ワッシャー TRASH
Up Data 02/27
「尻つぼみな2月」

Up Data 02/26
「Kim & Chi」
雑誌より転載記事

Up Data 02/24
「It`s Too Late」
Up Data 02/20
「禊」
Up Data 02/17
「Holiday」
Up Data 02/10
「ある阿呆な一日」
Up Data 02/04
「CHAOS」






「尻つぼみな2月」

1998/02/27.ICCH


深夜、店がはねてから、地下鉄が動いてないのでタクシーに飛び乗って、青山まで行く。
何度となく登場している、韓国料理「キム&チー」で友達と待ち合わせだ。
今年は初めて…どころか、去年のエリクラ以来じゃないか。
「HERE SCENES」の開店で、全く疎遠になってしまっていた。
何度となく電話で話して、行きますよ、という会話をしたが、儀礼的であった。
開店の挨拶もせず、年賀状一枚差し上げたっきり、少し躊躇して店の階段を下る。
もう0時をゆうに回っているのに、ここは賑やかだ。
あー相変わらずのキムさんがそこに居た。肩を痛いぐらい叩かれる。
場所柄、業界人みたいな人も多く、ちょっといけ好かない空気も感じたりもするが
それは自分が意識をして肩をいからせてるからに違いない。
もちろん、ほんとに嫌な奴も居る。以前の店の方は、こじんまりして窮屈な店だった。
この日、待ち合わせをしてる友人が、その真裏に住んでいて発見したのが「キム&チー」との出会い。
余談ながら、今もその店は違う韓国料理屋が同じたたずまいで営業をしている。
キムさんは"B.B.KING"に会えるんだ、と愛敬を振りまいている。
その撮影をするというカメラマンの方を紹介してくれて、その人のアシスタントとして潜入するらしい。
キムさんらしいや。以前も、クラプトンが店に飲みに来ると言って張り切っていた。
決して悪気があってそんな事を言うんじゃなくて、本当にそれを楽しんでいるんだ。
純粋というか素朴というのか、青山で商売をするには少し素直過ぎると偉そうに心配していたが、
なーに彼は凄い才能の持ち主だ。その人柄にお客さんが集まってくる。
以前の店からこっちへ引っ越しするという時も、 大丈夫なんだろうか、とその友人といらぬ心配ばかり。
その秘密の片鱗が、その日、見せてもらった雑誌に載っていて、納得した。
単純に感動してしまって、ページにアップさせてもらった。読んでみて下さい。
そう、キムさんはヴァイタリティの人なんです。
そして、チーちゃんとのコンビが、その力をさらに強める。
自分の店を始める以前、何度も励まされ、元気玉を分けてくれたキムさんに感謝です!

そのまま青山の友人のところに泊まって、次の日は渋谷へ繰り出す。
行き先は、「国民金融公庫」 すごく憂鬱だ。
早起きして行く自信が無かったから、こんな機会を捕えて離さない。
自分は駄目なんです。公的な場所。苦手を通り越して、恐怖だ。
前日の酒が残る身体で、番号札を握りしめ、順番を待つ。
しかし驚いた事に案外、気楽な心持ちだ。なんか銀行みたいな清潔な雰囲気です。
ようは金を借りに来た訳だけど、今回は申請するための書類を貰いに来ただけだから。
軽く詰問を受け書類を受け取ると、逃げるように、その場を去り、横断歩道を渡り
目の前の「タワーレコード」へと飛び込む。
緊張の後の解放、ケアをしておかないとね。疲れが残るから。
"Buffalo Springfield" 1stのリミックス盤を買ってなんとか吐き出した。
丁度、店を開ける時間です。井の頭線で下北沢へ戻る。

