Bolton Wanderers 1-3 Arsenal

水曜にキエフで試合して土曜にボルトンまで遠征して試合。どういう日程なんだよ。カーリングカップがあるからというのはわかるが、もう少し考えて日程を組んでくれたまえ。鬼門リーボック・スタジアムではあるが、そういう事情もあるのでメンバーには多少変更があった。とは言っても怪我人が多いのでファンペルシ→ベントナー、ウォルコット→エブエのみ。後ろの人間は結局まったく変えてこなかった。代表戦二試合もフル出場してるギャラスが過労死しないのか心配である。ボルトンは夏の補強の目玉であるエルマンダーが怪我から復帰できず、けっきょく昨シーズンと同じような顔ぶれになった。嬉しいような悲しいようなという感じのケビン・デイビスのワントップ布陣。ゴールキーパーはヤースケライネンがポジションを奪い返したようである。中盤の底には元アーセナルのムアンバがいた。全体的にディフェンダー登録の選手が多い印象。ジョーイ・オブライエンとかガードナーは元サイドバックだったような。


アウェイ三連戦のトリとなる試合だけにアーセナルは立ち上がりの動きが鈍いんじゃないかと心配したが、予想外に動きは軽かった。ボルトンがやや引き気味に入ったのもあっただろうけど、支配率はアーセナルが上回りつつ時間は進む。しかし、支配率は上回っていても安心できないのが鬼門のリーボック・スタジアム、セットプレイからの一発を決められて主導権を奪われるという展開はすっかりおなじみになっている。今回もこの伝統をきっちり守って14分にコーナーキックから失点した。
きっかけはロングボール。ボルトン戦では超おなじみの単語。デイビスが競り合って前に落とし、こぼれ球を拾いにきたアルムニアにノーランが寄せてコーナーキックを得る。ファウルじゃねえの?という感情もボルトン戦では超おなじみ。J・オブライエンが蹴ったインスイングのボールをゴール中央でデイビスが合わせてネットイン。マーカーはトゥレ。言いたかないけど、トゥレは競り合い負けることが多くなったような…。
それまでノーランのロングシュートぐらいしかゴールを脅かされていないにもかかわらず、あっさり失点。正直、もう完全なる負けパターンだと思った。20分すぎからの決定的チャンス三連続をゴールポスト君に二度阻まれた時点でもう確信に変わってましたよ。こりゃ負けだなと。
なので、26分にエブエが同点ゴールを決めたときは素直に驚いた。それもボールを繋いで繋いで、チャンスを作り直しての得点だったので。エブエの左サイドでのキープが始まりで、そこから右へ左へサイドを変えたりしてパスを10本以上つながり、最終的にはエリア前の中央でベントナーがセスクのパスを受けた。その瞬間にステインションとシットゥの間でポジションをとっていたアデバが抜け出す動きを始め、それに合わせてベントナーがアウトサイドでいいパスが出す。抜けだしかけたアデバのトラップが乱れたかと思ったら、ステインションの大外からエブエが走り込んでボールをかっぱらい、そのままヤースケライネンのニアサイドを冷静に破った。
しかし、冷静にラインを見るとエブエはオフサイド。ベントナーのパスの時点でも体は前に出ていたし、アデバがトラップした瞬間なら完璧に前に出てる。ゴールが認められたのはラインズマンのおかげだった。ボルトンの選手があまり抗議してなかったのが不思議である。あまりに回されすぎて抗議する気が起きなかったんだろうか?
