週間翻訳日記:週間で、ある単位を目安に翻訳していきます。
特に誤訳、誤字などの指摘があったらメールください


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2000/06/12 修正 その5(4、5章)

武井さん結城さんからチェックをいただきました。本当にありがとうございます。それにしてもやることはどんどん増えていくなぁ。まだ半分も訳し終わってないし、ファイルは分割しなきゃいけないし、調べ物も残ってるし、雨の月曜日だし、って最後のは関係ないか(笑)例えばこの修正が反映されてないとか、その他どんなささいなことでもいいのでピーターパンの訳文について指摘事項があったらメールください

1.項番4−13、4−15、4−17、4−18、4−22〜25修正(結城さんありがとうございます)

2.?△」 、!△」は見慣れない表記(△はスペース。以下の指摘は武井さんのものです、いつもありがとうございます)

> 前回の補足.?!などの記号のことです.
> 現在の記述方法では,日本語文の句点の位置に外国語由来の記号(?や!)を入
> れるならば,直後には空白文字を入れるのが通例です.例外は後述することと
> して,例示します.
> 例 1:あれ? と彼は尋ねた。
> 例 2:「うわっ! なんだこれ」と私は叫んでしまった。
>
> 例外として,「記号の直後が記号でない限りは」というのがつきます.つまり,
> 例 3:「あれ?」と彼は尋ねた。
> 例 4:(へ!?)とワケが分からなくなってしまった.
> です.
> 例 3の閉じかぎかっこや,例 4の「!の直後の?」&「?の直後の閉じ丸かっ
> こ」は "記号" ですから,それと外国語由来の記号(?,!)の間には空白文字
> は入れないことになっています.よろしければお手元の小説などの記法を確認
> してください.
> # 外国語由来の記号ですから,そうでない記号である,かぎかっこ(「」)や二
> # 重かぎかっこ(『』)直後には空白は必要ありません.
> よって,訳文の随所にある「あれ?」は,慣例とは異なった表記になります
> (だから間違っているとは言いません.見慣れない表記方法だというだけです)
 
全くその通りです。修正して、チェックリストにも追記します。

3.制限用法
> (snip)
> > けれどもピーターが帰ってくると、とにかく静かにしてることにガマンなら
> > ないたちですから、みんな再び前に進み始めるのがつねなのでした。
> | But with the coming of Peter, who hates lethargy, they are under way
> | again:
>
> 原文は,関係代名詞節の前にカンマのある制限用法ですから,
> 「けれども、静かにしてなんかいられない性格のピーターが帰ってくると、」
> や,
> 「けれども、とにかく静かにしてることにガマンならないたちのピーターが帰っ
> てくると、」(←原文の表現を使ってみました)
> などのように訳語の順番を変えたほうが,より,それらしくなると思うのです
> が.

「制限用法ってなつかしい」なんていってる場合じゃないっすね、 原文の表現で修正します。

4.ピーターの素行(笑)について

> (snip)
> > 大人になったように見えるとルール違反ですから、ピーターが間引いちゃう
> > のでした。
>
> ピーターに殺されちゃうなんてザンコクだ…….
>
> | and when they seem to be growing up, which is against the rules,
> | Peter thins them out; but at this time there were six of them,
>
> Peter thins them out の部分です.確かに,thin out は「間引く」という訳
> もできますけど,それは
> (例文)He thinned out his flowers. 彼は花を間引いた.
> というように,意訳してのことで,thin には,
> to become or make something less thick or fewer in number [薄くなる(薄
> くする) or 数が少なくなる(数を少なくする)] の意味しかありません.
>
> 数を少なくする方法は,「間引く」以外にもあると思います.で,out がポイ
> ントかと思いますが,島の外に出しちゃうとかネバーランドから追放するとか,
> 別のいろいろな方法はあると思います.ネバーランドに居られるのは子供であ
> る時間だけというルールがあるのでそれに違反して,ということなんですよね.
> いずれにせよ,「ピーターが殺して数を少なくする」(=間引く)のは,あんま
> りです.
> # 第1章には,「ママがピーターのことを信じていたのはコドモの頃だけ」と
> # いう旨の記述がありますし.

まあ後ろの方にトゥートルズを殺そうとしちゃう場面もあるので、そんなに「あんまり」
って気もしなかったんですが(笑)、確かにこの文だけで間引くって訳すには無理が
ありますね。

方法はともかく「数を少なくしちゃうのでした」 に修正します。

5.カリブ海の海賊バラクーダ

> | and Noodler, whose hands were fixed on backwards; and Robt.
> | Mullins and Alf Mason and many another ruffian long known and
> | feared on the Spanish Main.
>
> 海賊バラクーダ…….もしかして底本が違う? Spanish Main はカリブ海.
> 「カリブ海ではその名を知らない者はいないくらい恐れられていた大勢の悪党
> がいました」

ちょっと調べてカリブ海で海賊といえばバラクーダなのかなと。
ただ生兵法って感がぬぐえないし、カリブ海で十分ですよね。

修正します。

6.フックとフック(右腕の)

> > ただフックを見舞うようなときには目の中に2つの赤い点があらわれ、身の
> > 毛もよだつ炎を燃え上がらせたのでした。
>
> 提案ですけど,人名のフックと右腕のフックを両方「フック」表記にしている
> と混同するので,右腕のほうは「鉄のカギ」or「右腕のフック」と,より明示
> 的表記にしませんか? 例えば,上の文だと,
> 「ただ鉄のカギを見舞うようなときは目の中に2つの赤い点があらわれ、身の
> 毛もよだつ炎を燃え上がらせたのでした」

「右腕のフック」にします。

この修正で4章をV0.91→V0.92へ。5章をV0.9→V0.91へ。

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2000/06/12 あやしい訳一覧(5章) 

解決策の訳文の協力求む。評価は前とおなじく、

A わからない、SOS
 あやしい、自信なし、もっといい訳あるはず
 センスなーーし

項番(章ごと) 評価 原文 指摘事項 解決策
5−1 B Feeling that Peter was on his way back, the Neverland had again woke into life. We ought to use the pluperfect and say wakened,but woke is better and was always used by Peter. ネバーランドはピーターが帰ってきたことを感じて、再び活っ気づいたのでした。本当は「活気づいたのでした」といわなければならないのですが、「活っ気づいたのでした」という方がピーターらしくていいんです。 こんなの訳せるかい! なんてね。他にいいアイデアあれば...  
5−2 C But with the coming of Peter, who hates lethargy,
they are under way again: if you put your ear to the ground now,
you would hear the whole island seething with life.
けれどもピーターが帰ってくると、とにかく静かにしてることにガマンならないたちですから、みんな再び前に進み始めるのがつねなのでした。今地面に耳をおしあてれば、島全体が生命のいぶきでわきかえっているのが聞こえることでしょう。 前に進むもいぶきでわきかえるもイマイチ  
5−3 B The first to pass is Tootles, not the least brave but the most unfortunate of all that gallant band. 最初に通りすぎたのはトゥートルズです、その勇敢な一団のなかでかなりの勇気の持ち主なんですが、とにかくもっとも運の悪い子なのでした。だれよりも経験した冒険の数が少ないのです。 not the least かなりとnot 〜but〜のどっちなの? あやしい  
5−4 C , and this has given his nose an offensivetilt. それで彼の鼻はあんなにいやにかたむいているのでした。 日本語としては鼻がツンと上を向いてるか?  
5−5 B "Avast belay, yo ho, heave to, A-pirating we go, And if we're parted by a shot We're sure to meet below!" 「まて、とめろ、よーほー、停船だ!
海賊さまのおとっおりだい。
うたれて死んだら、地獄であおうぜ!」
歌は訳者の能力をハルカに超えてるんですけど...初のSOSにしようか迷った、でもSOSが入るような訳は原則としてはだしたくないし、がんばってみました(がんばりゃいいってもんでもないけど)  
5−6 B A more villainous-looking lot never hung in a row on Executiondock. これより悪党面したようなやつが処刑場でも一列にならんでしばり首になるなんてことは決してありません。 いまいち文意が取れてないような、漠然とした訳にしてごまかしてる...
2000/06/10武井さんありがとうございます

> > これより悪党面したようなやつが処刑場でも一列にならんでしばり首になる
> > なんてことは決してありません。
> | A more villainous-looking lot never hung in a row on Execution dock.
>
> 「in a row = 引き続いて,連続的に」です.
> 訳語を変えて,
> 「処刑場で続けてしばり首になるようなのはこんな悪党面したやつらでしょう」
> かな.否定形を肯定形に変えているのでヘンな部分あるかも.
2000/06/12 in a row には一列って意味もありますよね?
イメージとしては処刑場で一列でしばり首になっている悪党とこれから一列で歩いてくる海賊たちとを対比してるなんて感じなのかなともおもうんですが..
考えさせてください。

5−7 B Here is Bill Jukes, every inch of him tattooed, the same Bill Jukes who got six dozen on the WALRUS from Flint before he would drop the bag of moidores [Portuguese gold pieces] 全身いれずみだらけで、ポルトガル金貨の袋から手を離すまでにウォレス号のフリント船長から6ダースは奪い取ったいうあのビルジュークス。 海賊業界の事情に詳しくないもので、どういういきさつがあるのか教えて?   
5−8 B Noodler, whose hands were fixed on backwards ヌードスター、その両手は後ろに付いているのでした。 どういう意味? 
2000/06/10武井さんありがとうございます
> > ヌードスター、その両手は後ろに付いているのでした、ロバート・マリンと
> > アルフ・メイソンそしてその他大勢の悪いやつ、海賊バラクーダとして長い
> > 間名前を売っており恐れられてました。
>
> ヌードスターはヌードラー(↓参照).
> また,両手が後ろについてるんじゃなくて,「両手をずっと背後にまわしてい
> る」のではないんですか?(←fixed = ずっと,と訳しています)
2000/06/12ヌードスターって誰なんだ(笑)、ヌードラーに急いで修正。fixのイメージが上手くつかめません。考えさせてください。
5−9 C In the midst of them, the blackest and largest in that dark
setting, reclined James Hook, or as he wrote himself, Jas. Hook,
of whom it is said he was the only man that the Sea-Cook feared.
やつらの真ん中に、その暗い場面の中でももっとも邪悪でもっとも大きいジェームズフックが、自分ではJas.Hookと自分の名前をつづりましたが、横たわっていたのでした。フックはシークックが恐れたたった一人の男であると言われていました。 setteing、blackestの訳がイマイチか  
5−10 B On the trail of the pirates, stealing noiselessly down the war-
path, which is not visible to inexperienced eyes, come the
redskins, every one of them with his eyes peeled.
海賊たちのあとをつけてぬきあしさきあしで、未熟な目には決して見つけられない戦の道を、音もなくインディアン達がみんな目ん玉をひんむいてやってきました。 みんな目ん玉をひんむいてやってきました。うーんインディアンの目のまわりってそんな感じだったような...インディアン業界にも詳しくないので(常識のぶるいか)  
5−11 C Then quickly they will be on top of
each other.
ただ止まるかペースをかえるとすぐに、お互いだれが強いか争いが始まるのでした。 on top of ねぇ。イメージは浮かぶんだけど訳が...  
5−12 B "Yo ho, yo ho, the pirate life,
The flag o' skull and bones,
A merry hour, a hempen rope,
And hey for Davy Jones."
「よーほー、よーほー、海賊暮らしは
どくろと骨の旗だぜ、たのしいじゃねぇかっ
あさ縄もって、海神ばんざい!」
 
5−13 B(限りなくAに近い) "Odds bobs, hammer and
tongs I'm burning."
「なんだ、どうした、あっちっち。わしはもえてるぞい」 完全意訳というか創作になっちゃってる。
odds bobsって何? hammer and tangs
「猛烈に」なんだけど
 
5−14 B "Avast, belay, when I appear,
By fear they're overtook;
Nought's left upon your bones when you
Have shaken claws with Cook."
「とめろ、やめろ、おいらが現われりゃ
恐怖でみぶっるい、フックのツメと
握手した日にゃ骨しか残んねぇやっ」
歌、それにしても今後の章では歌がテンコモリなんですけど。  
5−15 B and the
Irish bo'sun Smee, an oddly genial man who stabbed, so to speak,
without offence, and was the only Non-conformist in Hook's crew
そしてアイルランドの甲板長のスメーで、腹を立てることもなく人を刺すなんて言われていて、不思議なことに温和な男でフックの船員でたった一人の非国教徒なのでした。 without offenceねぇ  
5−16 B In dress he somewhat aped the attire associated with the name of
 Charles II,
いくぶん正装しているような服装のときはフックの服装はチャールズ2世の名前を連想させましたし、
2000/06/10武井さんありがとうございます
> name には評判,名声という意味があります.
> 「正装していると、フックはチャールズII世の名声に関連した衣裳を多少まね
> していたようですし、」
> # 上記の II ですけど,(全角で1文字分の)ギリシャ数字の 2 は機種依存文字
> # なので使いません. cf. http://apex.wind.co.jp/tetsuro/izonmoji/