約束通り、西村さんが "DUB NARCO"のキャルヴィンさんを連れてきてくれた。
その頃、私は例のキムさんの雑誌を必死で転載していた。
夜、新宿ロフトでやるライヴへ行く約束をして、何枚か写真を撮り(取材攻勢)
下北の喫茶店へと消えて行った。
夜、行ってきました。"DUB NARCO"のライヴへ。
まず、ロフトのもぎりの白痴女の所為ですっかり意気消沈してしまった。
チケットもぎりって、店に入る最初の顔だよ。金を取ってる客商売、あんな態度で良いのか?
憎悪を感じた。こういう商売でいいなら二度とロフトなんかへ行きたくないです。
場内は埋め尽くされていた。あ〜あ居場所が無いなぁ。もたれかかれる壁際、特等席など当然無い。
30以上の奴を信用するな!という言葉の、その30に限りなく近い位置に居る自分。
当然、周囲は発育の良い若者に囲まれて、全くつまらない気分だし、前座の日本のバンド?
いや、なんというのかユニット?ドラムとギターの二人のサンプラーとの掛け合い漫才ユニット。
いえ、面白かったんですが、前の奴がやたら音が悪いだのバカげた事言ってるんで邪魔だった。
P.I.LのTシャツを脱ぎ、いかつい系のたいこがスティックを回し、ギターもアグレッシヴ、
ハウリングが場内に沈殿する。方法はともかくも新鮮でした。
さて、"DUB NARCO"の登場です。突然、ダンスホール化する場内。
いやいや良いです。バンドです。もっと違う形態を想像していたけれどバンド然としている。
声はクールで抑制的で、でもイカレタ奇妙な動きで客を扇動するし、コミカルだ。
ギターはカッティングの妙味、ベースは骨太、たいこも落ち着いている。
つまり抑制してじらしていく所がそそられて、呪文のようにも聞こえてくる。
何も予備知識が無いので、引き出しは無い。ルーリードのような重く抑制の効いた声に沈み込み、
同じリズムを淡々と刻むギターとリズム隊に、パブロック的な要素を感じた。
アングラって言ってしまったら、それで終わりだけどカッコ良い単純さがあるのだ。
そして観衆はひたすら体を揺すっている。目の前の白い服の襟がブラックライトで強調され
同じ動きで規則的に揺れるものだから、ダブの呪文と重なり、催眠効果を発揮して
その上、あまり寝てないもので思わず立ったまま仮眠状態になってしまった。

時間オーバー!急いで下北に戻り、なぜか反対の南口に降りて、レコード屋へ駆け込む。
店名は伏せるが DEAD HEADSな輸入レコード屋さんだ。
以前から欲しかった"VINTAGE DEAD"を購入する。66年アヴァロンの例のライヴ。
良心的なこの店は、海外とほぼ同じぐらいの値段で提供してくれる。
ほっと一息ついて、店へ戻る。
長ーい、長ーい、2日間がやっと終わろうとしている。

その回想に"今"を費やした事に、少し後悔と疲れを感じている。
あ〜あ、外は暗くなってきてますよ。
まだ、何も売れてないぞー!天気の良い給料日後の金曜だってのにさ。
と、愚痴で幕を引いてしまう、尻つぼみな2月を象徴するような結末なり。



「Kim & Chi」 雑誌より転載記事

(プロフィール)
キム・テーワン●`61年、ソウル生まれ。85年、初来日。将来の夢はクラプトンメドレーでの弾き語りライヴと、ホテル経営。

にのみや ちづる●`63年、東京生まれ。元広告代理店勤務。韓国人の夫との出会いから現在の暮らしを綴った自伝の出版を計画中。


"....Would you know my name if i say you in hesven..."

