「強奪の資本主義」

第一回


「強奪の資本主義」は兵庫県学習協議会が行った「林 直道経済学特別講座」の第3回講座の一部を再現したもの

です。学習用録音を元にしたものであり、必ずしも林先生の講義そのままではありません。文責は当然編集者(YH

生)にあります。

 このテーマに興味をお持ちの方はぜひ、林先生の著書をお読みください。

   林 直道著  「強奪の資本主義」 新日本出版社 定価1800円

「強奪の資本主義」P26から

《強奪の資本主義》は戦後の第一段階=日本資本主義崩壊の危機 → 第二段階=空前の隆盛・高成長 → 第三段

階=挫折・バブル崩壊長期不況に続く第四段階をなしています。

それは(1)敗戦後の惨憺たる焼野原の中で新憲法など民主主義と平和の諸法律が作られ、

     (2)そうした民主主義・平和の大原則にもとづいて空前の大繁栄がうみだされ、

     (3)その繁栄の頂点でのバブルというとてつもない巨大利潤のチャンス到来にさいして、理性が麻痺して資本

        主義の利潤獲得本能のままに株式投機・土地投機に身を投げ出し、その結果、バブル崩壊の奈落に落    
        ち込み

       (4)いろんな手を打ったが効果なく、ついに最も単純明快な《強奪》による利潤獲得、国民の生命の削減と

        引き替えの大企業減税という資本の原点・原始形態に還ったものということができるでしょう。


『・・・ 1989年の日本の財政は先進国中、唯一の黒字だったんですね。ところが、90年以降はどんどん財政の赤字が

増えていって、今ではヨーロッパ1の赤字国であるイタリアを追い越して、先進国中第1位の赤字国に落ち込んでるわ

けです。

 なぜ、こんなに世界がうらやむような、全くひとり勝ちといってもいいほど好調な日本経済が、なんでこんなに落ち目

になってしまったのかということです。その原因を見極め、脱却するためにはどうすればいいかが今日のテーマであり

ます。

 私は、こんなにひどくなった原因は三つあるとかんがえています。

 @バブルの崩壊。Aバブル崩壊後の政府・財界の政策が誤っていた。B小泉内閣になってからの強奪の資本主義

政策。

 第1の原因。日本経済が非常に好調であった1980年代の終わり頃に、大規模な投機が起こったわけです。1980年

代末、好調な経済のまっただ中にバブルが発生した。バブルというのは水の泡という意味です。水ぶくれになっていっ

たわけです、日本経済が。つまり、土地や株価がGNPの、国の経済の成長率を上回る勢いで、土地や株価だけが膨

張していくことですね。

 例えば、土地価格について申しますと、六大都市の商業地というのは、バブルの期間、すなわち1987年から90年ま

での間に4倍に上がりました。私の住んでるところは住宅地ですけど、坪200万円ぐらいであったのが、坪850万円に

上がりました。「その時に売っといたら」と言われるかも知れませんが、売っても代わりの土地持ってませんから、また

高いとこ買わんならん。なにしてるこっちゃわからんということです。200万円が850万円に、あれよあれよという間に上

がりましたね。東京へ行ったら、もっと高いところがいっぱいあるわけですね。

 そういうわけで、好調な経済のまっただ中に、土地価格、株価格が異常に膨張したわけですな。

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