Dr.オマリーの子供お薬注意報

メルマガのバックナンバー

(2005〜2006年)


熱さましのお薬には気をつけて(2005年3月)
市販の点鼻薬には気をつけて(2005年4月)
ステロイドは必要以上に怖がらないで(2005年5月)
予防接種は、義務ではありません(2005年6月)
虫除けスプレーの使用は控えめに(2005年7月)
とびひのお薬(2005年8月)
赤ちゃんへのお薬の飲ませ方(2005年9月)
総合感冒薬はおすすめできません(2005年10月)
「インフルエンザの予防接種」は必要? (2005年11月)
おなかの風邪に効く薬は? (2005年12月)
こどもにサプリメント?! (2006年1月)
タミフルは夢の薬か?! (2006年2月)
お薬かぞえ歌(2006年3月)



熱さましのお薬には気をつけて
(2005年3月)

はじめまして、オマリーです。インフルエンザが猛威を振るっているようですが、お子さんはお元気ですか。今年はB型ウイルスかメインなので、なんと春先までだらだらと流行が続くそうです。うちの子の通っている保育所でも、隣のクラスではインフルエンザでお休みしている子供がたくさんいるので、とても気になります。

 解熱薬を、安易に使っていませんか?
皆さんは子供が熱を出すと、すぐに解熱薬を飲ませたり、解熱用の坐薬を使ったりしていませんか?  わたしも子供を保育所に預けて働いていますが、保育所の規則では38℃でアウト。しかも、朝預ける時の検温で37.5℃くらいでも難色を示されます。子供が元気そうだけどちょっと微熱がある時など、とりあえず解熱薬で熱を下げてでも、仕事に出かけたいなあと思うこともあります。でもそこは我慢です。 

 解熱薬は、かえって病気を長引かせることも・・・
発熱の原因のほとんどは、風邪などウイルスによるものです。私たちは、身体に入って来たウイルスを排除するために、熱を出して戦います。高温の方がウイルスや細菌の増殖が遅く、逆に身体は高温の方がウイルスと戦う物質をたくさん産生するからです。発熱自体は病気ではなく、正常な防衛反応なのですね。
ですから、ウイルス感染症などでは解熱薬を使って解熱することにより、かえって病気が長引いたり、重くなったりします。38.5度以上の熱があり、しかも、子供がぐったりして苦しそうな時にのみ、解熱薬を使用しましょう。

 解熱薬の副作用
実は解熱薬は、意外に重大な副作用被害の多い薬です。インフルエンザ脳症は、種々の解熱薬との関連性が疑われています。ですから、インフルエンザが流行している時期に急に高熱が出たなど、インフルエンザかなと思った時は、自己判断で解熱薬や風邪薬を用いず、医師の指示に従いましょう。また、スチーブン・ジョンソン症候群は、原因不明の皮膚のただれ・口内炎・眼球や粘膜部分の炎症がおこり、ひどくなると失明する病気ですが、その原因が解熱鎮痛剤の副作用と疑われています。
有名なアスピリン(商品名は「バファリン」など)も、使い方を誤ると危険なお薬のひとつです。現在、子供用の解熱薬や風邪薬には、作用はマイルドですが比較的安全なアセトアミノフェンがよく用いられています。ですから、子供用解熱薬の持ち合わせがないからといって、大人用解熱薬の半分とか1/4を飲ませるのは絶対にやめてくださいね。


市販の点鼻薬には気をつけて
(2005年4月)

史上最高と予想された花粉の飛散量が、ついにピークに達したそうです。オマリーは、目がしょぼしょぼして、鼻がくすぐったい程度の軽症なのですが、先日都内に出かけた時には、くしゃみの連発。やっぱり都会の花粉は、強力なようです。

幼児の花粉症が増えています
最近は、幼児でも花粉症を発症するケースが増えています。皆さんのお子さんは大丈夫ですか?  花粉症は、アレルギー性鼻炎の一種で、原因となる抗原が鼻から吸った花粉の場合をいいます。しかし子供では、スギ花粉だけに反応する例は少なく、たいていの場合、家のホコリ・ダニの死骸・ペットの毛などに対してもアレルギー反応を起すようです。

