第60回桜花賞

混沌を窮めた今年の桜花賞戦線。3歳女王ヤマカツスズランの
故障・戦線離脱に始まり、浮んでは消える有力馬が数多く、
盛り上がりに欠けるTR戦が続いた。

  そんな中、一際異彩を放ったのがサイコーキララであった。デビューから4戦4勝。
スキのないレース運びで実力差を見せつけ、堂々主役として本番を迎える。
同馬の最大の長所は、抜群のレースセンス。距離、コース、枠順に拘らず、
  スンナリと好位をキープできる。その上、仕掛けられての瞬発力も一級品。
牝馬らしからぬ雄大な馬格を有し、馬込みに怯まず、折り合いにも不安なし。
これといった死角が見当たらず、断然一番人気の指示にも十分応え得る逸材。
果して同馬の独走にストップをかける馬は存在しないのか。
既に手合わせの済んだ組では些か厳しかろう。

しかし、未対決の組の中に唯一頭、サイコーキララの向こうを張る逸材がいる。
  チューリップ賞2着馬・レディミューズである。その前走は、中一週続きのローテ、
初の長距離輸送、初芝、大外枠、不良馬場と、悪条件が見事なまでに揃った。
しかしその全てを克服し、大外から怒涛の追い込みで本番の切符を手にした。
新馬勝ち直後でこの好内容。牝馬離れした精神面の逞しさと、非凡な競争能力の
持ち主である証明だろう。名牝シンコウラブリイの3番仔として、母の良い面を
しっかり受け継いでいる。460〜70キロと馬格に恵まれ、また、物事に動じない
ドッシリとした性格でもあり、先々は母をも凌ぐ可能性すら感じさせる。
  良馬場の速い流れに対応できるか、と懸念する声もあろうが、手先の軽い
フットワークから全く心配なかろう。むしろ切れ味がより生きるのではないか。
岡部騎手の八大競争制覇。藤沢和雄調教師は昨年スティンガーのリベンジ。
関東馬の桜花賞14連敗の阻止。そして何より、母にとっては参戦する事すら
許されなかったクラシックレースの栄冠。数々の期待と重責を背負い、
レディミューズが第60代桜花賞馬の座に就く。

  ◎レディミューズ−○サイコーキララの2頭が実力を発揮できれば、
他馬の食い込む余地はないだろう。ただ、如何せん4歳牝馬のフルゲートの競馬。
紛れを考慮して、数頭の伏兵を挙げておく。

△チアズグレイス。復帰後の4戦は、いずれも余裕残しの仕上げだった。
冬場で絞り切れなかったためだが、それでいてサイコーキララと0.2秒差、
0.1秒差の競馬は価値が高い。前走惨敗は、大飛びのフットワークで道悪が
応えた格好だから度外視。中間一層攻めを強化しており、馬体は引き締まってきた。
未だ気難しさは残るが、良馬場なら2強とも際どい場面は十分。

△シルクプリマドンナ。前走は歯替わりとソエのため、本調子を欠いていた。
  その上初芝でもあったが、軽快な先行力としぶとい勝負根性をアピールした。
  状態面の上積みが見込める今回、前走以上の期待は当然。
他馬の目標となり展開的には厳しいが、どこまで粘れるか。

△スギノトヨヒメ。ソエでアネモネSを回避、順調さを欠いたのは痛い。
抽選待ちの身となるが、スピード能力は超一流で、G1でも引けは取らない。
すんなりハナを切れるようなら、逃げ切りまで警戒したい。パートナーに
河内をキープできたのも強み。関東の秘密兵器敵存在。



◎レディミューズ →6着
○サイコーキララ →4着
△チアズグレイス →1着
△シルクプリマドンナ →3着
△スギノトヨヒメ →除外
        *2着 マヤノメイビー




レース後の一言


これは自信あったんですけどねえ・・・。
レディミューズがあれほどはっきり力負けするとは。
直線入り口で、チアズグレイスとの手応えの差は明白でしたからね。

強いところと手合わせしてこなかった部分はあるにせよ、
ちょっとだらしない内容でした。真に強い馬ならそれでも
通用しているはずだし、さすがにこちらの見込み違いでしたかねえ・・・。

でも本稿にもある通り、シンコウラブリイの仔には頑張って欲しいんですよね。
これまでにもいい仔が出てきていますが、レディミューズは初めてクラシックに
乗ってきたし、その分こちらの入れ込み度合いも半端ではなかったです(笑)

入れ込みついでにいうと、シンコウラブリイの98(現3歳)は素晴らしいデキっすよ!(笑)
ある雑誌で写真を見ただけですが、これまでの仔のなかでも1番なんじゃないかと。
ちなみに父はブライアンズタイムです。藤沢師も、今年の3歳ではクラシックを
狙ってきているようですし、今から楽しみです。まあ、こんな事言ってるうちが
一番楽しいのが、競馬だったりするんですけどね(笑)

一方のサイコ−キララは、これは石山君がまだ若かったということでしょうか。
でも、GTで1番人気の馬に乗って、武豊のようにどっしり構えろというのも酷ですかね。
そういえばこのコラムでは、重要なファクターの筈の石山君について触れてませんよね。
それにはちょっとした訳がありまして。

サイコ−キララという馬を見てきて一番印象深かったのが、
「およそ4歳牝馬離れしたレースセンスを持ってるな」という点でした。
詳しく言うと、まずスタートセンスが抜群。そして、気が付けば苦もなく好位につけている。
恐らく石山君は、桜花賞前までは、ほとんど跨ってるだけでOKだったでしょう。
何せ馬が勝手に走ってくれちゃうんだから(笑)
やる事といえば、直線で鞭を入れるくらい。

で、私としては、桜花賞でも馬の方である程度レースをしてしまうんじゃないかな?
と考えていたわけで。でもそう甘いレースじゃなかったですな、GTは。
外目の枠を引いた時点でチラッといやな予感はしてましたが、
案の定石山君に負担のかかる展開になりましたね。

ともあれ、秋には桜花賞上位組全馬に、無事に顔を揃えて欲しいものです。
レベルの高いレースほど予想のし甲斐も、原稿の書き甲斐もありますから。

何より馬券的にも楽しみが増えるし(←これが一番?、^^;)



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