磯遊びを十倍楽しむ方法

1 最初に・・・危険の回避
・危険な動植物の紹介(劇でやると効果的)
 ・クラゲの仲間:
    アカクラゲ:長さ50〜80pの触手に強い毒がある。
    カツオノエボシ:触手は伸びると数メートルにもなる。毒は強く、刺されるとショック死する
             こともある。海岸に打ち上げられていることも多い。
    アンドンクラゲ:夏の終わり頃からよくみられるようになる。触手に毒があり刺されると電
             気的ショックを受ける。
・ウニの仲間:
    ラッパウニ:ラッパ型のトゲに毒があるので触らないこと
    ガンガゼ:長いトゲには毒があり、体に刺さると折れて抜けにくい。
・タコのなかま:ヒョウモンダコ:かまれると吐き気やけいれんを起こす。
 ・カニの仲間:スベスベマンジュウガニ:身に毒があるので食べてはいけない。
・魚:ハオコゼ:背ビレのトゲに毒がある
    ゴンズイ:背ビレと胸ビレのトゲに毒があり、刺されると非常に痛む
    ウツボ:鋭い歯があり、かまれると大けがをするので刺激しないように
アイゴ:ヒレのトゲに毒があり、刺されると危険
・固着性動物:シロガヤ、ハネウミヒドラ:刺されると炎症を起こして痛む

・滑りやすい植物・・特に緑藻と藍藻
・怪我をしやすいフジツボやカキ:サンダル履きは怪我をしやすい。
・潮の満ち引き・・満ち潮になったらさっさと引き揚げる(海の中に取り残される。)
・してはいけないこと:じゃれる、岩の上をぴょんぴょん跳ぶ

2 磯遊びの用意
・濡れても良い靴(サンダルは滑りやすく、怪我もしやすいので×)
・帽子・・海辺は日陰が少ないので必ずかぶろう
・軍手
・夏は水着と上着、寒いときは防寒具、着替えももっていくと良い。
・タオル
・箱眼鏡、スノーケリング用具
・ハンマー、くま手、ピンセット、マイナスドライバー、たも網、釣り道具、スコップ
・バケツ、又はプラスチック製の虫かご(箱眼鏡代わりにもなる。)、
 ジッパーの付いたビニール袋、フィルムケース(小さな生き物を入れる:ふたには穴をあけて
 おく)、携帯用エアーポンプ
・懐中電灯(夜の観察時)
・双眼鏡、虫眼鏡:鳥を観察したり、小さな生き物を観察するのに便利
・記録メモ、ボールペン、図鑑、カメラ
・救急箱
・ゴミ袋

3 磯遊びの時間
潮が引いている時間を予め、潮時表(釣具屋さんで売っているし、新聞やインターネットでも 
 簡単に調べられる)で調べておく。

4 楽しい体験の方法(五感を使う)
@見る
・自分で探す
・ビーチコーミング・・打ち上げられたゴミの中から素敵なものを探してみよう。
穴の空いた貝殻を探してみよう・・ツメタガイに食べられた跡
殻の内側が紫色の貝殻を探してみよう、名前は何かな・・ウチムラサキ

(小学校高学年から大人向け)
@海の動物、A海の植物、B陸の動物、C陸の植物、D鉱物、E人工物の6つの枠を作り、
参加者に自分の拾ってきたものを自分の考えで仕分けて入れてみる。
次に自分の気になったものをスケッチし、なぜこれがここにたどり着いたか、物語を作って
みる。
それを発表して、リーダーが講評する。
(幼児向け)
段ボールで額縁を作っておき、拾ったものをテープや糊付けして作品を作り展覧会をする。


