芻する。トイレで携帯を取り出し、休憩して開け、歩きながら足下は見ないで携帯を見る。ここに女にとってのメル友交遊の落とし穴が有る。男にとっては一度の口説き文句が、女には六度八度十度と繰り返し脳裏にウットリとした麻薬を勝手に打ち込んでくれるのだ。

一言が100回も気持ちを高揚させてくれ、男の愛を確信させ、男を持ち上げてくれる。まことにメールとは男にとって便利なツールである。

普通の恋愛なら出会って直ぐにセックスにまで至る事は無い。女は男の品定めが終わるまでは身体を開きはしないからだ。

しかし、メル友には出会って直ぐに身体を開く女が多い。それはこうしたリピート効果がメールには有るからだ。
リピートする事により、単純な口説き文句でも全身をとろけさすウイルスが蔓延する事となる。
出会うのは最初でもその時はすでに全身が、身体が、心が、男を求め受け入れる態勢になってしまっている。

元々女というのはリピート種族である。
嫌な事も楽しいことも辛かった事も当分の間は常に引き出しから取り出してはその時に思いを馳せる。
辛いときには余計暗い淵に落ち込み、楽しいときは天国に上りやすい。
まして興味や好意を持つ異性とならどんな話題でさえもリピートするのに口説きや誉め言葉を言われれば次の囁きを仕込まれるまで何日でも過去の言葉をリピートしてくれる。そして自ら恋の虜となってくれる。
女がパブロフの犬と言われる所以である。

三週間後の日曜日二人は互いの都合を繰り合わせて午後1時に日比谷で落ち合う事になった。

知美は映画までの三週間、山口に早く会いたくてたまらなかった。
山口からの携帯やパソコンへのメールを読み返すたびに何度も喜びを知美の身体と心にあふれさせた。

すでに互いの顔写真はメールで見せあっている。今山口と会っても知美は全く違和感は覚えないだろう。もう何十回山口の顔を眺めた事か。最初は普通の顔だと思ったが今ではその顔の長所を至る所に見いだしてしまっている。

細い目は優しく見え、分厚い唇は男らしく思え、ガリガリの身体はモデルのように思えるのだ。

平凡だがにこやかな笑顔の山口は知美の想像をそのまま表して好感を持ち、誘われてから一週間ほどで知美の山口への思いは爆発的に膨らんでいった。映画でなくてもいい、お茶でもいいから早く会いたい! 知美はそう叫びたかった。

会社では山口からの携帯へのメールを始終繰り返し見て、家に帰れば最初に山口のメールが無いかパソコンをつけて確認した。 一〜二日に一回は昼間携帯にメールが届く、夜になれば音声チャットも20分ほどだが二日に一度はしている。

男の山口は仕事や付き合いが忙しく家に帰ってくるのも殆ど11時近くか午前様という事だ。
時には三日もチャットが出来無い時も有る。

山口とチャットが出来無い日の知美の寝つきは悪く明くる日は寝不足のまま仕事に出かけるのだった。

知美が待ちに待った映画当日、山口は指定席を予約してくれていて映画館に急ぐ必要もなくゆっくりと喫茶店で時を過ごした。

知美は精一杯のおしゃれをして来たのだが山口の目にどう映っているのか心配だった。
山口はポロシャツにチノパンにカジュアルシューズと普通の軽装だった。
知美はそれに比べて目一杯おしゃれをした服が気になっていた。

「いやあ〜知美さん、ステキだなあ〜僕ももっとおしゃれして来れば良かった〜!でも僕はセンスないからなあ〜いっつもこの格好なんですよ。。」

山口の言葉が知美には嬉しかった。

「ごめんなさい、私どんな服装をしたほうがいいのか、迷ってしまって、聞いておけばよかったですね?でもそんな事聞くのも失礼なような気がして。。」 「いやあ、僕は聞かれても合わせようが無いですから(笑)」「いえいえ、私が合わせるという意味です。」「あ、そうかそれならセンス無しの僕は安心です!」 「そんな事無いです!ステキです。」 

山口は嬉しそうに、知美は、はにかんだ笑顔を交換した。

映画代金を山口は受け取らなかった。知美は恐縮したが、山口の「だって僕の給料がおそらく知美さんより相当上の筈だから気にしなくていいですよ。」 「そんな〜」と言いながら知美は嬉しそうに礼を言った。

少し歩きながら話をして、夕刻の頃合い居酒屋に連れ立って入る。
「僕はあまりおしゃれな店を知らないからこんなところでごめんなさい。」 

むしろ知美にもそのほうが良かった。それでなくとも知美の心は山口に入り込んでしまっているのにその上にオシャレな高級レストランに連れて行かれればどんな顔や態度で話をすればいいのか、、、気を使いながらの食事は気が重い。

居酒屋の騒音がむしろ知美には有り難かった。
日曜の夕刻の繁華街の店はカップルで込み合っている。 
食べ物は山口に任せて知美は酎ハイのライムを注文した。
山口は生ビールを、乾杯して食べ始める頃には満席となりカウンターに座っていた二人はますます膝を寄せ合うようにして座らなければならなかった。

騒音もあり互いの話は顔を寄せ合いながらの談笑だった。
顔を寄せ合った時に山口の膝や肘が知美の肘膝に接触する。瞬間であったが、知美はその度に意識した。
嫌な感じでは無い、むしろ男の体温と山口の痩せてはいるがスポーツマンの身体の堅い感触にドキドキとした。

「男の人の身体ってこんなに固かったかな?。。」知美は心の中でつぶやいた。
高校の時付き合った彼にキスされた時や、抱きしめられた時はただただビックリしてそれを感じる暇も無かった。
付き合いだして直ぐにキスされ、それから日を置かずにペッティングまでされたのが別れのきっかけだった。
知美はもっと時間を掛けて二人の仲を深めたかったし、そのままズルズルと初体験に行くのではないかと怖さを感じていた。

しかし、高校生の男の子の性欲は一途なのかそれだけしか考えられないのか、性急な求めに恐れと嫌気がさして会うのを断り続けた結果、怒って別れを告げられたときはむしろほっとしたのだった。

当時の知美はまだ意識も身体も大人ではなかったのだろう。
彼に触られるのをドギドキし恥ずかしかっただけで心地良かったとの記憶が無い。

あれから6年、少女の心と身体は立派に大人の女になっていた。
山口が話すときの息が知美の頬にかかる度に知美はウットリと感じ始めた。
そうなると肘も膝も山口の接触が心地よくなる。

知美は身体が熱くなっていた。
努めて平静を装わなければならなかった。
そのため目は潤んでいるが次第に山口の言葉に頷くだけになり言葉数が減ってしまった。
山口はその時の知美の変化を反対に取ってしまった。
話題が退屈なのか、帰りを意識しているの
かと思ったのだ。
いずれにしても今日はこの辺で店を出て、駅まで送りおとなしく別れたほうが得策だと山口は判断した。

山口が勘定を済ませ店を出た。ここでも山口は頑として知美に払わせなかった。知美は言った。「では次は私に出させてくださいね。」 「はい、次はお願いします!」大きな声で山口が言い、続けた。

「やった〜!これでまた知美さんとデートできる!!」 知美は山口の言葉に飛び上がりたかった。
嬉しくて抱きつきそうだったが、耐えて満面の笑みで答えた。


込み合った繁華街を歩くときに前から来る人にぶつかりそうになる事も度々で山口が気遣いながら言った。
「知美さん僕の腕を取って、そのほうが安全だよ。」 知美は山口の腕を胸に強く抱きしめた。

山口は知美の大胆な腕の組み方に驚いた。 知美はバストのふくらみが山口の腕に当たっても引かなかったからだ。 引くどころかしっかりと胸に腕を抱き取っている。 山口は下半身が変化してくるのを押さえられなかった。

女が好きな男の身体の堅さ力強さに驚きうっとりするのと同じく、男は女の柔らかさ、ふくよかさに感動するのである。
腕を取るということはその女のふくよかさの象徴バストの柔らかな感触が時々とはいえ男の腕に伝わるのだ。

山口は初めて知美の変化の意味が分かって来た。嫌がっていたのでも退屈していたのでも無い、知美は喜んでいたのだ! 