2000/06/12まず「いくぶん」のかかるところが間違ってますね。全体としていい訳を考えさせてください。
2000/06/15 っていうか僕の訳文全体がおかしいじゃない? ちゃんとした訳を考えます。
5−17 B Anon [later] he caught the word Peter. しばらくしてピーターと言う言葉が耳にはいると 2000/06/10武井さんありがとうございます
> フックが自分で話していて,その言葉を耳に入れるのですか? なんかおかし
> いような.
> 「しばらくしてピーターのことを話しだすと、」
> では意訳しすぎでしょうか?
2000/06/12無意識に話してて自分で口にだした言葉ではっとすることってあるようなないような、考えさせてください。

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2000/06/12 ピーターパン 5章 ネバーランドが現実に

バリ, J. M.『ピーターパン』 html版 
原題:PETER PAN
訳者:katokt
公開:5章 2000/06/12 (V0.90) 2000/06/12(V0.91)
コメント:あいからわずの月曜日公開にこだわってるし。それにしても「ついしん:うーむ、みじかくて、やさしくて、有名で、しかも古めの児童図書は狙い目だぞ!」のみじかくてって読み落としてたなぁ、笑。ファイルも分割したいんだけどここに直接リンク張ってもらっちゃったし、ホントに良く考えてから翻訳始めないとね(全般的に)。でも当初の予定では1〜17章までの17の項番で終わるはずだったんだってば(どう考えてもそんなわけないけど)。ファイル分割の件もみなさんに迷惑がかからないように工夫してみます。一応ずーっと読んでる人は最近のものが上で迷惑のかかり具合は少ないんじゃないかという...そういう問題でもないか。

5章 ネバーランドが現実に

ネバーランドはピーターが帰ってきたことを感じて、再び活っ気づいたのでした。本当は「活気づいたのでした」といわなければならないのですが、「活っ気づいたのでした」という方がピーターらしくていいんです。

ピーターがいないと島は静かなものです。妖精たちは朝は一時間よけいに寝ぼうしますし、けもの達は自分のコドモの世話をします。インディアンたちは6日間昼夜をとわず食事をたっぷりとりますし、海賊と迷子の男の子達が出会っても、お互いにばかにしあうだけなのでした。けれどもとにかく静かにしてることにガマンならないたちのピーターが帰ってくると、みんな再び前に進み始めるのがつねなのでした。今地面に耳をおしあてれば、島全体が生命のいぶきでわきかえっているのが聞こえることでしょう。

その夜、島の主だった軍勢はこのようになっていました。迷子の男の子達はピーターを捜しに外に出ていました。インディアン達は海賊たちを捜しに、海賊たちは迷子の男の子達を捜しに、けもの達がインディアン達を捜しに、それぞれ外にでていたのでした。くるくる島をまわっていたのですが、みんなが同じ速度でまわっているので決して出会うことはなかったのでした。

男の子達以外は血に飢えており、いつもは男の子達も血を好むのでしたが、今夜ばかりは隊長を出迎えにでているのでした。ネバーランドの男の子達はもちろん数もヘンカしています、というのも殺されたりしてるからなんです。大人になったように見えるとルール違反ですから、ピーターが数を少なくしちゃうのでした。今は男の子達は双子を2人として数えてですが6人いました。さとうきびの間に横たわったように見せかけて、男の子達が短剣に手をかけて、一列でそばにこっそり近づいてくるのを見てみましょう。

男の子達は少しでもピーターらしく見えることはピーターから固く禁止されていたので、自分たちで殺した熊の毛皮をきていました。すると男の子たちは丸々と太って毛むくじゃらになり、足をすべらすと転がってしまうのでした。だから男の子達の足取りは非常にしっかりしたものです。

最初に通りすぎたのはトゥートルズです、その勇敢な一団のなかでかなりの勇気の持ち主なんですが、とにかくもっとも運の悪い子なのでした。だれよりも経験した冒険の数が少ないのです。というのもトゥートルズが角を曲がった瞬間にいつも大事件勃発といったぐあいだし、あたりが平穏なので今がチャンスとばかりに薪用の木の枝を集めにでかけたりすると、帰ってきた時には他の仲間たちは血をキレイに掃除しているといったぐあいなのでした。こんなに運が悪いので表情には影がありましたが、気難しくなるのでもなく性格が運の悪さをやわらげて、男の子たちの中でも一番謙虚なのでした。なんてかわいそうなやさしいトゥートルズ、今晩きみには空中で危険がふりかかるんだよ。冒険が目の前に差し出されても気をつけるんだよ。手を出そうものなら、奈落の底に落ちちゃうかもしれないし。トゥートルズ、妖精のティンクだよ、今夜はいたずらに熱中しててその道具立てを探しているんだよ。しかもティンクは、君トゥートルズがもっともひっかかりやすいなんて思ってるんだから。「ティンカーベルには気をつけて」

トゥートルズにわたし達が話したことが聞こえたならいいんですが、でもわたし達は実際にこの島にいるわけではないですし、トゥートルズはこぶしをかみしめながら通りすぎていきました。

次にくるのは、陽気で快活な男の子のニブスです、スライトリーが後につづきました。スライトリーは木から笛をつくって、自分の笛にあわせて夢中でおどるのでした。スライトリーは男の子のうちでも一番のうぬぼれやで、迷子になる前のこと風俗習慣なんてことを覚えてると思っていて、それで彼の鼻はあんなにいやにかたむいているのでした。カーリーが4番目です。いたずらっ子で、ピーターが厳しく「これをやったやつ、一歩前にでろ」というといつも自首しなければならなかったので、今や自分がやってるかどうかにかかわらず、命令されると自然と足が一歩前にでてしまうのでした。最後に双子がきますが、説明はできません。なぜなら必ず違う方のことを説明してしまうからです。ピーターも双子がどういうものが良く分かってませんでした。ピーターの手下としては、ピーターが知らないことを知るなんて許されないことだったのでした。だから双子もいつもどっちがどっちか自分たちでさえあいまいで、一生懸命弁解するみたいに、なるべく二人一緒にいることで満足してもらおうとしているのでした。

男の子達は暗闇に消え、それからしばらくして、この島では物事はきびきびしているのでそんなに長くではありません、海賊たちが男の子達のあとをつけてやってきました。姿が見える前から声がきこえてきます。いつものあの恐ろしい歌です。

「まて、とめろ、よーほー、停船だ!
海賊さまのおとっおりだい。
うたれて死んだら、地獄であおうぜ!」

これより悪党面したようなやつが処刑場でも一列にならんでしばり首になるなんてことは決してありません。まず少し先行していて、時々地面に頭をつけて物音をきき太い腕をむきだしにして耳には8つも飾りをつけているのは、ハンサムなイタリア人のセッコです。ガオ牢獄の刑務所所長の背中に血染めの文字でその名前を刻み込んだやつです。セッコの後ろのバカでかい黒人はある名前を捨てて以来、いろんな名前を使ってきたやつでした。その名前ときたら、黒人の母親がグアドジョモ川のほとりでコドモを脅かすのに未だに使っているくらい。ビル・ジュークスです。全身いれずみだらけで、ポルトガル金貨の袋から手を離すまでにウォレス号のフリント船長から6ダースは奪い取ったいうあのビル・ジュークス。コックソン、ブラック・マーフィーの兄弟と言われていましたが(本当のことは誰にもわかりません)。ジェントルマン・スターキー、かつてパブリックスクールの門番だったので殺し方も優雅なものでした。スカイライト(モーガンのスカイライトです)そしてアイルランドの甲板長のスメーで、腹を立てることもなく人を刺すなんて言われていて、不思議なことに温和な男でフックの船員でたった一人の非国教徒なのでした。ヌードラー、その両手は後ろに付いているのでした。そしてカリブ海ではその名を知らない者はいないくらい恐れられていた、ロバート・マリン、アルフ・メイソンとその他大勢の悪党どもがいたのでした。

やつらの真ん中に、その暗い場面の中でももっとも邪悪でもっとも大きいジェームズフックが、自分ではJas.Hookと自分の名前をつづりましたが、横たわっていたのでした。フックはシークックが恐れたたった一人の男であると言われていました。手下が引っ張って進めている馬車みたいなものに乗ってゆったりくつろいで、右手のかわりに鉄のフックがあり、それで時々ペースをあげるために手下どもの尻をたたいたりしていました。この恐ろしい男はイヌみたいに手下どもを扱い命令を下し、手下どももイヌみたいに従うのでした。容姿はといえば死人みたいな暗い顔つきで、髪ときたら長い巻き毛にしており、その髪はちょっと離れたところから見ると黒いろうそくみたいで、ハンサムな顔立ちにひどく人をおどすような印象を与えているのでした。すばやくフックをあなたに見舞う時を除いては、目はワスレナグサみたいなブルーで深い憂いにみちていました。ただフックを見舞うようなときには目の中に2つの赤い点があらわれ、身の毛もよだつ炎を燃え上がらせたのでした。態度といえばどこか偉大な君主みたいなところにこだわっていて、空中にいるうちにあなたを引き裂いたりするのでした。フックは評判になるほどの話し上手だと言われていましたし、礼儀正しいときほどもっとも残酷なときで、それこそたぶんフックが本物の礼儀作法を身につけているということの証明になるのでしょう。ののしってるときでさえフックの言葉使いの優雅な事ときたら、態度に気品があるのと同様に、他の船員とはひときわちがった気質の持ち主であることを示していました。不屈の勇気をもった男にも、ひとつだけは後ずさりするようなものがあるといわれていますが、フックにとってそれは自分の血を見ることでした。その血はどろどろしておりふつうとは違った色なのでした。いくぶん正装しているような服装のときはフックの服装はチャールズII世の名前を連想させましたし、若い頃にはあの不幸な運命のスチュアート王家の人々をほうふつとさせるだなんていわれていたのを聞いたものでした。口には自分で発明した同時に2本ハマキがすえるパイプをくわえていました。でもなんといってもフックの体の部分でもっとも恐ろしいのは、疑いなく鉄のカギヅメなのでした。

フックがどうやって殺すのかを見るため、海賊を一人血祭りにあげてみましょう。スカイライトがいいでしょう。通りすぎて行くときにスカイライトがうかつにもフックの方によろめいて、フックのレースのカラーにしわをつけてしまいました。右腕のフックが宙を舞い引き裂く音と悲鳴がひとつ、そして死体は脇へ蹴りとばされ海賊たちが通りすぎていきます。フックは口からハマキを離すことさえしなかったのでした。

ピーターが立ち向かうのはこんな恐ろしい男なのでした。どちらが勝つでしょうか。

海賊たちのあとをつけてぬきあしさきあしで、未熟な目には決して見つけられない戦の道を、音もなくインディアン達がみんな目ん玉をひんむいてやってきました。インディアン達はトマホーク(石でできたおの)とナイフをもっていました。はだかの体には模様とオイルがてかてかと光っていて、自分たちの周りには頭皮をじゅずつなぎにして並べていました。頭の皮は男の子達のものもあれば、海賊たちのものもありました。なぜこんなことをするのかといえばピカニニ族だからで、もっと臆病なデラウェア族やヒューロン族と間違えられちゃたまらないからなのでした。先頭で四つんばいなのは、グレート・ビック・リトル・パンサーです。とても勇敢であんまり多くの頭皮をはいでいるので、今の姿勢のまま前進するのには頭皮がすこし邪魔っけなくらいでした。しんがりを務めるのは、なんといったって一番危険な場所ですから、タイガー・リリーでした。誇らしげにすくっと立ち、生まれながらにして王女なのでした。リリーは色の黒い森の女神達の中でももっとも美しく、ピカニニ族一番の美人でした。コケティッシュだったり冷たかったり色っぽかったりと、ころころ態度を変えるので、このわがまま娘を妻にと願わない勇者は一人としていませんでしたが、いくさ斧でもってだれかと結ばれるのを避けているのでした。まったく音をたてずにインディアン達が落ちてる小枝の上を通りすぎていくさまに注意してみてください。聞こえるのはただインディアン達のややはげしい息づかいだけです。事実インディアン達はがつがつ食べ過ぎた直後だったので、すこしふとり気味でした。しばらくすれば身も引き締まることでしょうが、当面はふとり気味なのが一番の危険のもとなのでした。

影のように登場したのと同じように、インディアン達は姿を消しました。そしてすぐにけもの達が沢山のごたまぜの行列になって、その場所にあらわれました。ライオン、とら、くま、そしてそれから命からがら逃げ出すたくさんの小さな野生動物がいました。どのけものもみんな、特に人食い動物はみな、この恵まれた島では頬と頬を寄せ合って仲良く暮らしていました。ただけもの達の舌が垂れ下がっていて、どうやら今夜は腹をすかせているみたいです。

けもの達が通りすぎ、全員の最後に姿をあらわすのは巨大なワニです。しばらくするとワニが誰を探し求めているのかわかるでしょう。

ワニが通りすぎると男の子達がふたたび姿をあらわしました。なぜならその行列はだれかが止まるかペースを変えるかしない限り、ずーっと続くに違いなかったからです。ただ止まるかペースをかえるとすぐに、お互いだれが強いか争いが始まるのでした。