・絵を描いて、似たような動植物の見分け方などを教える。
 例:打ち上げられたアラメ、カジメなどの海藻の見分け方
 ・画用紙にコンブ、アラメ、カジメ、ワカメの4つのシルエットを描いたものを示す。
 質問1 ここに生えていないのはどれか(コンブ)
 質問2 どれかアラメか・・・アラメは茎が途中で二又に分かれている。
・食べられると思う海藻を探させる。
それを集めて、1つづつ解説
・固着生物を探してもらう。
 質問1 これは動物か植物か。(例:カイメン、石灰藻)
・タマキビ、アラレタマキビをみせて、同じものを探させる。
(見つけたら連絡してもらって、みんなで見る。)
・ホンヤドカリ、イソヨコバサミをみせて、同じものを探させる。
(見つけたら連絡してもらって、みんなで見る。)
・貝殻の標本を見せて、同じものを探させる。
(見つけたら連絡してもらって、みんなで見る。)
・海藻押し葉標本を見せて、同じものを探させる。
(見つけたら連絡してもらって、みんなで見る。)
・袋の中から、少しだけ見せて、同じものを探させる。
(捕ってきた生き物を差し出してもらった後、袋の中の物を見せる。)
・色紙や紙に書いた模様を見せて同じ色や模様の生物を探す。
 (海の生き物はとってもおしゃれ:捕ってきた生き物を色や模様別の水槽に入れてもらって、
 みんなで観察する。何色あったか数える)
・潮上帯、潮間帯(高潮帯、中潮帯、低潮帯)、潮下帯の棲み分け・・それぞれの特徴のある動
 植物を探してもらう。

潮上帯 タマキビ、カモガイ、フナムシ、アカテガニ、ベンケイガニ




高潮帯 カラマツガイ、ヒザラガイ、イワフジツボ、カメノテ、イワガニ、イソガニ
中潮帯 イソニナ、ケガキ、ヨロイイソギンチャク、ウメボシイソギンチャク、クロフジツボ、
ホンヤドカリ、ヒライソガニ
低潮帯 レイシ、バテイラ、コケムシ、カンザシゴカイ、オオアカフジツボ、クモヒトデ、イボ
ニシ、 オオギガニ
潮下帯 カイメン、イソバナ、ウミヒドラ、ウニ、ヒトデ、ショウジンガニ、小魚


・蛍光を発している海藻を探す。
(最初に蛍光を発する海藻を紹介:みんなに探してもらう。)
・冬のタマキビガイを探す:夏場と違って水の中に入っている。・・容器を用意しておく。
 (タマキビの夏眠:タマキビは夏場は磯の海面上に集団でいます。このため水を嫌う性質が 
  あると良くいわれていますが、実はこれは「夏眠」しているのだそうで、冬は水の中に入って
  元気に動き回っているのです。
・いつも同じ所へ戻る貝を探す。・・ウノアシガイなど
(最初に巣に戻る貝と岩の形を紹介:みんなに探してもらう。)
・拡大してみる・・・ルーペ又は双眼鏡を逆に使って
・タマキビの目の位置を見てみよう(カタツムリとどう違うかな?)
 タマキビガイとアラレタマキビガイの見分け方を話しても良い。
 (殻の先端がアラレタマキビの方が鋭い)
 さらに南方性の「イボタマキビ」がいる場合はその見分け方を話す。
 (殻が更にとがっていて二列のいぼいぼがはっきりしている。)
・餌をあげてみる
・イソギンチャク・・餌を触手にのせてあげてよう。
・水槽に入れて観察する・・・・磯のアクアリウム
・水槽をいくつも並べ、系統分類的、色別などで展示するとより効果的、
   みんなが捕まえたものを自分で分類別に分けてみよう。
・カニの足とヤドカリの足の数を数えてみよう。カニは4本、ヤドカリは2〜3本
(カニだましは3本なのでヤドカリの仲間)
・クレヨンでスケッチして、解説メモを作ろう。
 (できたら、ビニール袋に入れ、水槽に貼り付ける)
・雄と雌を見分ける
・カニの雄と雌はお腹にあるフンドシの大きさで分かる

A触る
・袋の中に入れて、触らせて、同じものを探してみる。
(捕ってきた生き物を差し出してもらった後、袋の中の物を見せる。)
・ダイダイイソカイメン・・スポンジみたいにフワフワ(英語でスポンジという。)
・イソギンチャク・・ベトッと吸い付く感じ
・ヒトデ・・ごつごつした感じ
・ヤドカリ、タマキビ、カサガイ・・手に載せると、もぞもぞするぞ
・ナマコとウミウシを触り比べてみよう。・・ヌルヌルとザラザラ
・カニに挟まれないよう持ってみよう・・・・カニの甲羅を後ろから親指と人差し指でつかむ
・ケヤリムシに近づいてみよう。・・ひゅっと引っ込んでしまうよ。
(いじめると変なものを出す動物)
・ヨロイイソギンチャクの水鉄砲
・アメフラシやタツナミガイの紫色の液体・・・ハンカチなどの染め物もできるよ
・ナマコのキュビエ氏管