山口は決してウブな男では無い。一回だけの恋愛というのは知美に対する合わせ言葉で、ほんとうは女性経験も7〜8人は有る。
恋愛もダブっていた事もある。むしろ女ったらしと言えるだろう。それだけに無理強いをせず淡々と引くのと同様、ここぞという時には押しの一手が必要な女扱いのイロハは心得ていた。

見かけはあまりモテ無いタイプに見える山口だが実際は違っていた。目も一重だし男前には見えないのだが、常ににこやかな表情が女性に警戒心を持たせず安心感を持たせるのだろう。その上に女性を相手にする時には論理的にせず、四方山話、井戸端会議的な話題にも興味を示し聞き役にも徹する事が出来る男だった。

プレイボーイタイプには見えないがいつの間にか女性の心の深い位置に潜り込んでしまうというタイプの男だった。
これも一種のプレイボーイという事なのだろう。

山口の勘が、イケル、と確信出来た。 山口はわざと知美を前から来る酔客に接触する歩き方をして軽くぶつかり「ああ、危ない!知美さんもっと私にくっついて歩いて!」 と言い、知美が抱えている腕を離し、後ろに手を回し知美のウエストを抱きしめた。

すでに知美はウットリと山口のナイトぶりに酔っている。
知美はアルコールに弱い方だった。だからそれほど飲んでいない。居酒屋の水で多く薄めた酎ハイを二杯飲んだだけだ。
しかも二敗目は三分の一ほど残してある。知美の心地よい酔いは山口に対する気持ちと身体からであった。

知美はフワフワと漂いながら山口に抱かれて歩いた。 

「どう知美さん?お茶でも飲む?それとも帰る?」耳元に山口が囁いた。

「う〜ん..まだ帰りたく無い...。」 山口を見上げながら知美は頬を染めた顔で喜びに満ちておねだりするように言った。

「そう、でもちょっと酔ってるようだねえ知美さん。。」 山口はきっかけを作るための言葉を再び耳元に囁いた。

その言葉と息に知美の身体は反応する。知美はもう男を感じている女を隠すつもりは無くなっていた。
女としての慎み深い態度より、男に抱かれて歩く心地よさに酔いしれていたかった。
そして山口に「私は貴方に甘えたいし、甘えている。」と、解らせたかった。

「私酔ってないわよ〜凄くいい気分。。山口さんはどう?」 「何が?」 「気持ちよく酔えまし、た、か、?」 「もちろん知美さんと一緒だから凄く楽しいよ。」 「嬉し〜い!」 知美は酔ったフリをして首をまげ山口の胸に頭を持たせかけた。

山口は知っていた。それが女が男に酔った時の誘いのポーズだと。知美は言ったとおりあまり男遊びはしていないようだ、純情な女のぎこちなさが時々顔を出す。

山口は腰に当てていた手を上げ、髪を撫でた。髪の中まで指を入れ地肌や首筋を撫でた。女への愛撫をし始める時期だと山口は見抜いていた。

山口は駅までの途中に有るシティホテルの中に入りエレベーターで最上階のラウンジに知美を座らせた。20階に有る薄暗いムードを満たしたラウンジからの眺めは知美の目を釘付けにした。軽い飲み物を注文し山口はトイレに行くふりをしてラウンジから出て携帯を手にした。ホテルに電話し宿泊を手配した。

席に戻ると知美の隣に座り手を取り告げた。

「もっと酔ってもいいよ。ゆっくりするために部屋を確保したから。もちろん帰りたかったらキャンセルしてもいいんだよ。」
「ええ?・・・でも・・キャンセルって当日でもできるの?」 「う〜ん、、出来無いと思う、、でもいいよ、僕一人で泊まるから」 山口は笑顔で明るく言った。

知美は微笑んだだけで答えなかったが、気持ちはすでに決まっていた。朝まで一緒にいたい、と。。。


ラウンジを出る前に山口がもう一度席を立ちフロントにカギを取りに行く間、知美は酔いの心地よさから次第にこれから起こる儀式に思いが強まり、身体が緊張し始めるのを感じていた。

年齢に関係なく女にとって初めての時は怖さと期待が交錯する複雑な心理に陥る。
山口に抱かれる事を望んではいるが高校の時の乱暴なセックスをされないかと心配だった。
処女だと伝えたほうがいいのか迷う。
今時24才まで処女だったと解るのが恥ずかしかった。
恋愛経験が有ると伝えてあるので処女では無いと思っているだろう。
伝えれば優しくしてくれるかもしれないが伝えなければ普通のセックスをするだろう。
知美の不安はつきなかった。

知美は次第に夢の世界から現実に戻り、山口が戻って来た頃には顔色さえも変わっていた。
落ち着かなくなった。エレベーターに乗った頃は山口の言葉一つにも態度にもぎこちない反応をしてしまう。

部屋に入り窓からの景色が目に入った瞬間だけ知美のぎこちなさが消えた。

二人で窓側に立ち暫く夜景を眺める。山口が知美の肩に回した手に力を入れ知美を引き寄せる正面に向き合う前から知美は目を閉じていた。肩を抱きしめられた時から恥ずかしくて目を開けていられなかった。

山口の唇が合わさる。知美の両手は下がったまま小刻みに震えていた。
唇があわせられなぞられる。
山口の手が背中と腰に添えられた。
バストと胸が合わさる。
歯の隙間を山口の舌がこじ開け知美の舌に絡まってくる。
知美は喘いだ。

息が荒くなりキスの刺激なのか山口の全身を撫でる刺激なのか知美は足腰の力が抜けてしまい腰が落ちてしまいそうになった。 震えは身体全体にまで広がっている。

初めて抱く女を思うように料理する。一挙手一投足を観察しその反応を楽しむ。男の次々に繰り出す愛撫刺激の一つ一つに詰めた声が漏れ、ため息が混ざり、艶声が上がり、身体が反応する。 プレイボーイの成果ののろしが上がり始める最も充実したひとときで有る。
この時の為に男はマメにもなり、耐えもし、仕事以上の神経と努力を積み重ねてきたのだ。

山口の手がヒップから前に移動しスカートの上から知美の下半身のふくらみを押さえた。 「・・・!・・」 声にならない呻きをあげた知美は腰を引き言った「お願いシャワーを浴びさせて。。」 山口は優しく言った「そうだね、先に入ってらっしゃい、待ってるよ。」



月曜午後三時過ぎ、知美は駅から家までの間下半身に少し痛みを感じながら歩いている。
ドアを開けて家に入った知美はまっすぐベッドに向かい仰向けに倒れ込んだ。疲れていた。
ロストバージンという女にとって一生に一度の儀式を終えたせいもあるが疲れはそれだけでは無かった。

幸せなロストバージンだったのだから、それだけなら未だに夢の中に漂えているはずだ。
疲れが倍加したのは灰色の雲が知美の心に広がり始めたせいだった。

今朝二人とも会社に電話して風邪を理由に会社を休んだのだが電話の後、山口が求めてきて知美は喜んで迎え入れた。痛みに耐えながら。
知美の夢の世界はそのときがピークで、それから徐々に地上に降ろされたような気がした。

痛みに必死に耐えている知美の中に男のエネルギーを放出した山口だったが、夢の中に漂っていられたのもそれまでだった。ゴムはつけてくれたのでその事での心配では無い。

昨夜のロストバージンの後恥ずかしがって子猫のようにシーツにくるまり丸くなっている知美を山口は優しく抱きしめ腕を首の下に潜り込ませ腕枕をし胸に抱いてくれた。知美は嬉しくて幸せに涙ぐんだ。

何故涙が出るか解らなかった、幸せかと聞かれればそうなのだろう。
理由を聞かれるとこれだと答えにくい。
女の涙は理屈ではない、体質なのだ。

結局知美はバージンという事を山口に言えず痛みに必死に耐えての初体験だった。
その瞬間は身体が裂けるかと思ったが必死に耐えた。終わった後に山口がシャワーを浴びている間シーツを見たが痛みほどの出血は無かったようで少しシーツが赤く滲んでいる程度だった。

濡らしたバスタオルで擦ったが思ったほど消し去る事は出来無かった。
山口が早漏に近いほど早くイッタから出血が少なかったのかもしれないが知美にはそれが早いか遅いかはまだ解らない。

朝のセックスの後から山口は淡々としているように知美は感じた。
昨夜ほどの包み込むような雰囲気が無くなっている。
夜の濃密な時を迎える恋人達と朝の気分は太陽と月の如く雰囲気も違って当然なのかと知美は思うようにした。

10時過ぎにホテルを出て、どこに行く当てもなくブラブラと歩き駅まで行った。道行くサラリーマンやOLは全て二人と違和感が有る。
オシャレに決めた知美とラフな服装の山口は月曜の昼の勤め人の街からは浮いていた。


山口は昨日に比べると口数も少なかった。
冷たいかというとそうでもない。知美の話しかけにきちんと答える時も昨日と同じく笑顔だった。 
山口も知美に話しかけてくる、しかし、あまり会話は続かない。