今夜貸切で行われた結婚式の二次会が終わった。テーブルの後片付けの前に
金泰完がギターを弾きながら歌い始める。彼が大好きなエリッククラプトンの曲
「TEARS IN HEAVEN」高音が辛そうだが、なかなか味のあるヴォーカルだ。
やがてそれは妻の千鶴などを交え「サランへ」の大合唱へと続いた。
97年12月7日の深夜0時過ぎ。美術館や洒落たブティックが並ぶ東京、青山キラー通りを包む
夜の闇に、月のようにポッカリと浮かぶ看板がある。
通り沿いの地下1Fにある韓国料理店「KIM&Chi」の主人、泰完の顔を馬顔っぽくしたイラスト付の看板だ。
「日本でがんばって社長になるんだ。でも素晴しい社長には必ず素敵な奥さんがいる。だから僕には君が必要なんだ。」
89年冬、2人で浦安のディズニーランドに行った帰り、門前仲町のお好み焼屋で
二宮千鶴は突然、泰完にプロポーズされた。
だが彼と会ってからの約4年間、千鶴は彼を恋人として意識したことは一度もなかった。
「彼が握りしめてるコップがブルブルと震えててね、お酒もこぼれてるんだもん。
それだけ真剣なんだって思ったし、もう店内のお客さん全員がアタシ達のこと注目してるし…。
でも彼の気迫に負けました。あれが結婚を前提に、程度の話だったら断わってたと思うな」
その時、泰完の所持品はパンツ3枚と靴下2足に現金6万円。それが彼の全財産だった。
「そこまで無いとは私も思わなかった。でも、その6万円で結婚指輪を
買ってもらったんです。だって自分で買うの嫌じゃないですか。その後、彼がビザの関係で
韓国に帰らなきゃいけないから、その飛行機代と彼のご両親へのお土産代で10万円。
それとパンツと靴下を入れるバックも私が買ったの。私は忘れないぞ、
次に彼が日本に来る時の 飛行機代も私が払ったし…」
「大変、お世話になりました。」
照れ隠しの為か、千鶴の話に泰完が横からちゃちゃを入れる。一同爆笑となった。

金泰完は大学中退後、韓国の朝鮮ホテルに入社。85年、日本のホテルで学ぼうと
同ホテル人事部に紹介状を書いてもらって来日した。
だが東京のホテルで働く目的は果たせないまま、日本語学校に通いながら、
東京観光ホテル専門学校を卒業。89年に帰国して朝鮮ホテルに戻ったが
日本で自分の店を持ちたいという気持ちを抑え切れなくなっていた。
だが日本で学び、韓国で求人情報誌事業を始めた社長と知り合い、意気投合して就職。
そして日本の広告代理店で働いている二宮千鶴に、アドバイスを求めるようになった。
一方の千鶴は広告代理店に経理として入社。
その後、営業職に転身して経理時代の4,5倍稼ぐセールスウーマンになった。
泰完との最初の出会いは、知人に連れられて行った銀座のスナックだ。
88年当時、彼はそこで留学生として働いていた。日本でがんばっている外国人、
彼女の第一印象はその程度にすぎなかった。
だが同年のソウル五輪前、ソウル旅行をした友人からもらったキムチに痛く感動し
”本物のキムチツアー”と称して五輪直後に渡韓。
それ以降、3年間で年2回は訪れる”韓国好き”になった。
旅行の度にソウルに戻っていた泰完とも会い、やがて仕事でも彼にアドバイスするようになった。
そして、プロポーズ。
だが二人の結婚は91年12月まで待つこととなる。
千鶴側の親族や勤務先の猛反対が始まったからだ。
「彼が韓国人だということで、近所、親戚、友人までが猛反対で、最初は賛成してくれていた
はずの両親も反対するようになったんです。会社では 『韓国人なんかと結婚したら
信用されなくなるぞ』とまで言われて、じゃあ私の9年間って何だったのって思ったし…」
今思うと、なぜそんなことに惑わされたのか判らない、と千鶴は言う。
それから、韓国、北朝鮮関連の本を30冊以上読んだ。日本人と韓国人の何がどう違うのか。
日本と韓国との間に今まで何があったのかが知りたかった。
その過程で彼に、結婚はしないと宣言したことさえある。