前方にばっかり気をつけていましたけど、後ろから危険がせまってるかもしれないなんてことは疑ってもみないのでした。このことから、ネバーランドがどんなに現実そっくりだったかわかるでしょう。 

最初にくるくるまわる輪から抜け出したのは男の子達でした。男の子達は、地下のわが家のすぐ近くの芝生の上に身を投げ出ました。

「ホントにピーターが帰ってきてくれたらなぁ」と、背もとくに体の幅なんてとっくに隊長のピーターより大きかったというのに、みんなが口々に不安がって言うのでした。

「ぼくだけだな、海賊なんてちっともこわくないのはさ」スライトリーはおよそみんなには好かれそうもない風に言いました。ただいくぶん遠くの方で物音がして声がさえぎられたので、急いでこう付け加えました。「でもピーターが帰ってきて、シンデレラについてなにか聞いてきてくれたかどうか教えてくれたらなぁ」

男の子達はシンデレラの話をしていて、トゥートルズは自分のママがシンデレラそっくりに違いないって自信たっぷりでした。

お母さんのことを話せるのは、ピーターが留守のときだけでした。そんな話はばかげてるからとピーターには禁止されていたのでした。

「僕がお母さんについて覚えているのは」ニブスは言いました。「お父さんによくこう言ってたことだなぁ。”自分の小切手帳があればねぇ”だって。小切手帳ってなんだか知らないけど、お母さんにあげられるなら一つあげたかったなぁ」

話している間にも遠くで物音がしたのが聞こえました。森で野生で暮らしているものでもなければ、わたしやあなたにはなにも聞こえなかったことでしょう。でも男の子達には聞こえたのでした、こわーーい歌です。

「よーほー、よーほー、海賊暮らしは
どくろと骨の旗だぜ、たのしいじゃねぇかっ
あさ縄もって、海神ばんざい!」

すぐさま迷子の男の子達は、あらどこでしょう、すでにもうそこにはいませんでした。うさぎでさえこんなに早く姿を消せはしなかったことでしょう。

どこにいるかをお教えしましょう。ニブスを別にして、ニブスは見張りをするために駆けだしていったのでしたが、男の子達はすでに地中の家にいたのでした。とてもすごしやすい住居でしばらくしたらもっと詳しくみてみることにしましょう。でもどうやってそこまで行ったのかって? 入り口は見当たらないし、大きな石ひとつさえなかったのでした。もしそうなら石をどければ、どうくつの入り口が姿をあらわしたなんて事になるかもしれません。でも近寄って見てみると、7本の大きな木がここにあるのに気がつくでしょう。それぞれには男の子と同じ大きさの穴が木の幹の中にあったのでした。地中の家には7つの入り口があり、フックはいく夜もこの入り口を探していたのですが、見つかりませんでした。さて今夜はみつけられるのでしょうか? 

海賊たちが進んで行くとスターキーのすばしっこい目が、ニブスが森へ姿を消すのをとらえました。そしてすぐにピストルをさっと取り出したのですが、鉄のカギがスターキーの肩を押しとどめました。

「船長、放してくだせぇ」身もだえしながらスターキーは叫びました。

さあフックの声を聞くのは初めてですね、むっとした声でした。「まずピストルをしまうんだ」脅すような口調なのでした。

「おかしらの憎んでる坊やの1人じゃねえですか? 撃ち殺せたのに」

「おう、でタイガー・リリーのインディアン達にもその音は聞こえてすぐさまやってくるぞ、頭の皮をなくしたいとでもいうのか?」

「あとをつけましょうか、船長」哀れなスメーはたずねました。「で、コルク抜きジョニーでくすぐってやるんでさぁ」スメーはなにもかもに楽しい名前をつけるのでした。そり身の短剣がコルク抜きジョニーというわけで、なぜなら傷口にそれをねじ込むからなんです。スメーの愛すべき点ならいろいろ挙げられます。たとえば殺した後なんか、武器の血をぬぐうかわりにめがねを拭いたりしてるんですから。

「ジョニーは音がしないからに」スメーはフックに念をおしました。

「まだだ、スメー」フックは陰気に言いました。「1人じゃねぇか、俺は7人ともこらしめたいんだ、散れ、奴らをさがすんだ」

海賊たちは木々の間に姿をけし、たちまち船長とスメーが残されました。フックは大きくため息をつくとどうしてかはわかりませんが、たぶん夕焼けの美しさなんかがその理由なんでしょう。急にこの忠実なる甲板長のスメーに自分のこれまでの人生を打ちあけたい欲望にかられました。フックは長々と熱心に話したのですが、スメーは少し頭が足りなかったので、話された内容がどういうことなのか全くわかっていなかったのでした。

しばらくしてピーターと言う言葉が耳にはいると「とりわけだ、」フックはすっかり興奮して語りました。「やつらの隊長のピーターパンだ、わしの腕を切り落としやがった」フックは右腕のフックを脅すようにふりまわしました。「こいつでやつの手と握手するのを長い間待ちわびてんだ、やつを引き裂いてやる」

「でも」スメーは言いました。「わしはかしらが右腕のフックは20本の腕に値するなんて言ったのをよく聞いてますぜ、髪をすいたりその他いろいろ日常の役にやつなんてね」

「あぁ」船長は答えました。「おまえの母親だったら、手なんかのかわりにフックで自分の子供が生まれてくるように祈るところだな」そして鉄の手を誇らしげに一瞥すると、もう一方の手はあざけりの目でみつめるのでした。それから再び眉をひそめました。

「ピーターがわしの腕をほうりなげたんだ」フックは一瞬びくっとしながら言いました。「よりによって、ちょうど通りすぎるところだったワニに向かってな」

「わしはおかしらが妙にワニを恐がるのに時々気づいてましたよ」スメーは言いました。

「ワニが恐いんじゃない、」フックはスメーの言葉を訂正しました。「あの例のワニだ」フックは声をひそめました。「とってもわしの腕が気に入ったらしいよ、スメー。それ以来ずっと海から海へ陸から陸へとわしを追いかけ回しとる。わしの体の残りの部分に舌なめずりしながらな」

「とりかたによっては、一種の敬意を表されてるようなもんですな」スメーは答えました。

「そんな敬意がいるものか」フックはいらいらしながらほえるように言いました。「わしが欲しいのはだ、ピーターパンだ。元はといえばやつがやったんだ、あのワニがわしのことを好むようにな」

フックは大きなキノコの上に腰掛けていました。そして今や少し震えてちょっとかすれた声で言いました。「スメー、あのワニはもっと前にわしをパクリとしてたことだろうよ。でも運がいいことに時計まで飲み込みやがったのさ、中でチクタクと音がするんだ。だからわしのところまで来る前に、わしはその音を聞きつけて逃げ出すといった具合になっとる」フックはうつろな声で笑いました。

「いつか」スメーは言いました。「その時計も止まることでしょう、そしたらあのワニはおかしらをパクリと...」

フックは乾いたくちびるをなめて言いました。「ああ、そいつがわしに取りついて離れない恐怖なんだ」

座りこんでからフックは妙にあたたかい感じがしていました。「スメー、ここはあたたかいな」とフックは飛びあがって言いました。「なんだ、どうした、あっちっち。わしはもえてるぞい」

キノコを詳しく調べてみると、サイズといい固さといい現実の世界ではお目にかかれないようなもので、ひっこぬこうとするとすぐにひっこぬけました、なにしろ根っこがなかったのでした。もっとかわったことに煙がすぐにたちのぼってきました。海賊たちは互いに目を合わせました。「えんとつだ」2人とも叫びました。

まさに地下の家のえんとつを見つけたのでした。敵が近くにいるときは、キノコで煙突にふたをするのが男の子達の習慣なのでした。

立ち上ってくるのは煙だけではありません、男の子達の声も聞こえてきました。隠れ家では男の子達は安心していたので、声も大きくしてしゃべっているのでした。2人の海賊は残忍な顔をして耳をすませていました。そしてキノコを元の場所にもどし、あたりをみまわして7本の木の穴に気づいたのでした。

「聞きましたかい、おかしら、ピーターパンはいないだなんて言ってましたな」スメーはコルク抜きジェニーをもてあそびながらささやきました。

フックはうなずいて長い間考えこみ立ちつくしていましたが、ついに凍るような笑みが浅黒い顔に浮かびました。スメーはじっとそれを待ちかまえていて熱心にこういいました。「プランってやつを聞かせてくだせい、おかしら」

「船にもどってだな、」フックは歯からもらすようにゆっくり答えました。「みどりの砂糖をたっぷりかけた、十分にボリュームのある大きなクリームたっぷりのケーキを作るんだ。この下には一つしか部屋はないだろうな、なんせえんとつが一つしかないからな。やつら頭の足りないもぐらどもには、めいめいにドアは必要ないってこともわかりゃしないんだろう。それで作ったケーキを人魚のラグーンの岸に置いとくんだ。やつらはいつもあそこらへんで人魚と遊びながら泳いでいるからな。ケーキをみつけてがつがつ食べるだろうなぁ、というのもやつらには母親がいないからな。そのクリームたっぷりの出来たてケーキを食べるのが、どんなに危険なことか分かるまい」というと大笑いを、もううつろな笑いではなくて本当に心から笑いはじめました。「はっはっはっ、やつらはおだぶつだ」

スメーは聞けば聞くほど感心するのでした。

「わしが聞いたことある中じゃ、一番すばらしくて見事なやり方ですぞ」スメーはさけびました。そして2人は勝ちほこった気分になって踊って歌いました。

「とめろ、やめろ、おいらが現われりゃ
恐怖でみぶっるい、フックのツメと
握手した日にゃ骨しか残んねぇやっ」

と歌いはじめましたが最後までは歌えませんでした。他の物音がして2人を黙りこませたのでした。はじめそれは小さな音で葉っぱ一枚落ちてもかき消されたかもしれないくらいでしたが、近づくにつれてはっきりとしてきました。

チクタク、チクタク

フックは身震いがして片足で立ちすくんでいました。

「あのワニだ」フックははっと息をのみ飛びあがって逃げ出し、甲板長のスメーが後に続きました。

まさにあのワニでした。今や他の海賊たちの頭皮をぶらさげていたインディアン達を追い越して、こっそりフックをつけ狙っていたのでした。

ふたたび男の子達は野外に出てきました。でもまだその夜の危険は去っていなかったのでした。というのも、しばらくしてニブスが息も絶え絶えにみんなの中に駆け込んできたのでした。狼の一群においかけられて。おいかけている狼の舌はぶらさがっていて、うなり声で身も凍らんばかりでした。

「助けて、助けて」ニブスは、転んじゃって叫びました。

「でもどうすればいい、どうすればいい?」

そんな恐ろしい時にも男の子達がピーターのことを考えるなんて、ピーターにとってはすごく光栄なことでした。

「ピーターならどうする」みんなは同時に叫びました。

ほぼ同時にみんなは叫びました。「ピーターなら足の間から狼を見ると思うな」

「じゃあ、ピーターのする通りにしようじゃないか」

それこそ狼を撃退するには一番よい方法でした。一人の男の子につづいて、みんなが体をまげて足の間からのぞいたのでした。その次の瞬間は永遠にも思えましたが、すぐに勝ったことがわかりました。というのもそんなひどい格好で狼の方へ男の子たちが一歩でも踏み出すと、狼は尻尾をまいて逃げ出したのでした。

さてニブスが起きあがると、他の男の子達にはニブスがまだ狼をじっと見ているように思えたのですが、ニブスが見ていたのは狼ではありませんでした。

「すばらしいものをみたよ」とニブスが叫ぶと、みんながニブスのまわりに集まってきました。「大きな白い鳥なんだ、こっちの方へとんでくるよ」

「なんの鳥、だと思う?」

「しらないや、」ニブスはびくびくして言いました。「とってもつかれてるみたいで飛んでて”かわいそうなウェンディ”なんてうめいてたよ」

「かわいそうなウェンディ」

「思い出したよ」スライトリーはすぐに口をはさみました。「ウェンディなんて鳥がいたっけな」

「みて、くるよ」カーリーは空のウェンディを指差しながら言いました。

ウェンディは今まさに頭上にいて、みんなあわれな泣き声を聞きました。でももっとはっきり聞こえてくるのは、ティンカーベルのかん高い声なのでした。今や嫉妬にくるった妖精は友達のフリをかなぐり捨てて、四方八方からいけにえのウェンディにむかって突進してさわるたびにひどくつねったのでした。

「おーーい、ティンク」不思議に思っていた男の子達がさけびました。

ティンクの返事がひびきわたりました。「ピーターがウェンディをうてだって」

ピーターが命令したことに疑問をもつなんてことはありません。「ピーターの言うとおりにしよう」単純な男の子達はいいました。「いそいで弓と矢だ」

トゥートルズ以外はみんな木の中に飛び込みました、トゥートルズは弓と矢を携帯していたのでした。ティンクはそれに気づいて小さな手をこすりあわせました。

「いそいで、トゥートルズ、いそいで」ティンクはさけびました。「ピーターはそれはよろこぶと思うわよ」

トゥートルズは興奮して矢を弓につがえました。「ティンクどくんだ」と叫ぶと弓を引いて、ウェンディは胸に矢がささりひらひらと地面に落ちたのでした。

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2000/06/08 原テキストと翻訳

最初にここに書く文章はわかりにくい事を断っておく。ただ翻訳する際の悪い見本の一例として以降に続く人は他山の石にしていただきたい。

このサイトでは最初はピーターパンの英文の存在するサイトを示していた。ところがその英文自体には、テキストを配布する際にはこれこれの条件を守ることって書いてあったのだ。引用してみよう、引用も難しい(笑)

You may distribute copies of this etext electronically, or by
disk, book or any other medium if you either delete this
"Small Print!" and all other references to ×××××, or:

「はいはい英文を配布する時ね」なんて安易に読み飛ばしている場合ではなかったのである。翻訳も良く考えてみれば(考えなくてもか)、英文のコピーじゃない? 