赤ちゃんの鼻は詰まりやすいものです
花粉症がマスコミを賑わせているので、春先に赤ちゃんが鼻水・鼻詰まりになったら、「花粉症!」と思われがちです。でも、赤ちゃんは病気でなくても、寒かったり空気が乾燥しているだけで、鼻が詰まったり鼻水が出たりするもの。アレルギー性鼻炎の赤ちゃんもいないわけではありませんが、たいていは生理的なもので心配はいりません。夜はいつも鼻がつまり気味になってしまう赤ちゃんもいるとか。耳鼻科で診てもらって、一度鼻水を吸引してもらうだけでよくなることもあるようです。

アレルギー性鼻炎のお薬
アレルギー性鼻炎には、抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬の点鼻薬や飲み薬、症状が重い場合にはステロイド点鼻薬も処方されます。ステロイドと聞くと、副作用を思い浮かべる方も多いと思います。でも、点鼻薬は鼻にしか作用せず、全身性の副作用はほとんどありませんので、ご安心を。点鼻薬を使う前には、まず鼻をかんでくださいね。

市販の点鼻薬にはご注意
市販の点鼻薬には、血管収縮薬の入ったものがたくさんあります。即効性で良く効くのですが、子供には副作用が出やすく、また、長期に使用するとかえって鼻詰まりがひどくなり、治りにくくなるのでお勧めできません。とくに、2歳未満の子供への使用は不可。短時間で効いてくるので、つい癖になって乱用してしまうお薬なので、大人の方も要注意ですよ〜! 長期間、鼻が詰まっていたり鼻水が出ている場合には、耳鼻科で診てもらいましょう。
今年は、ゴールデンウィークの後まで、周辺の山々から雪解けとともに花粉が飛んでくるそうです。お大事に。


ステロイドは必要以上に怖がらない
(2005年5月)

赤ちゃんや幼児の肌は薄くて敏感なので、湿疹やアトピー性皮膚炎になりやすいですよね。そんな時、ステロイド軟膏がよく処方されます。ステロイドは怖い!と思って少ししか塗らなかったり、使いたくないと思う方もいらっしゃるようですが…。でも、使い方さえ誤らなければ、よく効くとってもいいお薬なんですよ。

ステロイドとは
ステロイドは、ストレス時に副腎皮質から産生されるホルモンで、糖や脂肪の代謝系の調節・体液の維持・免疫系の調整など、大事な役目を担っています。そのなかでも、特に強力な抗炎症作用・抗アレルギー作用に注目して、さまざまな病気の治療薬として幅広く用いられています。ステロイド外用剤には、おなじみの軟膏のほか、吸入薬・点眼薬・点鼻薬などがあります。

ステロイドの副作用は心配しないで
ステロイドは、副作用が怖いといったイメージを抱いている方も多いと思います。確かに、ステロイドホルモンにはいろいろな生理作用がありますので、目的以外の作用は副作用となります。膠原病や重症の喘息などでは、ステロイドの治療効果と副作用を天秤にかけながら慎重に、飲み薬や注射剤として全身に用います。
しかし、ステロイド外用剤では、飲み薬や注射剤とは異なり、全身に吸収される薬物の量はごくわずか。よほど強いものを長期間・多量に、あるいは広範囲に使わないかぎり、マスコミで騒がれているような全身性の副作用は、まず現れないはずです。

ステロイド軟膏の塗り方
まず石鹸で自分の手を良く洗います。子供の皮膚も清潔にしてあげてください。できれば、お風呂あがりが一番ですが、一日に3回塗るように指示された場合は、朝起きた時・昼食後・お風呂上りなどと決めておき、忘れないようにしましょう。薄く塗るのが基本ですが、副作用を恐れるあまり塗る量が少なすぎると、薬が効かずにかえって長引くこともあります。ですから、指示された量・回数を守って使用してくださいね。 「からだ用」と「顔用」に分けて処方された場合は、間違わないようにしてください。 

民間療法などに惑わされないで
アトピーに効く!と宣伝している健康食品や治療法の中には、何の医学的根拠もなく、お金儲けが目的のものも少なくありません。一方、ステロイドは歴史が古く、治療効果・副作用ともによく研究されています。新薬や得体の知れない治療法に比べると、数段、安全で効果的な治療ですので、過剰な心配はしないでくださいね。


予防接種は、義務ではありません
(2005年6月)

じめじめとしたお天気が続きますが、皆さん、お元気ですか? オマリーは、湿度の高い日は、なんだか膝関節が痛いし、頭も重くて・・・苦手な季節です。一方、うちの子は、お外遊びが嫌いなので、雨の日は部屋の中で遊べる口実ができて大喜びです。ところで先日、日本脳炎の予防接種で重い副作用が出たことが判明し、厚生労働省から、予防接種を中止するように緊急勧告が出されました。そこで、今回は予防接種の話を取り上げました。

