

K.S.R.C ResearchReport FileNo.200303
地震予知は可能なのか?
2003/9/28 報告
2003/10/1 追記
報告者:Ken-chang
2003年9月26日未明−北海道南部十勝沖を震源としたマグニチュード8の地震が発生した。
この地震により石油コンビナートの炎上や、津波による被害の映像をご覧になった方も多いことだろう。この十勝沖地震の6日前の9月20日。千葉県東方沖を震源としたマグニチュード5.7の地震が発生している。
この地震発生から遡ること10日前の9月10日に当サイトでは関東南部での地震発生の可能性を緊急警告している。この緊急警告では地震発生時期を9月16日〜17日±2日、地震の規模をM7.2±0.5クラスの地震とし発生地域を神奈川県を中心とした地域としている。
実際の地震発生とのズレが時期、規模、地域ともあることはあるが、誤差の範囲といっても差し支えないのでは無かろうか。この予知を行ったのは八ヶ岳南麓天文台である。
天文台が地震予知を行うことに疑問を感じる方もおられるだろう。
天文学では流星観測を行う際にVHF電波を観測する手法がある。これは、流れ星の元となる微少な流星物質が電離層を通過する際に地球大気が電離し、流星物質の突入経路上に一瞬プラズマチューブと呼ばれるプラズマのトンネルを作りだすのだが、このプラズマチューブは超短波であるVHF波を反射するのである。
本来、超短波は直進性が高く電離層でもほとんど反射されることはない。遠くのTV局の放送を一般家庭のアンテナで受信できないのはこのためである。
しかし、流星によるプラズマチューブが発生すると超短波は反射されるため本来受信することが出来ない遠くの放送局の電波を受信する事が出来るのである。もちろんそれは一瞬だが、その反射されたVHF波を受信した回数をカウントすることにより流星の数を調べることが出来るのだ。これを流星電波観測と呼ぶ。この天文台の台長である串田嘉男氏もまたこの流星電波観測を行っていたのだが、1993年のある日、おかしな現象に気づいたのだ。流星が発生していないのにもかかわらず流星エコーのような現象が発生していたのだ。そしてその数日後に釧路沖で地震が発生したである。
この地震と電波観測の間に相関関係があることに気付いた串田氏であったが、彼はこの時点では「地震学では常識的な現象なのだろう」と思い込んでしまったのだ。
それから2年後の1995年1月14日と15日に異常な電波を観測した。
そしてその2日後。兵庫県南部地震、いわゆる阪神淡路大震災が発生したのである。この地震に直面した串田氏は、電波の伝播異常と地震活動についての研究がされていなかった事実を知りショックを受け、以後地震予知を目的とした電波観測を開始したのである。(右図はこの観測の仕組み)
地震発生前に地中で起こるマイクロクラック(微小破壊)により電荷変動が地表付近に出現することにより、地表ではプラスの電荷が帯電する。対して電離層ではその静電誘導現象でマイナスの電荷が集まり超短波を反射する層を構築するものと推測される。
これにより流星エコーと同様に遠くの送信局からの超短波のエコーを観測することによって地震発生を観測するのである。(2003/10/1追記 文末にも追記あり)この観測は全国15カ所で行われており、ほぼ全国をカバーしている。
これにより同天文台では9月26日の十勝沖地震も予知している。
このように高い確率で予知を成功させている串田氏であるが、彼はアマチュア天文家に過ぎない。
では国家レベルで見た場合、地震予知研究はどうなっているのだろうか。実は日本の場合、国が予知が可能であると言っているのは東海地震だけなのである。しかもその東海地震にしても、果たして本当に必要なときに予知情報が出せるのかどうかは疑問だと言わざるを得ない。
それに対し、世界に目を向けると国家レベルでしっかりとした地震予知を行っている国もあるのだ。
それはギリシャである。ギリシャの場合は日本のような特定地域の地震観測ではなく、その予知方法そのものを政府が推し進めているのである。
その方法とはVAN法である。
VAN法とは研究の中心となったVarotsos,Alexopouls,Nomicosの3名の研究者の頭文字から名付けられている方法で、観測方法はいたって単純であり、地面に2つの電極を埋めその電極間の電圧を測定することにより、その変化から前兆を見つけだそうという方法である。
1993年、VANグループの予知を受け、ギリシャのピルゴス市は警戒宣言を発令し住民は避難させたのである。
この予知は成功し、それ以降VAN法の評価はより高まり、ギリシャ政府は公式にVAN法を地震予知法として認めたのである。では、このVAN法は日本ではどうなのだろうか。
実は日本でも早い時期からVAN法研究が行われており、全国にいくかの観測点がある。
しかし、日本ではギリシャで観測されているような地震の前兆は検知されていないのである。その最大の原因として考えられるのは、観測のさまたげとなる工場や電車から漏れだしている電流が、ギリシャより多いということだろう。
したがって、残念ながら日本ではVAN法による地震予知は無理だと考えられている。そうなると、やはり串田氏の行っている電波観測法をさらに研究していくことが重要だろう。
さて、9月20日の千葉東方沖地震の予知を”誤差の範囲”と表現したが、当の串田氏はこの予知は失敗としている。
確かに今回の前兆現象はデータ分析方法に間違いがあったのかもしれない。しかし、彼が地震予知観測を始めてからまだ数年と期間が短く、それはデータ分析する上で必要なデータ採取期間としてはあまりにも短期間だと言えるであろう。
この少ない情報で、むしろよくここまでの予知を行っていると感嘆せざるを得ない。国家機関ではなくアマチュア天文家である彼ですらここまでの事が出来るのである。
この観測を国家レベルで行った場合、天気予報と同等レベルの地震予報が可能となる日もそう遠くはないかもしれない。
2003/9/30発売の週刊プレイボーイでは10月10日頃に関東で大地震の可能性が高いと報じている。
この記事の信憑性はともかく、串田氏の当初の予測では10月31日±3日、12月30日±4日にも比較的規模の大きい余震が関東に発生する可能性ありとしている。
しかし、この発表時点の観測データ分析には誤りがあり、事実、本リサーチでも報告しているように規模、時期、場所にズレがあったことから、10月末、12月末の余震もその規模、時期、場所にズレがある可能性は否定できない。
だが、9月20日に地震が発生したことは事実である以上、この余震もその時期、規模、場所に若干のズレはあると思われるが発生することはほぼ間違いないだろう。
ただここで注意しなければならないのは、串田氏の観測データは10月1日の今日現在も異常を観測している状態であることから、余震レベルではなく全く別の巨大地震の可能性も捨てきれないのである。
<補足>
予測発生時期 9月16日〜17日±2日、
実際発生時期 9月20日 誤差 3日予測規模 M7.2±0.5
実際規模 M5.7 誤差 M1.5予測発生地域中心から実際の震央までの距離 80Km
串田氏は観測にFM波を使用している。FM波もVHF波と同じ超短波でありしかもFM波は全国のラジオ局で使用されているため、全国規模の観測が行いやすいというメリットがある。
しかしその反面、同じ周波数帯を複数のラジオ局が使用する等、正確な観測の妨げになる危険性も多い。
この点に関しては一刻も早い地震予知専門の周波数帯を設ける必要性があるだろう。<参考サイト>
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