モータスクレーパ    EarthMovers


 スクレーパ系建設機械
スクレーパは、歴史的には馬牽引のフレスノスクレーパが発展したものである。
スクレーパ系は、掘削・積込・運搬・敷均の一連の土工作業サイクルを1台でこなせる自己完結的な機械で、スクレープドーザ、キャリオールスクレーパ、モータスクレーパがある。
モータスクレーパには更に、シングルエンジン車、タンデムエンジン車、エレベーティングスクレーパに分かれる。
近年、スクレーパ系機械は需要が減退、国産メーカは生産調整を行っている。
  • スクレープドーザ  Scrapedozer
    外見は、スクレーパ本体にクローラを装着したような構造である。
    スクレープドーザは、西独のMenck & Hambrock社のSR53を技術導入により、国産化(昭和37年)したため、通称メンクと呼ばれている。
    接地圧が低く、シャトル運転で、足場を乱さない、そのため軟弱地走行に優れ、わが国の土質によく適して普及した。 経済的搬土距離は、40〜250m位である。 三角シューを装着した小型の超湿地タイプSR40も一時生産された。
    スクレープドーザ (通称:メンク)
    その後、スクレープドーザはメンク社からFrutiger社に継承され、SR2000、SR2001にモデル変更した。 わが国では、SR264CからSR280Pへのモデルチェンジとなり、パワーシフトドライブとなって大型化した。 しかし、バブル崩壊後、事実上生産が停止している。 フルティガ社では15m3級のSR3000も製品化したが、わが国には導入されていない。


    主 要 諸 元
    型 式 全装備
    質 量
    接地圧 kPa 積載量 m3
    空車 実車 山積 平積 Frutiger
    SR280P 26.0t 58 83 9.5 8.0 8906 SR2000
    SR280P-2 26.7t 59 85 9.8 8.2 9804 SR2001

    スクレープドーザの構造
    スクレープドーザ(メンク)の構造図

    スクレープドーザの作業手順
    作業手順は、掘削・積込→運搬→撒土→復帰の順であるが、スクレープドーザは前・後進のシャトル運転のため旋回の必要がない。 また、後進排土が可能なので、下図のような標準作業図をメーカが示していた。 そのためか、道路土工指針や積算基準の作業量計算もこの作業動作に基づいて計算式を組立ている。 しかし、実際の施工において、撒土は通常、前進で行っている。
    スクレープドーザ(メンク)の作業手順
    前進:ボウルを下げる






    前進:掘削・積込開始





    積込完了、ボウル上げ
    盛場へ運搬




    盛場の敷均






    後進:排土





    後進:排土完了







    後進:土取場へ復帰

  • キャリオールスクレーパ(牽引式スクレーパ) Pull-Type Scraper

    牽引式スクレーパのことを、日本では一般的にキャリオールスクレーパと呼んでいるが、キャリオール"Carryall"は、ケーブル式スクレーパを考案したルターナ社の商品目である。 戦後わが国にもその名で多数輸入された。 因みに、ルターナ社は最初のモータスクレーパも考案し、そのタイヤ式スクレーパヘッドの商標がターナプル"Tournapull"であった。
    スクレーパの施工法は、ダウンヒルカットが基本で自力積込も可能であるが、プッシャを付けて積込時間を短縮する方が経済的である。

    ワイヤ式トゥーイッドスクレーパ ケーブル式は、CCU(ケーブルコントロールユニット)でボウル、エプロン、エジェクタを操作する。 昭和50年代に油圧式に移行した。
    経済的搬土距離は、60〜400m位である。
    油圧式キャリオールスクレーパ
    油圧式キャリオールスクレーパの構造と部位名を左に示す。
    部位名はメーカによって多少の違いがある。
    この機種も近年殆ど生産されていない。

  • モータスクレーパ(自走式スクレーパ) Self-propelled Scraper
    シングルエンジン・モータスクレーパ シングルエンジン・モータスクレーパ
     Standard Wheel Tractor Scraper


    燃費がよく経済的なモータスクレーパ、積込みにはプッシャを必要とする。
    経済的搬土距離は、200〜2,500m位である。

    ツインエンジン・モータスクレーパ タンデムエンジン・モータスクレーパ
     Tandem Powered Scraper

    4輪駆動のモータスクレーパで、登坂やトラフィカビリティに優れている。 プッシュ・プル仕様車では、2台1組で積込が行え、プッシュドーザを必要としない。
    経済的搬土距離は、200〜1,500m位である。

    エレベーティングモータスクレーパ エレヴェーティング・モータスクレーパ
     Elevating Scraper

    セルフローディング(自力積込)ができるモータスクレーパで、比較的近距離運搬向きである。 米国では道路・宅造工事等の仕上げによく使われている。 我が国では普及しなかった。
    セルフローディングモータスクレーパには、他にオーガタイプがある。

    3軸6輪モータスクレーパ 3軸6輪モータスクレーパ

    大型長距離用のモータスクレーパで、シングルエンジンとタンデムエンジンタイプがあったが、いずれも現在は生産されていない。

     → 大型モータスクレーパ


    スクレーパの機種選定
    モータスクレーパとキャリオールスクレーパの適用範囲
    図: 走行抵抗と搬土距離からみたスクレーパの適用区分

    スクレーパ工法の機種選定において、トラフィカビリティと搬土距離が選定基準となる。 参考として、伊丹康夫博士が作成した走行抵抗と搬土距離との関係で機種選定する目安を上に示す。
    上図におけるセルフローディングスクレーパはエレベーティングスクレーパのことである。 ツインモータスクレーパ(タンデムモータスクレーパ)の国産TMS-8は、古い小型の機種で現存していないので、現在のモータスクレーパは波線以下が適用範囲と考えるべきである。

    プッシュローディングの方法
    モータスクレーパとプッシャ

    モータスクレーパのプッシュローディング法
    図: プッシュローディングの種類

    スクレーパの積込時間の求め方
    スクレーパの最適積込時間
    図: 最適積込時間

  • ブルドーザ
  • スクレーパ系
  • ショベル系掘削機
  • ローダ
  • ダンプトラック
  • グレーダ&締固め機
  • 連続土工システム
  • 発破穿孔機


/School/機種/スクレーパ   機種    ブルドーザ   ショベル系