

K.S.R.C ResearchReport FileNo.200029
モーニング娘。の奇妙な冒険
2000/5/20 報告 報告者:Ken-chang
今、飛ぶ鳥を落とす勢いのアイドルグループ。それが「モーニング娘。」である。
モーニング娘。は、テレビ東京系オーディション番組「ASAYAN」におけるシャ乱Q女性ロックボーカリストオーディションにて、9,900人の応募の中から選ばれた5人組からスタートした。
しかし、この時のオーディション自体の合格者は、平家みちよで1997年11月にシャ乱Qはたけプロデュースの「GET」でデビューしている。モーニング娘。の5人はその次点者、という位置づけだったのだ。その5人とは、飯田圭織(当時17歳)、石黒彩(当時20歳)、安倍なつみ(当時17歳)、中澤裕子(当時25歳)、福田明日香(当時13歳)であった。
その後、1998年4月に3人のメンバーを追加し、8人組となった。この時の追加メンバーは、市井紗耶香(当時14歳)、矢口真里(当時15歳)、保田圭(当時17歳)であり、このメンバーは2期生と呼ばれている。
その1年後、1999年3月に初期メンバーである福田明日香が脱退し7人となった。しかし、1999年9月に2人追加する目的でオーディションを行ったが、結局1人のメンバーを追加し、またしても8人組となったのである。この時に追加されたのは後藤真希(当時14歳)であり、唯一の3期生である。
激動は続き、さらに1999年12月には初期メンバーの石黒彩が脱退。
そして2000年4月、3人追加の目的でオーディションを行うが、3人に絞りきれずに4人追加という形になり、合計11人の大所帯グループとなったのだ。この時に追加されたのは加護亜依 (当時12歳)、吉澤ひとみ(当時14歳)、辻 希美(当時12歳)、石川梨華(当時15歳)である。彼女たちが4期生である。
しかし、2000年5月21日で市井紗耶香が脱退したのだ。これは、初の2期生からの脱退者であった。
このように、メンバーの追加と脱退を繰り返し、まさに成長しているグループなのである。
そう。実はこの成長するグループの属性こそ、プロデューサーつんくとオーディション番組としてのASAYAN、そしてプロダクションの戦略なのである。普通、アイドルというのはそれが個人であれグループであれ、時間とともに色あせていくものだ。それは、実年齢が上がるという意味以外でも新鮮味という意味でもそうである。
が、これを打開するために、つんく達が考えた戦略が、成長するアイドルグループであったのだ。これは、モーニング娘。という名前こそが重要であり、その構成メンバーは二の次なのである。
とは言うものの、構成メンバーをあるとき一気に総入れ替えしたのでは、ファンがついてこない。しかし、徐々にメンバーを変えていくことにより、ファン離れを防いでいるのである。しかも、この方法はグループとしての新鮮味も落とすことがない。まさに一石二鳥の戦略なのである。
さらに、ASAYANの番組としても、その都度メンバー追加オーディションを行うことで視聴率を稼ぐことが出来、さらに視聴者は新メンバーをオーディション段階から目にすることにより、彼女たちを自然に応戦し、また親近感を抱くことになる。もしかしたら、自分もモーニング娘。に入れるのではないかという期待も生み、新次元の参画型アイドルとも言うことが出来るだろう。このように、グループ名は変わらずにその構成メンバーが替わるという戦略は過去において無かったわけではない。たとえば、一世を風靡したお色気アイドルグループCCガールズもそうだ。だが、このグループは一気にメンバーを総入れ替えしてしまったため、ファン離れを招いてしまったのである。
では、モーニング娘。が成功した初の事例かといえば、そうではないのだ。
思いもしなかった分野に成功例があるのである。しかも、その事例はモーニング娘。が進もうとしている道をも暗示しているのである。その事例とは「ジョジョの奇妙な冒険」である。
ジョジョの奇妙な冒険とは、今もその続編が週刊少年ジャンプで連載されている大長編マンガである。
このマンガもそのタイトルこそ一貫してジョジョの奇妙な冒険と言う名前であるが、その主人公は異なっている。第1部は19世紀末のイギリスを舞台とした物語である。主人公はジョナサン・ジョースター。鍛え上げた肉体と精神力で、必殺技、波紋を会得し、 宿敵ディオと闘うというストーリーだ。最後にはディオと相打ちになり海の底深くへと沈んでいくのであった。
第2部はジョナサンの孫、ジョセフ・ジョースターが主人公で、舞台はアメリカを振り出しにメキシコ、ローマ、スイス、イタリアと転々とする。波紋を駆使し、石仮面を被り究極の生物と化したカーズを激闘の末に宇宙へ葬り去るのである。
第3部は空条承太郎編。ジョセフの孫、承太郎は幽波紋(スタンド)の能力を持っていた。さらに第1部で海へと消えたディオがジョナサンの体を乗っ取り100年の眠りから復活し、彼らの前に立ちはだかるのである。ここでは、第2部の主人公ジョセフが脇役として全編を通して登場している。第4部は日本の町、杜王町を舞台にジョセフの隠し子、東方仗助が活躍するストーリーだ。第1部から第3部までと比べると舞台が狭く物足りない感が否めない。ここでも、ジョセフと第3部の主人公承太郎が脇役で登場している。
