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−人と親密なつき合いを体験してみよう・育てよう− WORKSHOP GUIDANCE
●はじめに● 今は、人とのつながりがとても大切にされている時代・・・。 しかし、そんな中で時には私たちも、周りについていけなくなることがあるかもしれません。 たとえば、あなたは「人と親しくしているつもりなのに、なんだか孤独」「周りに合わせられなくて、苦しい」「他者に感情を出せない」「関わるのが怖い」といったような思いがすることがありませんか? そのように思うのは、あなただけではありません。多くの方がそのような思いを抱いています。では、どうしてそうなるのでしょうか?すこし一緒に考えてみましょう。
●見失うホンネと自分● 私たちは、インターネットなどの普及や引っ越しなどから、まったく異なる文化に住んでいる人との出会いもたくさんあります。 地域的に遠いだけでなく、国外の方との出会いさえもあります。 そんな中、私たちは人と出会うときに、少しでも素早く親しくなりたくて、当たり障りのないことを語ることが多くなったり、自分のホンネはココロの中に閉まったままだったりすることも、しばしばです。 そうなると、親しさが表面上のものになってしまいます。 ホンネをココロの中に閉まったままで人との関わりを続けていると、徐々に自分のホンネが解らなくなってきますし、ホンネが解っていても、表現できる相手がいないので孤独を感じてきます。
また、私たちは、みんな、何かの集団に入っています。 集団では、たとえば上司、部下、妻、母、息子、などのように、役割があります。 役割の中で人と接していると、役割から外れた行動をした場合に、はみ出したような感じがしてきます。そうすると、合わせることが当たり前に思えてしまって、役割から外れた行動がとれにくくなります。 そのために、自分が自分自身の主人公であり、独自に主張や感じているものがあるという、本来の自分を見失いやすくなります。
さらに、今の私たちは、家族が少なかったり、生活のリズムもバラバラだったりで、一人になることも多くなります。一人暮らしの方も増加しています。 職場や知人・夫婦といった、他者にホンネを語ろうと思っても、仕事や生活上でのつながりや利害関係が気になって、なかなか何でも語るとまでは行きません。 こうしたホンネと離れた生活を続けていると、孤独感も高くなり、本当の自分自身も表現できず、自分がどう感じているのかも解らなくなってしまいます。
●本当の自分を取り戻す● そんなジレンマを取り除くためには、まず自分がどのようなものか知ることが大変大事になります。 自分は、どのように感じているのか。今ここで、自分に何が起こっているのか。どんなことを信じているのか。どんな言葉が浮かんでくるのか。身体はどうか・・・などなどに、気づくことです。 そして、気づいたことを拒絶しないためにも、また、ほんとうに合ってるかどうかはっきりさせるためにも、表現してみることです。 言葉や身体や表情を使って表現することによって、気づきが深まって、自分がどのようなのかがはっきりしてきます。 そして、気づいたら「そんな自分もいるんだなぁ」「わかったよ」というふうに、自分の中に起きていることを受入れて、自分自身を愛することです。そうすれば、自分への受容が進み、ホンネとともに生きることが出来ます。
●本当の自分とともに人と関る● このように自分自身に直面する勇気がもてれば、自分への尊敬の気持ちも育まれます。愛情も育ちます。 それは、そのまま他者への尊敬の気持ちを育む土壌になります。他者への愛情も育つのです。「自分を知る以上に他者を知ることは出来ない」とか「自分を愛する以上に他者を愛することが出来ない」というのはこのためだろうと思います。 そして、自分自身が他者に理解されて、受入れられる体験をして、同じように、自分も他者を理解して受入れていく。そのような関り方が出来れば、大変深くて親密な人間関係の体験になるでしょう。 また、その親密な体験がどのようなものか、自分の中に何を育むのか、その感じはどのようか、気づいたことを増やしていくことも大切です。 こうした体験で見つけたものを自分の中で育てていくことで、人生もより豊かでイキイキしたものになります。