勝ち越しゴールはその一分後。中盤でセスクのパスがカットされてカウンターになりかけたところをセスクが慌てて寄せて防ぎ、こぼれたボールをデニウソンがヒールパスでソングへ繋ぐ。ソングからエブエと繋ぎ、エブエがドリブルで運んで中央のアデバへポストさせ、ボールを受けたアデバは前を向いてシットゥとステインションを引きつける。じゅうぶん引きつけたところでステインションの大外を回ったデニウソンへアデバがスルーパス、デニウソンが左足で鋭いクロスを送ると、ベントナーがA・オブライエンとのオフザボールの動きで勝利して前に入り、スライディングしながら右足で合わせた。デニウソンがソングにヒールパスしたあとでポジションを崩して左サイドをフォローしたランニング、ベントナーがセンターバックとの駆け引きを制して前に入った動きが素晴らしかった。
リードを奪ったことでアーセナルの動きは一段と増す。逆にボルトンはまったく攻め手がない状態に。デイビスにロングボールを当ててきっかけを作りたいのだろうけど、ボールが取れないのでロングボールを蹴る場面にならないという状態になっていた。先制ゴールのエブエは水を得た魚の如く躍動していたが、左サイドでもこんなに器用に動けるとは本当に驚き。デニウソンは基本は右サイドだが張りつくわけではなく、セスクとチェンジする感じで中央に入っていってパス回しに貢献しまくっていた。セスクは多少セーブしているのか、エリアの前までは上がっていくけれど、中に走りこむ場面はほとんどなかった。攻撃になったときにあがっていくランニングの量なら、デニウソンの方が多かったぐらい。前半終了間際にデイビスがクリシに猛烈なタックルを見舞ってイエローカードを貰い、そのままハーフタイムへ。
試合後に深刻な怪我ではないとわかったが、クリシはハーフタイムを挟んでジュルと交代になった。ジュルが入ったことでギャラスが左サイドバックに回るものと思ってたら、なんとジュルが右サイドバックに入り、左サイドバックにはサニャが回った。ギャラスそこまでサイドバックをやりたくないのか。移籍当初は文句を言わずにやっていたというのに。
この交代でアーセナルの攻撃はトーンダウンした。ジュルが右サイドバックになったことで、基本的にサニャの上がり待ち状態だった右サイドの攻撃が死んでしまったので。左サイドに回ったサニャも右サイドのときほどの動きはできず。都合、両サイドバックの上がりが見こめない状態になってしまう。そういうわけで後半はボルトンが押しこむ展開になった。アウェイの三連戦でスタミナが切れかけているアーセナルは押し上げることもできなくなり、ボルトン得意のロングボール戦法に四苦八苦。ボルトンの左サイドバック・サミュエルは上がりっぱなし状態が続いていた。
ベンゲルがようやく動いたのは70分過ぎ。サミュエルの上がりを抑える意図だろうけど、ベントナーを下げて右サイドに快速ウォルコットを配置して、アデバ&エブエ&ウォルコットのスリートップ気味に変更した。この交代は大当たり。ウォルコットに裏を突かれることを恐れてサミュエルは上がれなくなり、ボルトンのディフェンスラインも下がり出す。プレッシャーが弱まって中盤でもボールを回せるようになったので、アーセナルはリズムを取り戻せた。
試合を決める追加点は87分。中盤でボールを持ったウォルコットが相手選手三人をひきつれたままピッチ中央をドリブルで押し上げ、右サイドに開いたアデバへパス。この日“フォアザチーム”を貫いていたアデバがエリアを横切るように鋭いボールを送ると、ファーサイドで待っていたデニウソンが体を倒すヤースケライネンの上を突く冷静さを見せて決着をつけた。ウォルコットがドリブルで押し上げた時点でデニウソンとセスクが左サイドで余っていたランニングが良かった。デニウソンのランニングを誉める試合がこんなに早くきたのが不思議でならない。フルアム戦とか絶望的だったのに、なんでこんなに劇的に変わったのだろうか。監督の見る目は違うなと。おみそれしました。MOMはデニウソンです。
| Bolton Wanderers | Minute | Scoreline | Arsenal |
|---|
| A long ball forward for Kevin Nolan creates pressure on Almunia, and Arsenal concede a corner. Kevin Davies times his jump to perfection and puts his side ahead, and I think it's fair to say that's against the run of play. Great finish, although it was also some very ordinary marking. | 14' | 1-0 | |
| 26' | 1-1 | Fabregas calms things down on the edge of the area and plays the ball to Bendtner. He puts a ball through to Adebayor, who was onside, but it's Eboue who runs onto it to stick it in the net. Eboue was offside, but the goal stands. The equaliser is the Ivory Coast international's 1st goal of the season. |
| 27' | 1-2 | Given the pressure that Arsenal have exerted over the past ten minutes, it's no great surprise that they're now ahead. Denilson is played in behind the Bolton defence on the left, and he puts in a low cross for Bendtner to turn into the net. The Dane's 2nd goal of the season put Arsenal into the lead. |
| Davies flattens Gael Clichy with a studs-up challenge and is shown a yellow card. It all leads to a bit of tension between the two sides, and Clichy needs some medical attention. | 45+2' | | |
| 46' | | Djourou replaces (Clichy) |
| Riga replaces (Smolarek) | 56' | | |
| McCann replaces (Joey O'Brien) | 60' | | |
| Yellow card for Muamba, who puts in a late lunge to bring down Adebayor as the Arsenal striker threatened to race in behind the Bolton defence. | 62' | | |
| 73' | | Walcott replaces (Bendtner) |
| 76' | | Song is booked for tripping Davies. |
| Vaz Te replaces (Muamba) | 82' | | |
| 85' | | Ramsey replaces (Eboue) |
| 87' | 1-3 | That's the ball game, and it's Denilson who's finished it off. Arsenal turn defence into attack with a swift counter as Walcott puts Adebayor into space on the right, and he picks out Denilson with a low cross to the far post. The Brazilian's 2nd goal of the season seems to make it all over! |
| 87' | | Fabregas is booked for not releasing the ball after the third goal. |
| The final whistle is blown and Arsenal have come from behind to win this one with reasonable comfort. There was a tricky period halfway through the second half when the home side threatened to come back into it, but Denilson wrapped things up for the Gunners who go top of the league. | 90+4' | 1-3 | |
- Bolton Wanderers
- Jaaskelainen, Steinsson, Shittu, Andrew O'Brien, Samuel, Muamba(82' Vaz Te), Joey O'Brien(60' McCann), Smolarek(56' Riga), Gardner, Nolan(C), Davies.
