「見たいものを拡大する」のが、ロービジョンケアの基本です。
新聞や本を読みたい、書類を書きたい、外出先で利用したいなど人によって用途は様々なので、眼科医や視能訓練士に相談しながら目的に合った補助具を選択することが必要です。
補装具
単眼鏡
2枚の光学レンズを組み合わせた望遠鏡です。
駅の時刻表、バスの中の運賃表、黒板の字など、外出時に使用します。
拡大鏡(ルーペ)
見る対象物を簡単に拡大できる、最も手軽な道具です。持ち運びに便利で、立体的なものを見たり、レンズと対象物の距離によって拡大率を変えたりすることができます。様々な種類がありますので、目的に合ったルーペを使用しましょう。
< ライト付きルーペ> 光量不足でも陰にならず見やすくなっています
<据置型ルーペ> 両手が使えて便利です
<携帯型ルーペ> レンズを重ねると倍率が上がります
遮光眼鏡
まぶしさを取り除き、ぼやけてしまう物体の輪郭をはっきりさせてコントラストを高めるのが遮光眼鏡です。目に入ってくる光は水晶体が調節してますが、紫外線に近い見える光(短波長)はまぶしさを増強させます。遮光眼鏡は悪い影響を与える光をカットして、目を保護してくれます。
日常生活用具
拡大読書器(CCTV:Closed Circuit Television)
小型カメラで写した映像を直接モニターに写し出す器械です。読み書きの作業が可能で、拡大率を自由に変更でき、画面の白黒反転やカラー表示がボタンで簡単にできます。補助具の中では最も拡大率が大きく、長時間作業に適しています。
最近は、性能の良い持ち運びに便利な小型の携帯用拡大読書器が増えています。
活字文書読み上げ装置(SPコード読み取り器)
SPコードとは、18ミリ角サイズの記号に約800文字の情報が記録されたコードです。
活字印刷物に添付されたこのコードを読み取り装置に差し込むと、肉声に近い音声で読み上げてくれます。現在、市区町村の広報配布物や医療機関の「くすりのしおり」など、各方面に普及しつつあります。
触読式時計(右)、音声対応時計(左)
触読式時計は、時計のふたを開けて直接針に触れることができます。コントラストのはっきりした黒い文字盤でロービジョンの方にも見やすくなっています。
音声対応時計はボタンひとつで現在の時刻を教えてくれます。時報やアラーム機能も付属しています。
視覚障害者用ポータブルレコーダー(デジタル図書再生・録音機器)
デジタル音声図書や音楽CDを聞いたり、音声メモを録音することも可能です。
CDの頭出し、読み上げスピードの変更など機能が充実した器械です。
その他
私たちが生活する中で、様々な生活便利グッズが身の回りに増えています。
超高齢化社会を迎える今後は、目が不自由な方のみならず、人に優しい使いやすいグッズの需要がますます高まっていくことでしょう。
オートネイルクリッパー(自動爪やすり)
見えづらい人は普通の爪切りを使うと深爪しやすいので、切るのでなく電動やすりで削ると比較的安全です。指先の感覚のない人や、握力のない人も使いやすいグッズです。やすりの部分が大きな爪用と小さな爪用に分かれていて、電池で作動します。
音声対応色識別器(カラートーク)
携帯電話よりひと回り大きいサイズで、色を読み取る器械です。色を知りたい服などに当てると、「薄い緑」など音声で教えてくれます。服のコーディネイトや、買い物の時などに便利です。
ニューヨークの地下鉄駅表示
ロービジョンの方にも分かりやすく、表示してあります。
ニューヨークの地下鉄内ステッカー
「ドアに寄りかからないでください」と見えやすい表示で掲示されています。
白杖カバー
女性は白杖を持つのに抵抗がある方が多いのでと、群馬県の網膜色素変性症の患者さんが発案した白杖カバーです。
黒まな板
白い大根やタマネギなどは、白いまな板の上に置くと分かりにくいですが、黒いまな板を使用するとコントラストが高まって見えやすくなります。
タイポスコープ
黒の板に記入部分がくり抜かれて枠状になっています。
枠に合わせてはみ出さずに、まっすぐに手紙や宛名を書くことができます。ハガキタイプもあります。
コインホルダー
金属の各レール上に10円、50円、100円、500円を分けて入れることができます。使用する際も、簡単に取り出せて便利です。
写真協力:(株)大活字、岡山県視覚障害者センター、聖隷横浜病院