| 内容 |
「水戸の二上がり」といえば粋筋(いきすじ)にはおなじみの俗曲。これをもじtったのかどうか、語尾が高めにあがる茨城独特の語調を指して「水戸の尻(しり)上がり」という。
話しことばは声の音色・緩急・強弱・高低の変化、つまりイントネーション(抑揚)で印象が変わる。「水戸の尻上がり」は一応昇調型のイントネーションになる。 昇調で話すと、相手への思いやりが強くあらわれ、感動・命令・疑問に欠かせない話術。「水戸の尻上がり」にも多分に思いやりを感じもするが、田舎風な無遠慮さに受け取られるのは、肯定・発見や報告・詰問・独語的表現など、降調や平調であるべきときにも昇調一点張りのせいらしい。 「水戸の尻上がり」の原因の一つは、アクセント(語中の高低変化)にあるように思われる。
「仙台、水戸および熊本の三方言は、すべての語が高でも低でもない平らなアクセントを持つ」(NHK日本語アクセント辞典)といわれ、水戸を中心とする地域はアクセント不毛地帯だった。高低変化のない平板型は訴求力が弱く、そのため相手に意思をよく伝えたい気持ちが語尾に強く表れ、昇調・尻上がりになるのではあるまいか。 |