「彼女ははっきり言わなかったけど、僕が韓国人だから、彼女の周りが反対している事は
わかりました。でも僕はそれについて何も言わなかった。 だって当時の僕はお金も無いし仕事の実績も無い。
それに僕が何か言うことで、彼女を余計悩ませたくなかった。」
それに、と泰完が続ける。僕はいくら美人でもいきいきしている女性じゃないと
好きにならない。彼女はいつもヴァイタリティがあってフレッシュな女性で
こういう人が自分の隣にいてくれたら幸せだなと思った。
その気持ちは少しも変わらなかったから。
「チーちゃん(千鶴)が悩んでた時、自分のヴァイタリティを信じてもいました。
一度彼女に断わられ、それでも自分を捨てない、諦めない自分に 僕自身も感動してたから」
千鶴は悩み始めてから1年以上たってから、泰完と結婚する決意を固めた。
家中が反対するなかで祖母一人だけが、おめでとう、と言ってくれた。
結婚式は韓国で行われ、彼女の親族は誰一人出席せず、泰完の両親に、
申し訳ありません、と彼女は詫びた。
「あの時の事は絶対に忘れない。今も私は許してません。でも私たちが結婚したばかりの頃は
『韓国人と結婚したんだって!』とか『なんで韓国人 なんかと!』って言ってたような人たちが、
新装開店して雑誌で紹介されるようになったら突然来るようになったんですよ。
そういう人に限って、うちの親戚が青山で店やってる、とか言ってるみたい。
悔しいけど、でもそうなんです。差別ってそういう人たちがするんですよ。」
「僕は『悔しさを力に』ってよく言うんだけど、悔しさは誰にも言う必要はない。
それを自分の力にすればいいって。ぶったおれてもいい。
がんばらなくっちゃいけないんだから。」
91年末に結婚後、2人で2年間懸命に働いて資金をため、93年に青山2丁目に
全18席の初代「Kim&Chi」開業。さらに4年後の9月、神宮3丁目に全40席の
「Kim&Chi」を新装開店した。確かにこの6年間は、2人がその悔しさを力に変え続けた軌跡でもあった。

「彼は嫌なことがあっても腐らない。前向きにしか考えない。だから彼と話していると
私も元気になれる。だって毎日同じ気持ちで生きていけないじゃないですか。
客商売だから色々言われて落ち込むこともある。でも彼にはそれがない。
今日も明日もがんばるから。」
「経済力ないけど前向きです。」
彼女の話が照れ臭いのか、再び彼がちゃちゃを入れてくる。
呆けた表情で冗談を言ったり、人前で哀愁たっぷりにクラプトンを歌ったりするくせに
妙なところでシャイな男だ。
一方の千鶴はハツラツで奔放だ。義母に隠れて泰完の父と煙草を吸ったり、
その両親の前で夫婦喧嘩も披露すれば、踊りもおどる。
「2人とも言いたいことはストレートに言うようにしてます。
もう『バーボ(馬鹿という意味)』とか『シクロ(うるせーの意味)』の応酬。
彼、怒ると韓国語になるから、私も韓国語勉強したし、いい韓国語もわかるけど
悪口は完璧!仕事中、むかついて、私もう帰る、とか言ってドトール行って
コーヒー飲んで店に戻ったりするから、”180円の女”とか呼ばれてるし。
でもどんなに喧嘩しても、翌朝必ずお互いが 『おはよう』って。」

だが中傷は今も絶えない。日本人か韓国人かと詰問する客。
奥さん、日本語うまくなったねえと皮肉る客。彼の韓国語なまりの日本語を 真似てバカにする客もいる。
「だから何なのって言いたくなる。どっちだっていいじゃんっていう日本になりたいよ。」
と千鶴は憤る。韓国でも、泰完は日本人になったなぁ、と皮肉る人達がいる。
その度に、日本に行って自分で日本人と接してから、そういうことを言いなさい、
と彼は反論する。

生身の相手と絶えず愛情と不満をキャッチボールしている2人と
<日本人>とか<韓国人>という言葉を聞くだけで眉をしかめる人達。
その溝はなかなか埋らない。だが一方で、裸一貫から始めた2人の店が
商売が難しいと言われる青山キラー通りで繁盛してもいる。
世の中はまんざらでもない。

