第46回有馬記念

外国産馬へのクラシック開放、ドバイ・香港における日本調教馬の大活躍、
JCウィークでの招待馬一蹴・・・。新世紀の幕開けを合図に国際化の流れは
俄然加速度を増し、競馬社会の世界的なパワーバランスに一石を投じる
パフォーマンスが相次いだ。恐らくこの“2001年”は、後々まで
「日本競馬の大転換期」として語り継がれていく事だろう。
ならば総決算のグランプリにも重厚感溢れる熱戦が望まれるところ。
そしてその主役には、丸2年間に渡って長期政権を維持してきた
孤高の王者が相応しい。

◎テイエムオペラオー。
「年間無敗」を有言実行した昨シーズンとは一転、今季は1着入線が
僅かに一度きり。大一番で連を外さぬ安定感は健在でも、
心身の酷使と希薄なモチベーションが影響してか、全盛期の威圧感は
めっきり影を潜めつつある。とりわけ上半期の競走内容には
“落日間近”を思わせたが、引き際を目前にした前2走で再び
驚異的な底力を見せ付けた。最大の弱点だった勝負処のズブさを
微塵も見せず、4角持ったままの手応えで早め先頭に踊り出る横綱相撲を敢行。
「稀代のマーク屋」が自ら目標となる形で連敗とは何とも皮肉だが、
強気の競馬で後続を突き放しに掛かる彼が身に纏っていたオーラには、
些かの衰えも感じられなかった。直線短い中山への舞台代わりは
“新生”オペラオーに何よりの好材料。また、今年に入って先着を許した7頭中、
再度相見えるのは1頭のみと相手関係も断然優位。再三揶揄されてきた
「国内専念」の姿勢が引退レースで追い風に転換する辺り、
持ち前の強運もここに極まれりといった印象。天性の頑健さと
類い稀な闘争心で数々の記録を打ち立て、殿堂入りもほぼ確実な
名馬にとっては、人々の記憶に残る「名勝負」の創造こそが
最後の大仕事。見事成し遂げ有終の美を飾って欲しい。

その偉業達成に最大の難関となるのは宿敵○メイショウドトウの
存在を措いて他に無い。元より力量肉迫の両馬も、
実際の対戦成績は1対7とライバルに大きく水をあけられた状態。
外連味無い立ち回りで悲願成就を果たした宝塚記念に
大勢逆転の気運も垣間見えたが、今秋2戦で明暗はクッキリ分かれた。
押し出される形の逃げで不完全燃焼に終わった天皇賞、後手に回って
度重なる不利を被ったジャパンC。勿論何れも力負けでは有り得ぬが、
一度狂った歯車を噛み合せるには莫大な労力を要するもの。それだけの余力が
キャリア最終戦に残っているか否かが問題だが、本追い切りの溌剌とした
身のこなしを見る限りは心配無用。願ってもない大外枠を引き当て、
完全に対等な条件下で迎える通算9度目の直接対決。かつての“偶然”を
“必然”に昇華させるべく、第2の馬生をより良く戦うべく、是が非でも譲れない一戦。

一年半に渡って繰り広げられた「2強体制」の最終決戦に付け入る隙は
殆ど見られぬが、割って入るとすれば次代を担う3歳勢2頭が最有力。

△シンコウカリド。
ひと夏越して課題の気性面に著しい進境を見せ、3分3厘の反応にも
鋭さを増したセントライト記念は完勝の内容。その後爪の不安を発症して
今回が3ヶ月ぶりの実戦、おまけに初の古馬相手では如何にも分が悪いが、
馬群を切り裂く末脚の破壊力は強豪相手にも通用して然るべきインパクト十分。
悍性がキツく仕上がり早の体質で、鉄砲実績も3戦3勝と抜群。
また、レース間隔が開いた際には常にひと皮向けた走りを見せてきた好素材。
中山2500mに良績集中のシルヴァーホーク産駒、前を捉えに掛かる時の
ストライドは迫力満点で、その猛々しさは全盛期のグラスワンダーをも
彷彿させるほど。実績不足は承知の上で新鮮味を買いたい。

△マンハッタンカフェ。
菊花賞制覇は有力処の凡走につられてフロック視されがちだが、
超スローの流れにもピタリと折り合い、上がり34.0秒の切れ味で
キッチリ差し抜けた内容は堂々胸を張れるもの。大飛びで見た目の
スピード感には欠けるものの、終いの爆発力は紛れもない超一級品。
数多の名馬に跨ってきた小島太師をして「これほどの器には
巡り合った事が無い」とまで言わしめた潜在能力は本物。
実の入りが甘い分タフな展開では苦戦を免れまいが、器用さと瞬発力が
要求される当地は持ち味が最大限に生きる条件。内々で我慢の効くタイプに
4番枠も好都合、中団待機策がツボに嵌まれば一発あって不思議無い。



馬名 斤量 騎手 厩舎 前走
  アメリカンボス 57 江田照男 北・田子 ジャパンC10着
  トゥザヴィクトリー 55 武豊 栗・池江 ジャパンC14着
  ホットシ−クレット 57 横山典弘 北・後藤 宝塚記念3着
マンハッタンカフェ 55 蛯名正義 北・小島太 菊花賞1着
    ナリタトップロード 57 渡辺薫彦 栗・沖 ジャパンC3着
  ダイワテキサス 57 柴田善臣 南・増沢 ジャパンC11着
    メイショウオウドウ 57 飯田祐史 栗・飯田明 鳴尾記念1着
  テイエムオーシャン 53 本田優 栗・西浦 エ女王杯5着
  シンコウカリド 55 田中勝春 北・宗像 セントライト1着
  10 トウカイオーザ 57 M.デムーロ 栗・松元省 ア共和国杯1着
    11 イブキガバメント 57 河内洋 栗・橋口 京成杯3着
12 テイエムオペラオー 57 和田竜二 栗・岩元 ジャパンC2着
  13 メイショウドトウ 57 安田康彦 栗・安田伊 ジャパンC5着



◎テイエムオペラオー →5着
○メイショウドトウ →4着
△シンコウカリド →7着
△マンハッタンカフェ →1着
         *2着 アメリカンボス






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