B聞く
・貝を耳に当てて音を聞く。(波の音が聞こえるよ・・・実は自分の血液が流れる音。でも、海と 
 血液は組成がとても似ている。)

C嗅ぐ

D味わう
・磯のみそ汁・・カサガイ、カニ、カメノテ、エボシガイ、アサリ、シッタカ、ヒジキ、ワカメなど
・ひじきの煮物
・イソスジエビの塩ゆで
・ヒトエグサやハバノリの佃煮@水手良く洗う。A水気を切り、包丁で細かく刻むBフライパン 
 に刻んだ海藻50グラムに対してと調味料(しょうゆ大さじ3、塩少々、みりん 小さじ1、だし 
 のもと小さじ1、さとう小さじ1)をいれ、中火でいり、へらで回しながら水分が無くなればできあ
 がり。
・ヒジキの保存方法:@水で洗い、塩分とぬめりをとる。A2〜3時間ゆでる。B干す

E記録する
・捕まえたものの名前を図鑑で調べよう。
 (リーダーは聞かれたらすぐに答えず、ヒントを与えるか、なぞなぞをする)
・磯遊び観察野帳(磯遊び研究会で作成済み)に記入しよう
・スケッチをしてみよう。・・いろんな事が解ってくるよ
・写真を撮ってみよう
・海藻押し葉を作ってみよう
@海藻をジッパー付きビニール袋に入れ、海水を満たして持ちかえる。A海藻を軽くもみ洗
いし、10〜30分水に浸ける。B台紙を海藻の下にくぐらせ、手で支えながら海藻の形をピン
セットで整える。Cゆっくりと水から取り出し、水を切って平らな場所におき、布、新聞紙を上に
重ねる。D上におもしを載せ、扇風機で風をあてる。
・貝の標本をつくってみよう

F実験してみる
(水の嫌いな生き物を調べよう)
・タマキビのコップ(水槽でも良い)実験(夏場のみ)
・フナムシやイソアワモチを海水を入れた水槽に入れてみる
・いろいろなカサガイを水槽に入れてみよう。(殻の形が左右対称でないものは空気呼吸
する ・・カモガイ、カラマツガイ、ウノアシ)

(試してみよう)
・ヒザラガイのまん丸・・ヒザラガイを捕まえて手の上に置いてみよう
・ヤドカリの殻を小石で叩くと驚いてヤドカリが飛び出すよ
・ヤドカリの引っ越し・・ヤドカリを貝殻のいっぱい入った水槽に入れてみよう。
・ヒトデやウニをひっくり返して置いてみよう。・・器用にひっくりかえるよ
・イトマキヒトデの@オリ抜け・Aひも抜け・・@足の間にヨウジを立てヒトデを動けなくさせる。A
糸でゆるくしばる・・しばらくして抜け出してしまう。
・ムラサキウニのトゲに輪ゴムをかけてみよう。・・器用にはずすよ
・ウニを手に置いてしばらくしたらひっくり返してみよう・・落ちないよ
・イソクズガニはカニなのに前に歩くよ。
・イソクズガニに毛糸のくずを与えてみよう。
・褐藻を熱湯に浸けてみよう。・・色が変わるよ。
・競争させてみよう・・?

(作ってみよう)
・貝殻笛:拾った貝殻をきれいに洗って乾燥し、ちょうつがいのところを削って2つ穴が空いたら
 口にくわえてブッーと吹くと貝殻の震動で音が出る。

G飼ってみる(丈夫な生き物を飼ってみよう)
・アゴハゼ、ヤドカリ、ナベカ、オヤビッチャ、カゴカキダイ、エビ、カニ等

H生き物たちの生態・役割を考えてみる。
・ゴミの掃除屋さん:打ち上げられた海藻を持ち上げるとゴミを分解している生き物たちに会え
 るよ。・・ハマトビムシ、フナムシ
・食べる・食べられるの関係・・レイシガイとイシタダタミ
      タカラガイとカイメン
      ウミウシとカイメン