聞く、答える、それだけで終わってしまう。昨日はもっと話のやり取りが続いたように思う。
何故山口はあのあと家に連れて行ってくれなかったのだろうと天井を見つめたり目を瞑ったりしながら知美は思った。
知美の家に行きたいと言ったとしても知美は喜んで迎えるつもりだった。

夜には山口の為に夕食も作っただろう。
恋人に料理を作る時ほど女の幸せを実感できるものは無い。昨夜の幸せが大きすぎただけに一人で過ごすワンルームの寂しさ空虚さは知美にはきつかった。せっかく手にした幸せが指の間から滑り落ちてしまう不安を感じた。

その夜遅くチャットに山口は来てくれた。12時近くになっていた。知美は待っている間に余程電話で誘おうかと思ったが、浅ましいようで必死に耐えて山口がチャットに入ってくるのを待っていた。風呂も慌てて出て、食事も食べ残しだけをテーブルに持って行き食べながらパソコンを見つめ続けた。

昨日までの知美は何人もの男を従え、皆から求められ囲まれるヒロインだった。

今の知美は一人の男だけを思い続け、一本の頼りない糸の先に希望を求め描く、か弱き女だった。

山口は8分ほどで仕事をしなければならないと言ってチャットを切った。
男だしドタ休の後だから仕事の残りや前もってしなければいけない事も有るだろう。
知美はそう思い込むようにした。

OLの知美に家に持ち帰ってまでする仕事は無い。
知美は言いようのない寂しさに襲われた。
昨日までの知美の充実感は何だったのだろう。。。

幸せなロストバージンもした。
恋人も出来た。
なのに何故寂しさを感じるのだろう。。

その時チャットに大石が入って来た。
知美はマウスを慌てて掴んだ。

「こんばんは、アキコさん久しぶり」 「こんばんは大石さんお久しぶりです」 「日曜日どうしてたの?忙しかった?」 「ええ、友達と映画を見に行ったりして過ごしました」 「ああ、あれね、どう楽しかった?」 「ええ、楽しかったわよ〜!最後にはちょっと涙ぐんだけど。。」 「そう、それじゃあ、かなりいい映画だったんだ。今度ビデオででも見ようかな。」 「そういえば忙しくて映画に行けないって言ってましたよねえ。。是非見てくださいね。お薦めできる映画だと思います。」

その夜の知美の寂しさは大石が埋めてくれた。。。

知美の寂しさの原因は初めて手にした幸福の幸せ度が激しくて、激しいだけにそれを失うかもしれない小さな不幸に鋭敏になっているからだった。大勢に囲まれ求められる贅沢に慣れた者がそれを失いそうな時の、落胆も有る。 大石がチャットに入って来てくれたおかげでその日の寂しさを十分に埋める事ができはしたが。。。

恋愛の基本、人の心の結びつきは相手主体の思考と行動である。

知美は相手がいない寂しさを他の男で埋めてしまった。
人は耐えることで学び、努力する事でレベルアップする。
愛されたいなら、それ以上に愛さねばならない。
それが恋の愛の基本である。

女として大事な事、一人の男に愛される為の努力と忍耐を放棄してしまった事に知美は気づかない。
メルトモ症候群という大きな病魔が知美を蝕み始めていた。



知美はどうして山口の態度が変わったのかが気になっていた。
「私の女の身体に魅力が無かったのだろうか?」 
「セックステクニックが悪かったのだろうか?」と真剣に考えた。

他には「殆ど受け答えだけで終始した私に物足りなさを感じたのだろうか?」
「デート代の全てを負担してもらった事だろうか?でもホテル代以外は割り勘にと私は言ったし。。。」

あれこれ考えても答えを出す事は出来なかった。
女として満たされた幸せな夢の一夜は今では不安の影で覆われてしまっている。

それ以後も山口とのチャットの間隔は変わりは無かった。
時々直ぐに終わる事が有る事を除いては。。。

知美はあまり考えないようにしていた。自分自身が夢見心地で過ごしすぎたとも思えるし、山口にしても男女が付き合う事になるセックスまでの熱心さでありそれからは普通になるのが男性なのだろうと思い込むようにした。

そう思う事は逃げでは有るにしても少しは気が楽になる。

山口に誘われてから会うまでは義彦と大石とのチャットは早々に済ませるようになっていたのだが、それからは二人とのチャットも時間と回数が増えていった。

山口と付き合うようになって一ヶ月が過ぎていた。あれからもデートは頻繁にしている。週に一〜二回は逢う。
逢えば必ず山口はホテルに誘った。二回目からはラブホテルでは有ったが。


それでも知美は嬉しいし楽しかった。セックスの刺激快感も上向いて来たように思う。組み敷かれ、抱かれ、身体が一つに成る幸せは女として生まれてきた幸せを感じさせてくれた。男の身体に酔えた。 山口のその時の時間の短さに物足りなさを感じるのを除いては。。。

山口は俗に言う早漏なのだろうと知美は薄々気づいていた。ただ、山口は早漏の欠点を補う為に前戯に時間を掛けてくれた。それが知美は嬉しかった。ベッドに入ってから最初の20分近くは傅かれるお姫様になれるのだった。

男が自分を酔わせて快感にただよわせる為に、身体で、手で、舌で、奉仕してくれる、ナイトの奉仕の快感に翻弄されるのが好きだった。最初は恥ずかしくて山口がそれをしようと足を広げうずくまった時には悲鳴を上げて手で覆ってしまった。それも今ではケロリと忘れ気配を感ずるだけで自ら身体を大きく開いてしまう。

必死で声を出すのを押しとどめる。声を出すのを止めないと叫んでしまう。喜びの悲鳴を上げてしまう。大きな声を出すのはまだ恥ずかしかった。それも時間の問題だろう。

ただ、不思議なのは山口は知美の身体の中でゴムに放出してしまった後は、直ぐに淡々となってしまう。
言葉数も少なくなる。それからは直ぐにホテルを出て駅に向かい別れとなる。

知美は山口とのデート前には朝から身体が疼き、山口が放出するまでは夢に漂い。それ以後は寂しい帰り道となる。

デートの後の駅から家までの帰り道を一人で歩く寂しさに涙ぐむ事さえ有る。

そんな思いの続いた知美はいつしかデートの夜には義彦と大石のどちらかに前もってチャットを予約する。

駅を出て数分後にはその夜のチャット相手の携帯にメールをする。「残業の後に友達と食事して今やっと帰り道です。もうすぐしたらチャットしてもらえますか?」 家にたどり着く前にはメールが届く。

「今風呂から上がったところだから髪を乾かしたらすぐにオンするよ!」知美はこうして山口と逢っていないときの寂しさを義彦と大石のどちからで埋め合わせするようになっていた。

ある時分から二人にもデートの誘いを熱心に受けるようになっていた。
メールやチャットをし始めて2〜3ヶ月も過ぎれば男からは当然直接会おうと誘いが来る。
それ以上メールやチャットだけの女ならばさっさと諦めて次に的を絞るのがましだと男は解っている。

知美にしても山口が身体だけを知美に求めているようなデートの仕方に不信を持ちはじめていたので徐々にでは有るが気持ちのシフトを義彦と大石に向け始めていた。

知美は二人のデートの申し出に答えた。 最初に義彦次に大石だった。義彦が強く好きだったからではない、義彦が熱心に口説いたからで大石は紳士的なだけに余裕を持った誘いをしたからだ。

義彦とも最初のデートでホテルに行った。メール交換や音声チャットで十分にその気になっていた。
ラブホテルだった。山口と一緒で日曜日映画を見て食事とお酒を飲んでからホテルに行った。
セックスはヘタでは無かったが力強さが有りすぎ知美には乱暴なセックスに感じた。
その分刺激的ではあったが。。


大石は真面目なタイプだったから最初のデートでは誘わず、二度目のデートでホテルに行く事になった。
二度目の時の土曜日のデートはシティホテルを予約してあったので朝まで一緒だった。
大石のセックスは性格と一緒でおとなしく優しかった。前戯もほどほどセックスも長くはなかったがそれなりに感じさせてくれた。

大石が最も知美を喜ばせたのは大石の家に招待してくれた事で、知美は初めて男の家に入ったのだが、そうした大石の真面目で誠実なところが嬉しかった。

大石の性格らしくワンルームの部屋はきちんと整頓されている。
男の部屋だけにオーディオやテレビやパソコンが部屋に存在感を出している。
冷蔵庫は知美のような大きなものではなかった。

お茶を飲み、テレビを見、談笑し、それなりに時間がゆっくりと流れた。駅から大石の部屋に向かうときの話で夕ご飯を知美が作る事になっていたので近くのスーパーに寄り簡単な材料は買って有る。