冒頭で紹介したクラプトンの「TEARS IN HEAVEN」の中にこんな歌詞がある。
「時間の流れの中では 気分が滅入ることも
諦めたくもなるだろう 心を打ち砕かれたことだってあるだろう
そして お願いだから、お願いだから、と一人で祈るようになるだろう」
その歌詞の苦みを、泰完は「悔しさを力に」という言葉で、確かにかみしめている。
今夜も店の後片付けをしながら、いつものようにCDラジカセのヴォリュームをいっぱいに上げて、
彼はこの曲を口ずさむんだろうか。


Coprright(C) 文章:荒川龍
掲載:地球家族 JANUARY 1998


居酒屋「KIM&CHI」韓国家庭料理

Address:東京都渋谷区神宮前3-42-3
林ビルB1
Tel:03-3423-6181


「It`s Too Late」

1998/02/24.ICCH


よく遠足だとかで怪我をして迷惑掛けるやつっているじゃん。
みんなで楽しもうとかって時に必ず否定的になって、その場の空気が悪くなっちゃったり。
足を引っぱるんだよね。自分が恵まれてないとか勝手に被害妄想になって。
そんな奴でした。その幸福感って幻想の仮面をひっぺがしたくなるのです。
勿論、妬みという厄介な感情も同時に生じて、頭を抱えます。
で、そんな時代を経て、他人に干渉しなければ、肯定も否定も関係無く通り過ぎるという
法則を見つけて、大得意、様々に応用して、I`m a Rock気取り
Heart Of Stone気取り、だけど時間がまたそれを軟化させます。
斯くして大人の一丁あがり!会釈しながら舌打ち。
泣きながら大欠伸。社交術に長けてくる訳です。侘しいですね。

そんな前置きを挟みつつ、30年なら30年分の経験を経つつ、賢くなったのだか
阿呆になったのだか、談笑しながら握手を交せるぐらい当り前になりました。
たくさんの人の幸福を邪魔する権利なんて誰にもありません。
心の中でどう思おうと笑顔で接し、それも嫌なら姿を隠しましょう。
遠足で怪我をしちゃいけません。それは、不注意です。否、不用意か。
あ〜あ、なんて事、言ってるんだろう。これだけで十分、嫌味に聞こえてしまう。
矛盾は承知で、みなさんお幸せに!

前回の禊じゃないけれど、もうそろそろバトンタッチしたい気がします。
もう一人の自分にバトンを渡したい。彼なら良い走者になってくれそうです。
そうやって古い自身の抜け殻を下敷にして、新たな自身を構築していくのです。
そのための浄化。仮想ではなく、本来の姿へ限りなく近づける作業です。
目的はそれだけ。あとに付随するものなんて、どうだっていい。
他人に目を見られるのを畏れてサングラスを絶えず掛けているなんて変だ。不自然。
虚構はもう十分。偽らなければ苦悩も小さくなるようだ。
他者に知らせてやる必要もないが、洋服が後ろ前反対だったらね、変だよ。
それが個性なんて言い張らないように…。

きっと他者に向けて言う事って、自分に向けて発信してるのだろう。
独りで考えても堂々巡りで思い付かない事でも、誰かしらと話していて閃く事はたくさんあり、
それが助けになったり、逆に邪魔になったりして発展していくのでしょう。

また当り前の事をもっともらしく言ってしまった。すいません。
小難しい話は無しにして、来月、10年来の友人が結婚式をいたします。
そのお祝いでもと思ってたら、こんなんになっちゃった。
友人といっても三つ上なので、教えられる事ばかりで、ある意味ではここで
これを書いている私は彼なわけで、これらの考え方とか話し方とかは、
その彼と、つくりあげたとも言えるのかも知れません。
またその逆も真なり。結婚するのは、私かも知れないパラドックス。
そしてまた違った意味で友人だった彼女も結婚です。
不思議な法則でもあるかの如く、重なるものなのですね。こうなると周りは 既婚者ばかりだ。
そうして外は雨、キャロルキングを聴いています。
「It`s Too Late」ってのは、どんなもんか?