予防接種とは
予防接種は、その病気の原因となるウイルスや細菌の毒性を弱めたもの(生ワクチン)や、その成分の一部(不活性化ワクチン)を体内に入れることにより、その病気に対する抵抗力(免疫)をつけるものです。身体は、不活性化ワクチンでは一週間、生ワクチンでは一ヶ月くらいもかけて、外敵であるワクチンと戦って、免疫を獲得します。

受けるか否かは選べます
無料でできる赤ちゃんや子供の予防接種(定期予防接種)はたくさんありますが、これらは法律で義務づけられていると思っている方も多いと思います。でも、実は「努力義務」で、保護者が受けさせるかどうかを決められるものです。そのわりには、判断材料となる情報が少ないですよね。

予防接種の副作用
平成14年4月からの一年間で、2種・3種混合ワクチン(DPT/DT)による後遺症の残る副作用が6例、麻しん(はしか)で死亡が1例、日本脳炎では脳炎などの重い副作用が12例報告されています。副作用の発生率は、いずれも低いものですが、確率はお役所の理論です。厚生労働省は今頃になってやっと、日本脳炎の予防接種を中止する方向で動き出しましたが、ずいぶん対応が遅いですよね。たとえ一人でも、それがわが子となれば大問題。かといって、受けさせないでいるのも心配なものです。

副作用を避けるために
厚生労働省から配布される冊子には、予防接種の長期計画表を記入するようになっています。でも赤ちゃんは熱を出したり、発疹が出たりと、たびたび体調を崩すものです。予防接種は、感染症を疑似体験して抵抗力を勝ち取っていくのですから、赤ちゃんの体力が落ちている時に受けさせると、副作用の危険性が高まります。冊子に記載された期間よりも遅れてもかまいませんから、赤ちゃんの体調がよい時に受けさせましょう。基礎疾患のある赤ちゃんは、主治医とよく相談してくださいね。


虫除けスプレーの使用は控えめに
(2005年7月)

暑くなって、蚊が増えてきましたね。うちの子は、虫に刺されると大きく腫れて、じくじくしてしまうので、掻き崩して「とびひ」にならないように、とっても気を使います。おまけに、今年は、日本脳炎の予防接種が事実上中止されているので、余計に蚊に刺されたくないですよね。ということで、今回は、虫除け薬のお話を取り上げました。

 虫除け薬の成分 
ほとんどの市販の虫よけスプレー、液、テープなどには、有効成分としてディートが含まれています。ディートは、60年以上も前に米軍で開発されたもので、蚊などの感覚神経を麻痺させ、活動を鈍らせます。その安全性については、よく研究されており、大人には、それほど危険なものではないようです。しかし、まれに神経障害や皮膚炎などの副作用が起きるため、赤ちゃんや子供への使用を制限している国もあるようです。実は、私や母も、虫除けスプレーにかぶれて、ひどいめにあったことがあります。

 赤ちゃんへの使用は控えめに
日本では、赤ちゃんや子供への虫除け薬の使用は、特に禁止されていませんが、副作用を考えると、あまり日常的に多量に使うのは考えものです。
<カナダの使用基準>
・6ヶ月以下の赤ちゃんには、使用が禁止されています。
・6ヶ月から2歳までの赤ちゃんには、虫に刺される危険性が高い時に限り、ディート含有量10%以下の物を、一日一回だけ使用することが認められています。使用する場合は、控えめに用い、顔や手には使用しないこと。長期の使用は避けること。
・2−12歳の子供の場合は、ディート含有量が10%以下の物を用いること。一日3回以上は使用しないこと。長期の使用は避けること。 
日本の虫除けには、ディート含有量の記載がないものもあります。蚊が多い場所に行くときは、なるべく長袖、長ズボンをはかせ、虫除け薬の使用は控えめにした方がよさそうですね。

 天然成分の虫除けなら安心?
ディートの危険性を誇張して、天然の物は安心と宣伝している商品もよく見かけます。主として、シトロネラ、ユーカリ油、レモンバーム、ラベンダーなどの精油が入っているようです。しかし、ディートに比べると作用は弱く、作用の持続時間も短いようです。しかも、安全性に関して、あまり調べられていませんので、注意してくださいね。


とびひのお薬
(2005年8月)

毎日暑いですねぇ。皆さん、お元気ですか? オマリーは、夏が大好き。お祭りに花火・・・子供と一緒に楽しめるイベントがたくさんありますね。さて、今月は夏に多い「とびひ」のお話を取り上げました。