6時頃から知美は台所に立った。男の独り身らしく鍋も食器も少ないので苦労しながら簡単な夕食を作った。

作りながらも時々後ろを振り向くとテレビを見ているようでちらちらと知美を見ている大石と目が合った。
大石は嬉しそうだった。その度に嬉しそうに顔をほころばせた。大石の嬉しそうな顔が知美も嬉しかった。

食べながら大石が言った。

「いつもコンビニやスーパーのできあがりの材料や弁当なのでこうして手作りの料理を食べられるとは感激だなあ。
嬉しくなって知美は直ぐに返事を返す。

「私で良かったら時々はお料理を作りに来てあげましょうか?
大石は目を丸くした。

「いいの!?嬉しいなあ〜!是非そうしてください。」 大石は本当に嬉しそうだった。

知美も嬉しかった。ようやく心も繋がった恋人が出来た思いだった。

その夜は夕食の後かたづけをした後、暫くして抱き合い愛し合い、そのままうたた寝をしてしまい終電が無くなり結局は大石の部屋に泊まって朝二人で出勤する事となった。

朝食はトーストとコーヒーで済ませた。それでも大石は起きて顔を洗うだけで朝食が準備されているのを感激して喜んでくれた。駅まで連れだって歩くときには二人とも新婚気分だった。 

しかし、大石の来週土曜日のデートの誘いを知美は直ぐに返事をするのを口ごもってしまった。
山口の誘いが有るかも知れないからだった。

知美は迷っていた。山口も義彦もデートが楽しい。セックスもそれぞれの刺激が有る。しかし、二人にはセックスフレンド扱いとしての感じがぬぐえない。

大石はきちんと正面から向かってくれているような気がする。真面目だし、、しかし、その真面目さが物足りない。おそらく大石と付き合い続けてもあのままの感じが長く続くだろう。落ち着いて安定して心配する事は無い、、しかし、刺激的では無い。。。

結局知美の取った行動は山口からデートの誘いが無いときに大石を誘い、二人が仕事で忙しい時には義彦と逢うようにした。大石には罪悪感が有ったが他の二人にはそれほど感じなかった。 

知美のメル友症候群に因る恋愛感覚のズレは深まるばかりだ。


知美がメル友にはまり込んで4ヶ月が経った頃、知美の最も心地よい三股関係が壊れる時が来た。

大石は知美と真剣に結婚を考えだしていた。 最初はメル友としての出会いが結婚への障害だった。しかし、今は気持ちにも身体にも知美が入り込んでしまい恋人して女として十分な満足を得ていたし知美を手放すことは考えられなくなってしまっていた。

そうなれば出会い系でのスタートなどもうどうでも良くなってしまった。例え出会いがどうであろうと互いに気持ちだと思った。知美は何度も家にまで来てくれかいがいしく世話を焼いてくれる。家庭的なところも十分に奥さん向きだと思える。

しかし、大石にはまだ一部分知美に対する迷いが有る。他に男がいる気配が捨てきれないのだ。どこがどうと言えるようなものではなかったが、ふとした時に知美の背後に他の男を感じる事が有った。

以前に比べアエギ声の質が変わったし、大胆なポーズも自らするようになった。それはそれで刺激的で楽しいことではあったが大石がそれを仕込んだものでは無く、知美自身からの積極的な行動なのが気になっていた。男を感じるのはメル友からのスタートだったから、それは今では小さいとはいえ拭えない不信に繋がってしまう。

結婚を前提として付き合って欲しいと言うのを躊躇させたのは知美の携帯メールの多さだった。デートの時も始終着信音がした。最初の頃は今時の女性なのだから同性の友達とも頻繁にやり取りが有るのだろうと思っていた。 ある時知美に聞いた「友達から用事?」 「え?ええ、そう。。」 「そう。。」 それだけの会話だったがかすかにその時に不信感が芽生えてしまっていた。

大石の不信感を余計つのらせたのはその後のデートの時だった。知美の携帯の着信が殆ど鳴らなくなったのだ。

聞くと「デート中にジャマされたくないからマナーモードにした。」という。その言葉は嬉しかったが、それ以来知美のトイレに行く回数が増えたような気がする。

しかし、疑い出せばきりのない事である。
それからは大石は気にしないように心がけたのだったが、ある時知美がシャワーを浴びているときに携帯が光った。マナーモードにしてあっても小さな点滅光でメールや電話の着信を知らせるようになっている。

大石は携帯を手にして開けた。男の名前のメール着信だった。閉じてテーブルに戻した。直ぐにまた点滅したので手に取り開けた。また男からのメールだった。名前は違っていた。

その事が有った二週間後、大石は知美の家に泊まりに行ったときに知美のシャワー直前に切り出した。
「調べものがあるのでインターネットにアクセスさせてくれるかな?」 「いいわよ。」知美は明るく言ってバスルームに消えた。

大石は直ぐにアウトルックエキスプレスを開けた。大石以外のメールは無かった。安心した。
続けてヤフーのメッセンジャーを開けた。ここにも男名前は無かった。

知美は家には大石だけしか入れていない。他の二人が知美の家に行きたいと言っても隣に会社の娘が住んでいるからと言い訳をして断っていた。山口は両親が近くにいるからと言い、義彦は寮だから呼べないと言っていた。

だから、知美も二人を呼ばなかった。大石の為にも他の男を家に連れてくるのははばかられた。せめてもの知美の大石に対する誠意だった。それで許されるものではないのだろうが。。


だから大石がパソコンを見ることが有っても大石以外のメル友男達のメールは解らないようにブラウザでしか見ずにそのメールはハードに保存してあった。

大石は今度はCドライブを開けた。色々なフォルダが有る。各種と書いてあるフォルダを開けた。一つ一つ開ける暇は無い。フォルダを見渡して、見当をつけて開いてみた。一つのフォルダの中に頭文字が二つだけのフォルダが10個ほど有るのを見つけた。

大石の心臓がドキンと波打った。
開けてみた。
それは山口と義彦と他にも5〜6人のメル友男達のメールの記録だった。

その夜の大石はタチが悪くイケずに終わった。 
知美は「疲れているのでしょう」と気遣いの言葉を言い、大石の気持ちは気づかれずに終える事が出来たようだ。


波風は次々に他にまで影響を及ぼす。その日を境に大石の顔からデートの間も明るさが消えた。大石はおとなしい性格だった。そして潔癖さも持っていた。知美との結婚はもう諦めていた。あまり恋愛経験の無い大石にとってせっかく手に入れた恋愛でも二股をかける女性と結婚するわけにはゆかない。

最初の頃は仕事で疲れているのだろうと思っていた知美だったが、だんだんと大石の態度がおかしいと気づきはじめていた。 山口や義彦のようにセックスが終わった後にあからさまにサバサバとした態度とは違ったが、知美の一言一言に以前のような喜んだ顔の答えが返ってこないし、デートも嬉しそうでは無かった。

その気持ちを紛らわすように知美は山口とデートする機会を多くした。

山口はいつもどおりはつらつとしている。いつものように飲んでセックス、奉仕のセックス、知美の全身を撫で回しキスをする。

知美は山口の愛撫の途中に泣き出した。

それを山口は快感の渦に極まったからだと解釈し、その後のセックスでは珍しく強いピストンをした。
そのぶん射精は早まってしまったが。。

その日はラブホテルから出て駅までの間山口以上に無口な知美だった。
山口は何故知美が無口なのか解らなかったが知美の涙をみた後だけにそんな事は気にも止めなかった。

義彦に抱かれた時の知美はもっと悲惨だった。愛撫されても前ほど感じないのだ。いつもは刺激的な乱暴なセックスも痛みを強く感じる。途中で「ゴメン、痛い。。」とはっきり伝え中止してもらった。

何だかんだと聞いてきた義彦には「ごめんね、身体の調子が悪いみたい。。」と言って誤魔化した。

パソコンの中を覗いた事が泥棒と同じ汚れた行為をした自身への責めとなり真面目な大石を追いつめていた。
嫉妬は人の性質も歪めてしまう、それほどに性の影響は人の行動に影響を与える。
大石は堅い性格だけに潔癖なだけに錯綜するごとに落ち込んで行った。

大石はいつ別れを切り出そうか迷っていた。二股も三股もかける女なのだから言えば直ぐにも別れてくれるだろう。
二股かけていた知美には未練は少ない。

しかし、別れるには恋人を直ぐに見つけられそうもない真面目な大石には辛い。
放出しなければならない仕組みの身体を持った男にとってセックスの確保が有るのと無いのでは天国と地獄の差だ。