ということで”or”以降の条件も守らないサイト作成者は英文が存在するサイトへのリファレンスは全て削除しなければならなかったのである。このページからも急いでリファレンスを削除した。

まあもともとのキモチは、つたない翻訳に対していろいろ指摘してもらおうとか、もっといい訳があればご教授していただきたいと考えて英文の存在場所を示しておいたわけだが、よく考えてみれば指摘したりご教授していただける方が英文を入手するサイトの存在を知らないと思うほうがどうかしているのである。

ということでこのページでは、英文へのリファレンスはつけられないということでご了承いただきたい。

それにしてもプロジェクト杉田玄白ってためになるなぁ。

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2000/06/07 修正 その4(4章)

結城さんからチェックをいただきました。本当にありがとうございます。
例えばこの修正が反映されてないとか、その他どんなささいなことでもいいのでピーターパンの訳文について指摘事項があったらメールください

1.漢字−ひらがな

>> のりなのでした。でも鳥たちでさえ、地図をもって風の曲がり
>「地図を持って」のほうがよいと思います。
>ひらがなだと「これをもって最後とする」などの用法との誤解があるので。

これも漢字が続くとかいろいろ”感じ”で決めてる部分があるので、指摘いただければ積極的に直したいと思います。

2.誤字
>> ピーターはごそんじのよう
>ごぞんじ

修正します。

3.誤訳
>> で、一時期あるスポーツに熱中してたと思えば突然にして興
>> 味を失ってしまうので、次に落下したときには助けないでその
>> ままほっとくなんてことも十分にありえることなのでした。
>「スポーツ」というより「おふざけ」とか「遊び」では?

全くそのとおりです、「遊び」に修正します。

4.日本語×
>>むしろ休暇に故郷にかえって仲のいい友達に会うようなものだったのでした。
>「に」が重なる。
>むしろ、休暇で故郷へ帰って、
>仲のいい友達に会うようなもの…

修正します。

5.日本語×
>> 「ティンクがいうには、海賊たちが暗くなる前に僕らをみつけて
>> ロングトムをもちだしてくるんだってさ」
>>
>> 「あの大砲の?」
>「あの大砲のこと?」

修正します。

6.誤訳(珍しく、笑、自分での指摘です)
>>このとき、ナナがいっしょにいたらマイケルの額にバンドエイドをはったにちがいないことでしょう。
>>If Nana had been with them,she would have had a bandage round Michael's forehead by this time.

寝ながら訳してるのかな? そもそも当時バンドエイドはないでしょ? 
このときナナがいっしょにいたら、マイケルの額に包帯を巻いたことでしょう。 に修正

この修正で4章をV0.91→V0.92へ。

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2000/06/04 アップ前チェックリスト

なんで最初っからこういうものを作って作業を始めないのかが不思議。って不思議がってないでちゃんと一覧にしておこっと。

項番 チェック項目 チェック欄 その他(環境設定など)

半角句読点   基本的には、IMEで全角のみの入力にしておくこと

ウェンディ、ピーターパン、ネバーランド、ティンカーベルの統一   基本的にはIMEの辞書に登録。−とーの違いも含めて。あとは固有名詞の一覧を作成して、訳語の統一を図っておくこと

?、!のあとの全角空白   基本的に?△、!△で登録

「」の句点   なしで統一”。」”で検索してチェック可能
「なんせ」を「なにしろ」    
「礼儀ただしく」を「正しく」    
名前の中点(・)ありなしの混在をありへ統一    
「」の中の会話文には””を使用    
閉じカッコ抜け   マクロでも作ってチェックできそう、フロントページで出来るかな? そもそもそんなもの使ってることに問題あり? 
10 とぶと飛ぶの混在、「飛ぶ」に統一   飛ぶって沢山でてくるものなぁ
11 くさりと鎖の混在、くさりで統一   まあもう後ではあんまり出てきそうにないけど...
12 ?△」、!△」→?」!」に   置換で対応
13 機種依存文字を使用しない   http://apex.wind.co.jp/tetsuro/izonmoji/
14 こっそり黙ってたけど今にも指摘されそうなので、数字も漢数字との使い分けが混在。整理しないとね。   縦書きだと漢数字がいいんだろうけど...
15 「…ですが」の文末注意   butなんかの訳が定型的になりがち、要注意

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2000/06/04 修正 その3(4章)

武井さんからチェックをいただきました。本当にありがとうございます。それにしても今回はミス多すぎ、作業環境も見直しました。
例えばこの修正が反映されてないとか、その他どんなささいなことでもいいのでピーターパンの訳文について指摘事項があったらメールください

1.半角、全角読点ミス、訳語バラバラミス

> 半角読点のミスが今回多いんですが,それって単純に(エディタ等で)全角に置
> 換させれば済むだけのことなんですけど.
>
> それから,訳語ばらばらすぎです.今回確認できただけで,「ウェンディー」
> 「ウェンディ」「ウェンデイ」の3種類あります.こういうのこそ,単語登録
> しちゃえば済む(不必要になったら消せばいい)話なのでは?

この2点は全くもってその通りです。ちょっとだけ言い訳させてもらえば、作業環境がいろんなところにあって4章を訳した環境では上記の設定を
怠っていました。まず全ての作業環境で上記作業をしてから訳に取り掛かることにします。

ただこれは訳文にミスがあっていいことには全くならないし、チェックにもお手数がかかることになって本当に申し訳ありません。
チェックリストなるものも作って、今後は発生しないように気をつけます。

2.?、!のあとの全角空白

> (snip)
> > でもしばらく前って、どれくらい前なんでしょう?こう考えてウェンディー
> ~~ ウェンディが
> これまでは指摘しませんでしたが,通例,?や!の後には空白を空けるもので
> す.全角空白でも半角空白でもかまいませんけど.

全角空白をあけるようにします。

3.訳語の統一

> > 疑わしくも思いました。つまりピーターがこんなフウにして食べ物を手に入
> こんな風にして
> # 第1章では,「どんな女の人でもパパを尊敬するにちがいない風に。」という
> # 用法があるので.

そうですね、ここは”風”にしておきます。(ピーターだからいい感じかなとも思ったんですがそもそも違和感もあるので)

4.日本語×
> (snip)
> > ピーターはといえば、単に仰向けにねてういてるだけで空中で落下せずに眠
> > ることができました。ただ少なくともその理由の一部は、ピーターがもし後
> > にまわりこんで吹き飛ばしたら、はるか遠くまで飛んでいってしまうくらい
> > 軽かったからなんですが。
>
> この文章だと,ピーター「が」吹き飛ばすように読めます.正しくは,"ピー
> ターが軽かったから" なんですよね.
>
> わたしなら,
> ピーターは、ただあおむけになって浮いてるだけで落ちずに眠っていられまし
> た。ただしこれは、ピーターの背後から近づいて吹いたとしたら素早く飛んで
> いってしまうくらいに軽かったのが理由の一部なんですが。
> かな.

その通りですね。
もしピーターの後ろにまわりこんで吹き飛ばしたら、すばやく飛んでいってしまうくらい軽かったからなんですが。
に修正します。

5.適切な訳語
> (snip)
> > 「ピーターに親切にしなきゃだめよ」ウェンディーは兄弟に念をおしました。
> > 「ピーターが、わたしたちをおきざりにしたらどうすればいいの?」
> ~~半角読点
>
> 兄弟ではなくて,「2人の弟」のほうが分かりやすいと思います.ウェンディ
> より年上の子供はいないはずですから.

そうですね、2人の弟の方が念を押す感じにもなりますし、修正します。

6.「」の句点
> (snip)
> > 「ひどいもんね、ジョン、わたしたちは飛びつづけるしかないのよ。なんてっ
> > たって、どうやってとまればいいか知らないのだもの。」
>
> 現在の小説では,閉じかぎかっこの前に句点はつけないのが主流です.小学生
> の頃には「知らないのだもの。」と習っているでしょうけれど.
> # いや,句点があってもかまわないんですよ,用法が「統一」されてさえいれ
> # ば :-p

その通りですね、意識してなしで統一します。

7.動物、植物の表記
> (snip)
> > 「ぼくはあのわしの口から、とっても手際よく餌をかすめとったでしょ。ウェ
> ワシ ~~半角読点
> # 一般に,動物や植物の名称はカタカナにするとおちつくものです.
> > ンディ」

ワシに修正します。

8.日本語×

> (snip)
> > ピーターは今のところウェンディたちとは一緒にいなかったので、自分たち
> 三人だけだと
> # 意訳.「ウェンディ,ジョン,マイケルの三人」=「自分たち」ですから.
> > だけだとかなり心細く感じました。ピーターはウェンデイ達よりかなりはや
> > く飛べたので、視界からとつぜん消えて、ウェンディ達がいっしょに行けな
> > い冒険をしてきたりするのでした。ピーターは、星と話し、とてもおもしろ
> > いなにかに笑いながら、上から降りてくるのでした。しかしすでになんだっ
> ~~半角読点
> > たのかは、忘れてしまっているのでした。また人魚のうろこを体につけたま
> > ま、下から登ってくることもありました、ただはっきりと何がおこったのか
> > は言えないのでした。人魚をみたこともないコドモ達にとっては、本当に全
> ~~半角読点
> > くいらいらさせられることでした。
>
> わたしなら,
> | ピーターは今のところウェンディたちとは一緒にいなかったので、三人だけだ
> | とかなり心細く感じました。ピーターはウェンディ達よりかなりはやく飛べた
> | ので、突然どこかにいなくなって、一人だけで冒険をしてきたりするのでした。
> | ピーターは星と話し、とてもおもしろいことについて笑いながら,上から降り
> | てくるのでした。しかしなにがおかしかったのかは忘れてしまっていました。
> | また人魚のうろこを体につけたまま、海から上がってくることもありました。
> | でも確かに何があったのかは言えないのでした。
> | 人魚を見たこともない三人にとっては、本当にいらいらさせられることでした。
> かな.

なるほど、読み比べるとよくわかりますね。異様に読点が多いこととかこなれてない場所とか...

ピーターは今のところウェンディたちとは一緒にいなかったので、三人だけだとかなり心細く感じました。ピーターはウェンディ達よりかなりはやく飛べたので、突然どこかにいなくなって、一人だけで冒険をしてきたりするのでした。ピーターは星と話し、とてもおもしろいと笑いながら空から降りてくるのでしたが、なにがおかしかったのかは忘れてしまっているのでした。また人魚のうろこを体につけたまま、海から上がってくることもありましたが、何があったのかはっきりとは言えないのでした。人魚を見たこともない三人にとっては、本当にいらいらさせられることでした。

で差し替えます。でも異様に自分の訳が未熟なことがわかって勉強になります。

9.句点、読点
> (snip)
> > 「わ・た・し・はウェンディよ」と動揺しながらいったのでした、ピーター
> 句点のほうがいいのでは?~~
> > はたいへんすまなく思って、「ちゃんとウェンディっていうよ」と彼女にさ
> > さやきました。「もし僕がきみのことを忘れてるようにみえたらいつでも”
> > わたしはウェンディよ”っていいつづけてさえくれればいいよ。そうしたら
> > すぐに思い出すから」

修正します。

10.「3人」と「コドモ達」

> (snip)
> > ピーターはコドモ達があまりに物知りなのでちょっとむっとしたんですけど、
> > コドモ達にいばりちらしたいのなら、お茶のこさいさいでした、なぜならす
> > ぐにコドモ達に恐怖が襲いかかることになってることを言ってませんでしたっ
> > け?
> ここの(というかここ以外でも)「コドモ達」は「三人」ではまずいですかね?
> なんといっても,ピーターだって子供ですし,「三人」のほうがより具体的に
> 思えるのですけど.