「禊」

1998/02/20.ICCH


時々、「禊」がしたくなりませんか?

ひとりで居る時間は貴重です。そして、その時間を有意義に使う事に神経を 使います。
読書というのは、最高の贅沢ではないでしょうか。
最近、読んだ「日本霊地巡礼 観光」中沢新一、細野晴臣は面白かった。
Y.M.O散開の時期85年の本です。それに89年の特別編が加筆。
この二人が、日本各地の霊地を歩き対談するという、そのままの構成。
奈良の天河大弁財天社から始まり、長野の戸隠、六本木(ここって霊地?)
大山阿夫利神社、豊川稲荷、伊勢神宮、富士浅間神社、最後が諏訪大社である。
なんか渋すぎる土地を巡るわけだけど、彼らの中で動く思考が 感じられ
アインシュタインの一般性相対理論じゃないけれど(昨日の深夜NHKで特集やってたから)
池に石を投じれば波紋が広がり、時間や空間に影響を及ぼす
そんな法則でもあるが如く、彼ら二人がお互いに影響を与え合い相対的に進行していく。
そしてガイア理論から、一般的では無かったフラクタル理論にまで発展していく。
合間にバカ話を挟みつつ、その霊地の空気が対談の場に影響を及ぼしつつ、あー笑えた。
記号や象徴は、観察をその手前でストップさせてしまうって、成程ね。

そこで細野氏が頻りに、浄化って言うんだけど、そんな気分に度々襲われる事がある。
なんか長く生きていると、だんだん身体も頭も汚れていっているような気がする。
実際、新陳代謝を繰り返す力も弱まっていくわけだし、簡単に刹那だけを考えて
楽しむ事に抵抗を覚えたりもする。あ、だからって刹那的ではありません。
ただ更新しとこうかなぁという、火の鳥が炎の中へ身を投じて若返るが如き
単純な図式を考え、足掻いてみたりするのです。
それが顕著な形で出ると、煙草を止めてみようだとか、肉断ちをやってみたりだとか
週に一度は断食しようだとか、根拠は無いけど清められるような気がする
それら愚考に及ぶ。実際、実行してみちゃったりする。
煙草は血吐いても止められないし、肉断ちは食卓に並ぶ肉を掻き分け残すという
不合理な作業に阿呆らしくなり、断食はいつの間にかやらなくなっちゃった。
でも食事を断つと気分的には浄化されたような感じもする。排泄も気持ちいいしね。
ま、究極は鼻の毛穴洗浄とか、腸の洗浄とかになってくのかいな。
無論、細野氏はそんな身体的な話はしていません。念のため。

どうも自分はそんなファッション指向に走ってしまう。
形から入るのですね。そんなのが妙な宗教に取り込まれたりしちゃうのかいな。
まぁ、団体嫌いだし、自身宗教的なところもあるから大丈夫だろう。
いえいえ、どういたしまして!
信じ易し、飽き易し、熱し易し、冷め易し、身体に優し、ダイオキシン(嘘)語呂は良し。

今日の関東地方は、一日中、雨ですね。
こうやって雨が空気中を洗浄していきます。
救われたいですね。




「Holiday」

1998/02/17.ICCH


毎週一回の休日を満喫しています。健康的ですね。
先先週の新宿、池袋のレコードハンティング、先週の神保町古本巡り、
今回は、吉祥寺の井の頭公園へ?行って参りました。
缶ビール片手に、水族園で没落気分を味わおうという試みだったのですけど
ははは、、、休館日でした。情けない。池をぼうーと眺めて、思案する。
吉祥寺でも歩きますか。ちょっと肌寒く、散歩も楽ではない。
武蔵野の雰囲気は好き。中央線も好き。この辺に住みたいよなぁ。
小田急線はもう嫌だなぁ。飽き飽きしてる。なんて考えつつ散歩。

