車両

1.内装
 旅客車両の車内は、ほとんどが日本と同じオープンサロン形式の構造なので、車内に関しては全 く違和感がありません。
が、細かい芸当が苦手な英国のこと、座席は全て固定式です。つまり背もたれが固定されているので、リクライニングができたり、進行方向に向かって回転させ たりといったことはできません。日本人客が渾身の力を振り絞り、背もたれを押したり引いたりする光景をよく見ますが、無駄な努力です。中・長距離用の車両 は前向きだったり後ろ向きだったり4人向かい合わせだったりと1両の中で様々な座席が用意されています。人気があるのは4人向かい合わせの席です。窮屈で なく大きな テーブルが付いているからでしょう。
 150系気動車はほとんどの座席が運転台の方向の固定式座席です。つまり2両編成で走るとき、1両目は全員進行方向を向き、2両目は全員後ろ 向きです。進行方向を向いていないと車酔いする人はご注意を。
 車体のサイズは、幅も長さも日本と似た感じです。しかし、都市近郊の車両はこのサイズで新幹線と同じような1列5人(3+2)掛けです。当然 1人あたりの占有幅は狭くなるので、巨体が同席すると大変です。

2.ドア
 これを語らずして通り過ぎることはできません。
 日本では旧型客車や小田急NSEが手動ドアでしたが、最近はほとんど見かけることが無くなりました。しかし、英国では手動ドアの車両がまだまだ(しかも当分の間は)現役で走り続けています。
 問題はドアの開け方です。列車に乗り込むときは取っ手をひねって開ければ良いのですが、列車から降りるとき、一部の近郊型車両以外は取っ手が ありません。そう、このままでは外に出られません。このようなドアの開け方は、あわてず冷静に
@ドアの窓を開ける。
A開けた窓から身を乗り出す。
B外の取っ手をひねる。

という具合になります。察するに、走りの項で書いた通り、英国の列車はとにかく飛ばします。飛ばす列車から誤って落ちないように、このようなへんてこな構 造になっているのではないでしょうか。
 長距離列車は半数以上が手動ドアです。具体的に挙げるとキリがないので、自動ドアの長距離列車車両を挙げます。
・GNERのMK4型(London〜Leeds、Edinburgh、Glasgowまでの車両)。
・Virgin Cross Countryの220系・221系気動車。
・Virgin West Coastの390系電車
・First Great Westernの180系気動車。
ここに挙げた以外の長距離列車は全て手動ドアです。

※追記(2006.5.8)
2005年までに、London近郊区間の手動ドア車両は姿を消しました。長距離列車の手動ドア車両は健在です。

※追記(2007.5.27)
Virgin Trainsの手動ドア車両は、ほぼ消滅しました。


3.系式別詳細(主なものや変わり種のみ)

客車
MK1
旧型で古いです。内部は木造です。地方のローカル列車にわずかながら残っていますが、活躍の場は気動車に奪われ、消える日はそう遠くないでしょう。


MK2
これも古いです。Virgin West CoastのLondon〜Wolverhampton便や、AngliaのLondon〜Norwich便で見かける車両です。 Virgin Cross Countryでは220系・221系気動車の大量投入で姿を消しました。営業運転での最高速度は160km/h。
1994.3 York駅
MK3
HSTにも使用される高速運転対応車両です。営業運転での最高速度は200km/h。
2000.7 Liskeard駅
MK4
GNERのほとんどの列車に使用されています。営業運転での最高速度は200km/h。自動ドア装備!








気動車(DMU:Diesel multiple Unit)
101系
機械式気動車です。自動車と同様に何度もギアチェンジを繰り返しつつ加速します。1950年代後半に造られた老体です。とにかく古く、現在使われている気 動車の中で唯一の手動ドア系式です。Manchester近郊で細々と生きています。座席配置は3+2、最高速度は112km/h。
2001.7 Manchester Piccadilly駅
142系
レールバスです。ボギー車でなく車輪と車体が直結されているためカーブに弱く、ちょっと急なカーブでもキーキーと鳴きます。座席配置は3+2、最高速度は 120km/h。

2001.7 Sowerby Bridge駅
150系
近郊型気動車です。多くの地域でお目にかかる系式です。2両ユニットが基本ですが、Birminghamでは中間車を組み込み3両ユニットのものもありま す。座席配置は3+2、最高速度は120km/h。



1998.7 Westbury駅
156系
England中部から北でよく目にする中距離用気動車です。日本ではキハ58・28に相当する車両といったところです。座席配置は2+2、最高速度は 120km/h。
2000.7  Cumbernauld駅
158系
全国各地でお目にかかる中長距離用気動車です。最近は地域会社の塗装に塗り直されていますが、元の塗装はスマートで清潔感があり、私のお気に入りでした。後継となる170系気動 車の出現により、活躍の場が幹線からローカル線へと変化してきました。座席配置は2+2、最高速度は144km/h。
2001.7 Falkirk Grahamston駅
165系
Chiltern RailwaysとThames Trainsでよく見る近郊型気動車です。車内には電光案内装置が装備されています。車体デザインや車内装備は、465系電車と同じです。座席配置は3+ 2、最高速度は144km/h。



