珍本奇本
 (稀覯本)
このコーナーでは、林巨征が収集した、稀覯本の類を紹介いたします。
入手経路は、神保町での古書店めぐり、Yahoo Auction、ネット検索(日本の古本屋、
スーパー源氏)などです。
もちろん、目利きができないとトンだ駄本をつかむことになりますが、それも古本収集の
ための授業料でしょう。

 北野恵宝 著作

 照真秘流教伝書
      上下巻


 
この本の題名は、神仙道の大家である実川泰仙の大著である照眞秘流と酷似して
います。内容もほとんど同じとされています。
また、著者の北野氏は真言宗金剛院派の大僧正と名乗っていますが、真言宗にそ
のような派があるなど聞いたことがありません(北野氏が創った派で、神戸で活動し
ているそうです)。もともと浄土宗の僧侶であったとのことですが、浄土宗が、本書
に述べられているような加持祈祷の類を認めるとは思えません。密教を名乗る某新
興宗教の教祖が、北野氏の弟子とされていますが、この本はその教団のタネ本と
いうことになります。また、その教団にいた人物が某狂信的なカルト団体を組織して
、重大犯罪を引き起こしたのは記憶に新しいでしょう。内容は、さまざまな行法を紹
介したものですが、新興宗教受けする、現世利益的な内容が多いです。また重要
なところが「ロイ」とされていて、北野氏の所に習いに行かないと教えてもらえないよ
うになっております(ロイというのは口伝の意)。

いずれにせよ、宗教団体の教祖をやっている人のように、欲しい人は欲しい本です
ので、このコーナーに入れました。
巨征は、某仏教書店の片隅に積み上げられていたなかから掘り出しました。


      

 日本運命学会 編

  運命 Vol 1,2

 
日本運命学会の会報である「運命」を第1号から合本にしたものです。
もっとも初期のものであり、記事の著者は、中村文聡、レオンロベールフック、張耀
文、知久などそうそうたるメンバーです。Vol3以降は現在でも入手可能ですが、
Vol 1,2は、絶版久しくなかなか手に入りませんでした。Vol3以降に比べて、具体
的な占術に関する記述が多いですので貴重です。しかも、中村先生や知久先生、
フック先生の秘伝口伝の類が惜しげもなく公開されております(絶版にした理由か
も)。

     




 修験聖典

  修験聖典編纂会編
昭和2年、真言宗醍醐派にて編纂された、修験道の方術に関する集大成です。
内容は、極めて実際的で本来修行を通じて修得した様々な修験の技を紹介したも
のです。以下に内容を紹介します。

 第1編 諸経要集  様々なお経を集めたものです。
 第2編 峰中法流  山伏が山中で執り行う宗教儀礼です。
 第3編 恵印法流  屋内の道場で行われる宗教儀礼です。
 第4編 深秘修法集 呪い、符呪、祈祷、調伏の式次第です。
 第5編 諸尊供養法 修験道における祭祀法です。
 第6編 修験道の教義、第7編は歴史資料が収録されています。

我々が最も興味を抱くのは、何といっても第4編に記載される、様々な呪い、符呪、
祈祷、調伏です。修験の世界で、行われてきた修法が全部公開されているからで
す。本書は第4編だけでも、修験の秘儀秘伝を公開した貴重本であり、また、それが
呪い符呪など実現可能なものであるところに非常に価値があります。
古書店で、7万円以上の価格がつけられるのも納得できます。

    


 
 波里光徳 著

 気学問答集
      (全5巻)

  
  
 
気学の研究家で、実業家でもある波里先生の著作です。先生の著は
「気学集成」「気学入門」が割と有名であり、時々、ネットオークションでも出品され、
古書店にもよく並びますが、本書は、極めて入手が困難です。
全5巻に及ぶ大著で非常に詳しく気学全般について述べられております。

 内容
  第1巻 気学原理原則編
  第2巻 方位学編
  第3巻 家相学・地相学編
  第4巻 人事編

第4巻の人事編は、傾斜法による命理占の紹介です。従って足りないのは「四盤掛け」
等の占断部分です。波里先生は、気学を占断に使用することは認めていないのかも
しれません。
いずれにせよ、本書にて気学は卒業できるといった大著です。

   



 岡本栄龍 著

 九星と運命の神秘
昭和六年発行の、九星学の入門書です。普段は数ある戦前の九星本の一つとして、
気にも留めないのですが、望月治先生が自著で、戦前の数少ない「四盤掛け」について
解説した本として紹介しております。
内容は方位術については少し触れる程度ですが、四盤掛けを中心とした占断については
非常に細かく実例入りで解説されています。
四盤掛けを有名にしたのは、桐山先生の「密教占星術U」ですが、昭和6年にこのような、
詳細本が発表されているのは驚きです。