3人の方が対象が明確でいいと思います、修正します。あと今後の訳にも反映するようにします。

11.日本語×

> (snip)
> > 「なんてすごいんだ」なんていいながら、お茶をすることに決めたんですが。
> > ジョンが今島にはたくさん海賊がいるのかどうかたずねると、ピーターはそ
> > んなに大勢はしらないなとこたえました。
>
> > John said "How ripping," but decided to have tea first. He asked
> > if there were many pirates on the island just now, and Peter said
> > he had never known so many.
> first が訳されていません.
>
> わたしなら,
> ジョンは「(ここ訳せません)」と言ったんですけど、まずはお茶にすることに
> しました。ジョンがピーターに海賊は島にたくさんいるのか尋ねると、ピーター
> はたくさんいるかどうか知らないと答えました。
> かな.

「なんてすごいんだ」なんていいながら、まずはお茶にすることにしたんですが。ジョンがピーターにいま島に海賊はたくさんいるのと尋ねると、ピーターはそんなに大勢いるかどうかは知らないなと答えました。

に修正してみました。

12.日本語表記の問題? 


> (snip)
> > 「ジャス・フック?」
> > "Jas. Hook?"
>
> 手元の英和辞典をひくと,「Jas. <略語> James」と出ていますけど.
> 「ジェームズ・フック?」
> ではないのかしらん.

確かにそうなんですが、あとでフックは自分の名前はJasとつづるところが出てくるので、ただのジェームズとは分けた方がいいのかなと思って...
それにしても確かに「ジャス・フック?」はないですね、最初は「Jas.フック」にしてたんですが、それもいただけないし...

やっぱり「ジェームズ・フック?」にしておきます。

13.明かりとあかりの統一
> (snip)
> > 「じゃあ彼女に明かりを消すようにいってよ」とウェンディーは頼みました。
> >
> > 「あかりは消せないんだよ。妖精がたったひとつできないことさ、眠ってる
> > ときだけ消えるんだ、星と同じだね」
>
> 「明かり」と「あかり」の2種類の用法があります.

明かりに統一します。

14.カンジンなところでどこ見て訳してるんだか...
> (snip)
> > 「眠くならなきゃ眠れないのさ、それが妖精ができないたったひとつのこと
> > なんだ」
> > "She can't sleep except when she's sleepy. It is the only other
> > thing fairies can't do."
>
> other (=も)が落ちています.わたしなら,
> 「眠くならなきゃ眠れないのさ。それも妖精にはできないたったひとつのこと
> なんだ」
> ですかね.

句点も含めて修正します。

15.ものと物は違うって! 
> (snip)
> > ティンクは全く悪い妖精というわけではなかったのですが、いやどちらかと
> > いえば、今は全く悪い妖精なのでした。でもこの反対で、時々は全くいい妖
> > 精になるでした。妖精というものは一つの物、あるいは別の物のどちらかに
> なるのでした。 あるもの、あるいはそうでないもののどちらかに
> > しかなれないのでした。なぜならとっても小さいので、残念なことに一度に
> > は一つの感情しか入る余地がないのでした。もちろん変わることはできたの
> > ですが、完全に変わることしかできなかったのです。今のところティンクは
> > ウェンディへの嫉妬でいっぱいなのでした。ティンクが愛らしくベルをなら
> > すように言ったことは、もちろんウェンディには理解できませんでした。わ
> > たしもそのいくつかはひどい言葉だったと思いますが、とてもやさしく響い
> > たし、行ったり来たりと飛んでいたので、それはまるで「ついてらっしゃい、
> > 心配ないから」なんて意味みたいなのでした。
>
> 妖精の性質についてですから,"be one thing or the other," の thing は
> 「物」と訳してはいけないと思いますね.なおかつ,one ... the other の対
> 比があるのでは? 上は意訳しましたけど.

脱字も含めて修正します。

この修正で4章をV0.9→V0.91へ。大体公開日付より前に修正日付が入ってるってどういうこと? まあ締め切り(自分で自分に設定してるんだけど)はあくまで月曜日って気持ちだってことで。
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2000/06/05 あやしい訳一覧(4章) 6/20更新 項番10,20,27

あやしい訳シリーズも4章。こんなのシリーズ化したくない、あやしい訳がない章はないのかねぇ。解決策の訳文の協力求む。評価は前とおなじく、

A わからない、SOS
 あやしい、自信なし、もっといい訳あるはず
 センスなーーし

項番(章ごと) 評価 原文 指摘事項 解決策
4−1 B At first his companions trusted him implicitly, はじめウェンディ達はピーターのことを盲目的に信頼していたのでした 盲目的もあんまりいい言葉じゃないと思うけど、一回これがおもいつくと他の訳語がリジェクトされちゃう...もっといい訳語教えて  
4−2 C "That is the awful thing, John. We should have to go on, forwe don't know how to stop." ひどいもんね、ジョン、わたしたちは飛びつづけるしかないのよ、なんてったって、どうやってとまればいいか知らないのだもの。 訳も、ひどいもんね。なんていってる場合じゃないよ。「ひどいもんね」がイマイチか  
4−3 B She saw recognition come into his eyes as he was about to pass them the time of day and goon; once even she had to call him by name. ウェンディー達に、時刻を知らせて通りすぎて行こうとしてた時に初めて思い出すような姿をウェンディーはみてたのでした。一度なんて、ウェンディはピーターを名前で呼ばねばならないくらいでした。
時刻を知らせて通り過ぎる?あとで出てくる鶏の鳴き声のことかなぁ?あと意味的にはウェンディはピーターに自分の名前をいわなければならないなんだけど?  
4−4 C and this was such a pleasant change thatthey tried it several times and found that they could sleep thus with security.... そしてこれはとても楽しいことだったので何回も試してみて、それから安全に眠れることがわかったのでした。 Changeねぇ、上手く言葉が出てこない、翻訳してると語彙の貧しさに呆然となる  
4−5 B In the old days at home the Neverland had always begun to looka little dark and threatening by bedtime. Then unexploredpatches arose in it and spread, black shadows moved about inthem, the roar of the beasts of prey was quite different now, andabove all, you lost the certainty that you would win. You werequite glad that the night-lights were on. You even liked Nana tosay that this was just the mantelpiece over here, and that theNeverland was all make-believe. 家にいたころには、いつもネバーランドは薄暗く就寝時間におびやかされているようにみえはじめたものでした。それからまだ探検されていない部分がネバーランドの中から生まれてきて広がり、暗い影がその部分のなかをうろつきまわり、餌食になったけものの叫び声も今や全く異なるものになっていたのでした。そしてあなたはなによりも勝てるという確信をなくしてしまって、ナイトライトがついてて本当によかったなんて思うのでした。ナナがこれはこちらのだんろのかざりみたいなものであり、ネバーランドなんて全部つくりごとなんですよなんていってくれるのさえ好ましくおもうのでした。 特に前半が訳になってない  
4−6 B Nothing horrid wasvisible in the air, yet their progress had become slow andlaboured, exactly as if they were pushing their way throughhostile forces. Sometimes they hung in the air until Peter hadbeaten on it with his fists. 空中には恐ろしいものはなにもみえなかったのでしたが、歩みはゆっくりになり苦労してすすむのでした。それはまるで敵の軍勢の中をすすんでいくようなもので、ときどきピーターが空中をこぶしでなぐるまで、空中でただよって待っているのでした。 Peter hadbeaten on it with his fists.のitがなんだかよくわかってない  
4−7 C It was the stillest silence they had everknown, broken once by a distant lapping, which Peter explainedwas the wild beasts drinking at the ford, and again by a raspingsound that might have been the branches of trees rubbingtogether, いままで経験したこともないような全くの静けさでしたが遠くでぴちゃぴちゃと水を飲む音が一度静寂をやぶりましたが、ピーターはそれを野獣が浅瀬で水を飲んでいる音だと説明しました。そして再び木の枝がお互いにこすれているようなぎしぎしという音が静寂を破りました。 静寂を破るねぇ、一回これがおもいつくと他の訳語がリジェクトされちゃう...もっといい訳語教えて。
だいたい文章もおかしいよな。「〜が、〜が」っていうのがね。
 
4−8 B Also he was fond of variety,
and the sport that engrossed him one moment would suddenly cease
to engage him, so there was always the possibility that the next
time you fell he would let you go.
ピーターはヘンカにとんでいることが大好きで、一時期あるスポーツに熱中してたと思えば突然にして興味を失ってしまうので、次に落下したときには助けないでそのままほっとくなんてことも十分にありえることなのでした。
2000/06/04武井さんありがとうございます。
>なんでも移り変わってゆくのが大好きで、
> # 「変化に富む」というのは硬いので別訳した.
2000/06/08 修正点一覧その4でスポーツ→遊びに修正
4−9 B So with occasional tiffs, but on the whole
rollicking, they drew near the Neverland; for after many moons
they did reach it, and, what is more, they had been going pretty
straight all the time,
そしてちょっとしたこづきあいや全行程をつうじた浮かれ騒ぎの果てに、ネバーランドの近くまでやってきたのでした。いく夜もへて、おまけに始終まっすぐにやってきたのでした、 2000/06/04武井さんありがとうございます。
> for after many moons they did reach it の did reach が(というか強調の
> did が)訳されていません.
> http://home.alc.co.jp/db/owa/eijiro33?word_in=many+moons&type_in=ej
> によると,「many moons ago = 何カ月も前に」ですから,
> 「何ヶ月もかかって、とうとうたどりついたのです。」かな.そんなに長期間
> 飛んでるとは思えないのですが,他の辞書
> (http://www.dict.org/bin/Dict?Form=Dict2&Database=web1913&Query=Moon)
> 調べても "moon = a month"ですね.
2000/06/14 結構根はマジメなので(自分で言うなって)ほっといてるように見えていろいろ調べてます。特に数字なんかは文脈でいろいろな使われ方をするわりには重要なファクターだったりしてこまりますよね。文脈で使われる場合、辞書もあんまり訳にたたないこともあるし。これは後ろの方にmoons and moons and moonsって表現がでてくるんでそれとあわせようと保留してたわけ。やっぱり「何ヶ月」なんでしょうね。強調もふくめて指摘とおり修正します。
4−10 B "What is he like? Is he big?"
"He is not so big as he was."
 「どんなやつなの?大きい?」
 「昔そうだったほどでもないな」
2000/06/04武井さんありがとうございます。
> わたしなら,
> 「どんなやつなの?大きい?」
> 「昔ほど、態度はでかくないな」
> かな.
> 手元の英和辞典には,
> big (adj.) 1. 〜 3. は省略,4. ごうまんな,尊大な,自慢する
> とあるので,これを使いました.ジョンの台詞で big を大きいとしているの
> は,原語の big の両義性を訳でも出すためです.
2000/06/04 ピーターの答えにも、後ろで腕をちょん切られた話がでてくるので、ここでは明示的に態度とはしない方がいいかなとも思いますが、考えさせてください。

2000/06/20 いっそのこと最初から態度で統一する手もありかなと思って保留にしていたのですが、ビジュアル的なつながりを重視して、このままにします。
4−11 C "I say, John," said Peter.
「僕がそういったんだ、ジョン」ピーターは言いました。 2000/06/04武井さんありがとうございます。
> わたしなら,もうちょっと意訳して,
> 「そう言っただろ、ジョン」とピーター。
> かな.
2000/06/04 ここだけ見てもなんともいえないって(笑)。ピーターだけに「僕」を強調したほうがらしいかなと思って。
2000/06/14別に間をとったわけじゃないけど、「僕がそう言っただろ、ジョン」とピーター。にします。
4−12 B "She tells me," he said, "that the pirates sighted us before
the darkness came, and got Long Tom out."

"The big gun?"
「ティンクがいうには、海賊たちが暗くなる前に僕らをみつけてロングトムをもちだしてくるんだってさ」

「あの大砲の?」
2000/06/04武井さんありがとうございます。
> > 「ティンクがいうには、海賊たちが暗くなる前に僕らをみつけてロングトム
> > をもちだしてくるんだってさ」
> > "She tells me," he said, "that the pirates sighted us before the
> > darkness came, and got Long Tom out."
>
> Long と Tom の先頭は両方とも capitalize されてますから,これは名詞です.
> 手元の英和辞典には,
> long tom (n)
> 1.(軍隊俗語) 大型の野砲,長距離砲
> 2.[昔の] 艦載砲 (cannon)
> と出てますけど.

