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特定非営利活動(NPO)法人

眼炎症スタディーグループ

会員コラム
Vol.8

気前のよい商売

阿佐光也

世の中で一番気前のよい商売をしている店、それは本屋ではないでしょうか。何故なら、お好きなだけご自由にご覧下さいと、どの本屋でも堂々と商品を並べてあるからです。つまり好きなだけ内容を検討して、買うか買わないか決めることができるのです。商品の性質は違いますが、買う前に好きなだけ味見をさせてくれるお菓子屋さんなどとても考えられませんし、買う前にちょっと住まわせてくれるマンションなどあろう筈がありません。

という訳で、私は本屋をうろつくのが大好きです。特に職場の最寄り駅であるJR高田馬場駅前の芳林堂という書店は、私にとっての隠れたオアシスとなっています。最近はビルまるごと本屋という大型店があちこちに誕生していますが、この芳林堂高田馬場支店も大きなビルの3フロアーを独占しています。それにしても毎日毎日よくもこれほど沢山の本が出版されるものと、そこに行く度に呆れるのですが、本の狩人としては、獲物が豊富なことは歓迎すべきことでしょう。


本を読むといえば、最近の視覚障害者の読書環境は随分変わってきました。パソコンを使った様々な活字読み取りソフトの開発で、完全ではないにしても新刊本を直ぐに読むことができますし、全国で点字データ化された本の登録を集中的に受け付けて、ネットで配信してくれるナイーブネットもあります。これは音声でも点字でも読めますし、近くの点字図書館で点字プリントもしてくれます。また、CD1枚に最大50時間も録音できるという音声圧縮ソフト、デイジーが現れて、従来のCDやカセットテープに代わろうとしています。かつてCD104枚に録音されていた聖書が、今は3枚のCDに収まっている時代なのです。視覚障害者の読書にとってはコンピューターの恩恵は計り知れないものがあるようです。しかし、その基になる点訳や音訳(朗読)はやはり人の手によるもので、この分野でのボランティアはまだまだ増えて欲しいものです。


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ところで本屋の話に戻りますが、いくら本屋に本があり自由に閲覧できるように並べてあっても、本屋を覗くという楽しみは視覚障害の方々にとってはそう馴染みのあるものではないと思います。そこで本屋をオアシスとしている私としては、大きな声では言えませんが、立ち読みボランティアならできるかなと考えています。一緒に本屋に出かけて、お互い好きな本を漁るというものです。点訳も朗読もコンピューターも苦手という人は、本のハンティングをという訳です。

それにしても、本屋はなんと気前がよいのでしょう。(2005年12月20日記)




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