Demolition / Judas Priest (2001.7.14 release)
8 Aug 2001 (Wed) 記

 Rob Halfordに代わり、Tim "Ripper" Owens加入後、4年ぶり2枚目のアルバムである。発売日前日夕刻に購入(久々に気合いを入れて買った、現役バンドの新作だったなぁ)し、一通り聞いた感想は・・・「前作Jagulatorみたいな昨今のヘヴィメタルだなー。それに、長いぞ、ずいぶん・・・(75分くらいあるからね)」正直、大感激にはならず、まあ、Jagulatorよりは多少メロディがわかりやすいかな、という感じだった。とりあえず、覚えるまで聴いてから感想文を書こうかなと思い、MDに落として通勤途中に日々トライ。
 最初はJudas Priestらしくないところばかりが耳について、頭をひねるばかり。5月に出た過去のアルバムのリマスターが曲も音もやっぱしカッコイイとあらためて感激したばかりだったのでよけいにそう思ったのかもしれない。しかし、リフを覚え、サビを覚え、それぞれの曲が別々の曲として聞こえて来るにつれ、はーなるほどね!と、やっと自分の中に定着したようなので、感じたことをつらつらと書き連ねてみることにした。

1.進化し続けるバンド
 Judas Priestは進化し続けてきたバンドである。そのときそのときの新しいこと、時代の音を取り入れないと気が済まないらしい。ゆえに、過去のアルバムは毎回作風が変化してきている。まあよくコレでファンがついて来るものだ、と思うことも度々あったくらいなので、古参ファンほど「またやってくれちゃったのね(^-^;」と、あらためて思っていることだろう。それぞれ自分が好きなJudas Priestの時代が違うので、「やってくれちゃった」ことが良いのか悪いのかは、各人の感じ方によるのだけど。今回のアルバムは、そういう意味では前回のゴリバリ重厚路線を踏襲しつつ、メロディラインは全盛期のエッセンスが戻ってきたかな、という印象を抱いた。さらに、今回はギターだかシンセだかわからないが、不思議な効果音がたくさんちりばめられている。ヒップポップというかラップというかそういうイントロの曲まである。まあホントにいろんなことにチャレンジしてくれるものだ・・・
 彼らのキャリアの中で、転機になったアルバムというのは「Stained Class ('78)」、「British Steel ('80)」、「Screaming for Vengeance ('82)」、「Turbo ('86)」、「Painkiller('90)」、「Jagulator ('97)」あたりか?個人的には80年代の彼らが一番好みだったので、Jagulatorはおっどろいてしまったのだけどね・・・
 それにしても、聖飢魔IIといい、Judas Priestといい、(よい意味で)ファンを裏切り続けるバンドが好きなんだねぇ。私は。

2.曲調の多様性
 このアルバム、ミドルテンポの曲がとても多い。耳が慣れるまでは、重量級のリフが耳に飛び込んできて「曲」として聞けなかったが、アップテンポの曲、アコギで始まるバラード、ラップで始まる曲、と随所にフックになる曲が配置されているので、飽きてしまうことはなかった。このフックになる曲、というのが順にMachine Man、Bloodsuckers、Close To You、Lost and Found、Metal Messiah。Machine Manはシングルカットされた曲で、ライブでは盛り上がりそうなカッコイイ曲。腹の底からサビを歌いたくなってしまう。Bloodsuckersは重量感溢れるリフがずんずん前に進んでいって心地よい。Close to You、Lost and Foundのバラード2曲は、そういえば彼らのアルバムには良いバラードがいつも入っていたね、というのを思い出させてくれた。RobとRipperの声の違いが一番よくわかるのかもしれない。しかし、あんなに明確なアコギの音で始まるバラードは、もしかして初めて・・・?Metal Messiahは、ラップ調のイントロで「???」になるが、サビのメロディやリフなどはこれぞJudas Priest!と手を叩きたくなるような曲。これもライブで聴いてみたい!これ以外の曲は、なんというか、怒りに満ちたミドルテンポで押し迫ってくるような雰囲気に支配されている。Touch Of Evil("Painkiller"収録)の雰囲気(ビデオ含め)だなぁ、という第一印象がまだ抜けきっていない。それでもリフはどれもこれもカッコイイ。さすが。
 (ちなみに。上記のようにいろいろなタイプの曲が収録されているHeavy Metalアルバム、最初に聴いた印象はQueensrycheの"Rage for Order"か"Empire"みたいな雰囲気だなー、であった。その昔Judasのフォロワーといわれたバンドの15年ほど前のアルバムを思い出させてくれるというのはどういうことかな・・・)

3.Ripperの力量
 もうこれは、今更言うこともない。巧い。でまた、バンドも彼の声に合う曲を書いている。BURRN!誌(2001年8月号)の記事によると、彼は長年続いているJudas Priestの曲作りのスタイルを尊重し、今回の曲作りには参加していないとのこと。今後、バンドの一員として、彼自身がが納得できる状態になったら曲作りにも参加していくことになるのだろう。彼のこういった姿勢も、後から大物バンドに参加して、うまくやっていく要因なのかもしれない。Judasの往年の曲を歌っている「Live Meltdown」を聴くと、Robにしか歌えないと思っていた曲をよくぞここまで歌えるvocalを探し当てたな、と関心してしまう。vocalのいいの(バンドに合っている、の意)が見つからなくて、どうもうまくいかなかった某大物バンドなどを考えると、Judas Priestはラッキー(Ripperもラッキー)だと思う。

4.Song writing/Self produce
 今回はGlenn Tiptonプロデュースで、彼一人のクレジットの曲が多い。これにはちょっと驚いてしまった。いや、プロデュースはわかる。Chris Thangaridesにやってもらう予定だったらしいが(それはそれでもの凄く興味深かったけど)、Chrisの個人的な理由でできなくなってしまい、Glenn Tiptonが単独プロデュースする事になった、とBURRN!誌のインタビューでGlennは言っていた。もう、経験豊かなお方なので、自分のバンドのプロデュースはばっちり。客観的に評価するのはかなり大変だったと思うが、全く問題ないレベルだと思う。それよりもソングライティングである。Rob脱退前は、Glenn, K.K., Robの三つどもえで殆ど全ての曲を書いていたのだが、今回はGlenn単独もしくはGlennとChris、Scotとの共作という曲が半分ほどある。まあ、だからといって彼一人で書いた曲が他と全然雰囲気が違うと言うことは全くない。かれこれ15年以上、「好きなギタリストは?」「Judas PriestのGlenn Tipton!」と言い続けてきた私の、小さな自己満足である(笑)。

・・・とまあ、「ロックは聴くだけで、演奏はしない」という立場のいちファンとして思うことをつらつらと書いてみた。正直言って今回のアルバム、"Defenders of the Faith"や"Painkiller"を初めて聴いたときほどの衝撃はない。これだけの大物バンドが、自分たちのキャリアは尊重しつつ、じっと前を見据えて作ったアルバムなんだな、というのはひしひしと伝わってくる。このアルバム、私の中で2001年のベストいくつにはいるだろうか?

 Judas Priestの来日公演が決まった!!2001年12月。私にとっては1991年4月のPainkiller Tourが唯一生でみたJudas Priestなので、今回チケットが取れたら10年ぶり2回目ということになる。楽しみだー♪ちなみに東京公演はは月・火なのがサラリーマンにはちとツライが、会場がサンプラザなのでよしとしよう。サンプラザ2日間だったら、もしかしたら追加が出るかもしれない。お願いします、週末にやって下さい〜(^-^;