Dr.オマリーの子供お薬注意報

予防接種

 

予防接種は何のため?
予防接種は義務ではありません
予防接種を受けなかったらどうなるの?
予防接種の副作用
副作用を避けるために
予防接種に関するおすすめ本

 予防接種って、結構大変ですよね。いろいろな種類があって、ついうっかり忘れてしまいます。実は、オマリーも日本脳炎の予防接種を忘れていて、予定よりも10ヶ月も遅れてしまいました。日本脳炎は、3歳くらいで2回接種し、その1年後と9歳と14歳で1回ずつ接種と、結構複雑なんですよね。

 そんな調子ですから、私は、忘れずに受けさせることばかりに気をとられて、予防接種の副作用などについて、あまり考えてきませんでした。幸いうちの子は、注射部位が腫れる程度で、発熱や重篤な副作用は経験したことはありませんが、調べてみると、予防接種の副作用って結構あるようなのです。副作用については、市などから渡される予防接種の手引書にも、あまり触れられていませんので、このHPでは、副作用を中心にまとめました。

注意:日本脳炎の予防接種で重い副作用が出たため、厚生労働省は、公費負担での予防接種を中止するように緊急勧告を出しました(詳細はこちらから)。自費でこの予防接種を受けることは可能です。しかし、最近の日本脳炎の患者数が年間数人に過ぎないことを考えると、予防接種はデメリットの方が大きいので、お勧めできません。

 予防接種は何のため?

 予防接種は、その病気の原因となるウイルスや細菌の毒性を弱めたもの(生ワクチン)や、その成分の一部(不活性化ワクチン)を体内に入れることにより、その病気に対する抵抗力(免疫)をつけるものです。

 生ワクチンでは、接種後ウイルスや細菌が体内で増殖します。身体は一ヶ月くらいもかけて、外敵と戦って、免疫を獲得します。そのため、発熱や発疹の症状が出ることがありますが、毒性が弱めてありますから、本当に感染して発症した時に比べると、ずっと軽い症状です。副作用が出ないか、一ヶ月くらいは健康状態に注意しましょう。また、次の予防接種は一ヶ月以上たって行います。生ワクチンには、ポリオ、麻しん(はしか)、、風しん、BCGがあります。

 一方、不活化ワクチンでは、体内で細菌やウイルスは増殖しません。一週間くらいで、身体はこの外敵に抵抗する術を身に着けますが、それだけでは不十分なので、間隔をあけて何回か繰り返す必要があります。不活化ワクチンには、三種混合DPT(ジフテリア・百日せき・破傷風),日本脳炎があります。

 予防接種については、母子手帳と一緒に配布される冊子に詳しく書いててあります。冊子をなくされた方は、厚生労働省のHPにも同じ文が掲載されています。2005年に改編されていますから、お持ちの方もHPの方が情報が新しいかもしれません。
2005年4月の主な改定は、ツベルクリン反応がなくなり、BCG接種を受ける時期が早まり、生後6月に達するまでとなったことです。

予防接種は義務ではありません

 無料でできる赤ちゃんや子供の予防接種(定期予防接種)は、法律で義務付けられているものだと私は思い込んでいたのですが、何年か前に法律が改定され、「努力義務」となり、保護者が受けさせるかどうかを決められるようになりました。その割には、判断材料となる情報が少なすぎるように思います。

 予防接種の実施率は、厚生労働省の発表によると、ジフテリアの2期が70%前後、破傷風の2期が70%前後、日本脳炎の1期追加と2期が70%前後、3期は50%。低めの数値が並んでいますが、その他の定期予防接種は、ほぼ100%近い値ですから、副作用や危惧して意識的に接種しなかったというよりは、大きくなってから受ける予防接種を忘れてしまったように思われますね。

予防接種を受けなかったらどうなるの?

 国立感染研究所の感染症情報センターのHPの中に、定期予防接種の対象となっている病気の最近の発生状況や、予防接種の効果がまとめられています。例えば・・・

 ジフテリア−1992年秋田県において県内では6年ぶりに患者が発生し、菌が分離された5名(施設の園児)中2名は不完全なワクチン接種歴があり、弱い発熱が観察された。→この記載から、予防接種をしていても感染は100%抑えられるわけではないことがわかります。でもこの続き−また、1993年に大分県内で2名の発生があり、いずれもワクチン未接種、うち1名が死亡した。→この記載を読むと、やっぱり予防接種を受けさせなくてはと思います。

 しかし、定期予防接種に指定されている病気は、過去に流行した為に予防接種が義務付けられ、それが効を奏して、現在はあまり流行しなくなった病気です。ですから、予防接種を受けなくても、原因となる細菌やウイルスはかつて程には存在せず、病気に罹る確率は極めて小さいものです。また、例え病気に感染しても、現在は栄養状態や衛生環境もいいので、病気と闘える体力があります。昔に比べると重篤になる子供は少ないはずです。


