中田秀夫によるハリウッド・レポート第一弾
先月下旬にアメリカン・フィルム・マーケット(AFM)に「仄暗い」が出品されるのに関連して、ロサンゼルスに行ってまいりました。これで2度目になります。1回目は昨年末に、向こうの映画会社の方々や、エージェント(代理人)、弁護士さんたちと話すために行ったのです。これは「リング」のアメリカでのリメイクの買い付けを担当した人物から、アメリカでも映画を撮ってみないかと誘われたからです。「ホンマかいな」と思いつつも、現地で多くのミーティングをこなしました。
今回はさらに「仄暗い」のリメイク権も売られたということもあり、向こう(映画会社やエージェントの人々)も本気、こちらも本腰を入れてというミーティングをこなしてきました。私の英語は中級レベルなのですが、「積極性」があれば何とかなるものですね。
AFMでは、香港やイギリスなどへの「仄暗い」の配給が決まったとのことでひと安心しました。またハリウッドをベ−スにしている、とあるアジア系女性プロデューサーとも話をしました。さらに、「リング」アメリカ版の撮影(セット)にもお邪魔しました。主人公のナオミ・ワッツさんのマンション室内の撮影でした。本来ならここで皆さんにとっておき情報を披露したいのですが、ハリウッド映画の秘密主義はかなり徹底していて、口外ならぬとのお達しがあるのです。ごめんなさい。ただ、以前に「リトル・ブッダ」の撮影をロンドン郊外の撮影所で見学したときもそう感じましたが、規模的な差異はあるにせよ、映画作りはやっている中身は質的にはほとんど変わらない、ユニバーサルなものだなあと今回も思いました。ナオミ・ワッツさん、監督のゴア・バビンスキーさんとも少し話ができました。監督とは一緒に昼食を取りながら、彼から「ロージー」や「サド・マゾ」についての質問(インターネットで私のフィルモグラフィーを調べてくれていました)を受けたりしました。彼は「オリジナルの「リング」に敬意を抱いている」と言ってくれました。
アメリカに続き、今年中には日本でも公開される予定ですから、皆さんと一緒に完成を楽しみにしています。
今はハリウッドで仕事をするための足がかりとして、エージェントを決定し、企画を模索しているところです。向こうでやるのは、想像するだに一本完成させるまでにかなりの時間を要するだろうし、大きな「文化的落差」も感じるだろうし、よくいるハリウッド監督のミニチュア版にはもちろんなりたくないし、いろいろとしんどいこと、多分なるリスクがあることは百も承知の上です。しかし、「本当に自分が心底打ち込める企画」が見つかれば、是非トライしたいと思っています。
どうぞ今後も応援のほど宜しくお願いします。
2002年3月某日
中田秀夫