2004-12-05サラウンド寺子屋 報告


12月の寺子屋はT-FM が取り組んでいるサークルサラウンド方式によるFM サラウンド制作について技術局仁平、川島さんと自然環境音でマルチチャンネル制作を行っている野川さんの講演とデモを実施しました。以下に概要を報告します。



T-FM の仁平・川島です。今日はT-FM の録音スタジオIRISが2004年8月に更新したのを機に5.1CH サラウンドスタジオ対応とし、あわせてブロードバンド放送も可能な設備としました。T-FM では現状のアナログ2CH放送でも5.1CH放送が可能な方式としてサークルサラウンドという方式を採用しています。

 

主な制作は毎週 木曜日 19:00〜19:55 「ライブデポ」
TFMホールでのライブコンサートをFM放送およびブロードバンドで生放送
 毎週 火・金曜日 12:30〜12:50 「インフォシエスタ」 http://www.iiv.ne.jp/siesta/
ブロードバンド iivチャンネルで生放送です。これ以外にも
 ・TFMホールでのコンサート収録
 ・ 音楽レコーディングスタジオとしての使用
 ・ 映像収録スタジオとしての使用
 ・ 外部収録コンサートのトラックダウン
 ・ 5.1ch番組の完パケスタジオ  等 
などがあります。ではこれまでのサラウンド制作例をデモでお聞き下さい。

1 これは2004年8月1日に放送したサーカー中継です。
  国立競技場 FCバルセロナ vs 鹿島アントラーズ戦をJFN38局フルネットでオンエア。
2 3セグメント地上デジタルラジオ Vioce98 にて5.1ch番組を制作
* 「トリオリベルタ」 みなとみらいホールコンサート
* 二期会マイスタージンガーズ スタジオ録音
これらは出演者のみなさんも色々なサラウンド音場の効果を実験したいという意欲と我々技術との共同実験で様々な配置や収録を試みる良い機会でした、
・ JET STREAM 1万回記念DVD制作 


 
これまでのサラウンドMIXで感じたことは以下のようなものです。
@ ステレオ放送との互換性
  →音楽ミックスにおけるリバーブ、リア成分の扱い。
    これはステレオにダウンミックスするとどうしてもリバーブ感が薄くなる傾向がありどちらでも気持ちの良いバランスを研究中です。
  →ステレオ放送における完全逆相の防止 これはサークルサラウンド方式の宿命でリア成分は逆相として記録しているためステレオ再生   ではキャンセルされて聞こえなくなることを防止しなくてはなりません。
A マトリクス方式の運用
  →完全には再現できないパターンがあるため、実際にやってみて再現するものとしないものを経験則でノウハウを積む必要がある。
   (チャンネル間の早い音の移動等)
B 5.1chミックス全般において
   →ナレーションレベルのバランスの難しさ
    (背景音とのトレードオフ)
C 今後の課題
   →リスナーの聴取環境の把握。 
    (デコーダーの設定として最適なセッティングを決定する必要あり)
   →Circle Surround− モード設定の問題
   →番組制作時間のスマート化、制作設備の拡充
   →番組出演者の理解の必要性

T-FM仁平:では次に
元T-FMのディレクターで現在は、自然環境音の収録から制作を行っているフィールド ストリームの野川さんを紹介します。
野川さんよろしく!



野川:フィールドストリームの野川です。自然環境音によるコラージュという取り組みを仕事にしていますがこれらは私自身が全国各地にロケーションを行いそれらを組み合わせてマルチチャンネルのコラージュとして各地の博物館や展示資料館、プラネタリュームなどで再生しています。建築業者との仕事になるので素材を仕込んで後の最終バランスは実際の現場で行っています。建築業者の方々はオーディオ機器に対してはまだ聞こえればいい?といった認識が多いので機器の選定段階から十分な意見を出し合わないといい音環境が構築できません。
収録機材はノートパソコンにNUENDO+RME/MULTIFACEをインターフェースとし4-CHで録音しています。使用するマイクはEARTHWORKS.ノイマン.サンケンCUW-180等です。バッテリー駆動で小型軽量なセットとしています。

本日のデモは私が永年取り組んでいる沖縄 竹富島をテーマにした5.1CHデモです。
まず竹富島のイントロから集落の朝の風景、春の浜辺、スコール、あばあの機織り、夕暮れの祈り、ガーリーの祭り、深夜の浜辺でトータル30分ですのでお聞き下さい。参加者からは、自然音だけのサラウンドの世界に音楽とはまた異なった新たな魅力を発見!(了)