女が恋人を失う事は少しの身体の飢えと多大な心の飢餓に繋がり、男に恋人が無いことは極僅かな心の寂しさであり耐えられない身体の飢えになる。両者ともその喪失は生きるか死ぬかの影響を受けてしまう。

大石が別れを言い出しにくかったのはその事も原因だった。
大石も真面目とはいえ男の身体を持っている。

知美が二股かけるのなら、それもいいではないかと納得しようとした。
こちらもセックスフレンドと思えばいい。
しかし、それは大石の真面目な性格が許さなかった。

ついに大石は決心した。
直接目の前にしては言い出しにくく、チャットで話し始めた。

「実は、、田舎の両親が見合いを言い出してね。で、年も年だし断り切れないし、、、見合いをするんだよ。で、君と付き合ってるのに見合う事を隠すのは嫌だし、最初から言おうと思ってね。君もまだ結婚願望は無いようだし、ね。。。」
「そう、結婚するの。。」 「いや結婚じゃなくて見合いだよ。。」 「ええ、そうね、、お見合い、、いいなあ、、私も見合いをしてみたい。。」知美は最後は涙声になった。

大石がいつかは別れを言い出すのではないかと知美は解っていた。
最近の大石は知美と逢っても楽しさを見せなかったし、ふさぎ込んでいた。
私のどこかが気に入らなくなったのだろうと思っていた。

だから見合いの話で納得した。
大石なりに私と見合いの女性を天秤に掛けていたのだろう。
もしかするともう見合いをしているのかもしれないと思った。


もしも知美は大石に結婚を申し込まれたら受けていたただろうかと考えた事もある。
知美は大石との結婚に自信が無かった。知美自身にも誰が好きか、誰となら結婚したいのか良く解らなかったのだ。
プロポーズされても即答できるほど大石に惚れている訳ではなかった。大石を誠実で真面目で結婚向きの男だとは思っていたが。。

もしも知美が普通の出会いをしたのなら大石は結婚相手として申し分無かっただろう。大石一人を見続けただろう。
大石となら平凡でも安定した結婚生活を送れるだろうと思う。

しかし、知美が大石と出会った時はすでに何人もの男を選べる立場であった。常に男の色々な面を比べて見るのが普通になっていた。知美の女である優柔不断さがなおさらにそれを増幅させた。複数の男を吟味し選択し、一人に決断するのを迷うのは甘美な贅沢に酔える事だから、、。

メール交換がスタートした時は「私はこの中の誰かと結婚するかもしれない。。大恋愛の末に。。」と考えそれに陶酔した事もあった。

ところが直ぐに求められセックスをし快感に悶えると、それぞれの男のセックスの違いを見比べているうちに特別に選ぶほどの差が有るわけでもなく、何を基準に恋愛なのか何で結婚する気になるのかの基準や節目がぼやけてしまう。

女は迷うのが好きなのではないかと男には思える。

好き、ではないのだろうが、何故か迷いの分析も、分析したとしても、選択への決断もしたがらない。あれを取ればこちらが少なくなる、こちらを取ればあれが損する。と悩む。最善の選択は常に一つなのに。。

何故そうなるのか。それは、全てを欲しがるからだ。何かを得る為には何かを捨てねばならない。それが世の鉄則である。


人生において選択の連続で常に決断を迫られ、その結果の責任を負って生き続けている男には決断は普通の事であっても、それをせずに生かされて来た遺伝子を持つ女には複数の男を得る事によりその男の良さも至らなさも突出したりぼやけたりして真の姿が見えなくなるようだ。

女は一人の男を愛し尽くしたほうが幸せに成れる、と言われる故である。

以前と違って全く退屈する土日は無くなった。その意味で知美は充実していた。 しかし、どこかに醒めた自分が出来てしまっていた
心にも真からの充実は得られなかった。


三人の男を醒めて見ている自分がいる。それぞれの男の魅力を冷静にとまではいかないまでも比べている自分がいる。知美はそれが普通の感覚の女になっていた。

メル友症候群の末期症状である。


知美は会社の後輩の今年の新入生が嬉しそうに報告しに来た時の言葉を思い出す。

「甲斐さん、私秋に結婚するんです。今課長に報告しました。」「え?就職したばかりでしょう?結婚前もって決めてなかったの?」 「あの、出来ちゃった結婚なんです。お腹が大きくならない内にと思って」「そう、おめでとう!でも子供が出来たからってそれだけで結婚を決めていいの?」「だって私彼の事大好きなんですもん、早まって嬉しくって!なんですよ〜♪」 

一ヶ月前あの子が昼休みに言った言葉に知美は何故か背中が泡立つような焦りを覚えた事が有る。

「彼が好きで好きでたまらない。彼の事を考えるだけで涙が出そう。彼以外の人との結婚など全然考えられない。」「彼以外の人の指が触れるのを想像するだけでもイヤ!」

そこまで言い切り一人の男に惚れ抜く後輩に、知美は自身を恥じる事無く嫉妬しする故に、その裏を考えてしまった。

この子は彼の、男の、裏を、本心をしっているのだろうか。
こんなに夢中になっているのに、この子の彼はこの子に同じくらい夢中になっているのだろうか?。
そうはっきりと確信を持てているのだろうか。
いつまでその熱を続けていられるものなのか。

知美はいつしか男を醒めた目で見る女になっていた。

たしかに恋は儚いとも、脆いとも言える。永遠に続く愛も少ないだろう。しかし、例え一時であろうと後輩のように気が狂うほどの恋を愛を心で肌で感じる事がこの先知美にあり得るだろうか。

メル友症候群に陥ってしまった知美がそう思えるようになるには本当の恋の素晴らしさを、愛の尊さを教えてくれる男が現れない限り難しいだろう。

しかし、、、、身も心も熱くさせられ、愛を捧げたくなるような男が今の知美に恋するだろうか?愛で包むだろうか。

メル友症候群に陥った女に限らない、アッシーだメッシーだと色気で男を周囲に侍らせ「男は年収何百万以上でないと!」等と臆面も無く言う女に女を惚れさせるだけの力量が有る男が惚れるだろうか?

そんな事はあり得ない。
その程度の女にはその程度のレベルの男しか近づかないものだし、仮に近づいたとしても性欲処理にしか利用しない。
それが男というものだ。


一週間後、知美は再び出会い系のホームページに書き込んだ。 今度は堂々と恋人募集欄に、、、、次の男を捜して。。。。

知美が気に入る男は直ぐに見つかるだろう。
直ぐにデートが出来るだろう。
直ぐに快感は得られるだろう。
そして、、その後は、、また、、、、、、。


*********************************************************

あとがき

出会い系に申し込む男の全てがまともな恋愛をしないとは思いません。

テレクラで出会って結婚したカップルも実際に有ります。

メル友から結婚して幸せになったカップルも少しはいるでしょう。

しかし、出会い系での恋愛は何故か普通の恋愛とはるかにかけ離れた行動を女性が取ってしまいがちです。

その原因は文中にも記しておりますが、普通ではあり得ない安易な交際となりがちな要因が出会い系には有るからです。

例えばメル友に関して言えば、男は実に楽です。一回送ったメールの中に甘言葉やセレナーデを奏でてあれば、少なくとも一週間はそれを毎日何度もリピートし続けてくれてくれるからです。それを時々繰り返すだけで女性は勝手に相思相愛の天国の恋愛に夢見て舞い上がってくれるからです。最も男に必要な資質、責任感を持つ男かどうか、男の普段の行動の観察で確かめるという恋愛に入る前の基本確認を一切する事無しに。。。

身元が知られていない男の性は女性が思うほど優しくは有りません。
個人特定が出来なければどのような無責任行為も可能です。
二度と逢わなければ良いのですから。

男の女性への愛の入り口は(本質)は性欲の消化に有ります。
それが男です。本質的に男と女の性は違うのです。

性の獲得の後にそれからもその女性を確保しておきたいほど魅力が有るなら、その時点から愛で包むことで恋人確保の延長を得ようとするでしょう。しかし、無ければそれでオサラバです。男の愛の行方はそのような経過を辿ります。

故に、女性は恋愛に入る前に、身体の関係を持つまでに、男性へのしっかりとした身元確認と性格性質確認をしなければなりません。それが出来ていなければ受け身の性を持つ女性が多く傷つくこと必至です。

そして身体の関係に入って以後も、男性への日頃の行動をしっかりと観察し続け無ければなりません。

、出会い系のトラブルは事件性を帯びた被害を女性にもたらせるだけでは無く、女性の心にまで深く及ぼす、心の病 【贅沢病、勘違い疾患、次々病、etc.,&c.】それらがどれだけ女性の心を蝕み、女性の素養魅力を削いでしまい、心に暗い影を染みつかせてしまうか、経験者の女性の事例がそれを示せると思え、実話を個人特定の部分を避けて小説として掲載しました。