とびひとは
 とびひ(伝染性膿か疹)は、虫刺され痕・湿疹・あせもなどを掻きむしったところに、黄色ブドウ球菌などの細菌が感染し、大小さまざまな水ぶくれや黄色いかさぶたができたものです。黄色ブドウ球菌は、鼻の穴などに住み着いているので、鼻をいじる癖のある子供では、鼻の穴の周りからはじまることもありますし、その手で虫刺され痕を掻くと感染します。
 水ぶくれは、そのうちペロッと皮膚がむけ痛々しい限りです。かゆいので、また掻きむしって、その手で他のところを触るとうつります。放っておくと、火事のようにあっと言う間に「飛び火」し、全身に広がります。とびひかな?と思ったら早めに皮膚科か小児科を受診してくださいね。

処方されるお薬
 細菌が原因の皮膚病ですので、抗生物質入りの軟膏が処方されます。ひどい場合は、抗生物質の飲み薬を処方されることもあります。たいてい1週間位で治りますが、抗生物質が効きにくいMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に感染した場合などは長引きます。
 かゆみ止めや湿疹用のお薬(ステロイド軟膏)は、とびひを悪化させることもあるので、一緒に使用したい場合は医師に相談しましょう。また、
完治しないうちにお薬を止めてしまうと、再発することがありますよ。

耐性菌が増えています
 処方されたお薬を3-4日使ってみて、治ってきたなという感じがない時は、耐性菌など、もらったお薬が効かない細菌に感染している可能性が高いです。お薬が残っていても、再度受診して、お薬を変えてもらった方がよいでしょう。
耐性菌ができないように、普段から、不必要な抗生物質を用いないようにしたいですね。

保育所や幼稚園はお休み
 お友達にうつるので、登所・登園が禁止されている所が多いようです。兄弟にもうつさないように、患部が乾燥するまでは、一緒にお風呂やプールに入るのは避け、タオルも別々に。

市販のお薬で予防しましょう 
 虫刺され痕がじくじくしてきたら、早めに市販の化膿止めの軟膏(サルファ剤や抗生物質入りの物:ホモナール軟膏・ドルマイシン軟膏・テラマイシン軟膏など)を塗り、バンソコウで覆って、掻かないようにしましょう。でも、黄色く膿を持ったり水ぶくれが広がってきたら、文字どおりとびひしないうちに、早めに受診されることをお薦めします。


赤ちゃんへのお薬の飲ませ方
(2005年9月)

1-3歳くらいの赤ちゃんは、薬を飲むのを嫌がることが多く、苦労しますよね。うちの子供が赤ちゃんの頃はよく中耳炎になり、薬を飲ませる機会が多くて、結構大変でした。でも、お薬の飲ませ方にも、ちょっとしたコツがありますよ。

粉薬やドライシロップ(甘い顆粒状のお薬)の飲ませ方
0歳児の場合は、少量のお水で溶き、短いスポイドで口に流し込みます。口をあけないときは、頬と歯ぐきの間に入れてもOK。スポイドの替わりに哺乳瓶の口を使う方法もありますよ。離乳食でスプーンになれてきた赤ちゃんには、少量のお水で溶き、スプーンで与えます。量が多いときは、少量のお水で練るようにし、頬の内側になすりつけます。2歳を過ぎれば、上を向いて口を大きく開けさせ、大人のように粉薬をそのまま口に入れて飲ませることもできます。お薬の後は、好きな飲み物を飲ませてあげてね。

お薬に何かを混ぜる時の注意点
 薬によっては、柑橘系ジュース・乳酸飲料・スポーツドリンクなどで溶かすと、かえって苦味を増す事があります。また、ミルクやおかゆ、ご飯に混ぜるのはやめましょう。主食まで嫌いになると大変ですからね。チョコレートシロップやアイスクリームなどはOKです。でも、0歳児に蜂蜜を与えてはいけません。
長時間置くと、効きめが悪くなるものがあるので、飲ませる直前に混ぜてくださいね。
シロップの飲ませ方
容器の底の方にお薬が沈んでいることがあるので、泡立てないようにビンを回すようにして軽く振ります。一回分だけ小さな容器に取り分け、粉薬の時と同じように、スポイドやスプーンで飲ませます。コップで飲める子供には、小さなカップで。製氷皿に小分けして冷凍して与えるのも喜びますよ。咳止めなど飲みやすいシロップは、子供が喜んで何度もほしがりますが、必ず用法・用量を守ってくださいね。

