鍵 屋 (根岸、居酒屋)

    この時期はやはり格別

    
訪れたときの様子
大通りの1本脇の筋は住宅街、低層の民家が多く、お寺さんがあるくらいで明かりも乏しい住宅街。道幅も狭いが脇に入ると行き止まりそうで、車は通らない。そのはじっこに暖簾を垂らしたひときわ明るい光、居酒屋のシチュエイションとしては素晴らしいと思う。

暖簾をくぐると昔の民家のようなつくりの右半分がカウンター、荷物と上着を奥の階段に預かってもらい、詰めてもらった席につく。反対側の座敷には卓がいくつか並ぶが今日は使っていないみたいだ。あの座敷であぐらかいて酒を差し合うのは実に愉快な気分だった。棟梁に言わせると移転前の建物の方が上だったらしいが、それでも見事な雰囲気が味わえる。

毎週来ていると思われる近所の棟梁は隣りと語らっている。主人は私に「何かおつくりしますか」と尋ね、「くりから焼を」と答えると返事だけして焼きにはいる。燗付け器から1度取り出し、底を指で確かめ隣りにつけかえてから出される「桜正宗」がほんわり甘い。

お通しの煮豆にはさびのきいた醤油がからみ、鍋についてきたきざみねぎをからめると立派なつまみになる。棟梁いわく、このあたりは昔から水がいいので醤油も豆腐もうまいそうだ。〆におろし(じゃこ、酢)を食べ、水をもらうと酒のひけが早いと聞いた。主人にもらう水が東京とは思えないほどうまい。

やはりここではいい酒が飲める。確信を深めて店を後にする。
この日注文したもの
お通し(煮豆)
つまみ
鰻のくりから焼(610円)、鳥もつ鍋(660円)、

「甘口」(燗、「桜正宗」、500円)、「菊正宗」(燗、500円)、各1
1人で2300円ほど(1時間ほど滞在)
勝手なコメント
冬も近い時期の燗は、やはりいい
★★★★★(5つ星が最高)
詳しい紹介

「鍵屋」
台東区根岸3-6
21時半には閉店
日祝休み。

JR山手線 鶯谷駅 南口から徒歩4〜5分
鶯谷駅南口を出て左。階段を下りてすぐ大通り(言問通り)。横断歩道を渡ったら歩道を左へ。「第一勧業信用組合」を目印に右折。すぐの路地を左へ行くと右手。(店の先はすぐ行き止まり)

移転前の建物が「江戸東京たてもの園」に移築・復元されていて、見学できる。居酒屋好きなら一見の価値あり。(都立小金井公園内、観覧料が別途必要)
http://www4.ocn.ne.jp/~tatemono/
(「たてもの園公式サイト」→「もくじ たてもの園のご案内」→「復元建造物のご案内」→「東ゾーン」


「湯豆腐(秋)」「煮こごり(冬)」となっていたが、ちょうど境の時期のせいか、どちらも頼めるようだった。
なお、4人以上では入りにくいので宴会はできない。また、女性のみでの入店はお断りらしい。

⇒「新精選 東京の居酒屋」 太田和彦  草思社
⇒「日本の居酒屋を行く 疾風篇」 太田和彦 新潮社
     「東京下町」の部分
  「ニッポン居酒屋放浪記 疾風篇」(上記の文庫版) 新潮文庫


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鍵屋(2002年夏)

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