浅 七 (門前仲町、居酒屋)
酒に向かい合う
       
訪れたときの様子
一軒目で日本酒を控えたのは他でもない、この店で飲みたかったから。燗酒が主要命題の今期、また来たくなった。

そうそう、つきだしは卵焼きだったなあ。ほとんど味付けをしていない、げたの脇にちょこんとわさび漬けが乗り、実質二品だ。最近燗の「基準酒」となりつつある「浦霞」をやりつつご主人に聞くと「(卵焼きに)のせる方もいらっしゃいますし。飲む前に少しでもお腹に入れておく意味もありますが」とあくまで客次第。
隣の客はわがまま言ってもいいか?と断ってから「〆張鶴」の冷やを徳利からグラスに移してもらい、「一合あるねえ」 さすがの主人も「うちは正一合だよ」と反論している。

つまみを聞かれたので「まぐろづけ」を頼むと、心なしか主人の目が輝いた気が。はたして酒に合う。まあ、無難な選択だけどね。
隣の客が「こないだ、あぶったづけがあるって言ったら信じないんだよ。」と主人に話かけている。「まあ、霜降りのやりかたと言えばねえ」とあくまで主人はさりげない。

あと飲んでみたいのは「大七 純米生もと」、燗がうまいと実によく聞く酒だが、恥ずかしい話、まだうまいと思ったことがない。気になるつまみもあるが、「大七」に合うかよくわからないので酒だけ追加する。
隣の客は領収書をもらっているからそろそろ帰るようだ。けっこうご機嫌のせいかグラスの「〆張鶴」はあまり減っていない。主人はちゃんと飲んで帰ってね、と忠言

ひとたび底をさわられながら再び湯につけられたお銚子、ゆうに「熱燗」と呼んでいいつけ具合だろうが、これがなかなかうまい。そういえば以前自分で買ったときにはぬる燗か冷酒で飲んでいたなあ。うまいですねえと主人に言うといわく「いい酒は熱燗にしてもくずれないですね」。
隣の客はまだ着物のことで主人につっかかってる。そんないいものじゃないですよとかわされても、「こないだ三越に50万円持ってってあつらえろと言ったら・・」

「里芋揚出し」を追加するとけっこう油が強いが、酒は負けない。隣の客が何度目かの携帯電話から帰ってきた。「お金払わなきゃね、えっとねえ、領収書の名前は・・」 さすがに主人も苦笑いだが、客は本当に精算を済ませたのを覚えていないようだ。カウンターに並ぶお銚子3にグラス1、おいしいからって飲みすぎちゃいけないのね、と自戒しながらも里芋の油がやけにボリュームがあって「群馬泉」を追加する。
この日注文したもの
つきだし(卵焼き、わさび漬け添え、400円)1、
つまみ
まぐろづけ(550円)、里芋揚出し(600円)、各1
燗酒(正一合)
「浦霞」(「辛口」、700円)、「大七」(純米・生もと、800円)、「群馬泉」(生もと・純米、800円)、各1
1人で3750円(1時間強滞在)
勝手なコメント
つい言いたくなるうんちくは、例え酒関連でも控えましょう
★★★★(5つ星が最高)
詳しい紹介

「浅七」
江東区富岡1-5  大通りから1本入る
17時半から営業。21時半ラストオーダー
日祝休み

営団東西線、都営大江戸線 門前仲町駅 から徒歩2〜5分
@東西線で行く時は西船橋方面の階段、改札を使って2番出口を出るのが一番早い。出たら歩道を右に進むと通り沿いに魚三酒場がある。(通りを挟んだ向かいは深川不動尊入り口と富岡八幡宮入り口の中間くらい) 魚三酒場の脇の路地を入った右手。
A大江戸線や東西線大手町方面の改札を使うと2番出口には出られない。地上に上がり、東京三菱銀行やUFJ銀行の並びの向かい側に渡り、あとはまっすぐ。地下鉄出口を通り過ぎたらすぐ魚三酒場。以下同じ。

この日はつまみに穴子の肝煮があって、酒に「神亀」がなかった。

⇒「新精選 東京の居酒屋」 太田和彦  草思社
⇒「日本の居酒屋を行く 疾風篇」 太田和彦 新潮社
     「東京下町」の部分
  「ニッポン居酒屋放浪記 疾風篇」(上記の文庫版) 新潮文庫


この日の一軒目(大坂屋@門前仲町)へ

2002年夏の「浅七」

店一覧に戻る