> わたしなら,2. の意味を使って,
> 「ティンクがいうには、海賊たちは暗くなる前に僕らをみつけて海賊船の艦砲
> を準備しはじめるんだってさ」
> ですかね?
2000/06/04 辞書以前に本人の知識の問題なんですが、固有名詞っぽく使ってるのかと思ってそのまま訳しました。
その後ろで「"The big gun?"」って聞いてるし。ただ”固有名詞っぽくって”どういうことだ、ってのもありますし調べる時間をください。
2000/06/26LongTomはL,Tをcapitalizeして使うんですね。艦載砲と訳します。
4−13 and so great
were the delights of flying that they wasted time circling round
church spires or any other tall objects on the way that took
their fancy.
そして飛べることに大喜びだったので、気に入った教会の尖塔やその他の高い建物のまわりをまわったりして道草をしていたのでした。 2000/06/06結城さんありがとうございます。
>>「まわりをまわったり」
よりは
>「ぐるりとまわったり」
のほうがよいと感じました(趣味の問題ですが)
2000/06/06 とりあえずすぐ直せばっていうのもあるんですが、ちょっと複雑な? ものは週末にならないと翻訳モードにならないという。
2000/06/12ぐるりに修正
4−14 2000/06/06結城さんありがとうございます。
>「たち」と「達」が全体的に混在
2000/06/06 やっぱり目につきますよね、なるべく前の言葉(コドモとか)で統一しようとしているのですが、いっそ「たち」に統一しようかな? 意見もお待ちします。
4−15 Did they really feel hungry at
times, or were they merely pretending, because Peter had such a jolly new way of feeding them?
時々本当におなかがすいたのか、それとも単にそんな気がするだけなのかわからなくなりました。というのもピーターは、いままでみたこともなかったような本当に楽しい方法でご飯を食べさせてくれたから。 2000/06/06結城さんありがとうございます。
>> 方法でご飯を食べさせてくれたから。
>「方法でご飯を食べさせてくれたからです。」
のほうがしっくりきます(趣味の問題)。
2000/06/06 確かにこなれない訳ですね、全般的に見直しが必要そう...週末へ
2000/06/12指摘通り修正
4−16 "There he goes again!" he would cry gleefully, as Michael
suddenly dropped like a stone.
「また落ちてくや」マイケルが突然石みたいに落下していった時、ピーターは上機嫌で叫びました。 2000/06/06結城さんありがとうございます。
>「時」は「とき」のようにひらいたほうが好き(趣味の問題)。
2000/06/06 時とときなんて考えたこともなかった、無意識で漢字の量できめてた(やれやれ)、週末へ
2000/06/12もう少し全体をみさせてください。
2000/06/14当座このままで最後の全体見直し時に考えます。
4−17 B and it was
lovely the way he did it;
ピーターったらなんて上手くやりとげたことでしょう。 2000/06/06結城さんありがとうございます。
>> ピーターったらなんて上手くやりとげたこと
>> でしょう。

>「ピーターはなんて上手くやったことでしょう。」
>でよいのでは?
2000/06/06自分の訳はなんでこうなってるんだろう、週末へ。

2000/06/12指摘通り修正

4−18 B He could sleep in the air without falling, by merely lying on
his back and floating, but this was, partly at least, because he
was so light that if you got behind him and blew he went faster.
ピーターはといえば、単に仰向けにねてういてるだけで空中で落下せずに眠ることができました。ただ少なくともその理由の一部は、もしピーターの後ろにまわりこんで吹き飛ばしたら、すばやく飛んでいってしまうくらい軽かったからなんですが。 2000/06/06結城さんありがとうございます。
>「理由の一部は…」と書き出すより、
>「…というのも理由の一つでしたけれど」と書き終えるのも手。
2000/06/06自分の訳はなんでこうなってるんだろう、週末へ。

2000/06/12指摘通り修正
4−19 C "We could go back," Michael said.

"How could we ever find our way back without him?"
「家にかえれば」とマイケルは言いました
「どうやってピーターなしで家までちゃんと帰れるの?」
2000/06/06結城さんありがとうございます。
>>「家にかえれば」とマイケルは言いました
>>「どうやってピーターなしで家までちゃんと帰れるの?」
>「かえれば」→「帰れば」
2000/06/06マイケルは小さいからいいか? なんて問題かな。週末へ

2000/06/12会話の中ということで訳語統一の対象外にさせてもらいます。
4−20 C "And even
though we became good a picking up food, see how we bump against
clouds and things if he is not near to give us a hand."
「でも食べ物は大丈夫だとしても、もしピーターが近くにいて手を貸してくれなかったら、どんなに雲やなんやかんやにぶつかること?」 2000/06/06結城さんありがとうございます。
>>どんなに雲やなんやかんや
>>にぶつかること?」
>「雲なんかにたくさんぶつかっちゃうじゃない」
2000/06/06 週末へ

2000/06/12なんやかんやっていわないですかね、もう少し宿題に。
2000/06/20 see howとand things とbumpを見直して、「どれほど雲なんかにどすんどすんってぶつかっちゃうかわかるでしょう」
4−21 B However, to make
amends he showed them how to lie out flat on a strong wind that
was going their way,
だけど埋め合わせにピーターはウェンディたちにどうやって行き先吹き荒れるつよい風の中で横になって寝るのかを見せてくれました。 2000/06/06結城さんありがとうございます。
「行き先吹き荒れるつよい風の中で」がわかりにくいとの指摘
2000/06/06 自分としては「行き先吹き荒れる」なんてかっこいいかなんて思ってたんですが、たしかにふつーは使わないよな。週末へ
2000/06/12これももう少し宿題に
4−22 B "It's a wolf with her whelps. Wendy, I do believe that's your
little whelp!"
「子連れのおおかみだよ、ウェンディ、かけてもいいけどお姉さんのコドモおおかみだよ」 2000/06/06結城さんありがとうございます。
> > 「子連れのおおかみだよ、ウェンディ、かけてもいいけどお姉
> > さんのコドモおおかみだよ」
>
> 「かけてもいいけど」→「絶対」
2000/06/06 得意になって訳してるけど、意訳が過ぎるか週末へ

2000/06/12会話の中だけどやりすぎって気もするので、指摘とおり修正。
4−23 B "Where? Show me, and I'll tell you by the way smoke curls
whether they are on the war-path."

「どこどこ、教えてよ、そしたら煙の立ち上り方で戦いにおもむくところかどうか教えてあげるから」 2000/06/06結城さんありがとうございます。
> > 「どこどこ、教えてよ、そしたら煙の立ち上り方で戦いにおもむ
> > くところかどうか教えてあげるから」
>
> 「戦いにおもむく」は子どものセリフではないような…。
> 「戦いに出かける」「戦いに出発する」
>
2000/06/06 かっこつけて「赴く」なんて使えばってものでもねぇ>自分 週末へ

2000/06/12指摘通りで、「戦いに出かける」に修正
4−24 B , for
have I not told you that anon fear fell upon them?
なぜならすぐに3人に恐怖が襲いかかることになってることを言ってませんでしたっけ?  2000/06/06結城さんありがとうございます。
> > た、なぜならすぐに3人に恐怖が襲いかかることになってるこ
> > とを言ってませんでしたっけ?
> 3人に恐ろしいことが起こるって言ってませんでしたか?
2000/06/06 なんか全般的に日本語がこなれてないなぁ。週末へ
2000/06/12指摘通り「恐ろしいことが起こる」を修正
4−25 B Here he got a pinch, but not a loving one.
今度はジョンがつねられました、さっきみたいなやさしいつねり方ではなかったんですが。
2000/06/06結城さんありがとうございます。
> > 今度はジョンがつねられました、さっきみたいなやさしいつね
> > り方ではなかったんですが。
>
> このような「…ですが。」という文末が多いのが少し気になります。
>今度はジョンがつねられました。
>でも、さっきみたいなやさしいつねり方ではありませんでした。
>でよいのではないでしょうか。
2000/06/06 butですよね。僕もかなり気になり始めました。週末へ

2000/06/12指摘通り修正。以降もチェック要。
4−26 C "Are you shot?" John whispered tremulously.

"I haven't tried [myself out] yet," Michael whispered back.

We know now that no one had been hit.
「うたれたか?」ジョンはびくびくしながらささやきました。

「まだみたい」マイケルもささやき声で答えました。

わたしたちは、今やだれも撃たれていないことはわかってます。
2000/06/06結城さんありがとうございます。
> > 「うたれたか?」ジョンはびくびくしながらささやきました。
> >
> > 「まだみたい」マイケルもささやき声で答えました。
> >
> > わたしたちは、今やだれも撃たれていないことはわかってま
> > す。
>
> 「うたれたか」「撃たれていない」漢字統一。
2000/06/06小さいマイケルに話しかける言葉だからいいか? なんて問題かな。週末へ

2000/06/12会話の中ということで訳語統一の対象外にさせてもらいます。
4−27 B Tink was not all bad; or, rather, she was all bad just now,
but, on the other hand, sometimes she was all good. Fairies have
to be one thing or the other, because being so small they
unfortunately have room for one feeling only at a time.
ティンクは全く悪い妖精というわけではなかったのですが、いやどちらかといえば、今は全く悪い妖精なのでした。でもこの反対で、時々は全くいい妖精になるのでした。 妖精というものはあるもの、あるいはそうでないもののどちらかにしかなれないのでした。なぜならとっても小さいので、残念なことに一度には一つの感情しか入る余地がないのでした。 2000/06/06結城さんありがとうございます。
> > ティンクは全く悪い妖精というわけではなかったのですが、い
> > やどちらかといえば、今は全く悪い妖精なのでした。
がわかりにくいとの指摘
2000/06/06 英語の論理性が日本語にあらわしにくいという(それほどの問題じゃないって、笑)「全く」をとってもいいかなって気もするんですが、週末へ

2000/06/12 もう少し宿題に

2000/06/20 根っからなんてどうでしょうか、根っからいい妖精なんてね。いいんじゃない(自分でいうなって、笑)あと訳も一般の事実を表す現在形のところも修正。

「〜でした」→「〜ものです」

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2000/06/05 ピーターパン 4章 フライト

バリ, J. M.『ピーターパン』 html版 
原題:PETER PAN
訳者:katokt
公開:4章 2000/06/05 (V0.90) 懲りずにV0.9(笑) 2000/06/04 V0.91 大体公開日付より前に修正日付が入ってるってどういうこと? まあ締め切り(自分で自分に設定してるんだけど)はあくまで月曜日って気持ちだってことで。2000/06/07 V0.92 2000/06/15 V0.93 2000/06/20 V0.94 2000/06/26 V0.95

4章 フライト

2つ目の角をまがって、あとは朝までまっすぐ。

ピーターがウェンディにいうには、これがネバーランドまでの道のりなのでした。でも鳥たちでさえ、地図を持って風の曲がり角で道をしらべても、こんな案内じゃとてもネバーランドを見つけることはできなかったでしょう。ピーターはごぞんじのように、頭に浮かんだことはなんでもすぐ口にだしちゃうのでした。

はじめウェンディ達はピーターのことを盲目的に信頼していたのでした。そして飛べることに大喜びだったので、気に入った教会の尖塔やその他の高い建物をぐるりとまわったりして道草をしていたのでした。

ジョンとマイケルは競走をして、マイケルが先にスタートしました。

しばらく前に部屋をくるくる飛び回ったぐらいで自分達はすごい、なんて考えたことをはずかしく思い返すぐらいでした。

でもしばらく前って、どれくらい前なんでしょう? こう考えてウェンディが真剣に悩みはじめる前に海をこえました。ジョンが考えるには、2回目の海で3回目の夜ということなのでした。

暗くなったり、明るくなったり、とても寒くなり、またとても暖かくなりました。時々本当におなかがすいたのか、それとも単にそんな気がするだけなのかわからなくなりました。というのもピーターは、いままでみたこともなかったような本当に楽しい方法でご飯を食べさせてくれたからです。ピーターの方法ったら、人間が食べられる餌を口にくわえていた鳥を追いかけてひったくるのです。すぐに鳥は追いかけてきて、餌を取り戻します。それからみんなで何マイルも、楽しそうに追いかけっこをするのでした。しまいにはお互いに楽しかったよなんて言って、別れるのでした。けれどウェンディは少し疑わしくも思いました。つまりピーターがこんなフウにして食べ物を手に入れるのがかなりおかしな方法だってことを、いいえそもそも他に方法があることすら知らないんじゃないか、ということに気づいていたのでした。

ウェンディ達が眠たい気がするだけではなかったのは、確かなことでした、じっさい眠たかったのです、あぶないことに。しばらくするとすぐ眠りに落ちて、落下してしまうのでした。恐ろしいことにピーターは、それすらおもしろいやなんて思ってたのでした。

「また落ちてくや」マイケルが突然石みたいに落下していった時、ピーターは上機嫌で叫びました。

「助けてやって、助けて」ウェンディは、恐ろしい海がはるか下にあるのを恐怖に震えながら見て、叫びました。ついにはピーターは空中を急降下して、マイケルが海に打ちつけられる寸前に捕まえました。ピーターったらなんて上手くやったことでしょう。ただあなたも感じるように、ピーターの関心事はあくまで自分の手際のよさで、人の命を救ったなんてことではなかったのでした。ピーターはヘンカにとんでいることが大好きで、一時期ある遊びに熱中してたと思えば突然にして興味を失ってしまうので、次に落下したときには助けないでそのままほっとくなんてことも十分にありえることなのでした。

ピーターはといえば、単に仰向けにねてういてるだけで空中で落下せずに眠ることができました。ただ少なくとも、もしピーターの後ろにまわりこんで吹き飛ばしたら、すばやく飛んでいってしまうくらい軽かったというのがその理由の一部なんですが。

