環境を豊かにする事と運動
たぶんこの記事は、チンチラに備えたあなたの家から、退屈から生じる毛噛みのような悪い癖を防ぐための、いくつかの有益なヒントをお伝えするでしょう。
毎日の運動
チンチラはケージの外での運動(訳注:日本で言うところの「お散歩」)を本当に喜びます。多くのブリーダーはそうさせる事が出来ません。理由は単純で、膨大な数のチンチラを抱えているために、彼らは日中に十分な時間を取る事ができないか、監視するための十分な人手がないのです。しかし、2、3匹のチンチラだけを飼っている普通のチンチラ飼いの方はチンチラ達を毎日走らせるための時間を作る事ができるでしょう。
チンチラはあなたが許すだけ、喜んでたくさんの運動をします。毎日15分から2、3時間くらい。
忘れてならない最も大切な事は、ケージの外にチンチラを出している間は『常に監視する必要がある』という事です。そうでなければチンチラ達は一瞬で自らが招いたトラブルに見舞われる事になるかも知れません。
最良の方法はゆっくりと運動の時間を増やす事です。特にそのチンチラがケージの外に出る事に慣れていない場合は大切です。理想としてはチンチラが餌や水、そして安らぎを望んだ時に戻れるようにケージを配置する事です。それが出来ない場合は傾斜路が助けになります。チンチラを約10分間、外で運動させる事から始めて、チンチラが外での運動(および慣らし係(!)にさらに慣れてきたら時間を段階的に延ばしていくといいです。
チンチラはいつ運動をやめたらいいのかわからないので、時々疲れ果ててしまう事があります。ですから適切な時間で区切って必ずチンチラをケージに戻すようにしてください。
「遊び時間」が終わったらチンチラに小さなおやつを与えてください。そして/または、運動の後にチンチラに砂浴びもさせてください。これはチンチラが自分のケージに進んで(さらによくなると自発的に)戻るようになることを促進します。チンチラをケージに戻そうとしてチンチラを追い掛け回すのはやめてください。チンチラにとっては最も新しい(生々しい)捕まえられた(そしてあるいは)いじられた記憶になるだけです。
明らかにチンチラは暑さに弱いですから、暑い日には運動量を限定して涼しくなった夕方に限ってケージの外に出す事を勧めます。
より詳しくは下記のURLを参照してください。
http://www.davidson-chinchillas.co.uk/pages/exercise.php
チンチラに対応したあなたの家
もしあなたがチンチラに一つか二つの部屋を自由に動き回れるようにしているなら、チンチラが自身を傷つけたりあなたの財産を傷つけたりしないような手段を講じなければなりません。
チンチラは何でもかんでも齧るのが好きです。骨董品のテーブルも電気コードも!
チンチラに対して100%有効ではありませんが、幅木と、ケージの周囲にある他の塗装されている/されていない木の家具にはペット用に製造された「齧り防止」スプレーをかけてもかまいません。しかし、鉛中毒を起こさないように、(古い家など)塗料が鉛を含んでいる可能性のある塗装面をチンチラが齧らないようにする事に注意を向けなければなりません。
電気ケーブルはゴム製の「cable-tidy」で覆って保護する事が出来ます。庭で水やりに使う適当な長さのホースに縦に切目を入れたものに、ケーブルを挟み込んでcable-tidyと同様にケーブルを保護できます。また単純にケーブルを抜いて届かないところに移すという手もあります。
(訳注:cable-tidyは平たいプラスティックを螺旋状に加工した物で、ケーブルに巻き付けて結束したり保護する為の物です。筆者はこれをゴムホースで代用する事を提案しています。)
窓やドアは確実に閉めてください。そして家族にチンチラが日課の散歩でケージの外に出ている事を告げてください。
トイレのフタを閉じてください。(悲しい事に多くのチンチラがトイレで溺れ死んでいます)
あなたは歩いている時も注意してください。チンチラは素早く動くのであなたの足下に来る事があります。しかし強く踏まれたら、壊れやすい小さな物と同じで、生き延びる事はほとんど出来ません。
チンチラが自由に動き回っている間は、チンチラにちょっかいを出しそうな他のペットはすべて部屋の外へ出し、入れないようにしてください。(しかし、通常チンチラは犬や猫を恐れないようです)。
どんなちっぽけなすき間もふさいでおき、チンチラが抜け出したり暖炉や本棚の陰に隠れたりしないようにしてください。
何にもまして、絶対にチンチラから目を離さないでください。
砂浴び
毎日の砂浴びは、必要な被毛のクリーニングを行っているのですが、同時に一般的にチンチラが健康的で(また幸福で)ある事の助けになります。
チンチラはとても清潔な動物で多少なりとも汚れる事を嫌います。もしチンチラから砂浴びの機会を奪ったら、それがどれほどの時間であっても、彼らはひどく憂うつになって心地悪くなるかも知れません。
通常は、1日に20分、砂浴びをさせればチンチラの健康と幸福には十分です。短過ぎる砂浴びは被毛を不潔にしてチンチラを不幸せな気持ちにさせます。長過ぎるとチンチラの皮膚を乾燥させてしまいます(とりわけ室内で飼育されているチンチラはセントラル・ヒーティングによる乾燥も同時に感じています)。
浴び砂には火山性の軽石かセピオライト(海泡石)(共にペットショップで入手できます)だけを使用してください。シルバー・サンド(珪砂)や子供の遊戯用の砂や建築用の砂を使わないでください。
砂浴び用の砂は、通常はふるいにかけて石のかけらや糞や湿った部分を取り除く事が出来ます。そして時々全て取り換えます。