お薬の形は変えられます(剤型変更)
粉薬が苦手な赤ちゃん、シロップが嫌いな赤ちゃんと、好みはいろいろです。粉薬をシロップに、あるいはその逆と変更が可能なこともありますから、医師・薬剤師に相談してください。うちの子の保育所では、シロップは一回分に小分けにして預けなければいけないので、面倒なので、粉薬にしてもらっています。

ほめて、なだめて・・・
お薬そのものよりも,無理やり押さえつけられて飲まされることが嫌な場合もあるようです。赤ちゃんでも、親の言うことは意外とよく理解しているものです。「早く良くなって、お外に遊びに行こうね」とか「このお薬を飲むと楽になるよ」など、病気を治すためには、その薬を飲む必要があることをやさしく言って聞かせると、案外すんなり飲んでくれることもありますよ。


総合感冒薬はおすすめできません
(2005年10月)

急に涼しくなってきましたね。さっそく、うちの子はゴホゴホと風邪ぎみです。赤ちゃんや子供の病気の中で一番多いのは、ごく普通の風邪です。その約95%はインフルエンザと同様にウイルスによるものですが、インフルエンザとはウイルスが異なるので、根本的に治療する薬はありません。でも、かぜ薬がたくさん市販されていますよね。かぜ薬とはいったい何なのでしょう。

 かぜの症状
身体の中にウイルスが侵入してくると、身体はいろいろな方法でウイルスと戦おうとします。のどや鼻の粘膜のところにいるウイルスを攻撃しようと、細胞が集まってきて種々の物質を出したり、咳や鼻水でウイルスを追い出そうとします。それから、ウイルスは熱に弱いですから、体温を高めたりします。ですから、この戦う力を最大限に発揮できるよう、かぜには安静と栄養補給が一番の治療です。

 総合感冒薬(かぜ薬)とは
総合感冒薬には、熱さまし・咳止め・鼻用の3種類の主成分が入っています。つまり、発熱・咳・鼻水・鼻づまりなどに対する対症療法のためのお薬であり、ウイルスに対する効き目はありません。また、抗生物質も細菌にのみ有効で、通常、風邪には効きません。

 総合感冒薬は飲ませないで
 総合感冒薬は、身体が一生懸命ウイルスと戦っているのを抑えてしまいます。一次的に症状がよくなることがあっても、根本的な治療にはならないので、おすすめできません。その上、発熱・咳・鼻水・鼻づまり、一番辛いと感じる症状はその時々により異なりますから、総合感冒薬を用いると、不要な薬まで飲んでしまうことになります。例えば、熱も無いのに総合感冒薬を飲ませると、極めて稀ですが、体温が35℃以下に下がってしまい、低体温ショックになることがあります。 

 苦しい症状だけ、お薬で抑えましょう
咳が苦しくて眠れないような時には、体力が落ちてウイルスと戦う力が弱まってしまうので、小児用咳止めだけ飲ませてあげましょう。熱が高くて寝苦しそうだったら、小児用解熱薬を1回だけ与えて様子を見ましょう。ただし、解熱薬は副作用の怖い薬ですので、安易に使わないようにしましょう。
鼻が苦しくて眠れないようなら、小児用鼻炎薬(抗ヒスタミン薬)を。ただし、鼻汁がドロリとして黄緑色になってくると、細菌にも感染している可能性があります。小さな子供は上手に鼻をかめない上、鼻と中耳の距離が短いため、鼻に感染した細菌が中耳炎を起こすことがよくあります。こうなると、抗生物質の出番です。耳鼻科の医師にも診てもらうと安心ですね。


「インフルエンザの予防接種」は必要?
(2005年11月)

朝晩はすっかり冷え込むようになってきました。でも、うちの子は鼻をすすり
ながらも、まだTシャツ1枚で走り回っています。さて、そろそろインフルエンザや風邪のシーズンですね。予防には、うがいと手洗いが一番です。インフルエンザには予防接種もありますが、インフルエンザ予防接種をわが子に受けさせるべきかどうかは、悩むところですよね。今回は、インフルエンザ予防接種のメリット・デメリットをまとめてみました。

