マレーシア

2000年夏、知人O氏からの「遊びに来ないか」との社交辞令を安易に受け入れた この旅が、こんな結末を迎えようとは、誰に想像できたであろう…。
この年の7月、梅雨はまだ明けていなかった。
2000年7月1日、JL723は12:55成田をほぼ定刻に出発した。 今回の目的地は、ランカウィ島そしてクアラルンプール。 世界遺産は…、なし。 将来海峡の街マラッカが世界遺産になるかもしれないが…。

第1日

98年開港の巨大空港。ここまでは順調だった。
723便は、定刻どおりクアラルンプール国際空港に到着、20:05発 マレーシア航空1466便ランカウィ行きに乗り継がなければならない。 今回は、JALの早割りという正規割引チケットを購入。何の疑いもなく 乗継カウンターにやって来た。が、「予約がない!」。そんな馬鹿な! チケットにはチャンと予約OKとなってるではないか?
受付嬢いわく「エージェントからキャンセルが入っている。」「ないものは ない!」「そこで20分ほど待ってなさい。予約客を受付けたら手続きをする」 何故か原因が解らないまま時を過ごし、搭乗30分前になって漸くチェックイン、 「復路便の予約も取消されているので、ランカウィに着いたら、MASのカウンターで 予約するように」だって。
不安を胸一杯に溜めて、ランカウィ空港に到着。こんな時は、個人旅行の心細さを ツクヅク感じてしまう。
ようやくホテル到着。落着いた雰囲気のホリデイ・ビラ
早速、MASのカウンターに行き復路便の予約、今度の受付嬢、「5日の便は混んでいる」 端末をたたきながら言った。「あなたは、とてもラッキーだ!ちょうど 2席だけ残っている。今すぐ予約するからチョッとまってね!」とニッコリ!! 「???、ラッキー?それはもともと俺達が予約していた席じゃないの?」喜びと 怒りが半々、でもこの時ばかりはMASのこの女性が天使に見えた。 (ここに至るまで動揺収まらず、画像なし、未熟。)
兎に角、帰りの便も確保でき、ホテルに向かう。今回の宿泊先は、パンタイ・テンガーの ホリディ・ビラ・ランカウィ。当地では中級クラスのリゾートホテル。 空港からはタクシーで16リンギだった。ランカウィには 高級ホテルが多いが、島全体が田舎なのでホテルの外に出ても何もない。 その分ホテル内のレストラン等施設は充実している。 (ホテルの外には、田舎っぽいお店が数軒あるだけ、それも開いているのか不明)

第2日

ホテル内プール。日本人は少なく静か!
ランカウィ島には、これといった観光名所はない。ホテルANDビーチでノンビリするところ。 それでも、何かあるんじゃないかと思って、島内観光バスに乗った。
パンタイ・チェナン、アンダーウォーター・ワールド、マスリ王女の墓、 ランカウィ伝説公園を周ってホテルに戻る。やっぱり大した物はない。 この島の一番は、静かな海と長閑な村落だろう。


マスリ王女の墓、
島唯一?の歴史的観光名所
ランカウィ島の中心街クアのシンボル。
巨大な鷲

第3日

アイランドホッピングツアー
行く手には暗雲が…
ランカウィで一番人気アクティビティ、アイランドホッピングツアーに参加。 前日も桟橋までは行ったが波が高く中止となった。
この日は、催行されたが、ご覧の通り行く手の空は真っ黒!
案の定、波は高く、途中で物凄いスコールに遭遇した。
激しい雨の中、島に上陸。「来るんじゃなかった」との思いが強くなる。 しかし、スコールというのは、本当に上がるのが早い。30分ほどで 天気は良くなり、その後は快適な船旅だった。(この時期、多少の波は我慢!)
島の階段は川になっていた…
夕方にはアンダマン海に沈む見事な夕焼け!

第4日

最終日は快晴、天気は思い通りにならないもの
島での最終日、何をしていたか全く記憶にない。
ボーッとしていたのだろう。
まさに空白の一日!







第5日

無事KL国際空港に到着
前半戦のトラブルは、嘘のように快調な旅に変わっていた。ランカウィから クアラルンプールまでは、きわめて順調。空港から市内ブキビンタンのホテル・ スイス・ガーデンまではエアポート・タクシーで約67リンギ。往復のチケットを 買うと100リンギ程度だった。因みにこのタクシー、空港へ戻るときは3時間前には 予約をしておかなければならない。また、復路を利用しなかったチケットは 空港のチケットブースで払戻(約30リンギ)してくれる。
O氏との待ち合わせは6時。それまでは、おのぼりさん的市内見物。東京に譬えたら 銀座のブキビンタン通り。そしてなんと言ってもKLタワーに昇らなくてはならない。 その後は、チャイナタウンを目指したが道に迷ってホテルに戻る。(汗だく)
宿泊先のスイス・ガーデンは日本人スタッフもいて、対応は丁寧。 料金が安すぎて不安だったが、○!
夕刻、O氏が迎えに来る。奥さん、大地君、健吾君と連立ってカンポン・クアンタンへ 蛍鑑賞に行く。スランゴール川のほとりの海鮮中華レストランで食事。見た目は房総 辺りの「海の家」っていう感じだが、味とボリュームは満足。「ご馳走様です!」
蛍鑑賞は、1艘毎の貸切料金(50リンギ)。4人乗りなので2艘で船出、といっても 周りは真っ暗。前を行く船も後から来る船もまったく見えない。 蛍のイメージって、淡い光を放ちながら、ホワホワと飛んでいるものというのがあるが、 ここはまったく違う。岸辺の樹木にビッシリと張付いて光っている。 クリスマスの街路樹のようであった。
KLタワーからブキビンタン通りを望む
スランゴール川に沈む夕日。
左の影はO氏
蛍鑑賞の船着場。
この先は明かり禁止。蛍を御見せ出来なくてスミマセン!

