Wild Frontier / Gary Moore (1987.3 release)
19 Nov 2000 (Sun) 記

 このHPのタイトル「Over the Hills and Far Away」は、このアルバムの1曲目(シングルカットされた)からいただいた。Gary Mooreというギタリストは、1952年北アイルランド・ベルファスト生まれ、1969年にSkid Row(Sebastian Backのいたあのスキッド・ロウとは別バンド)でメジャーデビュー後、1970年代にはPhil LynottのバンドThin Lizzyに出たり入ったりしつつ、1980年代からはソロで活動している。「Over the Hills and Far Away」という曲は、冤罪と浮気の歌なのだが、フィドルがフューチャーされていて、アイリッシュサウンド炸裂なのである!かっこいい!そんなわけで、HPのタイトルは、この曲の雰囲気と、今年の旅行の印象「何処に行くのも丘を越えて遠くへ行く感じだなー」から決まった(冤罪と浮気は・・・気にしないでいただきたい ^^;)。この曲以外にも、タイトル曲「Wild Frontier」、「Thunder Rising」、「Johnny Boy」も曲の舞台がアイルランドという、非常にアイリッシュなハードロックアルバムなのだ。ロックもアイリッシュトラッドも好きな人にはお勧めのアルバム。邪道さが(個人的には)感じられないのは、やはり彼がアイリッシュ(国籍はイギリスかもしれないが、生まれはアイルランド島だからアイリッシュとしてしまった・・・)だからだろう。うそ臭さがない。アルバムの目玉としては、ChieftainsのUillean pipe奏者、Paddy Moloneyもゲスト参加しているという話だが、どの曲なのか、明確なクレジットはない。
 このアルバムが発売された頃は、私が一番よく洋楽のハードロック/ヘヴィメタルを聴いていた時期であり、また猫も杓子もプロモーションヴィデオを作成していた時期でもあった。1985年にGary Moore&Phil Lynott名義でリリースした「Out in the Fields」という曲のヴィデオがとても印象的だった。ジャイアンツ・コーズウエイとベルファストの街をバックに二人が演奏している、というもので、曲の内容はもちろん、北アイルランドの紛争を題材にしたものだった。今見るともう、「北アイルランド」そのものという感じなのだ。残念なことにPhil Lynottは1986年1月4日に亡くなってしまった。洋楽番組の追悼コーナーでかならず「Out in the Fields」のヴィデオが流れていて、忘れようにも忘れられないほど頭に残っている。その後作られた「Over the Hills and Far Away」「Wild Frontier」のヴィデオも、今のような経済成長がくる前のアイルランドの、どちらかというと暗い面を前面に出したものだった。アイルランドってなんとなく、怖い、というイメージだったのだが・・・プロモーションヴィデオで洗脳されていたようだ。今ではすっかり、明るく楽しいアイルランド、である(笑)。(このイメージの出所が、私自身が夏の旅行者である、という事実であるのはいうまでもない。実際には今でも暗いアイルランドなのかもしれない。)
 Gary Mooreのその後の活動は、次のアルバムAfter the War(1989)くらいまでしか知らないが、ハードロックアルバムはここまでで、その後はBlues系のアルバムを作り続けているようである・・・。