FAQ
最終更新日:98/6/27
Q1.
脳梁欠損についてはどこまでわかっているのですか?
Q2.
脳梁の外見は?
Q3.
脳梁欠損症をもつ子供は長生きできるのでしょうか?
Q4.
脳梁の欠損部位と症状の関係は?
Q1.脳梁欠損についてはどこまでわかっているのですか?
A1.以下は他の方から教えていただいた内容をもとにしておりますが、内容や引用についての責任は当サイトの管理人が負うものです。引用方法などに問題がありましたら、管理人までご連絡ください。
脳梁欠損症(Agenesis of Corpus Callosum)
1、概念
左右の大脳半球を結ぶ神経線維束を交連というが、脳梁はその
中で最大のものである。胎生7から20週までと、完成まで長期間
を要するため部分欠損から完全欠損まで、さまざまな程度の欠損
を認める。
単独で起こる場合もあるが(一次性の脳梁欠損症)、他の脳奇形
と合併する場合がある。
脳梁は、頭蓋内脂肪腫の好発部位でもあり、脳梁脂肪腫の50パーセントに脳梁欠損症を合併している。
2、臨床症状
まったく無症状で偶然に発見されることが多い。
症状としては、精神遅滞、痙攣、網脈絡膜異常、脊椎異常などが
ある。
最も多い症状は痙攣であり、これは大脳に対して興奮抑制的に
働いている脳梁線維が欠損しているために痙攣を、生じやすい
と考えられている。
痙攣発作は2歳以後に初発することが多い。
精神発達はさまざまで、正常のものから、重度遅滞まで認めら
れるが、脳梁の欠損程度とは相関しない。
合併症として、水頭症、脳回異常、孔脳症、小脳の低形成、全
前脳胞症、Dandy−Walker症候群、Arnord−Chiari奇形、
脳梁脂肪腫、下垂体機能低下、大頭症、小頭症、尿管ヘルニア
、知覚運動ニューロパチー等がある。
なお女性で脳梁欠損に精神遅滞、点頭てんかん、網脈絡膜異常
、脊椎異常を伴うものを、Aicardi症候群というが、遺伝的背景は
はっきりとしない。
3、診断
CTでの診断も可能であるが、MRI矢状断が最も診断価値が高く、
脳梁欠損の程度まで診断可能である。
正中で交叉できなかった脳梁線維は、側脳室の内側に厚い線維
束を形成し
1、両側脳室は左右に離開
2、脳室後角は拡大しcolpocephalyと呼ばれる形状を示すことが多い
3、冠状断でコウモリ翼状の側脳室
4、全体的に飛び上がったカエルのような形の脳室
5、脳梁の欠損している部位の大脳縦裂はその分だけ深い
6、脳梁がないために大脳縦裂に顔を出す帯状回が下斜め方向に張り出す(正常では逆に斜め上向き)
4、治療
脳梁欠損は、脂肪腫が伴っていても外科的治療の対象とはならず
痙攣発作のコントロールが中心となる。水頭症があればシャント術
を行う。
5、脳梁研究の歴史
脳梁は古くは精神の座とされたこともあるが、今世紀の前半
には病変が生じてもなんらの症状も呈さないと考えられていた。
Akelaitis(1944)は重症てんかんの治療として脳梁切断を
行った患者に何の症状も認めなかったことを報告し、Dandy
(1936)は第三脳室腫瘍の手術時に脳梁を部分的に切断
してもそのために新たな症状が生じなかったとした。それに
加えて、先天的に脳梁が欠損している脳梁無形成症例には
なんらの症状みられないこと(Valensi1910)、脳梁切断動
物が無症状であったという報告などがあり、そのために脳梁
は無症候野と考えられていた時代がある。
しかし、1960年代から始まったSperry、Gazzaningaらによ
る脳梁手術切断例における、従来の研究とは異なった臨床
症状の緻密な観察によって、脳梁病変は明らかな症状を出
すことが示された。その結果、左右大脳半球の機能分化が
次々と明らかにされた。
その後、脳梁切断例の検討を始めとする左右大脳半球の
優位性や高次大脳機能の研究は一種のブームの観さえ呈
し、現在に至っている。
脳梁病変の検索は古くは気脳写、脳血管撮影によって、最
近ではX線CTによって行われてきた。これらのいずれの方
法によっても脳梁の全貌を直接描出することは不可能であり
、病変の存在や範囲を推察するにとどまっていた。また、手術
