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Literary Freeware: Not for Commercial Use
THE HACKER
CRACKDOWN Law and Disorder on the Electronic Frontier by Bruce
Sterling
自由な文書(ただし商用利用を除く)
ハッカーを追え エレクトリックフロンティアの法と無秩序
電子版への序文 1994年1月1日 テキサス州、オースティン
よう、ぼくはブルース・スターリング、この電子本の作者。
古来からの印刷の世界では、「ハッカーを追え」はISBN番号が0-553-08058-X、国会図書館にもこういう分類で正式に収められている。「1.コンピュータ犯罪―アメリカ、2.電話―アメリカ―買収行為、3.プログラミング(コンピュータ)―アメリカ―買収行為」。いやはや「買収行為」とは。ぼくはいつも、この言葉には楽しませてもらってる。図書館員っていうのは本当に気がきいた人たちだ。
ペーパーバックのISBN番号は0-553-56370-X、もし「ハッカーを追え」の印刷した本を買いにいけば、ぼくは心からそれを薦めるけど、本の表紙の下の方にコピーライトの表示があるのに気づくかもしれない。「Copyright (C) 1992 by Bruce Sterling」ってね。これには、次のような出版社からの短い法律上の決まりきった文言がついてくる、こんなふうに。引用してみよう。
「出版社からの文書での許可がない限りにおいては、この本のいかなる部分をも、いかなる形や手段でも複製したり他人に配布してはいけません。電子的にも機械的にも、写真複写、録音、その他のいかなる情報を蓄積し再生するシステムを使っても、複製したり他人に配布してはいけません。出版社連絡先:バンタムブックス」
これはきわめていい免責事項だ、まぁ免責事項としては。ぼくは知的所有についての免責事項のコレクターで、たくさんの免責事項をみてきたけど、これは少なくともわかりやすい。ただ、この特定の限定したケースでは、きわめて正確とはいいがたい。バンタムブックスは、この免責事項を自社が発行する本に片っぱしから載せてるけど、実際にはバンタムブックスはこの本についての電子的な権利はもっていない。ぼくがもってるんだ、というのは、ぼくの代理人とぼくはこの本を書き終える前に、広範囲にわたる契約をしていたから。ぼくはこの本を電子的に出版する権利を、金もうけじゃない媒体を通して、無料で配布したかった。で、ぼくはバンタムにもそれがいいアイデアだって納得させた。
バンタムは、もめずにぼくの計画に賛成するのがいいと思ってくれたから、これについてあれこれ言わないだろう。もしこの本を売ったりしなければ、電子的なコピーで何をやろうともバンタムといざこざになるようなことはない。もし自分で確かめたければ、尋ねてみればいい。連絡先は1540 Broadway NY NY 10036。でも、もしぼくの著作権とバンタムブックスの商業上の利益を侵害して、金儲けのためにこの本を印刷して販売するほどまぬけだとすると、巨大なベルテルスマン多国籍企業連合の一部門であるバンタムは、情け容赦ない弁護士たちを眠りからたたきおこして、そいつを虫けらみたいにひねりつぶすだろう。これは当然のことだ。ぼくはこの本を他人が金儲けするために書いたわけじゃないんだし。もし、誰かがこの本で金儲けをするとしたら、それは僕と出版社でしょう。
出版社は、この本の儲けを受け取るに値する。というのは、バンタムブックスの人たちがぼくにこの本を書くように依頼して、たんまりと支払ってくれたからってだけじゃない。彼らは勇敢にも、一度は連邦犯罪とされた電子的な文書を、紙で印刷して再録したんだ。バンタムブックスと何人もの弁護士たちは、この本に対してとても勇敢で率直だった。その上バンタムブックスのぼくの前編集者、ベッツィー・ミッチェルは心からこのプロジェクトに配慮してくれて、熱心に働いて、原稿にもためになるアドバイスをたくさんくれた。ベッツィーもこの本の本当のクレジットに値する。編集者がめったに値しないようなクレジットにね。
批評家たちは「ハッカーを追え」に好意的だったし、商業的にもこの本は成功した。でも一方で僕は、お金のない16才のサイバーパンクの高校生の手から、なけなしの小銭をしぼりとるためにこの本を書いたわけじゃない。ティーンエイジャーはお金をもってないもの(いや、もちろん魅力的な明るい赤の表紙と便利な索引のついた、6ドルの「ハッカーを追え」を買うほどのお金をって意味だけど)。それが、ティーンエイジャーが時々やっちゃいけないことの誘惑に負けちゃう主な理由なわけだ。たとえば僕の本を図書館からかっぱらうとかね。おいおいぼうや、ここに君のがあるよ、満足だろ? 印刷されたやつはかえしておいで *8-)
善意があり、公共心に富んだリバータリアンの市民も、たいして金なんてもちあわせてない。しかもアメリカの悲惨なほど正当な賃金をもらっていない、法律を施行する電子コミュニティの手から金を奪いとるのは、ほとんど犯罪のようにも思えるんだ。
もし君がコンピュータ犯罪をとりしまる警官だったり、ハッカー、電子上での市民の自由のための活動家だったら、まさしくこの本で想定していた読者だ。ぼくはこの本が君の助けになればと思って、つまり他の人たちが君を、そして君の独自の、うーんそう、問題を理解できるようにと思って、この本を書いた。この本は君の活動を助けるために、重要な政治的な問題に貢献するために書いたんだ。こういう風にテキストを配布することで、ぼくはサイバースペースを文明化する助けになるっていう、この本の究極の目的を果たすことができる。