第6日

オランダ建築様式の教会。
M電舎のTVCMで見たことがあるのでは。
早朝、プドゥ・ラヤ・バスターミナルからバスでマラッカに向かう。料金は7リンギ 3時間程でマラッカの長距離バスステーションに到着。8年前に来た時は、 予約したはずのホテルに予約がなく。 S電機の鈴木さんがゴルフ場から駆けつけてくれた事を思い出す。 今回は、日帰りなので宿の心配はなし。KL・マラッカ間のバスは 頻繁に走っており、KLに帰れなくなることはないだろうと、一安心。 ゆっくり市内見学へと出発。
マレーシアがオランダの植民地時代に総督が住んだスタダイス周辺を 散策し、サンチャゴ砦を経てスルタン・パレスに着いたときには もうバテバテ!トライショーのおっちゃんを捉まえて、チャイナタウンの レストラン「プラナカン」へ行くように指示する。ところがこの おっちゃん「その店は休みだ」しきりに言う。取り敢えず「行って」と 言っても、休みだから他の店にしろと言う。「なーるほど!」この手の おっちゃんが良くやる手口。自分がリベートを取れる店に連れて行こうってんだ! そうは烏賊の○○!
特にこだわりがあった訳ではないが断固「プラナカン!」
スタダイスから時計塔を望む。
奥の橋の向こうはチャイナタウン。
8年前にはなかった、りっぱなホテルが建つ。

トライショーのおやじさん。 自分の贔屓の店に連れて行きたくて、指示した店は休みだという!
レストラン・プラナカン。
伝統住居ババ・ニョニャを改装した店舗。
伝統料理・ニョニャ料理のセットメニュー。
中華とマレー料理がミックスした味。

第7日

最高裁判所ビル。
外観は良くても気軽には入れない。
今日は旅の最終日。
朝一でムルデカ・スクエア周辺を散歩。この辺はKL と言えば必ず紹介される場所。実際にはオフィス街で観光地ではない。 言ってみれば丸の内を歩いているようなもので、気軽に入れる建物は ない。その後、オールド・モスクのマスジット・ジャメを見学。 女性は、赤いスカーフのようなものを渡され、それを被って入場。 ここまでは、極めて順調だったのに…。
テキスタイル博物館。
妻は必死に写真を撮るおのぼりさん。
セントラル・マーケットのバス停からバトゥ洞窟に向かう、が。 着いたところは、だーれもいない田舎道。バスの運転手はバトゥまで 行くと言ったのに…。
そう言えば、我々が車窓の風景に「フン・フン・フン〜」と言ってるときに、 運転手が「お〜い、バトゥだよ〜!」と言った様な気もしたが。
妻に愚痴られながら、タクシーを待つ身、何と心細かったことか。
それは、さて置きバトゥ洞窟は、なかなか見ごたえのある所。ヒンドゥ教徒の 聖地だそうで、神秘的な雰囲気が漂う場所だった。
但し、洞窟に至る階段には宗教や精神世界を理解しない盗賊(おサル) がいるので気を付けましょう!
バトゥ洞窟への階段。
一気に272段を昇りきる。
途中、おサルに注意!
洞窟には天空から光が差し込む。
ペトロナスタワーは、KLの新名所。

第8日

エアサイド・トランジット・ホテル
出発時刻にあわせて起してくれる。
昨日が旅の最終日。夕刻、電話でO氏にも別れを告げ、東京での再会を 約した。そして、JL724便は日本に向けて飛行中、の筈だった。
が、この日台風6号が東京を襲っていた。日付が変わっても、我々は KL国際空港の中にいた。
ところが、ここでちょっと旅慣れてきたへいちゃん。 KL国際空港は、24時間空港。その為にチェックイン後の空港内に ホテルがある(シンガポールのチャンギ空港にもありました)ことを 思い出した。そこに、いち早く予約を入れ。朝6時の出発を待つことにした。 更に、このホテルのロビー、おそらく空港内唯一の喫煙場所と思われる (このホテルは客室も禁煙)。出発遅延のイライラもこれで解消! 旅のアクシデントは、こうしてクリアーするもの。今回の旅も無事終了。

第]日

それから5ヶ月、我が家の電話が鳴った。
「もしもし」「実は、あなたのクレジットカードが不正使用されました。」「カードは持ってますが?」
「マレーシアに行かれたことは?」「はい、今年の夏に」
「KLで1週間前に使用され、本日、池袋等で高額のお買物がありました。 ボーナスシーズンとは言え、普段と違う使い方なので…。恐らくKLで偽造されたものと思われますが、 マレーシアでカードは使用しましたか?」「はい、ホテルのデポで。どうなるんでしょうか?」 「偽造が明らかなので当社で処理します。」
「ホ!」
旅の本当の終りが、「ホ!」だったとは、誰も知る由もなかった…。