禁煙の道

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ハワイでの失敗からの禁煙

何年も同じ事を繰り返したあるとき、2週間ほどの長期休暇が取れ、旅行に行く事になった。 行き先はハワイである。 ハワイなどアメリカと言えども日本と同じと高をくくっていたのが、事の始まりだった。 海外旅行に行くときに、味噌汁、梅干、塩昆布、などを持っていく人は多いが、私は煙草にも 同様の要素が秘められている事に気がつかなかった。
出発の日、空港でチェックインを済ませてから、いまから帰国するまでに吸うであろう 15箱の煙草を持っていない事に気がついた。 しかしそこは空港、免税店にいけばもちろん日本の煙草も売っていた。 そこで初めて、免税店に売っているセブンスターは国内仕様のものと少しパッケージが 違う事に気がついたが、中身は同じだろうと思い、20箱購入して機上の人となる。 機内でノースモーキングのサインが消えるとすぐに、免税店で買ってきた煙草を 出して吸ってみる。・・・・・ん〜? マズイッ! パッケージが違うからそんな気がするのか? いや、気圧のせいだ、旅の疲れか?いやまだ出発したばかりだし、等と思考を巡らすが やはりマズイ。 20箱も買い込んでしまったのに・・・・と思うとかなり腹が立った。
そうこうする内に、機内食を食べ消灯の時間となり、翌朝目覚めたときにはもう朝食である。 食後の一服はスモーカーにとって一つの楽しみであるが、不味いセブンスターにいつもの半分くらいの ペースでしか煙草が消費されない。 まもなくホノルル空港に降り立つと、少し時差ボケはあるものの早朝の空気が気持ちいい。 何処からとも無く漂う甘いココナッツの香りも、日本にいる時とは気分を変えてくれる。 このココナッツの香りはハワイに滞在している間中、どこに行っても香っていたが 後に考えて見ると、甘いココナッツの香りは禁煙になにかの作用があるのかも知れない。
このハワイ旅行初日に思いついたのが「この際だから煙草やめよう」という事だった。 前々から禁煙はしたかったものの、このときは全くの思いつきで、悲壮な決心もなかった。 「ただ空気が美味くて、手持ちの煙草は不味い」それくらいの軽い理由からだった。
その後、お決まりの市内観光はパスして、国内便でマウイ島へ。マウイ空港でレンタカーを 借りてホテルに向うが、慣れない左ハンドル、右側通行とくれば、勿論、運転中に一服する 余裕などもなく、時間は過ぎていく。 それからも、海、観光、ディナー、買い物、次々に楽しい事が続くので、 日本にいる時のように、何かの合い間に煙草でも吸ってないと「手持ち無沙汰」という事が 殆ど無く、禁煙の苦しみも殆ど感じないままに時は更に過ぎていく。 このような状態であっと言う間に2週間が過ぎ、帰国する頃には私の体からはニコチンが抜けきっていた。
私の場合、煙草を吸いたいと思うのは、「食後」「イライラした気持ちを落ち着けたい時」 「何かしら手持ち無沙汰なとき」等が主であったが、この旅行の間中は少なくとも 後ろの2つは全く当てはまる場面が無く、吸いたい気持ちが起こりにくかったのは確かである。
このようにして、私の禁煙は思わぬところから、楽々成功し、その後約10年全く吸っていない。
 
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