情報は自由になることを求めている。とくにこの本の中の情報は、すごく自由を求めている。ぼくはこの本のあるべき場所は、電子的なネットワークの中なんじゃないかとだんだん信じるようになってきた。たしかに本の作者には安易に直接の収入をもたらさないかもしれないけど、そんなことは問題じゃない。まさしくここが、この本のあるべき場所だ。ぼくは何冊もたくさん本を書いてきた。これからも書くだろうし、今だって書いている。でもこの本は特別だ。ぼくは「ハッカーを追え」をできる限り広範囲で、電子的に自由にとり扱えるようにする。もし君がこの本を気に入って、役にたつと思ったら、ぼくは君にこの本を同じように広範囲で電子的に自由にとり扱えるようにしてほしい。
この電子的な本のコピーは自由。どうぞ自由にコピーしてくれ。それで、コピーは誰でもほしいやつにあげてほしい。花開こうとしているサイバースペースの世界は、システム管理者、教師、教える人、サイブラリアン、ネット伝道師、そしていろんな活動家たちであふれんばかりだ。もしあなたがその一人だったら、ぼくにはあなたのことがわかるし、あなたがエレクトリックフロンティアのことをみんなに説明しようとして辟易したこともわかる。この本を電子的な形で所有することが、あなたのトラブルを軽減してくれればと思う。まあでも仮にその役にたったとしても、ぼくらの電子社会の状況をとりあつかったものとして、この本は学問的に厳密に検証してるってわけじゃない。そして政治的にみれば、ほとんどみんなを怒らせたり悩ませたりするところがある。でもほら、ぼくの本はまあまあ読めるって評価されたし、それに少なくとも価格は適正だろ。
この本を、BBSやインターネットのサーバーや電子掲示板にアップロードするのもかまわない。どんどんやってくれ、今はっきりとした許可を与えてるわけだから。ま、楽しんでください。
ディスクにいれて、そのディスクをあげてもいい、お金をとらないかぎりはね。
でもこの本は、パブリックドメインじゃない。この本に自分のコピーライトはつけられない。コピーライトはぼくがもってる。この本の海賊版をつくって、それでもうけようなんてしたら、そりゃひどい訴訟の渦にまきこまれるだろうね。ホントだよ、そんなことしたってほんの小銭しか手に入らない、やる価値ないって。この本は君のものじゃない。奇妙だけど正確にいえばね。この本はぼくのものでもない。これはサイバースペースの人たちの本で、この情報がサイバースペースの人たちに、自由で簡単に、そして実際に使いものになるためには、こうやって配るのが一番いい方法なんだ。もちろんこれには、アメリカ国境からはるか遠くに住んでる人もふくむ。そういう人たちは、そうでもしなきゃこの本のどんな版にもお目にかかるチャンスがないし、それにこの遠く離れた、複雑でわかりにくいけど、いわゆる「アメリカのサイバースペース」での驚くべきできごとの不思議な話から、何かためになることを学べるかもしれないだろう。
この電子本は自由な本だ。もうこの本は新たな情報経済の広大な領域に属してる。この電子本を昔からの商業の流れの一部にする権利は君にはない。情報の流れの一部にしようじゃないか、大きな違いだ。ぼくはこの本を4つの節に分けることにした。そうすればアップロードしたりダウンロードするのに手間が省けるし。一つの節が君や君の友達に特別気に入れば、そこだけ複製して他をとばすのもご自由に。
ほしければほしいだけ取ってけばいいし、必要かも知れない人には誰にでもあげていい。
さぁ、楽しんで。ブルース・スターリング -- bruces@well.sf.ca.us
ハッカー:
ハッカーって何? って人はEric S.
Raymondの説明(訳は山形浩生ら)。ハッカーは悪者の名称じゃないぞ、それはクラッカーなんてことを含め、より詳しく知りたい人はYAMANE
Shinjiさんのサイト。そして山形浩生によるハック(hack)の語源の説明。
ISBN番号:
ちなみに日本版は
ISBN:4-7561-3761-X、おまけにアスキーからでてる日本語訳
1540 Broadway NY NY 10036:
2001年の9月11日にテロで崩れ落ちたWTCの近くだ、地図の●のところ。
魅力的な明るい赤い表紙:
ペーパバックの表紙、あとハードカバーの表紙
リバータリアン:
ちょっとかたよった説明かもしれないけど、この流れとしてはかえってふさわしいかも。
サイブラリアン:
サイバースペース(Cyberspace)とライブラリアン(Librarian/司書)からきた造語で、インターネットなどのネットワークの中で図書館の司書のように、本のデータをデジタル化してネットワークで閲覧できるようにしたり、自由に検索できる環境を構築したり、申し込みがあった書籍のデータを探すなどの職業に従事する人の総称。Library(図書館)とLabyrinth(迷宮)を組み合わせた造語としてLibyrinthという言葉があるように、図書館は情報の集積場所であると同時に、最も必要な情報をより簡単に探し出すことが困難に成りやすい環境でもあり、その中で活躍する人は、一種の救世主でもある。
パブリックドメイン:
著作者人格権の放棄が可能である法域で、著作権に基づく全ての権利行使を放棄したソフトウェア。また、全ての法域でその法域で定義される著作物の用件を満たさない程度に創作性を欠いている場合、また、その法域で認められた保護期間を満了したソフトウェアも含まれうると思われる [24]。アメリカ法では、1989年2月29日までに公表された著作物について、著作権表示を付加することでコピーライトを主張しない場合、その著作物は公的領域に含まれるものと推定された [25]。最近まで、ネットワーク上で流通しているソフトウェアで、とくに権利を主張しないものは全てこの種類に分類されていた。「ハッカー倫理と情報公開・プライバシー」
白田 秀彰より引用。
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