リレーエッセイ「ニュータウンの街かどから」

第10話 「畑仕事は肩こりによろし」


【はじめに】

 最近、仕事が忙しくて、バンド活動以外でなかなか「緑の小径」に参加できていません。 お久しぶり、いや、はじめましての方も多いことと思います。 さて、私が何の仕事をしているかといえば、在宅のマーケティング関連の仕事です。 最近では、消費者に面と向かって意見を聞くようなものは少なく、ネットを通じて、企業が消費者向けに作っているコミュニケーションサイトの運営代行のような仕事が増えてきたあたりに、時代を感じています。

 私は、もともと機械に弱く、テレビのビデオ録画予約もいまだに満足にできないような人なのです。 しかし、そんな私でもパソコンを使って在宅でこのような仕事ができてしまうというのは、パソコンの進歩(つまり、誰にでも使いやすくなってきたこと)もさることながら、7年前からパソコン通信の「緑の小径」で鍛えていただいたおかげだと感謝しております。 特に、一部の方々には、一度ならず、技術指導にご足労いただいたこともありました。 これぞ、地元のネットワークの成せるわざ。 その節は、本当にありがとうございました。

 ところで、パソコンに一日向かって仕事をしていると、眼精疲労から肩がこってきませんか。 私はもう、すぐにバリバリにこってしまう、こり性です。 もちろん、こまめにストレッチ、柔軟体操、ラジオ体操、サンバ、阿波踊り・・・といろいろ試してはみるのですが、どんどん疲れがたまってくると、肩こりによる頭痛、吐き気にまで発展して、とてもパソコンの前に座っていられなくなります。 そんな時は、どうするかというと、私の場合は畑に行きます。
 

【市民農園】

 私は4年程前から、近所に市民農園を借りています。 都筑区というのは、横浜市の中でも有数で農地の残っている地区だそうですね。 ご近所にも広大な農地を持つ地主さんがいらして、高齢化により自分の家で面倒をみきれない土地を市民農園として提供されています。 私は友人達と一緒にその1区画を借りて、地主さん(農家)の技術指導と苗や肥料の提供を受けながら、野菜作りをさせてもらっています。

 契約は、一年契約で3月から翌年2月まで。 更新もできますが、毎年契約時に抽選をして、借りる区画を新たに決める方式です。 賃料は年額で2万円弱(苗代、肥料代含む)。

 畑のスケジュールは、大きく分けて「春夏」と「秋冬」に分かれます。 春夏は、まだ土も凍て付く頃のジャガイモの植え付けから始まり、GW頃の夏野菜(きゅうり、ナス、ししとう、トマト、ミニトマト、インゲン)の植え付け、秋に収穫する、里芋の植え付け、落花生の種まきなどがあります。 6月にはサツマイモと長ネギの植え付け、中旬にジャガイモが収穫できる頃には、きゅうりなどの夏野菜もどんどんとれるようになっています。 また、お盆を過ぎた夏休みも終盤になると、収穫も一段落して、今度は秋冬の準備、つまり、ブロッコリーや大根、にんじん、ほうれん草、カブ、小松菜などの種まきをします。

 春と秋には収穫祭も行われます。 畑の収穫祭はいつも豪快です。 ドラム缶を縦半分に割って横に開き、巨大な金網をのせて作ったバーベキューグリルに、取れたての野菜、肉などが所狭しと並び、ジャガイモや里芋は薪で沸かした釜でゆでられ、農家の地主さん差し入れの西瓜で、子供達が西瓜割りをします。 とれたての野菜を大勢で野外で食べる楽しさ、美味しさもまた格別です。
 

【食の安全、食の文化】

 私は東京都新宿区の生まれ育ちですが、私が小さい頃(西新宿にまだ高層ビルが建っていなかった昔)には、近所にはまだ畑がありました。 我が家にも狭いながらも庭があり、戦時中に学童疎開を経験している母は、食べるもののなかった時代の話などを幼い私に語りながら、小さな家庭菜園で野菜を育てていました。 その頃の刷り込みがあるのか、ないのか、私も長じて土いじりの大好きな大人になりました。 ちなみに、夫の実家も地方の農家です。

 実際に自分で作物を育ててみると、それがいかに大変な作業であるかがよくわかります。 また逆に、市場に出ているつるんと美しく、形の整った作物が、いかに不自然であるか、不当に安い値段であるか、農薬がいっぱいかかっているかどうか・・・ということも、わかってしまうようになりました。 その結果、現在我が家で食べる野菜は、そのほとんどが、自分で育てたものか、農家の実家から送ってもらったもの、出所のはっきりとしている生活クラブ生協で注文したもの・・・ということになってしまいました。

 オーガニック、オーガニックと、あまり神経質になりたくはないのですが、やはり、新鮮さ、美味しさを比べると、自然とそうなってしまうんですね。 今の時代、ある意味で非常に贅沢なことだとわかっていますが、日本の食の安全、食の文化にはこだわって、子供達にも伝えていきたいというのが、私の理想とする生き方です。
 

【土は最高の癒し系】

 で、結論。 畑仕事をすると、肩こりはウソのようにスッキリ治ります。 もちろん、鍬を担いで畑を耕す動作が、肩全体を肩甲骨から動かすことによって、血行が良くなるということもあるかもしれません。 でも、イライラするときに庭の雑草を無心に抜いたり、花に水を遣ったりするだけでも、気分がスッと落ち着くことってありませんか。 土を触ったり、土の匂いをかぐだけで、なぜか心安らかになるんですよね。 みなさんも、ぜひ一度お試しください。
 


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