「或日忍野にて…」
春の日差しをさんさんと浴びて、2匹のヤマメが流れてくるフタバコカゲロウ
を ゆっくりと捕食している。
ヤマメA「あぁー、やっぱ春先はフタバだよね!!。
ユスリカはどうも嫌いなんだ、俺」ヤマメB「だよねー。なんかユスリカってちょ→暗い感じするぅみたいな。」
そこに、こっそりとフライマン登場…。
ヤマメA「およっ、また懲りない馬鹿がきたよ!!あいつー、
確か 先週もきてたじゃん。」
ヤマメB「マジ本気ぃ??懲りないぃーあいつもぉ。諦めろっちゅ→の」フライマン、おもむろに毛鉤をアプローチ。
ヤマメA「おっ!!きたきた!!なんの針付けてんのかなぁ。
かぁーっ、アダムスかぁー。甘いねチョイスが!!。」ヤマメB「ハックルもなんだかバラバラだしぃ〜、このタイイングからして
きっと初心者じゃん。ていうかぁ、これってやっぱメッツの#3?。
いまどき、 もう売ってなぃ→ちゅうの。」ヤマメA「だよねー、せめてホワイティングのプラチナ位 使えっちゅーのな!!
西山さんの本にも「初心者はいいマテリアル使えって」書いてあんのに。」ヤマメB「ティペットも6Xだしぃ〜!!。6Xぅ!!。
うちらもなめられたもんだよねー。見てよ、このドラッグ。」ヤマメA「あららら、流れつっきってやんの。こりゃだめだな。」
そこに運命を左右する一陣の風が….。 アダムスは風に乗っていい感じに川面 へ。
ヤマメA[おっ!!まぐれでナチュラルドリフトしてんじゃん、お前食ってやれよ]
ヤマメB「えぇっ!!、やだ→。初心者じゃ素手で捕まれるかもしれないしぃ〜。」
ヤマメA「ちぇっ。しゃーねーなぁ。じゃあ俺が食っといてやるか。
さっきチラッと見たけど、神戸ナンバーだったし、遠いとこから来てる
ことだしなぁ。ちゃんとリリースしろよ!!この野郎!!」バシャッ!!。
かくして、善良なヤマメはその身を呈して、都会からやってくるフライマンに小さな幸せをあたえてくれるのでした。
フライフィッシングの奥深い世界には、まことしやかに 囁かれる「うそのような本当の話」が ある。日本の代表的なスプリングクリークの忍野では、フライラインやフライの一部に蛍光色がついていると、それを見た魚達は一目さんで逃げ去り、その逃げ足たるや、対岸の護岸をも駆け上りそうなくらいの勢いであるという…。
そんな忍野で、粘って粘ってやっと釣り上げた子ヤマメのあどけない目を見てると、きっと神戸 からの来訪者にやさしくしてくれたのかなって思えてしまいます。