


8.建設予算の設定
建物の生涯維持費用は一般に建設費の4〜5倍と言われ、無理な
建設予算では"耐久性がなく維持費の高い"安物買いの銭失いにも
なりかねません。又建築主直営の工事や既存品の再利用等もあり
ますし、 敷地環境や室内の家具,備品,表示板,装飾品等は建築と
一体になって雰囲気を作りますので各予算のバランスも重要です。
まずは予算項目の区分内容と返済可能な希望グレードの建設予算
を設定し、概算見積後にグレードと予算を調整され、中止せざる
を得ない要望等は将来実現の準備を注文されたら良いと思います。
尚適正な建設費とするには浮利を貪る危ない人達にはご遠慮頂き、
設計や工事を実際に行う良識ある専門家に直接頼む事が基本です。
又品質低下を招く過剰な値引等を予算上見込まない事も重要です。
■建設予算は次の項目別に内容と予算を設定する必要があります。
●下記の各建設予算に含まれる具体的項目例(当社作成)
【建築工事費】※専門家に依頼する工事範囲の工事費用
★概算工事費≒希望総坪数×希望グレードの坪単価×補正係数等
★坪単価の検討で重要なのは建築工事に含める項目と内容です。
専門家に相談される際はまず類似実績を見学して、グレードと
建設期間や建築工事費に含まれる範囲と坪単価をご確認下さい。
<建築工事費の概算坪単価目安> (注)2007年時点の東京都内
★基礎,構造体+内外装+造作家具類+附帯設備+消費税を含む。
*住宅:W造-洋風60〜100万,和風70〜110万,茶室150〜200万
S造-洋風70〜和風110万、RC造-洋風80〜和風120万
*共同住宅:家族向60(大型)〜100(小型)万、単身向80〜120万
*事務所,学校,研究所:60〜100万 *医療,福祉施設:70〜110万
*ホテル,洋食店:80〜120万 *旅館,和食店:90〜130万
*文化施設:100〜140万 *物販店舗:50〜90万
*倉庫,工場:30〜80万 *外構,屋上庭園等:10〜20万
<参考補正係数>
*地域:市街地-1.0、都市密集部-1.2、郊外-0.8、山間部-1.5
*RC躯体比:1〜3階-1.0、4〜7階-1.1、8〜10階-1.2、地階-3.0
*平面細長比:2-1.0、1-0.9、4-1.1、6-1.2
*屋根形状:切妻-1.0、寄棟,片流れ,陸屋根-1.1、入母屋-1.2、
ア-チ,変形-1.3
*その他:一般部平均-1.0、外部階段.ピロッティ部-0.7、
吹抜,ドライエリア,ポーチ-0.5、バルコニー,庇-0.3
*特殊要因:予算に大きく影響を与える主な価格要因の例です。
密集市街地、商店街、山岳,海岸,積雪寒冷地、隣地特殊居住者、
公害環境、特殊地形,傾斜地、地盤条件、前面道路の巾員<4m、
小規模.高層ペンシル型、地下率、階.天井の高さ.吹抜、
外壁率,外壁開口率、内部壁率、曲面形状、高品質,高性能、
特殊な内装、造作の壁収納や固定家具類、特殊設備、外構工事、
都市設備の整備状況、短期突貫工事、既存仮使用,増改築工事、
依頼する工事範囲、発注方法、需給動向、支払等の契約条件他
<ローコスト化の手法例>
単純形態、最大各階面積+最少階数、最少外壁面積、最少開口部、
最少階高.天井高、最少地下面積、最少間仕切壁、最少通路面積、
最少仕上面積、材料.工種の単純化(多機能複合材)、最少特注品、
最少造作家具、既存再利用.分離発注.直営工事.支給品等の多用
【調査計画費】※専門家に依頼する工事範囲で、工事費以外の費用
★各推定予算の積上≒建築工事費×5%(大型ビル)〜20%(小住宅)
【直営工事費】※専門家に依頼せず、建築主が直接手配する工事費用
★各推定予算の積上≒建築工事費×5%〜20%(特殊要因で変動)
【その他経費】※専門家に依頼せず、建築主が直接支払う費用
★各推定予算の積上≒建築工事費×5%〜25%(特殊要因で変動)
建築の品質や価格は幅広い専門知識と豊富な経験に中立な業務体質を
伴ってこそ適正な評価ができるものです。もし標準以上のグレードを
お考えの場合は中立な立場の専門家に適正な報酬で依頼して、複数の
建設会社による見積競争と専門家の見積査定により適正な工事費とし、
又厳密な設計と工事監理により適正な品質を確保する方が適正な資産
価値を有する満足できる建築になると思いますし、最も費用対効果の
あるお金の使い方をしてこそ賢い建築主と言える様に思います。
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・地域の工事費単価(住宅金融公庫作成)