

K.S.R.C ResearchReport FileNo.010009
メジャーとマイナーの境界線
1999/3/11 報告 報告者:シルビー
今、自動車業界で面白い現象が起きている。
トヨタのデュエットが売れていることだ。言うまでもなくデュエットはダイハツのストーリアのOEM車である。今までもOEM車というのは数多く存在したが、その全てがOEM元のクルマ以上に売れることはなかった。
しかし、今回のデュエットは違っているのだ。OEM元であるストーリアの数倍以上売れている。これは、いったいどういうことだろうか。この問題を考える前に、今までのOEM車にどのようなクルマがあったか振り返ってみることにしょう。
OEM元 OEM先 ホンダ・ドマーニ いすゞ・ジェミニ ホンダ・アコード いすゞ・アスカ 富士重工・レガシー いすゞ・アスカ マツダ・AZ−1 スズキ・キャラ 代表的なクルマをあげてみたが、共通して言えることがある。
それは、メジャーメーカーからマイナーメーカーへの供給あるいは、話題車の供給である。いすゞは自家用車部門から撤退しているため、あまり自家用車を売る気がないのかもしれないが、ホンダのアコードもドマーニもそれなりに良くできたクルマであるにもかかわらず販売メーカーが変わっただけで販売台数は激減している。
レガシーは言うまでもなく大ヒットしたクルマだ。AZ−1は軽自動車でありながらミッドシップのガルウイングドアというおもしろいパッケージングのクルマだ。そのどちらもOEM先での販売台数は限りなくゼロに近い。
話題車のOEMの場合、オリジナルが人気を博すのは仕方ないことだろう。これはクルマに限ったことではない。ソニーのウォークマンが人気を保っているのも、携帯型カセットプレーヤーの先駆者と言うことが原因の一つであることは間違いない。
メジャーメーカーからマイナーメーカーへのOEMは、その企業イメージと言う点で販売台数が落ちてしまうのも納得できる点である。
では、デュエットの場合はどうであろうか。
OEM元はダイハツ、OEM先はトヨタである。この構図は今までに無かった構図だ。マイナーメーカーからメジャーメーカーへの供給なのである。
ダイハツのストーリアはデュエット販売前から販売をしていた。CMも緑の宇宙人が出てくるコミカルなCMで、それなりに目立ったCMだった。が、販売の方はパッとしなかったのである。
それが、トヨタにOEMされデュエットと言う名で販売されると、好調に販売台数を伸ばしている。このことは、一つの可能性を示している。
それは、メーカーのネームバリューがあれば、それだけで売れる可能性があるということだ。しかし、メジャーメーカーにもマイナーカーは存在するしマイナーメーカーでもメジャーカーが存在する。
トヨタのレビン/トレノは一世を風靡したクルマだが現行車はパッとしない。
マツダの初代ロードスターは世界中で大ヒットしたクルマだ。こう考えてくると、メジャーカーとマイナーカーとはほんの僅かな違いしかないのではと思えてくる。どちらのクルマの購入者も何らかの信念に基づいて購入していると思われる。
メジャーカーの購入者の中には流行に左右され購入する人も多いことだろう。
が、あえてマイナーカーを購入する人はそのクルマに魅せられて購入を決意しているはずだ。ただ、その数が少数と言うだけでマイナーカーになってしまっているのだ。
もし、そうしたクルマをメジャーメーカーが販売していたなら、そのクルマはきっとメジャーカーになっていたはずである。富士重工・アルシオーネ、マツダ・MX−6、三菱・FTO、いすゞ・ビークロス、ホンダ・CR−Xデルソル等々。もし、これらのクルマがトヨタブランドや日産ブランドで販売されていたら、もしかしたら人気車になっていたかもしれない。