1999.7 5 Maidenhead駅
170系
中長距離用気動車です。TURBOSTARの愛称も誇らしく、馬力にモノを言わせ力まかせにぶっ飛ばしま す。Glasgow〜Edinburghのシャトル便は全列車が158系から170系に置き換えられ、所要時間を維持しながら停車駅を増やすことに成功し ています。座席配置は2+2、最高速度は160km/h。

2001.7 Bedford駅
175系
中長距離用気動車です。ドアが車端部にありデッキと客室が分けられています。長距離運用を意識しているだけに、車内の居住性はGOODです。座席配置は2 +2、最高速度は 160km/h。





180系
First Great Westernの最新鋭の長距離用気動車です。この気動車の出現により、同社に一部残っているMK2の運用は駆逐されるでしょう。座席配置は2+2、最高 速度は200km/h。





220系・221系
Virgin Cross Countryの最新鋭の長距離用気動車です。同社のMK2を駆逐するべく、大量投入が続いています。座席配置は2+2、最高速度は200km/h。加速 性能がスゴイ。221系は振子機能付き。

2002.7 Exeter St Davids駅

電車(EMU:Electric Multiple Unit)
交流25,000ボルト50Hz架線集電式電車
315系
OneとFirst Capital Connectでよく目にする近郊型電車です。1M3Tの4両固定編成で、主としてStopping Trainの運用に入っています。釣り掛けモーター、座席配置は3+2、最高速度は120km/h。





317系
全編成がLondonの北東部で活躍している近郊型電車です。1M3Tの4両固定編成で、主として快速運用に入っています。釣り掛けモーター、座席配置は 3+2、最高 速度は 160km/h。



321系
One、Silverlink、NorthernのLeeds近郊で見られる近郊型電車です。1M3Tの4両固定編成で、London近郊では快速運用に 入っています。釣り掛けモー ター、座席配置は3+ 2、最高速度は160km/h。
2001.7 Ipswich駅
323系
Birmingham近郊とManchester近郊で目にする電車です。1M2Tの3両固定編成でVVVFインバータ制御、座席配置は3+2、最高速度 は144km/h。





1999.7 Wilmslow駅
332系
Heathrow Express専用です。幅の広いドア、大きな荷物置き場、ニュース放送用の液晶テレビなど、空港利用者に便利な内装です。1M3Tの4両または1M4T の5両固定編成で、 VVVFインバータ制御、座席配置は2+2、最高速度は160km/h。
※写真は1998.7のものです。当時はHeathrow空港まで全通しておらず、途中からバス連絡でした。このときは3両編成で運転されていました。
1998.7 London Paddington駅
390系
Virgin West Coastで投入が続く振子機能付き長距離用電車です。VVVFインバータ制御、座席配置は2+2。最高速度は225km/hで設計されていますが、 West Coast Main Lineの高速化計画が断念されたため、営業運転での最高速度は176km/hです。


交直流電車(交流25,000ボルト50Hz架線集電式・直流750ボルト第三軌 条集電式電車)
319系
First Capital ConnectとSouthernで見られる近郊型電車です。1M3Tの4両固定編成で、電機子チョッパ制御な がら釣り掛けモーター。 座席配置は3+2、最高速度は160km/h。
2002.7 Bedford駅
365系
First Capital ConnectとSouth Easternで見られる電車です。319系と違い、交直切替地点を通過しないため、FCC所属車は直流集電装置が、SE所属車は交流 集電装置が外されています。外見は165系気動車や465系電車とそっくりですが、FCCの車両は改造されて怒ったような顔になりました。座席配置は2 +2で中距離仕様となっています。2M2Tの4両固定編成 で、VVVFインバータ制御、最高速度は160km/h。


直流750ボルト第三軌条集電式電車
455系
London南部から南西部の近郊区間で運転されています。1M3Tの4両固定編成で、ほとんどがStopping Trainでの運用。釣り掛けモーター、座席配置は3+ 2、最高速度は120km/h
2002.7 Fulwell駅
465系 466系
全車両がSouth Easternの所有です。LondonからDartford、Hayes方面の列車は全て465、466系での運転です。465系は2M2Tの4 両固定編成、466系は1M1Tの付属編成。VVVFインバータ制御、 座席配置は3+2、最高速度は120km/h。ちなみに、私が初めて乗った英国鉄道の車両です。
2002.7 Barnehurst駅
444系
全車両がSouth West Trainsの所有です。Londonから Portsmouth、Southampton、Weymouth方面の中距離列車に使用されています。2M3Tの5 両固定編成、VVVFインバータ制御、座席配置は2+2、最高速度は160km/h。


450系
全車両がSouth West Trainsの所有です。London近郊 で運転されています。この車両の大量投入で、South West Trainsの手動ドア車両は全廃されました。2M2Tの4 両固定編成、VVVFインバータ制御、座席配置は3+2、最高速度は160km/h。




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