白雪温酒場 (九条・大衆酒場)

   今なお残る「昔」

  
訪れたときの様子
前の店で予想外に時間を使ってしまい、帰りの時間まで間もない。だが、どうしても行っておきたい場所があったので、駅を降りてから走る。
西九条の駅からだと川を渡らなければならないのだが、そこに橋は無く、なんとトンネルらしい。帰りの電車まで45分ほどしかないため、川底に下りるエレベーター待ちが10分もあったら終わりだよ。

なんて心配は杞憂に終わった。安治川トンネルは市民の足として欠かせないものらしく、続々と会社・学校帰りの人たちがやってくる。自転車の人も多い。6〜7人揃ったところでハイ発車。(職員の人がいて操作している) 川底であるはずの無機質な通路を歩き、またエレベーターに乗りすぐ発車。無事対岸に渡ると程なく目的の店がみつかった。

昔ながらの店が好きと言ったらいろんな人に勧められた「白雪温酒場」。恐ろしく古臭い外観で薄暗い。もうとっぷりと日も暮れているのだが、やっているのかどうかわからない程度の明かり、暖簾がかかっていながらも入るのを躊躇するほどだ。

店内も電球の明かりがぼや〜という程度、何より張り出されている品書きには酒しかなく、燗(当然「白雪」)は頼めたものの、つまみの注文がまるで見当つかずで五里霧中。数少ない情報であった「厚揚げの焼いたのがうまいらしい」というのは、「今日は全部おでんに入れちゃった」の一言で雲散霧消。絶対ありそうな「大根」「こんにゃく」という単語を発してとにかくつまみを確保する。

店の厨房は奥に深く、石というか土というか、火はガスが通っているようだが火鉢のような器の上に金色のアルマイト実用鍋が置かれる。壁なぞは実にすすけた木で、暗い明かりがよく似合う。まるで今は亡きひいばあさんの時代の作りだ。湯せんのちろりでそのまま出される燗酒を飲みながら、先客がいるのをこれ幸いとその様子の観察に徹する。彼らの行動は正に命綱なのでひとつとして見落とせない。

焼き物の皿があるので探すとカウンター脇にケースがあった。焼鳥?の串の他にも青菜(おひたしか?)や小魚も並ぶ。おお、隣りの先客が「かますご」と発したぞ、あの小魚が火鉢の上で炙られる。
その先客は若い女性連れ、背広の上司が連れてきたらしい。たばこを吸いたいようだが灰皿が無い。店の人に所望すると「床へ」と言われ、「そんなことできない!」とショックを受けている。はたして彼女が使えるようなトイレはあるのだろうか。

席の前、カウンター越しに鍋がかかっている。そのうちのひとつが開いた! 豆だ、多分煮てあるのだろう。すかさず「煮豆」と発すると出てきたので合っていたようだ。ほくほくしていていかにも家庭の味だ。
おでんの他にもある鍋、蓋が閉まっているためその中身はわからない・・

奥の先客は茶髪で20代に見える2人連れ、よく来ているようだ。名物らしい「×××」を注文しているが、同時に10分もかかることも判明し、それでは電車に間に合わない。まさに涙をのむが、これが一見の悲しさ、というか、わきまえるべきところなのだろう。頼みたければ、また来ればいいだけの話だ。

そろそろいかないと走っても電車に間に合わない。お勘定を頼むと、750円ほど。一瞬、聞き間違えたのかとも思ったが、壁書きの値段が2本線で消されて各10円値上がりしているのを見て思わず納得してしまった。(例えば180円→190円)

ある人は「ここには闇(やみ)がある」と言った。以前は外観も店内ももっと暗かったそうだ。わざわざ熊野の山奥まで探しに行かなくとも、確かに都会の中に「昔の闇のかけら」が残っていた。
この日注文したもの
酒(燗、「白雪」、200円?)、おでん(厚揚げ・大根・こんにゃく)、煮豆、各1
1人で750円暗い、いや、位(20分強滞在)
勝手なコメント
今回は攻略しきれなかったが、雰囲気満点
★★★★★(5つ星が最高)
詳しい紹介

「白雪温酒場」
大阪市西区九条3丁目あたり
17時から23時の営業らしい
定休日不明

JR環状線他 西九条駅 から徒歩10分強
(地下鉄中央線 九条駅 からキララ商店街を進み徒歩10分弱みたい)
西九条駅を弁天町寄り?の出口に出て、通りを左折、数分で安治川トンネルの建物(3階建て)にぶつかるので川をくぐる、向こう岸に出たら交差点を川とは直交する方向に進むと左手すぐが「白雪温酒場」
なお、安治川トンネルは川底のトンネルで、両岸にトンネルに通じるエレベーターがある。(現在、橋はかかっていない) 通行時間が決まっており、特に冬季(11月〜4月)は午後10時までなので要注意。(エレベ−ター停止時間でも階段での通行は可能らしいが、えらい時間がかかるだろう) 大阪市の管理らしく、無料で通れる。

奥の深いカウンターのみ、椅子席20個ほど。
つまみの品書きは無いため、はじめは保冷ケースの中身や厨房内の鍋・周りの人の注文から探るしかない。しかしそれがけっこう楽しい。

今回の旅は以下のサイトにお世話になりました
http://www5a.biglobe.ne.jp/~nene/
(個人作成「酔わせて下町」→「特集」→「大阪大衆酒場の旅」)
http://izakayadaisuki.at.infoseek.co.jp/
(個人作成「jirochoの居酒屋大好き!」) ※白雪温酒場は紹介されていません
http://www003.upp.so-net.ne.jp/yanachan/
(やなちゃんの大阪一人酒の日々→「お店リスト1」(一人酒編))


兄ちゃん、またいったんか(明治屋@天王寺)へ

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