●いつでもどこでも親密?● さて、深くて親密な人間関係を体験することは大変大切ですが、実際の社会ではいつでもどこでも親密な人間関係というわけにいかないのも事実です。 ときには、ゲーム(社交辞令など)、時間つぶし(雑談など)や儀式(個性のない人並みの言動)をしたほうがいい時もあります。 たとえば、出勤前のご近所の挨拶で「いい天気ですね」と言われたときに「いい天気とはなにごとか!!」と憤まんをぶちまけたりすると、きっとお互いに気まずい思いが残るでしょう。 つまり、日常生活では「親密さ」も時と場所を選ぶ必要があるわけです。 しかし、今の社会では「親密さ」以外の関り方があまりにも多いので、「親密さ」を体験して、自分の中に育み、そして現実社会にも生かしていくことが重要だと思えます。 自分の中に親密さの体験を育むと、日常生活でも今ここで「親密な体験」をするのかどうか、いつでも自由に選べるようになってくるでしょう。
●エンカウンターグループの意図● このエンカウンターグループでは、「(1)自分自身の主人公として、ホンネの自分を取り戻す。(2)他者と旧知の友のようにそのホンネ(自分の中で起こっていること)を語り合い、感情を交流させる、そのような深くて親密な人間関係を作る・体験する」という機会につながります。 また、エンカウンターグループでは「(3)新しい自分を試してみる」という実験も出来ます。 今までの行動パターンに気づき、もっと自己表現的になりたいとか、もっと対人関係の持ち方をうまくなりたいと思ったときに、今までとは違う関わり方を試してみることが出来ます。 したいようにしてみて、そして、自分の行動の仕方が適しているのかどうかを自分で知ることが出来ます。 このような体験を育むと、親密な人間関係がどのようなものか体験的にわかり、人生に自分らしさ・人間らしさを取り戻し、本来の自分とのつながりが増えてくるでしょうし、また、自分とは異なる人々との共存を実感できるので、エンカウンターで経験したことや、気づいたことを生かすと、実社会での人間関係作りが広がったり、今までと違った人間関係作りの力を育てることにもなるでしょう。 そして、そのような経験が増えると、あなたの周りの人々も、あなたに自然に生まれた安定感や率直さなどから、あなたとの関わりやすさを感じ始めるのかもしれません。 また、あなた自身も人との関わりの中で、自分自身についてさまざまな発見をしだすのかもしれません。
●プログラムについて● ここでは非構成的グループになります。小グループ制で、10名前後までのメンバーが集まって集中的に時間を使います。 ファシリテーターとして1〜2名参加することになりますが、ファシリテーターから「特に何かについて話し合う」というテーマの設定は何もありません。集まったメンバーの中で話したいことを出し合っていくというスタイルで、テーマという意味では全くの自由です。 ファシリテーターは、グループの中で、できるだけ自発的に感じたことを話したり、したいということを提案したりというように、基本的にはメンバーと同じ立場で参加します。 セッションが始まると、最初は多分、混とんとした状態で戸惑って、居心地が悪く、試行錯誤をすることでしょうが、徐々にウォーミングアップが進み、話題が出てきて、安全感が増してくることでしょう。 (1Dayワークやシリーズのはじめには、気持ちをほぐすために簡単なウォーミングアップのエクササイズをすることもあります)
●ワンポイント● ●エンカウンターグループとは・・・● エンカウンター(encounter)とは、「(思いがけない、偶然の)出会い」のことです。心理の世界では、出会いやこころとこころのふれあいなどを意味します。 そして、エンカウンターグループとは、小集団でお互いに率直に感情を表明しあって、他者との出会いを体験して、人間的な成長を目指す方法です。 それは、人間が人間らしくなるための、一つのアプローチです。 エンカウンターグループは、大きく分けると構成的グループと非構成的グループに分けることが出来ます。 構成的グループとは、ファシリテーターがリードをして、課題を与えたりエクササイズをさせたりするグループです。 非構成的グループとは、課題も役割もなく、内容も方法もメンバーが決めていくグループです。
●参考・引用文献● 1・野島一彦/著 |