みんなで「隊長につづけ」で遊んでいるときに、「もっとピーターに礼儀正しくしなきゃ」とウェンディはジョンにささやきました。

「なら、やつにも見せびらかすのはやめろっていって」とジョンは言い返しました。

「隊長につづけ」で遊んでるとき、ピーターは海すれすれに飛んで通りすがりにさめの尾っぽにタッチするのでした、まるで道を歩いているときに、鉄の柵に指を走らすように。ジョン達はこの遊びでは、それほどうまくはピーターにつづけませんでした。そしてたぶん、ピーターがうしろで見ていて、ジョン達がいくつ失敗したかを数えてたりするのが、どちらかといえば見せびらかしみたいに見えたんでしょう。

「ピーターに親切にしなきゃだめよ」ウェンディは2人の弟に念をおしました。「ピーターが、わたしたちをおきざりにしたらどうすればいいの?」

「家にかえれば」とマイケルは言いました
「どうやってピーターなしで家までちゃんと帰れるの?」
「まあ、とにかく、飛んでいけばいいよ」ジョンは言いました
「ひどいもんね、ジョン、わたしたちは飛びつづけるしかないのよ。なんてったって、どうやってとまればいいか知らないのだもの」

これは本当のことでした。ピーターは止まり方を教えるのをすっかり忘れてたんです。

ジョンは最悪の場合でも、しなきゃいけないのはまっすぐ飛ぶことで、そうすれば地球はまあるいから、そのうちわが家のあの窓のところに帰れるにちがいないなんて言うのでした。

「だれが食べ物をとってくるの、ジョン」
「ぼくはあのわしの口から、とっても手際よく餌をかすめとったでしょ。ウェンディ」
「20回も挑戦してやっとね」ウェンディはジョンに注意してやりました。「でも食べ物は大丈夫だとしても、もしピーターが近くにいて手を貸してくれなかったら、どれほど雲なんかにどすんどすんってぶつかっちゃうか分かるでしょう」

確かにウェンディ達は、ぶつかってばかりでした。もうしっかりと飛ぶことはできましたけど、まだ足でけりすぎてしまうのでした。もし前方に雲が見えると、よけようとすればするほど、確実にぶつかってしまうのでした。このときナナがいっしょにいたら、マイケルの額に包帯を巻いたことでしょう。

ピーターは今のところウェンディたちとは一緒にいなかったので、三人だけだとかなり心細く感じました。ピーターはウェンディ達よりかなりはやく飛べたので、突然どこかにいなくなって、一人だけで冒険をしてきたりするのでした。ピーターは星と話し、とてもおもしろいと笑いながら空から降りてくるのでしたが、なにがおかしかったのかは忘れてしまっているのでした。また人魚のうろこを体につけたまま、海から上がってくることもありましたが、何があったのかはっきりとは言えないのでした。人魚を見たこともない三人にとっては、本当にいらいらさせられることでした。

「でもこんなにすぐ忘れちゃうってことは、なんでわたし達のことはちゃんと覚えていられるっていえるのかしら?」とウェンディは弟たちに説明しました。

確かに、戻ってきたときにピーターはときどきウェンディたちのことを覚えてないのでした、いやすくなくともちゃんとは覚えてなかったってことですけど。ウェンディはそのことに自信がありました。ピーターがウェンディ達に、時刻を知らせて通りすぎて行こうとしてた時に初めて思い出すような姿をウェンディはみてたのでした。
一度なんて、ウェンディはピーターを名前で呼ばねばならないくらいでした。

「わ・た・し・はウェンディよ」と動揺しながらいったのでした。ピーターはたいへんすまなく思って、「ちゃんとウェンディっていうよ」と彼女にささやきました。「もし僕がきみのことを忘れてるようにみえたらいつでも”わたしはウェンディよ”っていいつづけてさえくれればいいよ。そうしたらすぐに思い出すから」

もちろんすごーく不安たらありません。だけど埋め合わせにピーターはウェンディたちにどうやって、行き先吹き荒れるつよい風の中で横になって寝るのかを見せてくれました。そしてこれはとても楽しいことだったので何回も試してみて、それから安全に眠れることがわかったのでした。実際、ウェンディ達はぐっすりとねむっていたのに、ピーターはすぐ寝てるのに飽きて、すかさず船長が命令するような声で「さあ出発だ」と号令をかけるのでした。そしてちょっとしたこづきあいや全行程をつうじた浮かれ騒ぎの果てにネバーランドの近くまでやってきたのでした。何ヶ月もかかってとうとうたどりついて、おまけに始終まっすぐ飛んできたのでした。でもたぶんピーターとティンクのガイドのおかげというよりはむしろネバーランドが彼らをみつけてくれたんでしょう。だからそれがネバーランドの魔法の岸を見られるたった一つの方法なのです。

「ほらごらん」ピーターはやさしくいいました。
「どこ、どこ」
「矢印が指し示しているところだよ」

実際、コドモ達のために100万の金の矢印が島を指し示しており、その矢は全て友達である太陽が指し示してくれたものなのでした。太陽はコドモ達に夜になって太陽がいなくなっても、道をはっきりさせておいてくれたのでした。

ウェンディとジョンとマイケルは島を最初にみるために空中でつま先立ちしていました。不思議なことに、みんなが同時に島をみることができ、島をみて歓声をあげました。そのうちに恐れをなすことになるのですが。それは長い間夢見たものをとうとう見つけたからというよりは、むしろ休暇で故郷へ帰って仲のいい友達に会うようなものだったのでした。

「ジョン、さんご礁に囲まれた海よ」
「ウェンディ、砂浜に海がめが卵をうめてるのをみてごらん」
「ジョン、わたしはフラミンゴが片足を折っているのを見たわ」
「マイケル、みてごらん、おまえの洞窟よ」
「ジョン、あのやぶのなかには何がいるの」
「子連れのおおかみだよ。ウェンディ、絶対に姉さんのコドモおおかみだよ」
「私のボートがあるわ、ジョン、脇に穴があいてるけど」
「ちがうよ。だって、ボートは燃やしたもの」
「あれはボートだわ、とにかく。ジョン、わたしはインディアンがキャンプしているときの煙をみたわ」
「どこどこ、教えてよ、そしたら煙の立ち上り方で戦いに出かけるところかどうか教えてあげるから」
「そこよ、不思議な川の向こう側よ」
「見えるよ、そうだ、まさに戦いに出かけるところだよ」

ピーターは3人があまりに物知りなのでちょっとむっとしたんですけど、3人にいばりちらしたいのならお茶のこさいさいでした、なぜならすぐに3人に恐ろしいことが起こるってことを言ってませんでしたっけ? 

矢印は消えて行き、島は暗闇につつまれました。

家にいたころには、いつもネバーランドは薄暗く就寝時間におびやかされているようにみえはじめたものでした。それからまだ探検されていない部分がネバーランドの中から生まれてきて広がり、暗い影がその部分のなかをうろつきまわり、餌食になったけものの叫び声も今や全く異なるものになっていたのでした。そしてあなたはなによりも勝てるという確信をなくしてしまって、ナイトライトがついてて本当によかったなんて思うのでした。ナナがこれはこちらのだんろのかざりみたいなものであり、ネバーランドなんて全部つくりごとなんですよなんていってくれるのさえ好ましくおもうのでした。

もちろん当時はネバーランドはつくりごとでしたが、今や現実のものなのでした。そしてナイトライトはないし、刻一刻と暗くなっていくのでした、そしてナナはどこにいたのでしょう? 

コドモ達は離れて飛んでいたのですが、今やピーターの近くに集まりました。ついにピーターの無頓着な態度もすっかり消え、目はかがやきました、そしてぞくぞくする興奮がピーターの体にさわるたびに伝わってくるのでした。いまやぞっとするような島の上にいて、あまりに低く飛んでいたのでときどき足に木がかるく触れるくらいでした。空中には恐ろしいものはなにもみえなかったのでしたが、歩みはゆっくりになり苦労してすすむのでした。それはまるで敵の軍勢の中をすすんでいくようなもので、ときどきピーターが空中をこぶしでなぐるまで空中でただよって待っているのでした。

「やつらはぼくらを上陸させたくないんだ」ピーターは説明しました。

「やつらって?」ウェンディは身震いしながらささやきました。

でもピーターは言えないのか、言いたくないのかだまっていました。ティンカーベルはピーターの肩で寝ていましたが、ピーターが起こして先導させました。

ときどきピーターは空中で立ち止まって、耳に手をあて熱心に耳をすませて、そしてふたたびあまりにぎらぎらした目でにらみつけるので、地球に2つ穴があくくらいのものでした。そうしてから、ふたたび進み始めるのでした。

ピーターの勇気はかえってあきれるくらいのもので、「冒険かい、それともお茶かい?」なんて気軽にジョンに尋ねました。

ウェンディは「お茶にしましょうよ」とすばやく答えました。そしてマイケルが賛成をこめてウェンディの手をにぎりました。でももっと勇敢なジョンは躊躇していたのでした。

「どんな冒険?」ジョンは用心しながら尋ねました。

「僕らの真下には大草原があって海賊がひとりねてるんだ」ピーターはジョンにいいました。「もし君がそうしたいのなら、下に降りてって、やつを殺そう」

「みえないよ」ジョンはしばらくした後に言いました。
「みえるさ」
「海賊が目をさましたら、」ジョンはちょっとかすれた声でいいました。

ピーターは憤然として言いました。「僕が海賊が寝てる間に殺すなんて思ってるんじゃないだろうね。まず起こすのさ、それから殺す。それが僕のいつものやり方さ」

「そうなんだ、おおぜい殺したの?」

「やまほどね」

ジョンは「なんてすごいんだ」なんていいながら、まずはお茶にすることにしたんですが。ジョンがピーターにいま島に海賊はたくさんいるのと尋ねると、ピーターはそんなに大勢いるかどうかは知らないなと答えました。

「今はだれが船長なの?」

「フック」ピーターは答えました。そのいやな言葉を口に出すと顔がけわしくなりました。

「ジェームズ・フック?」

「そうだ」

それを聞くとマイケルは泣き出してしまいましたし、ジョンでさえつばを飲みこみながら口をきくのがやっとでした。なぜなら2人ともフックの評判を知っていましたから。

「フックは海賊黒ひげの甲板長だったんだよ」ジョンはかすれた声でささやきました。「フックがやつらのなかでも一番悪い奴なんだよ、バーベキューでさえフックだけはこわがってたんだから」

「そうやつだ」ピーターは言いました。

「どんなやつなの? 大きい?」

「昔そうだったほどでもないな」

「どういう意味なの?」

「ちょこっとちょんぎってやったのさ」

「君が?」

「もちろん僕がだ」ピーターはとげとげしく答えました。

「失礼な意味でいったんじゃないんだ」

「ああかまわないよ」

「でもどれくらいちょんぎったの?」

「右手をね」

「じゃあもう今はフックは戦えないんだね」

「いや戦えないどころか!」

「左ききなの?」

「右手の代わりに鉄のカギをつけたのさ、それでひっかくんだぜ」

「ひっかくだって!」

「僕がそういっただろ、ジョン」とピーター。

「はい」

「アイアイサーというんだ」

「アイアイサー」

ピーターは続けました。「僕の手下の男の子はひとつだけ約束しなきゃいけない、君もだ」
ジョンは青ざめました。

「それはこういうことさ、野戦でフックと出会ったら、フックは僕にまかせなきゃいけない」

「約束します」ジョンは忠実に答えました。

しばらくあんまりぞっと感じなくなりました。というのもティンクが一緒に飛んでくれて、ティンクの明かりでお互いの姿が見えたからです。残念なことにティンクはみんなほどゆっくりは飛べなかったので、動いているみんなのまわりを円をかいてくるくるまわらなければなりませんでした。それはまるで光の円の中にいるようで、ウェンディはとってもそれを気にいったのですが、しまいにはピーターがまずいと言いました。

「ティンクがいうには、海賊たちが暗くなる前に僕らをみつけて艦載砲をもちだしてくるんだってさ」

「あの大砲のこと?」

「うん、もちろんティンクの明かりをみつけるに違いないし、僕らが近くにいるなんて思ったら間違いなくぶっぱなすよ」

「ウェンディ」

「ジョン」

「マイケル」

「ティンクにすぐどっかにいくように言ってよ、ピーター」3人は同時にさけびました、でもピーターは拒否しました。

「ティンクは僕らが道に迷ったと思ってるんだ」とかたくなに答えました。「ティンクもかなりこわがってるんだよ。まさかこわがってるティンクを僕が一人でどこかに行かせるなんて思ってないだろうね」

そのとき光の輪がみだれて、なにかがピータをやさしくちょっとつねりました。

「じゃあ彼女に明かりを消すようにいってよ」とウェンディは頼みました。

「明かりは消せないんだよ。妖精がたったひとつできないことさ、眠ってるときだけ消えるんだ、星と同じだね」

「じゃあいますぐ眠るようにいって」とジョンも注文をつけました。

「眠くならなきゃ眠れないのさ、それも妖精にはできないたったひとつのことなんだ」

「僕にしてみれば、その2つこそがする価値があることだと思うけどね」ジョンはぶつぶつ不平をいいました。

今度はジョンがつねられました。でもさっきみたいなやさしいつねり方ではありませんでした。

「だれかポケットをもっていればなあ」ピーターは言いました。「その中にティンクをいれて運べばいいんだけど」だけどあんまりいそいで出発してきたので、4人ともポケットのない服なのでした。