第5部は第1部からの敵役ディオの子供ジョルノ・ジョバァーナが主人公である。しかしディオの子供とは言ってもディオの体はジョナサン・ジョ−スタ−のもののためジョルノにもジョースター家の血が流れている。そのジョルノはギャングのトップに立つという夢を抱き、ギャング団「パッショ−ネ」に入団する。
そして、ジョジョの奇妙な冒険はいったんここで連載を終わるのだが、まもなく新シリーズである第6部、空条徐倫編がスタートしている。が、この第6部はタイトルに「ストーンオーシャン」とサブタイトルが付いており、第5部までとは区別して扱うのが筋であろう。
さて、ここまで紹介してきて、モーニング娘。とジョジョの奇妙な冒険の奇妙な一致に気づかれただろうか。
分かり易く整理してみよう。
モーニング娘。構成メンバー
(※はその期での脱退者)ジョジョの奇妙な冒険
(主な登場人物と必殺技)第1期 中澤裕子
安倍なつみ
飯田圭織
石黒彩
福田明日香ジョナサン・ジョースター 波紋
第2期 中澤裕子
安倍なつみ
飯田圭織
石黒彩
福田明日香 ※
矢口真里
保田圭
市井紗耶香ジョセフ・ジョースター 波紋
第3期 中澤裕子
安倍なつみ
飯田圭織
石黒彩 ※
矢口真里
保田圭
市井紗耶香
後藤真希空条承太郎
ジョセフ・ジョースタースタンド
第4期 中澤裕子
安倍なつみ
飯田圭織
矢口真里
保田圭
市井紗耶香 ※
後藤真希
加護亜依
吉澤ひとみ
辻 希美
石川梨華東方仗助
空条承太郎
ジョセフ・ジョースター
広瀬康一スタンド
この表から解るように、まさに奇妙な関係が見えてくる。
第1期、第2期モーニング娘。の中心的存在だった福田明日香と、ジョジョの奇妙な冒険第1部、第2部での必殺技・波紋。(表では水色)
第2期から第4期モーニング娘。の市井紗耶香と、ジョジョの奇妙な冒険第2部から第4部の主人公(準主役級役割)のジョセフ・ジョースター。(表では黄色)
第3期からの追加メンバーである矢口真理、保田圭の2人と、ジョジョの奇妙な冒険第3部の主人公で第4部でも登場した空条承太郎。(表ではマゼンダ)
第3期から第4期モーニング娘。の中心的存在である後藤真希と、ジョジョの奇妙な冒険第3部以降の必殺技・スタンド。(表では赤色)これらの関係は、偶然というより、ここまでくるともはや必然であろう。
となると、現在、モーニング娘。は第4期を迎えているわけだが、ジョジョの奇妙な冒険との関係から以下のことが導き出される。
第5期
(予測)中澤裕子
安倍なつみ
飯田圭織
矢口真里
保田圭
後藤真希
加護亜依
吉澤ひとみ
辻 希美
石川梨華ジョルノ・ジョバァーナ
広瀬康一スタンド
第4期モーニング娘。の4人は、同じくジョジョの奇妙な冒険第4部で登場した広瀬康一と相対する。
しかも、ジョジョの奇妙な冒険第5部でも広瀬は登場し、また、スタンドも重要な役割を持ち続けている。これらのことから、第5期モーニング娘。の在り方が見えてくる。
それは、@ジョジョの奇妙な冒険第5部でもスタンドは重要な意味を持っている。そこで第5期モーニング娘。でも重要なポジションを担うのは後藤真希である。
Aジョジョの奇妙な冒険第4部に登場した広瀬康一は第5部にも登場している。が、第5部のストーリー中での彼の役割から考えて、モーニング娘。第4期の4人は第5期においてはあまりパッとしない。(表では黄緑)
Bジョジョの奇妙な冒険第5部にも空条承太郎が僅かながら登場する。承太郎に対応するのは矢口、保田の2人だが、この2人の出番も少ない。(脱退?)
また、ジョジョの奇妙な冒険は第5部でいったん連載を終了している。これは、モーニング娘。も第5期でその活動を休止する事を暗示しているのだ。
さらに、モーニング娘。においてその期が変わるのは追加メンバーを加えた時であることから、もう一回追加メンバーオーディションが行われる。加えて言うなら、追加メンバーが加わると脱退者も必ず出ていることから、モーニング娘。としての活動休止前に誰かが脱退する。
上記Bから、その脱退者は矢口真理か保田圭である。そして、第5期終了、すなわちモーニング娘。活動休止の時は、ずばり2003年である。
この年、中澤裕子が30歳を迎える。モーニング娘。の低年齢化により彼女がやっていけないと感じるのは当然のことである。
ジョジョの奇妙な冒険ではシリーズを第1部から通して、ディオという敵役の存在が常に付きまとっていた。このディオに対応するのは何を隠そう中澤裕子なのである。
ディオはシリーズを通して出てくるほどの長命である。モーニング娘。の中で最年長者である中澤裕子をおいて他の誰もディオに当てはまる人物はいないのだ。
こう考えていくと、中澤裕子が脱退を決意するとそれは同時にモーニング娘。の活動が終わることを表しているのである。
新陳代謝を繰り返し、成長し続けるアイドル、モーニング娘。。
彼女たちにとって、モーニング娘。というグループ活動は、部活のようなものであり、職業という意識はきわめて薄い。それは、素人が気軽にアイドルになれる道を作ってしまったASAYANという番組の罪であり、また魅力なのである。