Mel
は砂浴びを楽しんでいます。
ケージの中のおもちゃ
チンチラ用にかなったおもちゃはペット市場でたくさん手に入ります。ペット用に作られた木製のアイテムはたくさんの「咀嚼(噛む事)」を生みます。「Chubes」(商品名、植物性のボール紙でできたトンネル)は非常にいいです。lava
bites(軽石製、訳注:日本でもラバビッツの名で販売)など、枚挙にいとまがありません。
プラスティックやゴム製の物、チンチラが摂取したら腸閉塞を起こす可能性のある物は全て避けてください。
色々な種類の小枝や枝木はすばらしい齧り木やハシゴになります。そしてその樹皮は食べても大丈夫で歯の健康のために素晴らしいおやつとなります(食べるのにたくさん噛む必要があるので歯を磨り減らす助けになるでしょうから)。
全ての木や枝は化学薬品が散布されていない場所から得られた物であるべきです。そして汚れをこすって洗い落として2、3週間、よく乾燥させた物であるべきです。
リンゴの木の小枝や枝木はおもちゃのリストのトップに来る物です。そしてほとんどのチンチラはその樹皮を食べるのが大好きです。食用、料理用、野生のリンゴの木すべてが適していてます。西洋梨の木もそうです。
果実に種が含まれていない限り、セイヨウカリンの木も他のどの果実の木もおもちゃに適しています。ヘーゼルとヤナギの木も大丈夫ですが、チンチラのお気に入りというわけではありません。
何人かの人々は、チンチラに堅いローズ・ウッド(紫檀)を「剪定した(とげを除いた)物」や、乾燥して枯れて開いた松ぼっくりも与えています。私はこれらを自分のチンチラに試した事はありませんので(まだ)個人的経験からこれらが適しているのかコメントできません。しかしサンザシは試した事があります。チンチラ達は気に入って樹皮を剥がして食べていました。葉も少しばかり与えても大丈夫ですが、お腹をこわさない様にゆっくりとチンチラに紹介して下さい。
上記のアイテムから一回に1つないしは2つを与えてください。しかし与え過ぎないでください。動物達への目新しさが無くなってしまいます。また彼等のケージを散らかし過ぎないようにしてください。かわいそうなチンチラ達が身動きを取れなくなります!

"Lava
Bite" を齧っているメル(Mel) ジョージが見つめています!

hay(ヘイ、干し草)
随時与えられる干し草は退屈するのを防ぎます。チンチラが欲しいと思った時にあごを動かしてむしゃむしゃ食べる事ができますから。先の記事で述べましたように干し草はチンチラの食事の中で主な繊維の供給元でもあります。消化と歯の磨耗のために良い物です。
ホイール対ボール
ペット飼いにとって最も高価な、「運動」を支援する器具が2つあります。巨大なサイズの「エクササイズ・ボール」と(手に入りにくい)チンチラ・ホイールです。
私の考えでは、エクササイズ・ボールはチンチラには全く適していません。チンチラ達は外の環境を探険する事を楽しみますがプラスチックの玉の中に押し込まれる事は好みません。またボールの回転の勢いを止める事はチンチラには非常に困難で、チンチラ達はすぐに興奮し過ぎとなり(または)疲れきってしまいます。これでチンチラがひきつけを起こす事がたびたびあります。よって、私は、ボールをお奨めする事はできません。
一方、通常、チンチラ・ホイールは設置するとすぐにチンチラに愛されます。イギリスではかなり入手しやすくなってきています。ネズミ用に作られた特大のホイールは不適当です。(訳注:特大といっても「ネズミ用」ではチンチラには小さ過ぎるということのようです)
チンチラ・ホイールは直径が14インチ(約36cm)以上であって、ベアリング部は完全にカバーされていて、足やしっぽが挟まらない様に、隙間が無い(線材で構成されていない)造りである必要があります。"Flying
Saucer Wheel" (空飛ぶ円盤ホイール)と"Leo
Braun Wheel"は共にチンチラ用に特別に作られた物ですが、現在のところUSAとヨーロッパ(大陸)からの輸入物しかありません。
ホイールが手に入ったらその苦労は報われます。私のチンチラ達には2個の上等な16インチホイール(イギリスのJohn
Hopewell製)があります!

スーパー16インチ・ホイールで遊ぶマーリーン
仲間づきあい/繁殖
チンチラは集団でいる事を好みますが、チンチラのペアや既に飼っているペットの為に仲間となるチンチラを買う前に、心に留めておいて良く検討しなければならない事がいくつかあります。
まず最初に、チンチラには縄張り意識があり、同じケージに一緒に入れる事を認めてもらう前に紹介するための期間が必要です。この期間の長さは、あなたが紹介しようとするチンチラが同性か異性なのかにかかわらず、気性と年齢によってさまざまです。
もしあなたが異性同士のペアを一緒に飼育したいのなら、彼等が繁殖するだろうということを覚えておかなければなりません。つまりあなたは万一の場合に備える必要があります。ベビーを離乳させたり、メス親の健康に有害な過剰な繁殖をさけるため、親となったペアを適宜分離するための複数の余分なケージを購入する事が必要です。望まない仔を避けるにはオスの去勢はうまく行きそうな選択肢です。しかし、必ず、獣医が去勢手術を行う前に、まずこの問題についていくらか調べてください(私はこの問題について近いうちに
Fur &
Feather誌に記事を書くように努めます)。
若いメス達は通常は一番一緒にさせやすい同性のペアですが、例外もあります。
一匹のチンチラを独身のまま飼う事を望むなら、”あなた”がそのチンチラと縁組みしたケージ仲間となるという事を覚えておいてください。つまり、あなたはそのチンチラと交流するためにできるだけたくさんの時間を費やす必要があると言う事です。

眠っているチンチラの写真
(c) Dan Whetton
記事とその他の内容
(c) Debbie Cave