- Subs n/u: Al Habsi, Hunt, Cohen, Helguson.
- Arsenal
- Almunia, Sagna, Toure, Gallas(C), Clichy(46' Djourou), Denilson, Fabregas, Song, Eboue(85' Ramsey), Adebayor, Bendtner(73' Walcott).
- Subs n/u: Fabianski, Gibbs, v.Persie, Vela.
アルセーヌ・ヴェンゲル監督:「チームが一致団結し、有無を言わせぬ素晴らしい内容だった」
- 出来について
チームが一致団結し、有無を言わせぬ素晴らしい内容だった。至るところで強靱さを発揮し、体力的にも技術的にも強かった。後半になると守りを強いられたが、辛抱強く耐えることができた。チームは急速に成熟してきているようだ。
It was a convincing, united and classy performance. We were strong everywhere a team can be strong that means physically and technically. Even in the second half when we needed to defend we showed the resilient aspects of our game. That makes me think we are maturing very quickly. I believe that the attitude of this team is right.
- 選手を休ませる
11人の選手で60試合をこなすのは無理だ。選手がオーバーヒートする前に予防しなくてはならない。特に前線では一秒一秒、いやコンマ一秒の勝負になるから、常に刺激し続けることが必要になる。今日はウォルコットとファンペルシを休ませたが、勝てたことでわれわれには出番を待っている素晴らしい選手がいるということを証明できたと思う。ナスリ、シルベストル、ロシツキ、そしてエドゥアルドは負傷中だ。力は備わってると言えるだろう。
You cannot play 60 games with 11 players. You have to anticipate before some of the players are overused. Especially up front when every second, every tenth of a second, is important. You have to provoke up front. Today I rested Walcott and Robin van Persie. This win proves we have good players coming through underneath. We have Nasri, Silvestre, Rosicky and Eduardo too. So there is a lot of quality at home.
- ガエル・クリシに対するケビン・デイビスのタックル
笑われてしまうかもしれないが、あのタックルの瞬間を私は見ていなかったんだ。ガエルは私の目の前にいたのだが、私はギャラスにボールが戻ったところを見ていた。ガエルにボールをキープするように言った三十秒後の出来事だったよ。ビデオで見直してみなければならないな。脛の怪我ということは、足をとても高く上げたタックルだったということだ。単なるアクシデントだったのか否か?それはデイビスにしかわからない。
You will smile but I did not really see the impact of the challenge. Gael was in front of me but I watched the ball as it went back to William Gallas. There was 30 seconds to go I said to Gael let's keep the ball. I need to see it on the video again. It was a shin injury. That proves that the tackle was quite high. Was it an accident? Only Davies can answer that.
- フィジカルゲームへの対処
体と体のぶつかり合いを真っ向から受け止め、見事に対処してみせたと思う。誰かを蹴るという行為は私の中ではぶつかり合いとは言わない。それはルールに反しているからだ。ビデオで彼(デイビス)が何をしたのか見返してみなければならないが、単なる体のぶつかり合いならばわれわれには何の問題もない。それも試合における一つの魅力にすぎない。
We accept the physical challenge and I think we responded to it well. For me kicking someone is not physical. It is out of the rules. I have to see what he did again on video again but we have no problem with the physical challenge. It is part of the charm of the game.