 ポリオ−我が国では1981年以降野生株によるポリオの発生はない。2000年8月にWHOに対して我が国のポリオが根絶されたことを正式に提示した。地球上からの根絶が確実となるまでは、我が国を含めて各国でワクチン接種による免疫維持の努力は当分続けていかなければならない。→予防接種の第一の目的は、病気にかからないためです。しかしこのように、世界からその病気を撲滅しようという目的で、病気が発生しなくなった後も続けている予防接種もあります。日本脳炎も、1999〜2002年の4年間で患者数は25例と、極めて稀な病気になりました。

 そのような予防接種は、将来、流行地へ行くことになったら、事前に予防接種を受けることでも対処可能です。

 一方、風疹の予防接種は、子供がかかるのを防ぐというよりも、風疹の流行を抑えて、妊婦への感染を防ごうという意味合いの強いものです。妊娠中の女性が風疹にかかりると、おなかの赤ちゃんが難聴や白内障、心臓病などになる確率が高いのです(先天性風疹症候群:妊娠1カ月-50%以上、2カ月-35%、3カ月-18%発症)。2004年では10例が報告されています。

 先天性風疹症候群
になった赤ちゃんの母親10人中3人は過去に予防接種を受けていたことから、国立感染研究所では、予防接種をしても十分な免疫がない可能性もあり、妊娠前に免疫の検査が必要だとしています。妊婦の夫など家族の予防接種も重要だとも言っています。ですから、次のお子さんを計画している家庭では、風疹の予防接種は早めに受けさせておきたいですね。

予防接種の副作用

 厚生労働省のHP中に予防接種の副作用数が公表されています。これは公式に認定された数字なので、実際にはもっと多いのかもしれませんが、それにしても、この表は何年間のデーターなのか不明です。予防接種情報センター(藤井さん)が厚生労働省のデーターを基にまとめられた表を参考にすると、多分昭和50年以降の累計と推測されます。

 平成14年4月から一年間の副作用報告を臨床症状ごとにまとめたものも公開されています。ここには症例が記載してありますので、どんな副作用が報告されているのか、もう少し詳しく分かります。DPT/DTワクチンで後遺症の残る副作用が6例、麻しんでは1例死亡(ただし、基礎疾患のある赤ちゃん)、日本脳炎では脳炎・脳症・神経障害が12例極まれだとはいえ、死に至るケースや、障害が残ってしまうような重篤な副作用が出ることもあることがわかります。

 副作用の発生率は、いずれも低いものです。しかし、確率はお役所の理論です。極まれだとはいえ、死に至るケースや、障害が残ってしまうような重篤な副作用が出ることもあります。たとえ一人でも、それが我が子となれば違います。

 
ましてや、ポリオなど日本で撲滅されたはず病気の予防接種で病気になっては、親として、とても納得のいくものではないでしょう。日本脳炎では、最近の患者数は年間10人にも満たないのに、副作用で脳炎を起こすことが、同じくらいあるのですね。


● 
極めて稀ですが、ポリオワクチン接種をうけた自分の子供から、弱毒化されているはずのポリオウイルスに感染し、足が麻痺してしまった例もあります。

副作用を避けるために

 厚生労働省から配布される冊子には、長期計画を建て、と計画表まで記入するようになっています。しかし、赤ちゃんは熱を出したり、発疹が出たりと、たびたび体調を崩します。計画を立てても、なかなかそのとおりには行かないものです。

 予防接種がいっぱいあって、スケジュールが詰まっていますから、赤ちゃんの体調が優れず、パスしてしまうと、冊子に書いてある期間よりも遅れがちになってしまいますよねでも計画通りにと焦るのは禁物です。予防接種では、赤ちゃんの身体が感染症を疑似体験して抵抗力を勝ち取っていくのですから、赤ちゃんの体力が落ちている時に受けさせると、副作用の危険性が高まります。冊子に記載された期間よりも遅れてもかまいませんから、赤ちゃんの体調がよい時に、予防接種しましょう。

 また、まわりのお友達や幼稚園・保育所で何か感染症がはやっているときには、すでに感染して潜伏期間の可能性もあります。まわりの情報にも気をつけましょう。

 とにかく、体力のあるときに、予防接種を受ければ、それだけ安全です。予防接種を受けた後も、赤ちゃんの身体は外敵と戦っているのですから、人ごみの中に連れて行ったり、旅行に行ったりして、あまり疲れさせるような事は避けましょう。

 基礎疾患のある赤ちゃんは、主治医とよく相談してください。

赤ちゃんと子供の予防接種に関するおすすめ本

 

予防接種へ行く前に―受ける子どもの側にたって


毛利 子来 ・ 母里 啓子・ ワクチントーク全国「予防接種と子どもの健康」攻略本編集委員会 (編集)
¥1,155 (税込)


乳幼児の定期接種と任意接種(水痘・おたふくかぜ・インフルエンザなど)の副作用が載っています。市からもらう資料には、いいことしか書いていないけれど、こういう情報も知った上で、予防接種を受けさせるかどうか判断したいですね。

 

わかりやすい予防接種

渡辺 博 (著)
1,575 (税込)/診断と治療社

本格派向き

一般向けの本にはない、予防接種の情報が詳細に書かれています。早産児・アレルギー・けいれん既住などの「心配な子ども」の予防接種についても、医師に相談する前に、詳しい情報が得られます。予防接種関連のホームページ一覧も収録。

 


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