この物語が安易に出会い系を利用する女性への、ささやかな警鐘となれば幸いです。

funwaka小説 メル友症候群 の読後感想、お待ちしております。



読者の便り

03.9.30

こんにちはfunwakaさん。 麗蘭です。

一気に書き上げたと仰るfunwakaさんにつられ、私も一気に読んでしまいました。
感情の揺れ動く様が濃縮されていて、すごいボリュームでした。


まるで全てが実在するかのような息遣いを感じます、それはきっと、多分、違う名前で何処かに存在しているのからなのでしょうね。

funwakaさんじゃなきゃここまでリアルに記すことは出来ないでしょう。男女ともに描写が細かく、驚くどころかコワイくらいです。これまでの恋愛経験の豊富さや、相手を気遣い思い遣るこころのあり方や、それから、そういった類の相談事の全てに、真剣に向き合ってこられたfunwakaさんだからこそお見通しの世界なんじゃないかな、と感じました。


正直に言うと、読後には私も痛い部分があって、反省しきりです。
違う名前で何処かに存在しているなんて、本当は私の中なんだろうって、深く刺さるようです。もっと、書きたい言葉が浮かんでくるけれど‥、なんだかもう、へこみモードに突入‥ごめんなさい‥。

funwakaさん、いろんなことに気付かせて頂きました、ありがとうございます。今夜はあと何度か、この文庫をリピートするかもしれません。
そこからまた、funwaka語録をしっかりと心に留めたいと思います。
今日は本当にありがとうございました。


初めまして、OOOと申します。
昨日、とある項目の検索からfunwakaさんのHPに辿り着きました。

いくつかのページ(初体験、文庫)に目を通しましたが、30目前にして恋愛(交際)経験すら無い私にはまだその内容はピンとこない感じでした。でも、本日upされた『メル友症候群』を読んで…「…やっぱりそうなのかな、私も。」って思いました。

少し甘い言葉のメールを何度も読み返し、そして勘違い?思い込み…?思い当たる事が多数でした。某アーティストのファンサイトの掲示板、オフ会で知り合った人なんですけど。。ちょうど今、この事で悩んでいてもうどうしていいか分らないところでした。こんなまとまりのない文章を書いていることで、まだまだ自分自身に問題ありなのはお解りでしょうが(苦笑

それでもメールしたのは、funwakaさんのお話を読んだことで、これを機に落着いて考えてみようと思えた事を伝えたかったからです。
ちゃんとできるか分らないですが。これ以上は感想文と言うより相談、身の上話になってしまうのでこの辺りで。
HPの方はこれから少しずつ、読んでいきます。
こんにちはfunwakaです。

> でも、本日upされた『メル友症候群』を読んで…
> 「…やっぱりそうなのかな、私も。」って思いました。
> ちょうど今、この事で悩んでいてもうどうしていいか分らないところでした。

う〜ん、、ユートピアの2番4番6番8番9番11番12番、そしてmomiziもですが、、たぶん貴女も同じでしょう。
何故か思春期の頃に気になる男の子がいても積極的な表情(笑顔がイッパイとか)や行動を表に出せないのですよねえ。。
性質的に、厳格、真面目、おとなしい、いいこ、、等色々と有るのでしょうが。。。
家庭的な問題も有ります。

いずれにしても25才頃までに年相応にの異性に対する行動を起こせないのは何かに問題が有るのでしょうねえ。。。
宜しければそのへんの事をお話ししてください。

件名  痛いっ、射たたっ。

このように胸が苦しいのは、処々若かりしの自分の恋愛を思い出して文章を読ませていただいたから。ノンフィクションの一人の女性の経験といえど、メル友に限らず、このような恋愛を繰り返し、虚無感でいっぱいの女性は実は多いのではないでしょうか。

初めまして、OOOOOと申します。以前から、このサイトを拝見させていただいておりましたファンです。

私は、十代の頃、三ヶ月ばかり家庭教師の男性と恋愛に陥り、(少なくとも私にとっては処女を喪失した本当の恋愛だった)実際はお金を貢ぎ、精力の捌け口になっていたということが、大ショックで、その後、容易いセックスで始まった男性との恋愛を二年続け、できちゃった結婚をしたのですが、相手の借金問題が浮上、すぐに失踪され、ようやく一昨年離婚でき小学校四年の娘と生活している者です。

ひどい馬鹿者ですねえ、自分の経歴を文章にしてみても、笑。結婚していて同居していたのは一年あまりだったでしょうか。夫が失踪している間、とても真面目で、実力もある、誠実な男性と恋愛もしたのですが、自分には不似合いなような気がして、彼の縁の下の力持ち、懐刀にはなれないと身を引きました。

その経験もこの文章を読んでズッシリこたえました。彼はきっと、夫が失踪していたとはいえ、不倫している自分の立場と私を許せなかったでしょう。彼は大石のように真面目なだけに潔癖な人だったから。

先日産婦人科のお医者様とこのような会話をしました。
先生:「あなたもっと若いときに、ちゃんとした大学出の若い人と結婚してればよかったんだよ。家柄がしっかりしている家に嫁ぐのは、初めはちゃんと人をみるから辛いけど、結婚しちゃえば、離婚したら恥もあるし、お金も持っていかれるしね、余裕あるから家の中で大事にしてくれるんだよ。反面、学歴のない貧しい家に嫁いじゃうとね、お金ないし、ここぞとばかりに馬車馬のように働かされるわ、失うものがないから大事にされないんだよ。」

私:「はあ、そうですね。次回は頑張ります。」先生:「駄目。もう、その年じゃ遅いの!若いだけで、男は惚れてくれるんだけどね。君はこれから何したらいいと思う?」私:「???」先生:「趣味を持ってハツラツとしていなさい!」 

若い時の私なら、「そんなお金なんて問題じゃないです。」とか、「家柄じゃなくて、彼が好きだからいいんです。」「趣味?恋愛そのもののほうが大事だわ。」なんて、思考パターンだったでしょう。実際、世間知らずで、男性の見分けもできずに若気の至りで、娘を母子家庭にしてしまった、今このような人生を送ってきたのですし。

この産婦人科のお祖父ちゃん先生は、数々の駄目カップルの創った尊い命を処理、母体を優先、保護もしますが、その行く末も検診というカタチで見守っており、また産婦人科と併設して保育園を作り、核家族でも安心して子供をあずけてお産、育児ができるよう尽力されているというお方です。

そこで長いことお仕事されて主に女性の人生に関わることになり、男性との思考回路の違いや、性格別、環境別、家柄別など系統立てた見識が生まれ、そのうちにハッキリと患者さん個人の問題が見えてくるのでしょうね。そう、まるでこのサイトを運営しているfunwakaさんのように。先生と何気ないない会話でしたけれど、ああ、私の人生の的を突いてると、自宅に戻って言葉の意味を反芻していました。そう、女性はなんにせよ、反芻する生き物、リピート種族なんです、笑。

私もようやく子供の手が離れてきて、今の本当の自分はまたまだ見えていないのかもしれないけれど、若い女性の言い知れぬ恋愛に対する将来の不安や、男の人に求める甚だしく見当違いな期待を少しは察することができ、自分の愚かな人生の問題点もガックリするほど見えてきました。少しは判断力がついてきたのでしょうか。

ただ、こうも感じるんです。あんなに愚かな判断力しかない、若い自分だったけれど、今より数段きれいだった結婚前の自分。今、戻れるものなら、戻りたいか。いや、絶対戻りたくない。やり直したくはない。実は、そのぐらい精神的には若い頃のほうが、紆余曲折で辛かったんです。虚無感と同時に、渦巻くような不安。そして結果、男の人との恋愛にすがってしまった。

funwakaさんの若い女性に対する問題の指摘と投げ掛けの今回の文章は、必読に値します!まず、内容が具体的でわかりやすいし。出会い系の末路のお話しでしたが、普段の生活でも、若い時は美しく多くの男性が自分に関心を持つのだから、その時にこそ判断力を持って賢いお付き合いをするべきですよね。

若い頃は人生経験もないし、意味もなく壁にぶち当たるようなことが多くとても辛さを感じるし、またそれとは逆に、全く考えられないほどの安易な行動をとるときがある。そして、解決方法もわからないうちに虚無感が襲ってきて日常の身近な恋愛、セックスという手慰みに、ついつい救いを求めてしまう!人間て弱いですね。

どんなに賢い人でも、若い時は、なにかしら思い当たるフシがあると思うのですけど、でも気づいたときに自分が変われば、いつでも本質を見据えることができますよ。恋愛は相手と自分の関係をしっかり築いて、溺れるくらい気持ちの良いセックスをする。これこそがやっぱり、サイコ―。”なんとなくのセックス”に溺れてしまうのは空しいばかりです、特に、女性は。本当に数年間の輝かしい人生を棒に振ります!
funwakaさんのサイトで問題の本質を勉強してゆきましょう。

なーんて、funwakaさんに共感して、しったか文章を打ってしまいましたが、私もまだまだ、先があるので、笑、こんど人生の壁にぶち当たったらfunwakaさんに相談してもよいですか?