5 生物を探し出すテクニック
@肉眼で探す
・岩にくっついている貝を見てみよう。
・タイドプールでは、座ってじっと待ってみよう・・いろいろな生き物が動きだすよ。
 ・光っている海藻を見つけてみよう。
A石をひっくり返す
 しばらく待っているとヤドカリ、カニ、ヒトデ、ウニ等いろいろな生き物が動き出すよ。(終わっ
 たら元に戻してね。)
B 餌をあげてみる
 ・ダイドプールに餌を入れて、何が集まるか見てみよう。

C道具を使って観察する
 ・箱めがねやプラスチック水槽でのぞいてみよう
 ・スノーケルと水めがねを使って観察しよう。・・最初は浅いところで腹這いになって

4 捕まえるテクニック・・最後は放してあげようね、持ち帰りは最小限に
@素手・・海藻、巻き貝、ヤドカリ、ウミウシ、ヒトデ、カニ
A磯がね、ドライバー・・カサガイ、ヒザラガイ・・・傷つけないように
 (神奈川県では、水めがねをつけて、磯がねを使うことや、夜間磯がねを使うことは禁止され
  ている。)
Bピンセット・・カニ、ウニ
Cたも網・・小魚、エビ、カニ等々・網で追いかけるより、追い込む方がうまくいく
 ・網は二本ある方が捕まえやすい。
 ・空き缶を見つけてそっと網の中にあけてみよう
Dかに釣り・・カニ・・・餌でおびき出して手やたもで捕まえてもいいよ。
Eカニのひっかけ・・材料は棒と極細のハリガネ。カニの足にハリガネの輪を引っかけるとカニ
 の重みでハリガネの輪がしまり取れる。
Fカニのバケツのわな・・砂浜に穴を掘ってバケツを埋め、餌を入れておく。しばらくして見に行
 くとカニがはまりこんでいる。
Gカニのネット・・目の粗いネットに、沈めるための石を縛り付け、岩場などに沈めると足をから
 みつけたカニがとれる。又は平たい網に餌をのせて待つとカニが入ってくる。
H見釣り・・小魚
Iペットボトルセルビン・・ペットボトルの口を切り、逆さにはめ、水抜きの穴をたくさんあけ、ひ
 もを付けます。魚の切り身を入れ、重しの石をつけて沈めるとエビやカニがかかってくる。
J海藻をバケツに入れてジャバジャバしてみる・・ワレカラやヨコエビが出てくる
Kタイドプールの水抜き・・ホースでサイホンを使って
Lタイドプールに水を入れる・・冷たい海水を入れるとイソギンチャクなどが開くよ
 フジツボやカメノテも蔓脚をのばすよ。
Mウミホタルの採集・・5ミリ程度の穴をたくさん開けた蓋付きのガラスビンにひもを付け、中に
 ちくわ等をいれ、夜間、砂浜に投げ込む。5分ほどしてあげ、懐中電灯で照らして小さな生き
 物が動き回っていたら、ウミボタルの可能性大、熱帯魚用のネットで受けて、手で圧迫すると
 光る。


(参考図書)
海辺の生き物を採る、飼う、観察する 松久保 晃作 1999年9月 偕成社
海と遊ぼう事典 こばやしまさこ著 1999年7月 農文協
名まえしらべ 海べの動物 藤本一幸著 1999年7月 保育社
海辺のともだちーみつける・たべる・あそぶー 松岡達英著 1999年7月 偕成社
ケビンの観察記 海辺の仲間たち 1999年6月 講談社インターナショナル
森の新聞Nヤドカリの海辺 今福道夫 1998年6月 フレーベル館
磯遊び図鑑 園田幸朗著 1996年6月 創森社
小学館こども文庫 いその生きもの 太田一男指導 1987年7月 小学館
海岸動物 西村三郎著 1987年7月 保育社
いそでみつけた 吉崎正巳著、鈴木克美監修 1983年6月 福音館書店
自然観察指導の48手 1981年5月 自然保護協会
いその動物 鈴木克美 1974年10月 小峰書店

                          
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