インフルエンザ予防接種は安全か
9月に厚生労働省より出された「医薬品・医療機器等安全性情報」によると、昨年度のインフルエンザ予防接種に関して全国の医療機関などから報告された副作用は、発熱22件、ショック様症状17件、肝機能障害等12件、むくみ11件、ぜんそくなどの呼吸器症状11件、注射部位の腫れ10件など、計113人(予防接種との因果関係が不明なものも含む)でした。また、予防接種後に4人が死亡しましたが、60−70歳代の心筋梗塞などで、予防接種によるものである可能性は低いと報告されています。昨年度のワクチン出荷量の約1600万本(成人で3200万人分)から計算すると、副作用は20万人に1人。他の予防接種と比べて特に多いわけではなく、そう心配することもなさそうです。

インフルエンザ予防接種で、本当にインフルエンザを予防できるのか
ワクチンは、その冬に流行するウイルスの型を予測して作りますが、実際に流行したウイルスの型と異なると、予防接種はあまり効きません。昨冬はインフルエンザが大流行しましたが、日本臨床内科医会の調査によると、昨冬の有効率は27%でした。これは、接種を受けた人の発症率4.8%と受けなかった人の発症率6.6%から計算したもの。予想が当たった年では、有効率は70%前後になります。

インフルエンザと風邪の予防には、「水うがい」がおすすめ
予防接種によりインフルエンザによる死亡が減ったという意見がある一方で、インフルエンザ脳炎のほとんどは不適切な解熱薬を飲んだためであり、基礎疾患のない子供は、まずインフルエンザとの戦いに負けることはないと考える人もいます。我が家では子供が2才の時から毎年、家族全員でインフルエンザ予防接種をしてきましたが、今年からやめようと思っています。といっても、予防対策は必要ですよね。
興味深い研究結果がありましたので、ご紹介します。京都大の川村孝先生のグループの研究によると、水でうがいすると風邪にかかるのを4割近く抑える効果がある。ここまでは予想通りの結果ですよね。でも、なんとヨード液のうがい薬には、予防効果は確認できなかったとのこと。うがい薬をわざわざ使わなくても、水うがいで十分なのですね。風邪にかかる確率が低いだけでなく、かかってものどの症状が軽かったそうですから、皆さんも、ぜひ「水うがい」を習慣にしてみては?


おなかの風邪に効く薬は?
(2005年12月)

赤ちゃんや子供が、突然吐いたり下痢をしたり・・・。いざ、お薬を飲ませなくては、と思いますよね。でも赤ちゃんや幼児の場合、そのほとんどは感染性胃腸炎、いわゆる「おなかの風邪」です。うちの子の通う保育所でも、そろそろ流行ってきています。ウイルスに抗生物質は効きませんし、防御反応である吐き気や下痢をお薬で無理やり止めてしまうと、かえって病気を長引かせてしまいますよ。上手にケアしてあげましょう。

感染性胃腸炎とは
子供の胃腸炎のほとんどはウイルスによるものです。多くの場合、突然の嘔吐からはじまり、下痢・激しい腹痛・発熱・食欲減退などが現れます。30〜40%には、せきや鼻水などの風邪らしい症状も伴います。毎年11月から3月にかけての寒い季節に流行し、ノロウイルスは10月から1月に、ロタウイルスは1月から3月に多いようです。ノロウイルスは昨シーズン、広島の老人ホームで7人も死亡し、一挙に有名になりましたね。
でも、特に身体の弱っている人を除けば、それほど恐ろしい病気ではありません。嘔吐は3日くらいで、下痢は1週間くらいで自然に治ります。でも、ぐったりしている、尿が極端に少ない、泣き止まないなどの場合は、早めに受診しましょう。オムツの赤ちゃんなら、便をオムツごと持参してみてもらうと診断がつきやすくなりますよ。ただ、母乳栄養の赤ちゃんは、よく下痢のような便をしますが、ヨーグルトのようなにおいの黄色のドロドロ便は健康便ですから、ご心配なく。

感染性胃腸炎のお薬
身体は、吐いたり下痢したりすることによりウイルスを排出し、身を守ろうとしています。したがって、原則的には吐き気や下痢を薬で抑えることはしません。重症で脱水症になりそうな場合に限り、ナウゼリン坐薬などの吐き気止めやロペカルド小児用ドライシロップなどの下痢止めが処方されることもあります。でも、症状が軽くなったらお薬は中止してください。これらのお薬は副作用の心配もあり、医師の指導の下に慎重に使うお薬ですから、次回の嘔吐や下痢の時に、余ったお薬を安易に使わないで下さいね。また、便の細菌検査などで細菌性の下痢と診断された場合は、抗生物質が処方されます。

