このページは http://www.azure-chinchillas.co.uk/pages/chinchillas_caesarean_section.php を翻訳したものです。

帝王切開 - ある病気の記録
divider

以下はある病気の記録ですが、臨床的な内容は含んでいません。

チンチラの繁殖を手掛けてきた
16年の間、私は自分のメスのチンチラ達が一匹も出産時にひどい困難に遭遇しなかったと言う幸運をいつも重ねて来ました。

しかし、クリスマス直前に全てが変わってしまったのです。。。

私にとって最高のスタンダードのメスの一匹
(2005年のNCSの全国ショーでベスト・アダルト・スタンダード賞を受賞)が、出産しそうな様子でした。私は交尾した徴をまったく目撃していなかったので、彼女の「予定日」を2,3日以内の正確さで予想する事が出来ませんでした。しかし胎児の活発な動きが出産日が非常に近い事を確かに示していました。

私はいつも通りに準備をしました。ケージの下にヒート・パッド
(私のチンチラ達は屋外の設備に住んでいます)、ケージの床に敷く汚れていない新聞紙(ベビー達を乾かすのを助け、いつものワイヤー製の床の上を歩きやすくします)、後分娩妊娠を防ぐためにオスを別のケージへ移動、などです。

この様な準備をして、私は彼女のための備えが十分であると確信していました。しかし、仕事から帰って来て、彼女がひどくだるそうにして元気が無いのを見て、私はショックを受けそうになりました
(彼女の事はその朝チェックしていました)

私はすぐに彼女をチェックしました。ベビーの頭頂部が完全に見えました。それは半分は中に半分は外にありました。それは乾いていて、恐らく彼女が数時間分娩中であった事を示していました。子宮の収縮らしいもの
(ベビーを引き出して自由にするための努力が行われた事を意味します)は、控えめに言ってもありませんでした。

私は自分の手を洗い、救急用品のセットの中に入れてある
KYジェリー(繁殖中のオス達にファー・リング(毛輪)が出来やすいので、そういう時にこれが非常に便利です)のチューブを取り出しました。私はそのベビーの頭をできるだけ滑りやすくして、どうにか産道から出す事が出来ました。そのベビーの目と粘膜(内側のまぶたと目やに)をチェックしてみると、そのベビーが完全に死んでいる事は明らかでした。

チンチラの体の中にいる胎児を外に出す手助けをする理想的な方法は、子宮の収縮のタイミングに合わせてベビーの体を出来るだけつかんでメス親の鼻の方向へ引っぱり上げる事です
(私はそのように教えられていました)。しかし、収縮が起きなかったため、この方法を行うのは困難になりました。

私は2、3回そのベビーを引き出そうとしましたが、これはメスにひどい苦痛を与えました。このため、すぐに獣医の手当が必要だと判りました。

この時点で午後8時を大きく回っていましたので、緊急の獣医に電話しました。私は
(説明は少しも要らなかったのですが)状況を説明しました。そしてメスには子宮の収縮を促すためにオキシトシンが注射されました。もう少し滑りやすくするためにシリンジで少量の流動パラフィンが産道の奥に流し込まれました。そうしてメス親は大きな収縮を2回し、私が彼女を適切な位置で保持しながら、獣医はベビーを引き出すことができました。

チンチラのベビーの平均の大きさは
45グラムから50グラムで、70グラム以上はどれも非常に大きいと見なされています。しかし今回のベビー(オス)はずしりと85グラムありました。メス親が彼のせいで苦しんでいたのは間違いありません。彼を蘇生させる試み(死んだように見えるベビーであっても蘇生できるので、いつも試す価値があります)がなされましたが、悲しいことに、今回はうまく行きませんでした。
獣医と私は共にベビーがもう一匹いる事を感じましたが、通常の出産で見られるように出てきはしませんでした。メス親にはオキシトシンがさらに2本注射されましたが、ベビーを産道に押し込むことはできませんでした。

次いで、ベビーの位置と数
(ただ一匹でした)を確かめるためにレントゲン写真を撮りました。オキシトシンを3本以上注射することは望ましくなかったので帝王切開が必要だろうという判断がなされました。

そして私は自宅に戻り、彼女の手術が終了した後の獣医からの電話を待ちました。それはとても長い「待ち」で、すべてがうまく行ってくれるように望みながらハラハラしていました。

真夜中になって、メス親は生き残ったが残ったベビーは駄目だった
(実際、驚きではありませんでした)という電話を受けました。午前1時頃に彼女を引き取る事ができました(彼女が少し回復したため)。私は死んだ二匹目のベビーを見せてくれるように頼みました。それもまたオスで、これもまた非常に大きなベビーでした。

メス親は当然まだ麻酔薬でとてもふらふらしている状態で、完全に疲れ果てていました。彼女には既に皮下輸液の療法と痛みをやわらげる処置がいくつかほどこされていましたが、彼女が家に戻った時に、余分に暖をとれるように彼女のケージの下にヒート・パッドが敷いてあるのを確かめました。そしてパイナップルのジュースを少し与え
(水分はもちろんエネルギーのため)、彼女はそれを本当に喜びました。その後、苦難のストレスから回復するため彼女は静かな環境に置かれました。

緊急の帝王切開の最終的な費用は
433ポンド(9万円)でした。これは、どんな動物であっても繁殖させようと思ったら、どのような緊急の(費用のかかる)非常事態も覚悟しておかねばならない、という事の証明です。

このメスは今では完全に治癒しています。しかし私は今後の繁殖からは彼女を引退させる事にしました。帝王切開によって体の中に残った傷跡が将来、彼女に問題を起こす可能性があり、その危険を冒そうという気にはならないからです
(この件については他の人たちの意見も非常に聞きたいのですが)

divider
眠っているチンチラの写真 (c) Dan Whetton
記事とその他の内容 (c) Debbie Cave