栄養補助的な餌の与え方
それはあなた次第です!!!
チンチラ達には良質のチンチラ用ペレットと干し草という簡単な食餌を基本食として与えるべきだと言う事に、議論の余地はありません。そして、その食餌だけで全く十分です。
これは面白みの無い事に見えるかも知れませんが、私たちは、チンチラ達の野生の仲間が比較的栄養の乏しい餌で生きるように適応したという事実から目をそむけてはなりません。また、私たちの家庭にいるチンチラの消化力も野生のそれと変ってはいません。
しかしながら、私は今少しだけ論争好きになって、幾人かのブリーダー(特にアメリカ人の)がチンチラ達に「群栄養補助食品」として知られている物を与えている事に言及しましょう。
これはかつて(そして恐らく今も)、チンチラへの餌のやり方としては非常に時代遅れの手法であると見なされていて、チンチラ用ペレットが製造される以前の、ブリーダー達がチンチラ達のための餌を自力で作らなければならなかった日々に逆戻りする物です。
ペレットは全ての世代および段階のチンチラの必要を満たす必要があります。繁殖しない成体はもちろんの事、妊娠中、授乳中、成長中の段階を含みます。したがって、タンパク質の程度は「平均的な」チンチラに合わせて調整される傾向があります。
現在、若いチンチラと繁殖中のチンチラ用のタイプと、繁殖中でない成体のチンチラを維持するためのタイプとを区別しているペレットに対する需要はありません。ここで追加の栄養補助食品が有用になるかもしれません。
栄養補助食品はシリアル(オート麦、小麦、大麦など)を元にして小麦麦芽(ビタミンE、葉酸、
EFA(必須脂肪酸)、タンパク質が豊富)とふすま(小麦を粉にひいたあとに残る皮)を加えたものになる傾向があります。この混合飼料に乾いたハーブを入れても構いません。これは植物栄養素の良い供給源です。微量のアマの種を加えれば必須脂肪酸を提供することになるでしょう。しかし必要なのは微量だけです。シリアルはリンが多くカルシウムが低い傾向があるので、バランスの取れたマルチビタミンとミネラルの栄養補助食品を追加する事が推奨されます。
押しオート麦は餌とするシリアル穀粒の中で一番安全な物です。比較的(水溶性の)繊維が多く、吸収されるエネルギーが少ない物です。これは通常は大腸、直腸などの過剰発酵とは無関係です。とにかく、ある程度の腸のうっ滞を伴ったりしない限りは! しかし、オート麦の殻やひき割りエンバクはお勧めではありません!!!
注意:蠕動(ぜんどう)を促し胃のうっ滞の可能性をできるだけ限定するために、干し草/飼料は常に供給されるべきです。
※訳注:「うっ滞」とは、消化器官の蠕動(筋肉の収縮によって生じたくびれが波のように徐々に伝播していく形の運動。高等動物の消化管壁に見られる)が何らかの理由で低下/停止してしまい、食べた物が胃腸内のどこかに停滞して閉塞を起こす事です。
栄養補助食品にはいくつかの用途があります。
1.
繁殖中、成長期の、体の具合が悪いチンチラ達の健康状態を助けます。
2. チンチラはそれを味わって「ご馳走(おやつ)」と見なします。これによりブリーダーは、チンチラが餌を食べなくなったかどうかを素早く見分ける事ができ(※訳注:おやつさえ食べないのは何かの異常)、原因を調査する事ができます。
3. バランスが良く保たれていれば、余分な栄養素の有益な源となります。
4. チンチラの体の具合が悪い場合、食欲をそそらせる事が出来ます。
しかしながら、栄養補助食品は欠点も持っています。
1.
過度に供給されれば、肥満を促進するかもしれません。
2.
チンチラをたくさん飼っている場合、餌として与えるにはお金がかかります。
3.
大規模なブリーダーにとっては余分で面倒な仕事になります。
4.
貯蔵寿命がとても短いです(特に小麦麦芽)。
ほとんどのシリアルを限定する主な要因はいくつかの必須アミノ酸、とりわけリジンが不足する傾向があるからです。また、リンがやや高く(多くの場合フィチン酸塩として存在)、これはカルシウム分子と結合してその吸収を阻害します。リンが多すぎる食餌は推奨できる物ではなく、カルシウムのリンに対する理想的な比率はおよそ2:1であるべきです。
「クラインの餌」(最も売れ行きの良いアメリカのチンチラ用食餌)はアリス・クラインと呼ばれるチンチラの大農場経営者(悲しい事に今は故人です)によって開発され支持されました。彼女はペレットと干し草と、バランスの取れたシリアルを基本とした補助食品による食餌を信奉し、彼女のチンチラ達はその食餌で成長しました。最近でも、クラインの食餌はアメリカのペット飼い主とブリーダーの両方によって唱えられ推奨されています。しかし、英国では現在販売されていません。
(※訳注:アリス・クラインについてネット上で少し調べてみましたが詳しい情報が得られませんでした。1950年代に夫婦で毛皮用にチンチラの繁殖を始めて成功をおさめたようです。彼女の著作:After
Forty Years Alice Kline Talks About
Chinchilla(40年後、アリス・クラインはチンチラについて語る.
初版1990年)はアメリカでは「チンチラ・バイブル」と呼ばれています。これは毛皮牧場主向けに書かれた物で、グロテスクな写真を含むようです)
栄養補助食品が補足の食料として供給されていても、間違いなくチンチラが基本となる食餌(干し草とペレット)を常に全て食べ、かつ「余分の物」をむさぼり食わないようにさせる事は重要です。よって、与えている補助食品の量と周期を記録しておいて、必要なら調整する事が必要でしょう。
また、栄養補助食品を基本食と同じ容器やフィード・ホッパー(餌を蓄えて供給するじょうご状あるいは類似の形状をした器具)に入れて与えない方が賢明です。一緒に与えるとチンチラは栄養補助食品を食べようとしてペレットを全て放り出してしまい、しばしば食べる物がなくなってしまうからです。
何人かのブリーダーは、とにかく週に2,3回、「おやつ」の混合品を与えています。栄養補助食品の混合品というものは、それを必要とするチンチラに余分の栄養素を与えるという目的のために、ただこの「おやつ」のやり方を前進させたものです。
何人かのブリーダーは補足食品を与える事を信奉していますが、他の人たちはそれを良くて不必要、悪ければ危険でさえあると感じています。チンチラの繊細な消化器官は連続して栄養豊富な餌を与えられる事には向いていないからです。
しかし私は、飼い主やブリーダーが栄養補助食品が余分な努力、時間、金をつぎ込むに値する十分で著しい利点を持つと思っているのであれば、与えるかどうかは全くもって彼ら個々の判断次第であると信じています。
この記事がなんらかの「思考の糧(餌)」を提供できたなら幸いです。だじゃれを許してね!

Marnieはミックス飼料を喜んでいます!!

眠っているチンチラの写真
(c) Dan Whetton
記事とその他の内容
(c) Debbie Cave