感染性胃腸炎のケアのしかた
嘔吐が続くと急速に脱水症が進むことがあるので、何よりも水分補給が大切です。吐いて10分ほどたったら、大さじ1〜2杯くらいの水分を与えてみます。あとは様子を見ながら、15分おきくらいに与えます。でも、本人がどうしても飲みたがらない時は、無理しなくても大丈夫。1時間くらいたって落ち着いてきたら、徐々に一度に与える量を増やし、間隔を空けていきましょう。嘔吐により電解質が失われるので、水や麦茶だけで水分を補うと、低ナトリウム血症によるけいれんなどが起こりやすくなります。電解質を含むジュースなどがいいですよ。また、大人にも感染することがあるので、手洗いを心がけましょう。気をつけているオマリーでさえ、毎回、子供から移ってしまいます、トホホ。



こどもにサプリメント?!
(2006年1月)

お正月はいかがでしたか? うちの子は、食べる事が大好きなので、クリスマス以降のご馳走続きで、ますますコロコロに。現在、肥満度30%。そろそろ気をつけなくては「小児成人病」への道、一直線ですね。一方で、食が細くて、栄養は大丈夫かしら、標準より身体が小さいワ、と心配しておられるお母さんもたくさんいらっしゃるかと思います。最近は、子供用の栄養ドリンクやサプリメントも売られていますが・・・。

子供用と大人用の違い
子供用の栄養ドリンクやサプリメントが、けっこう売れているそうです。子供用栄養ドリンクと大人用との違いは、アルコールとカフェインを除いて、味付けを子供向きにしてあること。子供用サプリメントは、ラムネやグミ風に作ってあったり、動物などのかわいい形で、まるでお菓子のようです。子供が見たら、ほしがりますよね。

習慣にはしないように
大人の間では栄養ドリンクやサプリメントが大流行ですから、わが子が少食だったり偏食があったりすると、子供にも栄養ドリンクやサプリメントを与えて栄養を補給してあげようとする気持ちも、わからなくはありません。でも、幼児期は、正しい食生活の習慣をつけるとっても大事な時期です。栄養ドリンクやサプリメントを与えたからもう大丈夫だろうと、正しい食習慣を身につけさせる努力を怠っては、大変なことになります。サプリメントに頼りすぎ、習慣的に与えるのは絶対にやめましょう。

でも、まあ、そんなに目くじらを立てなくても・・・・
サプリメントを用いると、食事から栄養を吸収する能力が低下してしまうと考えている方もいらっしゃるようですが、はっきりとした学問的根拠はないと思います。習慣にさえしなければ、たまに、ジュースやお菓子の代わりにサプリメントを与えるくらいは平気です。鉄分やビタミンなどを強化したお菓子なども、食事の代わり与えるのでなければOKでしょう。うちのおばあちゃんは、サプリメント好きで、うちの子にも自分用のビタミンCをあげて喜んでいます。ラムネ風で甘すっぱいので子供も大好きで、近頃は、おばあちゃんの家に行くと、しまってある場所をちゃんと覚えていて、おねだりします。たまに与えるくらいは、毒にはなりません。まっ、気軽にいきましょう!

 



タミフルは夢の薬か?!(2006年2月)

インフルエンザの流行がピークを迎えました。皆さんのお子様は大丈夫ですか?うちの子は、先日急に38度を越える熱が出て、ついにインフルエンザかと思いましたが、どうやら、普通の風邪だったようです。最近は、インフルエンザの治療薬、タミフルが話題になっていますが・・・。

● インフルエンザと風邪の違い
インフルエンザは、通常、頭痛・全身の倦怠感・筋関節痛などが突然現われ、39度以上の熱が出て、続いて咳・鼻水・鼻づまりなど通常の風邪症状が現れ、約1週間で軽快します。症状からでは普通の風邪との区別がつかないこともありますが、病院へ行けば、簡単な検査で診断できます。検査は綿棒で喉の奥や鼻の粘液を採取して調べるもので、痛くはありません。

● インフルエンザのお薬
インフルエンザの原因はウイルスですので、抗ウイルス薬のタミフルが効きます。タミフルは、インフルエンザウイルスの増殖を抑え、発熱期間をおよそ1日短縮します。ただし、発症後48時間以内に飲み始めないと効果がありません。
インフルエンザ脳症の恐ろしさが報道されて、タミフルの使用量が急増したのに加えて、今シーズンは新型インフルエンザの出現が懸念されてタミフルの備蓄もはじまり、品薄と報道されています。でも、タミフルは現在のインフルエンザの治療に絶対必要というわけではありません。インフルエンザは、ほとんどの場合は、3日〜1週間安静にさせ、水分をしっかり補給してケアしてあげれば自然に治る病気です。インフルエンザ脳症がタミフルにより抑えられるかどうかも、まだわかっていません。

