劇団ふぉるむ


2003年11月「出発」作 つかこうへい 演出 小林哲郎 舞台美術 村井俊太



劇団ふぉるむでは、つかこうへいの「出発」を1975年のルナ100人劇場12ヶ月連続公演
の第一回に上演した作品である。

その公演を経験したものは今では3人だけしかいない。
僕も当然のことながら知らないのである。


今回はフレンテホールの備え付けの客席(電動可動式)を引っ込めて
お客さんとの距離をいつもよりも近くしたいと思い、客席は平台で組んでパイプ椅子を
並べてみた。

もう一つこの様にした大きな理由は、フレンテホールは元々演劇を想定して作られていないので袖はないし、奥行きは狭いのである。
それを解消する為には、自分達で舞台をせり出させるしかないのだ。
そして、一間(約180センチ)せり出す為には備え付けの客席があると無理なのである。


今回の設定は1970年代、日本の茶の間からちゃぶ台が消え、頑固親父が姿をけし始めた
時代、高度経済成長の中、経済戦争の中に自分の居場所を求めた父の姿があった、
そんな時代が舞台である。


この舞台で絶対に必要なのが父が住む床下の存在である。
また、ラストシーンではその父が床下に帰って言った後、
暗転になり再び明りがつくと、舞台正面に現れた真っ赤な牢屋のなかに
瞬時に移動しなければならないのだ。


舞台セットを製作する過程は、先ず戯曲をしっか読み込んで
ああだこうだと絵をフリーハンドでイメージ画として描きまくるのだ。
それで、演出と相談してイメージが固まってくると、
次はパソコンで正確な寸法で絵を書き、それから舞台の模型を作る。
上の写真は床面だけの模型である。
それで、その模型で実際の役者の動きやセットの完成図をより具体的に
掌握するのである。

そして、寸法が決まれば大道具部の作業場で作り出すというわけだ。



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