それで、中野まで足を伸ばした。ほんと久しぶりだった。
噂のブロードウェイを歩き、「まんだらけ」やら「AVIC」やらに集る人達に混ざり疲労した。
しかし、ここは物欲のるつぼだ。
凄い興奮した熱気やエネルギー、物欲の湯気が皆の頭から昇っている。
ショップがひしめき合い、押競饅頭し、考えられる限りの物が並ぶ。
香港にも似たしたたかさで、あらゆるものにプライスが付けられている。
アイドルの立て看板、テレホンカード、ポスター、鉱物、アニメのセル画、
試供品の類、どこから持ってきたんだか蓄音機や謎の壺やら玩具、
博物館である。雑誌のバックナンバーも半端じゃない。
チケットの半券、パンフレット、ちらし、デモテープ、お菓子のオマケ、
雑誌の付録、気が狂いそう。カルチャーショック!
断言しよう。人間はどうかしてる。発狂寸前!
降参しました。文化の尻つぼみは、何も生み出しはしないだろう。
過去の発掘作業、思い出、遺産、骨董、屍、記憶、記録、使い回し。
今の世の中は、サンプリングです。
様々なREMIXES、DUB MIX、ミックスチャーのごった煮、そんな商売。

路地をほっつき歩き、高円寺の中古レコード屋「ヨーロピアンパパ」へと辿り着く。
本日の冒険も仕舞いだ。
休みなのにゴミ出しの為、店へと戻る。休日に見慣れた場所へは行きたくないですね。
解放感の最後っぺ、友達と近所の赤堤灯で軽く一杯。
軽く…のはずが、朝陽を拝むはめになってしまいました。
懲りない話。





「ある阿呆な一日」

1998/02/10.ICCH


+訃報+ 2月6日、ビーチボーイズのカールウィルソン、肺癌と脳腫瘍の為死去。
ご冥福をお祈りします。

先日の休日は、神田神保町古本街を散策しました。しかし、これまた
しっかりとした値段が付いてらっしゃり、つまらない知識を蓄えちゃった
という感じがします。例えば、ブルースリーなんかが流行っていて、
それに付随する書籍は軒並みスーパープライス。って言われてもなぁ。
数十年前のロック雑誌、例えば「ドール」だとか「宝島」「フールズメイト」
とかがモノによっては、××千円?どうなってるんだか。
面白そうなものは、ほとんどプレミアが付いている。Gimmie Shelter!
だから音楽資料的な書籍を買うに止めました。

小腹が減って、いつも探しても見つからなかったスキヤキの店を発見した。
なんだいパチンコ屋の脇だったんじゃん。
ここは、雰囲気があってとても良いのだ。ずいぶん前に入ったきり、場所の 記憶を
紛失してしまっていた。しかし、以前の記憶ではもっとだだっ広くて
カウンターには、グツグツ煮えているスキヤキ鍋が整然と並んでいたものだが
客が自分以外に居なかったこともあり、うら寂しく"斜陽"と いった風情。
ビールを飲みつつ、スキヤキの鍋をつついて、すっかりご満悦。
いやぁ来て良かった。人の憂鬱など、簡単に解決する。(自分だけ?)
こういった場所に、たまらなく魅かれる。
以前は、隣の客同士ぎゅうぎゅう詰めで、談笑、鍋の煮える音、景気のいい 掛け声の
店員、どこからも煙が立ち昇り、うわっあれは夢だったの?
帰宅の途、路上の花売りの「パンジー、ポトス300円だよ」が耳にこびりつく。
みんな、なぜそんなにもの悲しいの?
いや、勝手に自分がそう解釈してるだけ。とぼとぼって、帰り道。

湯船に沈んで文庫本を読む。汗がしたたり、もうトマトのように真っ赤。
借りてきたビデオ「うなぎ」今村昌平監督を、またビール飲みつつ観る。
役所広司のファンなもので、彼の生真面目さがコミカルで独りで クックッと
笑って観た。重い話ではあるけれど、それと裏腹にある笑いの方が強かった。
日本映画の良質な部分。こんな映画を撮れる人を尊敬いたします。
案外、アグレッシヴな映像なんですよ。こうゆう積極性はいいですね。