- タイミングを誤ったチャレンジに対してFAは
試合のスピードはとても速いから、選手の意図を審判が見間違うことはある。タイミングを誤ったタックルについてはFAがその防波堤となるべきだ。ただ、私は今回の事件をじっさいに見ていなかったから、この件について注意を喚起することはできない。アクシデントとしても起こりうることだ。
The speed of the game is so high that referees can miss the real intention of the players. There should be resource for the FA to act on mistimed tackles. But I am cautious on this one because I did not see. It can happen accidentally as well.
- デニウソン
非常に良かった。ミッドフィルダーは総じていい出来だったよ。堅牢な強さがあった。0−1になってもパニックに陥らず、力強く反撃に転じられたことに満足している。この若いチームには負けたくないという強い意志が備わっている。
He was very good. The whole midfield functioned very well. There was strength and security coming out of the whole team. That is what I liked, we were not panicking when we were 1-0 down but responding in a strong way. For such a young team we have a very strong desire not to accept defeat.
- ファーガソン監督の「アーセナルに優勝してほしい」発言
われわれはお互いに尊敬しあっているが、お互いに子供ではない。今シーズンも昨シーズンと同様に興味深いものになるだろう。あれこれ詮索しながらチェルシー対マンチェスター・ユナイテッド戦を観戦することにするよ。チェルシーはいいスタートを切った一方で、ユナイテッドは昨シーズンと同様にスタートで出遅れている。だが誰もが知っているように、彼らが眠ったままでいるということはありえないし、大抵の場合はビッグゲームで目を醒ますものだ。そしてこの試合はビッグゲームだ。
We take it with a lot of respect. But we are not naive. It will be interesting this year like it was last year. I will watch the Chelsea v Man United game with a lot of curiosity. Chelsea had a good start, Man United had a difficult start like last year. But you know they will wake up and most of the time they'll wake up in a big game. This is a big game.
ギャリー・メグソン監督:「後半の出来で結果が出せなかったのが残念だ」
先週の試合は今シーズンそこまでの試合とはまったく違ったが、今日はそうではなかった。われわれはストーク戦で同じような試合を戦い、ニューカッスル戦とウェストブロム戦でもまあまあの試合をした。今日は非常にいい内容でスタートを切り、先制点も決めることができた。
Last week the game was different to the others this season, but that wasn't. We did exactly the same against Stoke, we did okay up at Newcastle and against West Brom, but today we set off really well and scored the first goal.
だが、先制点のあと15分間は彼らのパスワークと動きに混乱させられてしまった。前半にあれ以上ゴールできなかったのは彼らにツキがなかったからだろう。後半は競り合う展開になったのだがね。ミッドフィルダーとディフェンダーの間のスペースが空きすぎて、われわれはみずから問題を招いてしまった。前半は体が重く、彼らに寄せきれない場面もあった。
But some of their passing and moving for a 15 minute period after that was absolutely awesome. They were unfortunate that they didn't score more than what they did in that period, but in the second half it was a much more even contest. We caused our own problems because the space between our midfield and back players was huge. Our shape wasn't right in the first half and consequently we couldn't get near to them at times.
後半になると体が軽くなったのか、パフォーマンスは明らかに改善した。前に出て行けるようになり、ピッチ中いたるところで競り合い、高い位置でプレイできるようになっていった。多くの選手にとっては今シーズンのベストゲームだったと思う。だからこそ、結果がついてこなくて残念でならない。今のわれわれに必要なことは、いいプレイをしなくてはならないと再認識し、そして結果を出すことだ。
In the second half that was much better and hence, we had a vastly improved performance. We came out and contested all over the pitch and played a lot higher up, which we needed to do. A lot of the players played their best games this season and whilst we are disappointed that we didn't get anything from the game, what we need now is for everybody to recognise what we need to do to play well and therefore get results.
私がここに来て10ヶ月になるが、今日の観客は私がこれまでボルトンで聞いた中で最高の声援を送ってくれた。とても心強い後押しで、選手たちも力づけられたと思う。トップクラスのサポート、そして後半はチーム自体もトップクラスのパフォーマンスを発揮できた。
I've been here ten months and that was the best response I've heard from the crowd at Bolton. It was incredible support right the way through and it kept the players going. It was top-class support and in the second half it matched some top-class performances from ourselves.
やる以上はすべての試合に勝ちたいのが当たり前だ。残念ながら今日はそうならなかったが、過程はまったく違う。先週のフルアム戦とはまったくね。負けそうだとなったときに肩を落とすか、それとも持てる力すべてを振り絞るか。そこが違った。
You want to win every single football match you play and obviously that's not going to happen. But there is in a perverse way, a way to lose and last week wasn't that way against Fulham. If you are going to lose a game, you go down fighting and giving it everything you've got.