● タミフルの副作用
タミフルの主な副作用は、腹痛、下痢、嘔吐ですが、ごくまれに重大な副作用(意識障害、異常行動、幻覚等)が報告され、問題になっています。自殺者も出たことからマスコミに大きく取り上げられ、ご存知の方も多いと思います。しかし、タミフルを飲んでいなくても、インフルエンザの高熱でこのような精神症状が出現することもあるため、厚生労働省が調査に乗り出したようです。歴史のあるアスピリンでさえ長年の使用経験を経て、最近になってやっと子供への使用の危険性がわかったくらいですから、2002年に発売が開始されたばかりの新薬には未知な部分がたくさんあります。また、タミフルではありませんが、他の抗ウイルス薬に耐性のウイルスが見つかり、抗ウイルス薬においても抗生物質のようなイタチゴッコになるのではと懸念されています。1日でも早く治してあげたいという親心もわかりますが、副作用や耐性のことも考えると、安易に使いたくないなと思います。

● 乳児へのタミフルの使用は慎重に
1才未満の赤ちゃんへのタミフルの安全性はまだ良くわかっていませんが、禁止はされておらず、医師の判断で投与することは可能です。これまでに1才未満の赤ちゃんに投与して重大な副作用が出たという報告はないようですが、生後7日目の赤ちゃんラットを用いた実験結果から危険性が指摘されています。ですから、わが子が赤ちゃんなら、ちょっと飲ませたくない気がしますが…。



お薬かぞえ歌(2006年3月)
赤ちゃんや子供をお薬漬けにさせたくない!と、ぴっかりさんのメルマガにお薬のお話を書かせていただいて、あっという間に1年間がたちました。知識と現実のギャップに悩みながらも、わが子はすくすく育ち、4月から1年生です。私も転職して忙しくなり、このコーナーは残念ながら、しばらくお休みさせていただきます。最終回は、「お薬注意報」をかぞえ歌にしてみました。

〈1〉ひとつ、ヒトには、もともと病気を治す力あり。
 熱も下痢も、身体が、侵入してきたウイルスや細菌など「外敵」と戦っている証拠です。

〈2〉ふたつ、ふたりめ妊娠中? お薬は飲まぬが無難。
 診察の際は、医師に妊娠中と伝えましょう。市販薬は、まず大丈夫ですが、薬剤師に相談して。

〈3〉みっつ、水薬は、よくかき混ぜて。

〈4〉よっつ、予防接種は忘れずに。
 この4月より予防接種法が改正され、麻疹ワクチンと風疹ワクチンは混合して(MRワクチン)、二回接種になります。期間も限定されているため、どちらか一方しか接種していない子供や、2歳をすぎても接種していない子供などは注意が必要です。自治体や小児科でよく確認しましょう。また、今回MRワクチンは安全といわれていますが、実績のないワクチンですので、気になる方には、3月中の接種をおすすめします。義務ではありませんが、この二つの病気はまだ流行があり、特に受けさせたい予防接種です。

〈5〉いつつ、いつでもなんでも抗生物質が効くわきゃない。
 風邪は、ウイルスが主な原因ですので、抗生物質は効きません。耐性菌などの問題もあるので、不必要な使用は避けましょう。

〈6〉むっつ、虫除けスプレーは控えめに。
 6ヶ月以下の赤ちゃんに対するディート入り虫除けスプレーの使用が禁止されている国もあります。

〈7〉ななつ、軟膏はきれいな手で、決められた量を。
 ステロイド軟膏は、副作用を恐れて少なめに塗ると、薬が効かずにかえって長引くことも。指示された量・回数を守って使用しましょう。

〈8〉はち、発熱もあわてず、熱さましの使用は慎重に。
 高熱があっても、そんなに苦しそうでなければ、解熱薬を飲ませる必要はありません。

〈9〉きゅう、吸入剤は枕元へ。
 喘息発作用の吸入剤は、夜中の発作に備えて、寝るときは枕元に用意してお
 きましょう。

〈10〉テン、点鼻薬は使いすぎないで。
 市販の血管収縮薬入り点鼻薬は、子供には副作用が出やすく、また、長期に使用するとかえって鼻詰まりがひどくなります。



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