例の脳梁切断部位は手術した外科医の観察と推定にまかさ
れていた。したがって、病変の正確な同定は唯一剖検によっ
てのみなされた。
これに対し、MRIは容易にしかもきわめて正確に脳梁病変
を同定することができる。Gazzanigaら(1985)は脳梁手術
で全切断したとされる3例の病変をMRIによって検討し、1例
では脳梁線維が残存していたことを示した。彼らの報告に象徴
されるように、半球間離断症状に関する脳梁病変の検討はMRI
の出現によってはじめて本格化されたといっても過言ではない。
<参考文献>
脳、頭頚部のMRI診断 竹中 栄一 メジカルビュー社
高次脳機能の生理学 編 鈴木 寿夫 、酒田 英生 医学書院
脳脊髄の腫瘍、外傷、奇形、脊髄の異常 編 井上 裕夫 中山書房
MRI脳部位診断 平山 恵造 、河村 満 医学書院
脳神経系のMRI診断 高倉 公明 朝倉書店
脳の高次機能障害 編 井上 裕夫 、尾形 悦郎 中山書店
Q2.脳梁の外見は?
A2.上から見ると
Q3.脳梁欠損症をもつ子供は長生きできるのでしょうか?
A3.管理人の参加している「ACCネットワーク」という組織からもらった
「The ACC Directory(脳梁欠損症患者の名簿)」によればそこに載
っている人たちの年齢構成は以下の通りです。
05歳以下:188人(娘の麻記もこの中の一人です)
06〜10歳:155人
11〜20歳:86人
21〜30歳:6人
31〜40歳:3人
45歳:1人
成人の数はきわめて少ないといえます。しかしながら、それが即
「長生きできない」ということにつながるわけではないと思います。
第1に「脳梁欠損」という診断が下されるようになったのは、そう
古いことではないので、年齢が上になるほどそういう知識を持った
医師の診断を受けていないという可能性があります。
第2に軽微な症状では、本人およびその周囲に自覚がない場合
もあるようです。ずいぶん年がいってから、別の病気でCTスキャ
ンしてたまたま発見されるというケースもあるようです。
あるいは言葉は悪いですが、ただの「頭の鈍い奴」とみられてい
るだけ、というケースもあるようです。
Q4.脳梁の欠損部位と症状の関係は?
A4.先天的な「脳梁欠損」の場合は欠損部位と症状の直接的な関係はな
い場合が多いようです。素人考えですが、これは脳の持つ補償作用
的な機能により、生まれつき無い機能がある程度自動的に補われる
のではないかなとど勝手に考えています。
これに対して、後天的な脳梁の損傷である「脳梁症候群」では損傷
部位と症状にはある医学書によれば下記の関連性がみられるようで
す。
<脳梁の損傷部位> <症状>
前1/3の障害 知的機能低下、失語症、顔面筋や舌の失行
中1/3の障害 半側失行、意識障害
後1/3の障害 小脳失調、下肢麻痺
また、インターネットで得た情報によれば
hhttp://www.ahs.kitasato-u.ac.jp:8080/docs/qrs/psy/psy00060.html
脳梁前部の損傷では劣位半球の支配する手に運動失行や失書が見ら
れたり両手を使ってひとつの行為を実行することができず
脳梁幹後部もしくは脳梁膨大の損傷では劣位半球の受けた視覚情報
を言語化できない。絵ことに立体的表現が不得手。
とのこと。
また
http://www.macpro.co.jp/argo/niitsu/chapter2.html
によれば脳梁は、本来右脳(アクセル)と左脳(ブレーキ)の連絡係である
らしいので、感情面でも多少普通と異なる面で出てくることがある
のかもしれません。
(驚いたりする刺激が痙攣や発作につながるなど)
また
http://mukb.medic.kumamoto-u.ac.jp/seimei/hayama/hayama.html
によれば脳梁自体「咀嚼」することと深いつながりがあるようです。
脳梁欠損の子供で咀嚼できず、チューブから栄養を接摂っていると
いう話はよく聞きます。
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