ピーターにいいアイデアがうかびました。ジョンの帽子です。

ティンクが、手で運んでくれるなら帽子で旅するのもいいわといいました。ティンクはピーターに運んでもらいたかったのですが、ジョンが運びました。しばらくしてジョンが飛んでると帽子が膝にあたるや、なんて言うのでウェンディが持つことになりました。そしてこれが、これからみていくようにやっかいな事を引き起こすのでした。なぜならもちろんティンクはウェンディに恩着せがましくなんてされたくなかったからです。

黒い帽子の中で光は完全におおい隠され、みんなは静かに飛んでいきました。いままで経験したこともないような全くの静けさでしたが、遠くでぴちゃぴちゃと水を飲む音が一度静寂をやぶりました。ただピーターがいうには、それはけもの達が浅瀬で水を飲んでいる音だということでした。そして再び木々の枝がお互いにこすれているようなぎしぎしという音が静寂を破りました。ただピーターがいうには、インディアン達がナイフを研いでいる音だということなのでした。

それらの音は止みましたが、マイケルは寂しさにびくびくして「なにか音がしたらなぁ」と大きな声でいいました。

と、マイケルのリクエストに答えるように、いままで聞いたこともないようなすざまじい爆発が空気を引き裂きました。海賊たちがロングトムをみんなに向けてぶっ放したのでした。

大砲の轟音は山々にひびきわたり、そのやまびこはまるで野蛮人のおたけびのようでした。「やつらはどこだ、やつらはどこだ、やつらはどこだ..」

恐ろしいことが突然起きて、3人はつくりごとの島とその同じ島が現実になったことの違いがよくわかりました。

空がふたたび平穏をとりもどしたとき、ジョンとマイケルはくらやみのなかで自分たちだけである事が分かりました。ジョンは無意識に空中を歩いており、マイケルときたらどうやって浮いてるかもしらずに浮いていたのでした。

「うたれたか?」ジョンはびくびくしながらささやきました。

「まだみたい」マイケルもささやき声で答えました。

わたしたちは、今やだれも撃たれていないことはわかってます。しかしながらピーターは海のはるかむこうの方まで爆風で運ばれて行ってしまいましたし、一方ウェンディといえば一人で、ティンカーベルは一緒だったのですけど、上空にふきとばされました。

ウェンディにとっては、撃たれたときに帽子も落っことしちゃえばよかったんですが。

そんな考えが突然ティンクに浮かんだのか、来る途中にすでに計画していたのかは知りません、だけどティンクはすぐに帽子から飛び出してきてウェンディを破滅へと誘惑するのでした。

ティンクは根っから悪い妖精というわけではなかったのですが、いやどちらかといえば、今は根っから悪い妖精なのでした。でもこの反対で、時々は根っからいい妖精になるのでした。 妖精というものは、あるもの、あるいはそうでないもののどちらかにしかなれないのです。なぜならとっても小さいので、残念なことに一度には一つの感情しか入る余地がないのです。もちろん変わることはできたのですが、完全に変わることしかできないものなのです。今のところティンクはウェンディへの嫉妬でいっぱいなのでした。ティンクが愛らしくベルをならすように言ったことは、もちろんウェンディには理解できませんでした。わたしもそのいくつかはひどい言葉だったと思いますが、とてもやさしく響いたし、行ったり来たりと飛んでいたので、それはまるで「ついてらっしゃい、心配ないから」なんて意味みたいなのでした。

かわいそうなウェンディ、他にどうできたというのでしょうか? ピーター、ジョン、マイケルの名前を呼びましたが、返事として聞こえてくるのはからかうようなこだまだけでした。ウェンディはティンクが自分のことを、まさに大人の女の人が憎むぐらいの残忍さで憎んでるなんて、まだ思いもよらなかったのでした。そして途方にくれて、飛んでてよろめきながらもティンクの後をついて破滅への第一歩を踏み出したのでした。

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2000/05/29 修正 その2(1章&3章)

どうしてこんなにチェック早くて深いのかなぁ、武井さん&匿名希望の方からチェックをいただきました。本当にありがとうございます。
項番ってやつは、あやしい訳一覧の項番。例えばこの修正が反映されてないとか、その他どんなささいなことでもいいのでピーターパンの訳文について指摘事項があったらメールください

1.項番1−1(匿名希望の方、ありがとうございます)

「まぁどうしていつまでもこのままにしておけないのかしら」→「まぁ、どうしてあなたはずっとこのままでいられないんでしょうねぇ」
ちゃんと主語を訳出して。

2.項番3−2(以降の指摘は、武井さんからのものです、本当にありがとうございます)

ひとまず、「願わざるえませんでした。」→「願わずにいられませんでした」

なんせ→なにしろ

2箇所のなんせをなにしろへ修正
なにしろいままで水差しに入ったことがなかったので。
なにしろパパは町での自分の立場も考えなければならなかったのです。

4.礼儀ただしくと正しくの混在を正しくへ統一

5.名前の中点(・)ありなしの混在をありへ統一

 「ウェンディ モイラ アンジェラ ダーリングと申します」→ 「ウェンディ・モイラ・ アンジェラ・ ダーリングと申します」

6.複数形の訳

おかあさんなんてとても買いかぶられてるや→お母さんなんてものは買いかぶられてるや

>> "Don't have a mother," he said. Not only had he no mother, but

>> he had not the slightest desire to have one. He thought them

>> very over-rated persons. Wendy, however, felt at once that she

>> was in the presence of a tragedy.

>He thought them very over-rated persons. なので, them = 世の母親一般

>と考え,「母親なんてものは評価されすぎてると思っていたのでした。」です

>かねえ.直訳風味がただよいますが."評価されすぎてる"の部分どうにかなん

>ないかな.

お母さんなんてものは買いかぶられてるや、でどうですかね。「ものは」を

使わせてもらいました。確かに買いかぶるもちょっと違和感ありますけど、

評価されすぎよりは若干いいかなと。

7.後から出てくる話との整合性&常識の欠如

>>「ひとりの女の子は、20人のやろうどもよりぜんぜん役に立つね」

>>, "Wendy, one girl is more use than twenty boys."

>原文では boys ですし,後段で出てくる「迷子の男の子達」のことでしょうから,

>| 「ひとりの女の子は、男の子20人よりとっても役に立つね」

>ではどうでしょう?

>また, "全然〜否定形" ではなくて "全然〜肯定形" ってのは,童話にはふさ

>わしくないんじゃないかしら.まだ口語だと思いますし.

そうですね、全く教育上よくないったらありゃしない。指摘通り修正させていただきます。

8.くさりと鎖の混在、くさりで統一

全文くさりで統一します。

>> 「さあ、僕もキスをあげるよ」とピーターはいい、ウェンディはすこしすま

>> してこう答えました。「したければどうぞ」はしたないことに、顔をちょっ

>> とピーターの方へ傾けたりしたのでした。でもピーターはどんぐりでできた

>> ボタンを手渡しただけでした。ウェンディは顔の位置をそっともとの場所に

>> 戻して、すてきねといって首のまわりに鎖をつけて、ピーターのキスをつけ

>> ました。くさりで身に付けたのは幸運でした、なんといっても後でそれがウェ

>> ンディの命を救ったのでしたから。

>

>1段落のうちで,"鎖" と "くさり" の両方の表記が混在するのはちょっと変な

>感じがします.


9.読点ぬけ

>> たいくつな話でしたが いつも家にいるウェンディには気に入ったのでした。

> でしたが、いつも

># またもや読点がありません :-)

またもやありませんね、修正します。


10.「」の中の会話文、誤字

>> 「まあね、いまのコドモは物知りだろう、すぐに妖精がいるなんて信じなく

>> なっちゃうんだ。でコドモが「妖精なんてしんじないや」なんていうだびに、

> コドモが "妖精なんてしんじないや" なんて た

>> どこかの妖精が地面に落ちて死んじゃうんだ。」

>

>会話のかぎかっこ内部にさらにかぎかっこが出てきたら,通常は,『』とかの

>別の記号にします.わたしは "" が好きなのでそう書き換えました.

>また,「いう*た*び」ですね.

""の方がいいですね、そう修正します。誤字も併せて修正します。


11.gurgleに個人的な趣味の無意識的な反映(わざとじゃないよ、無意識にさ)

>> ピーターみたいにホントに愉快な顔をする人はみたことがありません、ホン

>> トに愛らしくのどをゴロゴロならして笑うのでした。うまれて初めて笑った

>> ときのままの笑顔なのでした。

>のどをゴロゴロ…….猫みたいだ(笑)

>「ホントに愛らしくのどを鳴らして笑うのでした。」ではまずいですかね?

>英英辞典見ると,

>| gurgle (n) a sound like that made by water coming out of a bottle

>| with a narrow neck , or by babies when they are happy

>なので,ゴロゴロの意味は取れないですよね.徳利のトクトク音 or 赤ん坊の

>キャッキャという笑い声ですから.

個人な趣味の反映がおもわず...いけないですね。それにしても笑い声がネコしか思い浮かばないなんて、なんて寂しい生活だ(別にネコ飼ってないけどね、笑)。指摘通り修正します。

12.閉じカッコ抜け

>(snip)

>> これに対するティンクの答えときたら、「このうすらぼけまぬけ」だなんて

>> 言うんですから、そして浴室に姿を消しました。「妖精ってああいうもんな

>> んだよ。」ピーターは弁解するように言いました。「彼女はティンカ−ベルっ

>> て呼ばれてて、というのはポットとやかんを修理するからなんだ。(ティン

>> カ−っていうのはティン(すず)のワーカー(職人)っていう意味)

>かぎかっこ(」)が閉じていません.

修正します。


13.RV車じゃなくて、ダーツ

>> 確かにティンクは再び、あれこれ非難しながらあたりをダートのように飛び

>> 回りました。

>ダートと言われると競馬場のあれとか RV 車で通過するそれ,みたいな感じが

>するので,"ダーツ" or "ダーツの矢"のほうがいいですね.

たしかに、ダーツですよね、ダーツの矢に修正します。


14.とぶと飛ぶの混在、「飛ぶ」に統一

>> もちろんこう頼まれてとってもうれしかったのですが、こういわなきゃいけ

>> ませんでした。「あら、いけないわ、ママのことを考えなきゃ、だいいちと

>> べないもの」

>>

>> 「教えるよ」

>>

>> 「まあ、飛ぶのは素敵でしょうね」

>

>最初の台詞で,"とぶ" とひらがなに開いてあったのが次の台詞では "飛ぶ"

>と漢字になっています.ひらがなが続かない時にひらがなに開くほうが読みや

>すいと思うのですが.

そうですね、ここでは飛ぶに統一します。

15.ナナが足四本あげて飛んでる姿って(笑)

>> 込むと、足を天まで届くくらい高く上げました、これはナナがものを伝えた

> 前足二本を天まで

>原文は

>> flung up her paws to heaven

>と複数なので,意訳.

常識的に考えてそうですよね。修正します。

16.マントルピースなど

>> わざわざ答える代わりにピーターは、マントルピース(だんろのかざり)を

>> 途中でつかんだりして、部屋を飛びまわりました。

>「途中」は飛んでいる途中のことですから,わたしならば,

>「わざわざ答える代わりにピーターは、マントルピース(だんろの上にあるか

>ざり)をつかんだりしながら、部屋中を飛びまわりました。」

># "上にある" を追加したのは位置関係をはっきりさせるためです.

こっちの方が注もふくめて、いい訳なので差し替えます。

17.日本語の使い方

>> 「君ははやすぎるよ」とジョンはいいました。「もっととてもゆっくりもう

>> 一度やってくれないかな?」

>> "You're so nippy at it," John said, "couldn't you do it very

>> slowly once?"

>わたしならば,

>「速すぎるよ」とジョンは言いました。「もっとゆっくり飛んでくれない?」

>very は "もっと" でいいと思いますし,once の意味は やってくれ or 飛ん

>でくれ に含まれていると思うので,ばしばし削除しました.「もっととても」

>なる表記は,わたしはあまり好きでないので.

まず「もっととても」はたしかに日本語じゃないですね、それを含めて、
「君は速すぎるよ」とジョンは言いました。「もっとゆっくり飛んでくれない?」
と修正しました。

18.日本語の使い方2

>> 上下、くるくるとびまわりました。天国にいるみたいとウェンディはいいま

>> した。

>わたしならば,they をきちんと訳して,「三人は上下にくるくると飛びまわ

>りました。」ですかね."上下にくるくると" の部分はちょっとインチキして

>ますけど.

主語は入ったほうがいいですね、「に」も微妙ですが(笑)飛ぶもふくめて、これも差し替えさせてもらいます。

この修正で1章をV0.92→V0.93、3章をV0.9→V0.91へ。いよいよよく考えれば、10回の修正で正式版になるのか?
まあまとめて修正すればバージョンあがらなくっていいんじゃない?なんてもちろん冗談、できるかぎり迅速に修正するようにします。

っていっても一週間単位ぐらいかな?

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