干し草とその栄養上の役割
干し草 -
繊維の供給源
繊維とは何か
飼料や馬草その他からは2種類の繊維が見いだされます。
・ADF(酸性の繊維) - 最も消化しにくいものです。茎や軸に見られます。
・NNDF(中性の繊維) - 消化しやすいものです。歯や草に見られます。
チンチラには内臓や歯の磨耗の点でADF(酸性の繊維)の含有率が高い食餌の方が良いようです。
例えば、チモシーの干し草は少なくとも32%の繊維を含んでいて、うち25.10%がADFです。
繊維は異なる部分から出来上がっています。セルロース、半セルロース、リグニンで、リグニンの部分は一番消化しにくいADFです。
繊維はチンチラにとって主に2つの点で有益です。
1. 臼歯を使った咀嚼を(特徴的な左右を交互に動かす動きで)たくさん行う必要があります。これは適正な歯の磨耗を助けます。
干し草のような繊維の供給源は腸内の(体に良い働きをする)微生物を利用して大腸か盲腸で消化されます。
酵素と微生物の働きで繊維を効率良く消化するために、チンチラは餌をすり潰すための健康な歯を必要とします。これにより酵素とバクテリアが植物細胞壁を破壊しやすくします。
2. 繊維は消化する事ができない粗質もたくさん含んでいます。これは食べた物が消化管を通過するのを助ける働きがあります。
いくつかの干し草の栄養の組成
| カルシウム | リン | 乾燥物 | 粗蛋白 | |
| 干し草の種類 | by % DM | by % DM | % | by % DM |
| カモガヤ/クローバー | 0.91 | 0.31 | 82 | 12.3 |
| カモガヤ/アルファルファ | 1.37 | 0.3 | 79 | 15.2 |
| イタリアン・ライグラス | 0.51 | 0.24 | 80 | 9.7 |
| イタリアン・ライグラス [飼料用に乾燥] | NA | NA | 88 | 8.5 |
| ライグラス(混合) | NA | NA | 80 | 6.8 |
| ライグラス(半乾燥) | 0.57 | 0.3 | 55 | 12.9 |
| ウシノケグサ | 0.54 | 0.25 | 84 | 9.4 |
| チモシー | 0.48 | 0.21 | 86 | 7.4 |
| メドーグラス | 0.68 | 0.22 | 84 | 8.7 |
| 乾燥クローバー | NA | NA | 89 | 15.4 |
| 豆科植物のミックス | 1.44 | 0.27 | 85 | 14.5 |
| 雑穀と豆類 | 1.11 | 0.22 | 83 | 11.8 |
| オーツ麦 | 0.41 | 0.29 | 84 | 8.2 |
訳注:イタリアン・ライグラスはイネ科の植物で牧草として広く栽培されています。DM=乾燥重量
分析の内容は以下のサイトのものを書き直した物です。
http://www.equiworld.net/uk/horsecare/feeding/articles/a/HayTypesforPerformanceHorses.htm
良い干し草と悪い干し草の見分け方
• 茎が見事な(太陽光で漂白され過ぎておらず、葉が多い)干し草を選んでください。
• カビ臭いもの、埃まみれのもの、発酵し過ぎているものは避けてください。(カビの胞子がある干し草は、強い光源の下で振ると胞子が非常に粒子の細かい煙となって現れます。
• 雑草、土、くずその他のゴミの量が多い物は避けてください。
• 干し草が病気にかかっていた徴候がないか確認します。
• もし干し草を俵(梱包)の状態で買う場合は、サイズの割にひどく重い物や触れると暖かいものは避けてください(チェックする時は俵の中心部分に触れてください)。(湿気がひどい物は黴びている可能性があります。カビは通常俵の中心部分から最初に発生します)
• 出来るならば、栄養成分を保つために、収穫された年の内に購入して与えてください。
• 干し草は乾燥した涼しくて通気の良い場所に保管し、風雨に晒さないようにしてください。
• プラスティックの袋に干し草を入れてはいけません。湿気を帯びて黴びてきます。通気の良いコンテナに入れてください。
• 「若い草」を与えないでください。鼓腸症を起こすかも知れません。干し草は収穫された後、与える前に約5ヶ月乾燥させた物であるべきです。
•
機械で乾燥させた、あるいは高速乾燥させた干し草の製品は普通の物よりかなり緑の色が残っています(しかし触れてみると乾いています)。機械による乾燥は製品の栄養成分を改善します。これを「若い」緑の干し草と混同しないようにしてください。
どの干し草を??、どのくらい??
さて、これは個人の選択の範囲に該当する問題です。
購入した干し草/草の製品の品質が良く、チンチラの口に合うのであれば、最終決定は結局、個々の飼い主の責任です。
市場には多種の干し草と飼料製品があって、ここにその全てを示すのはほとんど不可能です。
(数ポンドで)馬用の飼料供給元や田舎の雑貨店やペットショップから買えるパッケージされた干し草からはじまって、専門の供給元(供給元の詳細に興味があれば私に連絡してください)からの最高品質の輸入干し草(1俵あたり£50(50ポンド、約1万円)以上するかも知れません)までの範囲に渡っています。
私は通常、一匹のチンチラあたりに、干し草を一つかみ、毎日与えています。(量が多すぎて)無駄が多過ぎるようであれば、少しだけ減らします(彼らは一匹あたり大サジに一杯のペレットを濃縮された基本食として毎日食べている事を忘れないでください)。
アルファルファはおやつとしてのみ与えるべきで、干し草の代りに毎日の基本食にするべきではありません。アルファルファはカルシウムとシュウ酸塩を非常に多く含有していて、大人のチンチラには逆効果になるでしょう。
しかしながら、この記事の中でまだ述べていない事が一つあります(色んな所で言われている事ではありますが)。それは、干し草は環境を豊かにする有益な道具にもなることです。
多くのブリーダーは使いやすくて、手間がかからず、あまり散らからない干し草製品(例:hay
pellets等)を選んでいます。ブリーダーが世話すべきチンチラを数百匹抱えているのならば、私はそうする事を完全に理解できます。一方で、飼っているチンチラが比較的少ないのであれば、その飼い主/ブリーダーがなぜ、チンチラ達の精神的な興奮をひき出す事も出来る干し草製品を与えられないのかという理由を私は見いだす事が出来ません。
チンチラは長い軸や茎で遊ぶのが大好きで、それらを干し草のラックから引っ張ってケージの周りに投げます。ケージの周りはとても散らかります。
これはチンチラにとって害にはなりません。しかし、消費量を少なくするには、より高品質で、より口に合う干し草(チンチラが本当に喜んで食べる)を与えるようにすればいいでしょう。わずかなおやつと計量された量のペレットを毎日与える事は、干し草の無駄を減らす助けにもなるでしょう。
あなたが良質の基本的なペレットの食事と一握りの最高品質の干し草を毎日与えるのならば、大きな間違いを犯す事はないだろうと、私は思います。

クロエはOxbow社のネブラスカ産チモシー・ヘイ(とても高品質な干し草)を喜んでいます。

眠っているチンチラの写真
(c) Dan Whetton
記事とその他の内容
(c) Debbie Cave