初回に、このような長い文章で、読みづらく失礼だったかもしれませんが、思わず感想を書かずにはいられませんでしたので、送信してしまいます。funwakaさん、これからも皆さんの力になってあげてください。このサイトの維持はとても大変だと思いますが応援しています!
こんにちはfunwakaです。

感想メールをありがとうございます。

> だまだ、先があるので、笑、こんど人生の壁にぶち当たったらfunwakaさんに相談してもよいですか?

何か有りましたら遠慮無くメールしてくださいね。(^g^)

funwakaさん、お久しぶりです。OOです(^-^)
メールはご無沙汰しておりますが、HPはいつも拝見しています。

funwaka文庫の久々の更新、とても嬉しかったです。出会い系の実態というのがよく分かって参考になりました。もっと実際的な被害(愛のないSEX等)だけかと思っていましたが、贅沢病・次々病などなど、恋愛観・人生観まで変えてしまうものなんですね。誰でも最初は軽い気持ちで始めてしまうものでしょうに、とっても怖いです。これで私は一生お近づきになることはないと思います。

B子さんとのお別れ、独り言やユートピアを拝見してお二人の私には計り知れない深い愛情を感じました。B子さんがお幸せになる日を祈っています。他のユートピアの方々も含め、また近況をHPで更新してくださいね。それからユートピア休止宣言はありましたが、やはり困った人を見過ごせないfunwakaさんは素敵です(^-^)これからのご活躍も楽しみにしています!

1日の温度差が激しくなっていますので、お体気をつけてください。
またメールいたしますね。
こんにちはOOさん、funwakaです。

> funwakaさん、お久しぶりです。OOです(^-^)
> メールはご無沙汰しておりますが、HPはいつも拝見しています。

それはそれはありがとうございます。
私も何度かほどOOさんのHPにおじゃましたのですよ。
なかなかに盛況のようで嬉しかったです。

> funwaka文庫の久々の更新、とても嬉しかったです。
> 出会い系の実態というのがよく分かって参考になりました。
> もっと実際的な被害(愛のないSEX等)だけかと思っていましたが、
> 贅沢病・次々病などなど、恋愛観・人生観まで変えてしまうものなんですね。
> 誰でも最初は軽い気持ちで始めてしまうものでしょうに、とっても怖いです。
> これで私は一生お近づきになることはないと思います。

やはり人は贅沢してはいけないのですね、、苦労も必要ないけど努力は常に必要だという事でしょうね。

> B子さんとのお別れ、独り言やユートピアを拝見してお二人の私には
> 計り知れない深い愛情を感じました。
> B子さんがお幸せになる日を祈っています。

この前の夜も彼女と神戸までドライブしてきたのですよ。
夜のハーバーランドの眺めははステキでした。(^g^)

> 他のユートピアの方々も含め、また近況をHPで更新してくださいね。

ええ、そのうちまとめて掲載します。
そろそろ6番が出産の頃だと思うのでその連絡が来た時に全部載せようと思っています。
皆のそれぞれの成長が楽しみです。

> それからユートピア休止宣言はありましたが、
> やはり困った人を見過ごせないfunwakaさんは素敵です(^-^)
> これからのご活躍も楽しみにしています!

ありがとう。。momiziのパターンを思い出してしまって、、、。
私が若い彼女の生き方を変える事が出来れば良いのですが。
そうなれるように努力してみたいと思います。

> 1日の温度差が激しくなっていますので、お体気をつけてください。
> またメールいたしますね。

OOさんも彼と仲睦まじくしているのでしょうね。(^g^)
お幸せに。

こんにちは、funwakaさん。
いつもホームページを拝見させていただいております。

パワフルで我慢強く、人の気持ちをとてもよく理解し、色々な人の悩みに丁寧にアドバイスし、そして人のいい所を見抜き誉める事も出来るfunwakaさん。とても尊敬しております。

そのパワフルさはどこから来るのでしょう。私なら頭にきてしまいそうな質問メールも数々見受けられますが、邪険にする事のないその大きな優しさを「尊敬」という言葉以上のものを感じておりますが、いい言葉が出ない自分に歯がゆさを感じています。

私は2?歳の結婚願望が人より少ないキャリア志向の趣味多き女です。
周りからは年齢的な事もあり、「そろそろ結婚を」と言われる事があるのですが、私には一生食べていけるだけのキャリアと資格がありますし、一生続けられる趣味もあります。ですから無理に結婚しなくても…と思ってしまっている部分があります。

今まで結婚を意識した男性はいます。本当に大好きで、相手も自分を大事に思ってくれていました。すべてを彼のために捧げる覚悟があるくらい大好きでした。色々な事情があり別れてしまいましたが。

その後、お付き合いした人はいます。大好きという相手ではありませんでしたが、一緒にいると楽しい相手でした。その人とは「結婚」という言葉が出た時にマリッジブルーに陥ってしまい、自ら別れを告げてしまいました。どうやら大好きな相手でないと結婚は考えられないみたいです。

また自分にはキャリアと趣味があるからそれで構わないと思っている所もあります。

そして今現在私には彼氏がいません。彼がいなくても充実はしていますが、やはり恋愛やパートナーは必要なのでは、と思っています。
そしてもし結婚を意識できる人にまた逢えたなら、前向きに考えようと思っています。しかし職場には「結婚」まで意識できる相手はいません。好意を持ってくれる人はいますが、その後を考えるとふさわしくないように思います。

そこで出会いを求め、お見合いパーティに参加してみようかと思いました。

しかしfunwakaさんの「メル友症候群」を読ませていただき不安になってしまいました。きちんとした恋愛ができるのだろうか、もっと自然な出会いを求めるべきだろうかという不安です。せっかく以前マリッジブルーに陥り、私は結婚には向かないのだと思い込んでしまった自分が前向きになってきたのに、今度は「メル友症候群」になってしまうのではないかと。

Fuwakaさんはどう思われますか?
もういい年齢なのだから自分で判断をし、自分の責任において行動をすべき事は重々承知しております。厚かましいお願いなのですが、大人の意見としてどうぞお聞かせください。
よろしくお願いいたします。
こんにちはfunwakaです。

> パワフルで我慢強く、人の気持ちをとてもよく理解し、色々な
> 人の悩みに丁寧にアドバイスし、そして人のいい所を見抜き誉
> める事も出来るfunwakaさん。
> とても尊敬しております。

これ以上無いくらい誉めて頂き恐縮です。f(^-^; ポリポリ

> 事があるのですが、私には一生食べていけるだけのキャリアと
> 資格がありますし、一生続けられる趣味もあります。

趣味も多く仕事にもキャリアを積んでおられる、素晴らしい!

私が人の幸せの為に必要だと思う三つの要素の三つを貴女は実行されています。

一生食べて行ける仕事を持ち、熱中出来る趣味スポーツが有り、異性にモテル事の三つです。

女性がキャリアの確保と維持を続けるには多くの努力を必要とします。
趣味を持たない(熱中するモノを持たない)女性は大勢います。
男性に惚れられる資質を持つ女性も意外と多くは有りません。

それら三つをもっておられるのならこれ以上の幸せな人生は有りません。
これからも貴女は人生をイキイキと過ごせるでしょう。

> そして今現在私には彼氏がいません。
> 彼がいなくても充実はしていますが、やはり恋愛やパートナー
> は必要なのでは、と思っています。
> そしてもし結婚を意識できる人にまた逢えたなら、前向きに考
> えようと思っています。

恋人か伴侶は絶対に必要ですね。
男には女が、女には男が絶対に必要です。それが心と身体を安定させます。
その反対もあり得ます、、それはその資質、愛し愛される資質を、互いか一方が持っていないからです。

何より身体に異性は絶対に必要です。
性の営みが有ればこそ身体と心の安定に繋がるのです。
人にとって愛する者との性のいとなみは細胞や神経、免疫力の活性化にも繋がるのです。
それが生きとし生ける者全てに得られた仕組み(遺伝子確保の為)です。