文化的な休日。スキヤキと映画で、すっかり文化を感じる所が、安いです。
庶民的なり。
動き出す為の反動をつける意味でも、からっぽの頭に水差しでお水を足しましょう。
河童か?
いえいえ、そこに花一輪、阿呆だな。



「CHAOS」

1998/02/04.ICCH


2月早々、手厳しいものです。
2日の月曜日は久しぶりの休みで、かと言ってやれる事は少しでも品物を
増やす事ばかりで、日本一高値と言われる西新宿へ繰り出して品漁り。
なんとか甘い値を付けてるものをと思いましたが、さすが甘くはない。
でも50枚ぐらいレコードを購入して、内容が良くなればそれでいいと いった気持ちで買いました。
0時まで仕事をしていると、飲む時間も限定されてしまうので、久しぶりに
池袋「シルバラード」へ顔を出し、バーボンを飲んで気持ち良くなってるうちに
最終電車の時間。ぎりぎり間に合ったと思ったら、電車の中で 寝てしまって
駅員に起こされた先は、品川だった。重いレコードを背負い、とぼとぼと寒い夜空。
電車なんか無い。
タクシーで帰りました。んーこの金欠状態に…!

愚痴ではありません。
心は「時計仕掛け…」のアレックスの如く晴れ晴れ、冬の乾燥した空気のよう。
乾いた笑いが、次々と、流れ出します。
人生は落語ですね。辛辣だけど、茶化しちゃえ!

本日、CD一枚のみしか、未だ売れていない。驚愕。
入ってくれる人はたくさん居ても、品物が悪いのか、財布はCLOSEしてる。
あまりにも揃いも揃って、財布が無口なので、閉口してしまいます。
いや、この場合、開いた口が塞がらないって方が可笑しいかな。
不景気感が漂ってる。2月と8月は、辛い時期らしいし。
ま、いいや、今のうちに出来る事を模索していこう。
元来、楽天家なのです。成るようにしか成らない。当り前だ。

石ノ森章太郎氏が亡くなりました。「サイボーグ009」好きでした。
「仮面ライダー」になりたいと階段の上からライダージャンプをして
前歯を根こそぎ折ったのは、4歳ぐらいの頃の事です。
世紀末、時代に必要とされない者は、又は自然淘汰的に消えていってしまいます。
2月9日は、手塚治虫の忌日ですね。偉大な人でした。
時代に方向性を持たせようとする気配を死神が察知するのでしょうか?
そういった運命論的な話は、コトが起こってしまった後にしか出来ない。
ジョンやガルシアが遺ってしまった事は誤算だよ。時代の失態。

よしよし、少しはまともに文章らしくなっている。
相変わらずのパターンを踏んでいますけど、最近調子が悪くて。
書いているうちに、どうでもいい気分が襲ってきてどうでもよくなってしまう病。
堕落病。トカトントン病。無知の病。何でもいいや。プッ!

と言ってる間に、本日、デザイナーのO氏から発送された委託の雑誌が
大量に売れる。分かる人には分かるものなんだなぁ。
"COMIX"の"X"が"X 指定"を指す、アダルトオンリーの成人コミック。
コミック雑誌なんだけど奇麗な表紙なんです。
ヒッピー全盛期のデザイナー達がこぞって参加してますから。
リックグリフィンとか、ロバートクラムとか、アダルト雑誌が反体制を意味して
いたのかも知れません。ロックバンドのサイケポスターよりは安い値段です。
ずいぶん前に、どこかのデパートでサイケデリックポスター展が開催され
観に行きましたが、あまりの値段に腰を抜かしてしまいました。
「だから、アダルト雑誌は狙い目ですよっ!」と商売っ気。

だんだんとメールマガジンと、ホームページと、店舗の境が曖昧になってきています。
みうらじゅんは言いました。
同じ台詞でも、媒体を変え、何度も繰り返して発表していけばブームになると。
それこそフラクタルです。
実践していこう。