> そこで出会いを求め、お見合いパーティに参加してみようかと
> 思いました。
> しかしfunwakaさんの「メル友症候群」を読ませていただき不
> 安になってしまいました。
> きちんとした恋愛ができるのだろうか、もっと自然な出会いを
> 求めるべきだろうかという不安です。

恋人や異性獲得の為の出会い系(テレクラ、メル友、お見合いパーティ、等)なら、利用する価値は有ると思います。
しかし結婚を目指すなら、お見合いパーティーはお薦めしません。
というより結婚への難易度は反比例して高く成ると思います。

何故かと言いますと、、、女性には考えられない事でしょうが、男の性欲処理の必要性は桁違いに高く、それを確保出来無いときの焦燥感は並大抵では無いのです。正常な心と身体を持った成人の男、大人の男なら絶対に必要な性欲処理。
男はその獲得の為にはあらゆる機会の可能性を探り実行します。

極普通の、お見合い紹介所へさえも出会い系の如く【セックス目当ての相手探し】の男が出没しているのが現実です。
こういう低俗な男は「お見合い紹介所には恋愛ズレしていない女が多い。」と、独特の嗅覚を働かせます。
私が知るだけでもこうした男はかなりいるのです。

正式なお見合い紹介所でさえもこの有様なのに、お見合いパーティーなど男の性を想像、理解出来れば察して余りある、と思いませんか?
マトモに結婚を考えている男が少ない可能性大の場所と機会を、マトモに結婚を考える女性が何故利用する必要が有るのでしょう??

お見合いが、嫌なら、親戚、友達、仕事関係、全ての人達に、堂々と「私最近結婚しようと真剣に考え始めています、カワイイ子供を産みたいんです。」と宣言しましょう。 

そして、「だから、私に似合う年頃の男性が居たら是非紹介してくださいね。」とお願いしておいてください。 

30代半ばに成れば、こうしたお願いをしても誰も紹介してくれなくなります。
今が貴女のオンナの旬!ですよ!(^g^)

恋愛の旬は男にも女にも一生続きます。
60〜70と年を得ても恋に狂える機会、と相手は十分にあります。

しかし、子供を産み育てる結婚には、残念ながら旬が有ります。
旬を逃さないように頑張りましょう。

> せっかく以前マリッジブルーに陥り、私は結婚には向かないの
> だと思い込んでしまった自分が前向きになってきたのに、今度
> は「メル友症候群」になってしまうのではないかと。
> Fuwakaさんはどう思われますか?

出会い系症候群は、その機会場所を利用する事で、男の性欲処理のホンネを理解出来無い、贅沢&次次女(俗に言う公衆便所女に陥る事)に、起こります。

最初からの貴女の文章を読みますと、貴女はそのような【贅沢病&次々女】では無い事は明かです。

そのような女性が貴女のように【心配】はしないだろうし、失敗をした事が有る、としても、これからも馬鹿な事を続ける女性ならば私の文章を見ても【反省&心配】はしないだろうからです。せいぜい反発するのがオチだと思います。

女性にとっての幸せな結婚は、1.普通の生活を得るほどに真面目に働き、2.熱中する趣味かスポーツを持ち、3.妻を、家庭を守る気概が有る、男、を亭主にすれば良いのです。

そうそう、金銭感覚にバランスが取れている事も亭主としての重要なファクターです。
例えば、金銭バランスの崩れている事を良く表しているのが、年収からは及びもつかないブランド服に車、を持っている事です。

これは男だけでなく女性にも言える事です。
こうした見栄を張る者達は、間違いなく一生不幸な人生を送ります。
どれほどのモノを得ても見栄には限り上限が無いからです。

懐には上限が有るのに、、馬鹿な人達です。。。

多くの金も、背が高い事も、顔が良いことも、学歴も、そんなモノは、人生の幸せには何の意味も持ちません。
どのような職業でも、背が低くても顔が不細工でも、きちんと普通に働いていて、一つの節度を持ち三つの事を楽しんでいる男を亭主にすれば、貴女は必ず幸せに成れるのです。

但し、1.2.までは多くの男が持っていますが、3.を持ち得ない男女はかなりいます。

3.の、愛情大き男。

その男を見つけるには、【常日頃の男の行動を観察する!】 それが全てです。

貴女だけへの行動を観察するのでは無く(性欲確保の為に女には優しく接するのが男です。)友達や先輩後輩家族にも広い心が有り、世話が出来る男なのかどうか、を、観察してください。
最近では母親に優しい男は大勢いますが、それがマザコンに因るのかどうかも、詳しく観察してください、、(笑)

そうした【貴女に対する以外】の、日常の行動の観察が重要です。

もちろん貴女自身も愛情豊かで無ければそのような男に愛されはしないでしょう。
貴女なら十分に有ると思いますが、これからも愛情を多く持ち得る女性を心がけましょう。

> 大人の意見としてどうぞお聞かせください。
> よろしくお願いいたします。

いかがでしょう?
参考に成ったでしょうか?
これからも、趣味に、仕事に、恋に、楽しく刺激的な人生を築いてくださいね。(^g^)




更新

03.10.10

funwaka様
恋愛で悩んでいる時にこのホームページと巡り合い、今迄色々と助けていただきました。有り難うございます。相談メールを送ろうかと考えながら、読みすすめて行くと必ず答えが出ているので、今日までメールをする事無く日々過ごしてきました。

今回のfunwaka文庫は私が体験したケースに似ていて驚きました。と共に反省しきりなので、思わずメールしてしまいました。
30代にもなると、恋愛の対象となる男性との出会いは減る一方です。出会い系サイトと言うと、危ない事件も多発していますし、慎重になる人も多いと思いますが、複数の人数での「合コン」なら安心とばかりに、出会い系サイトで合コン相手を募集したのがきっかけで、おつき合いした人がいました。

彼との唯一のつながりは携帯のアドレスと携帯番号だけ。聞いても自宅の連絡先を教えない、友人に会わせない、職場の所属が異動でコロコロ変わる、、携帯アドレスを何度か微妙に変える、避妊に対して非協力的(自分なりに基礎体温をつけたり、コンドームを買って渡したり、話し合いをしても「自分は真剣だから避妊しないのだ」と片付けられました。)そんな不透明さに嫌気がさして、考えた末に、自分から別れる事にしました。

別れるにあたっても、funwakaさんのおっしゃっていたように、自分が男性を心底信用していない為に猜疑心にかられているのではないか、彼に求めてばかりいるからなのかと悩みましたが、これだけ行動に不信感があるひとが自分を「真剣に誠実に愛している」とは言えないと思いました。

今は笑い話しですけど、彼が単なるセックス目当てで、サイトで出会った相手と誰彼かまわずしていて、もしエイズに感染している人物だったら、自分は今どうなっていたんだろうと思うと非常に危ない行為だったと反省しています。その後エイズその他の検査もして、ホッとひと安心しましたが、あんな不安で眠れない日々を二度と過ごしたくありません。そんな相手を選んだ自己責任もありますが、本当にバカだったと思います。

彼と別れた次の日に、出会い系サイトでの出会いは二度とするまいと退会する為ログインすると、何と彼がその出会い系サイトに、同じログネームで、ちょっと自分の年収を下げて、ちょっと希望する相手の年齢を下げてまた出てました。
「あ〜、やられたな。こんな小モノに」と少し苦笑い。。。。

20代のうちにfunwakaさんのホームページと出会えていたら、臆病にならずもっと良い恋愛が出来ていたのではないかと思いますが、時は戻りませんので、30代(後半になってしましましたが。。。)自分を磨き、本当に愛せる男性との出会いを探したいと思います。
funwakaさんがおっしゃるように、この年齢で結婚相手を探すのは、狭き門なのです〜。
でも、諦めません。毎日をこころ豊かに暮すには、前向きに取り組める仕事、信頼で
きる友達、そして良い恋愛、良いセックスが必要不可欠ですもの。
今よりもきっと素敵な女性になってみせますネ。

オープンに、そして真面目にセックスと愛を語るfunwakaさん、今や私にとって人生のバイブルとなっているかも知れません。
どうぞこれからもお体を大切に、頑張ってくださいね。
こんにちはfunwakaです。

応援メールありがとうございます(^g^)


男女共に年を経て、60〜70才代になっても男の魅力、女の魅力満開のままで過ごされている人がいます。

何故そう生きられるのかと観察しますと、それぞれの趣味や分野は違ってもいずれも複数の分野に造詣が深く熱中されています。そのせいだと思い ます人生が充実されているのは。。

何事にも興味を持って生きるというのは人の魅力を高めてくれますよね。
そうして生きられる事はとても素敵な事です。

お互いに充実した人生を送りましょうね。(^g^)







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