劇団ふぉるむ


2004年8月11〜16日 黒部五郎岳

折立〜太郎平(テント泊)〜黒部五郎岳(黒部五郎小屋テント泊)→双六→新穂高

2004/08/13(金) 10時間
目を覚ました裸の猿

早朝三時、まだ太陽が昇るおよそ三時間前に
はだかのマウンテンゴリラとはだかのチンパンジーが
目を覚ました。

テントから顔をだすとまるで宇宙空間に飛び出したような
錯覚をおこすほどのおびただしい星が瞬いている。
5分間ぐらい空をじっと眺めていれば、宇宙空間から地球の大気に突入する星屑を見ることだって出来る。
本当に銀河系の中に浮かぶ星にいるのだと実感できる
貴重な瞬間だ。
しかし、そんな星にいつまでも見とれているわけにも行かないのが
ワイルドなテント泊山行の宿命である。

まず、最初に取り掛かるのが昨日寝る前に飲んだビールや酒の
変化したものを我が膀胱から放出するためにトイレに向かう。
これは、まぎれもない地球環境汚染だが、俺様にはどうすることもできない何億年も続いてきた生物の性である。

スッキリしたと同時に貴重な体温を放出したために
アルプスの午前三時の気温2度は毛のない猿にはかなり寒いが
気合を入れてテントを大急ぎで撤収する。
この太郎平のテント場でテント撤収はどうやら俺様達が一番のようだ。一時間後テント撤収をすませ20分先の距離にある伊藤隊員のいる太郎小屋に向けて出発した。

4時20分に太郎平小屋にほどなく到着、しかし、伊藤隊員との待ち合わせ時間は6時半である。時間があるのでザックの荷物整理と
今日の飲み水を沸かして殺菌して茶を作るなどして時間を
有効利用する。
5時52分、2匹の毛のない猿がオレンジ色に輝く巨大な星の光に
照らされると同時に震えていた身体に力がみなぎり
今日の目的地、黒部五郎岳にむけ闘志がわいてきた。

10分後、伊藤隊員が「早いじゃない。」とあらわれた。
そして、予定より30分早く黒部五郎岳に向けて
3匹の毛のない猿は元気よく出発したのであった。・・・
しかし、この黒部五郎岳越えは予想を上回るものであることを
この時、この猿達はまだ気づいていなかったのである。

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲

10時間・・・

昨日につづき晴天この上ないという最高の状態のなか
まずは北ノ俣岳にむかう登山道をのんびり悠々と歩いていた。
このあたりの風景は穏やかでまさに癒し系の柔らかな風景である。8時28分にほどなく北ノ俣岳に到着。
白山、御嶽山、乗鞍岳、笠ヶ岳、槍ヶ岳、剣岳、薬師岳などなど
360度の大パノラマが眼前に広がっている。
これほど全ての山に雲もかからずに見渡せることなど
そうそうあるものではない。俺様もこんな素晴らしい眺めははじめてである。

小休止のあと順調に歩を進め赤木岳を越え、10時ごろ中俣乗越で
ランチタイムで30分休憩した。
ここから10分ほど進むと地塘があり、小さなピークを越して
ついに、黒部五郎岳アタックである。
なかなかの急登で、GW山行の大天井岳の登りに少し似た感じだ。
13時、少し疲れたがほどなく黒部五郎岳アタック成功。
ここでもやはり雲もガスもない360度の大パノラマである。
ここまで来る間に抜きつ抜かれつしながらやってきた
他の登山者達と会話を楽しんだり、グレープフルーツを
振舞ってもらったりして楽しいひと時を頂上で過ごしたのち、
他の登山者の多くは頂上を取って返して黒部五郎のカールコースを、ワイルドな俺様達は一般的ではない稜線コースで今夜の
幕営地を目指した。

頂上から幕営地である黒部五郎小屋がよく見えているので
大して時間はかからないだろうなんてのん気に歩き出したのだが・・・それは、大きな誤算であった・・・
この稜線コース、岩場の連続ですでに7時間行動して来たテント泊の重いザックを担いだ疲れた肉体にはかなりハードであった。

アップダウンを何度も積み重ねやっとのことで15時40分に
幕営地到着。

この黒部五郎のテント場は地塘にあるのですごい湿気で、
あまり快適でない。小屋どまりの伊藤隊員も小屋には宿泊者が
大勢いて2つの布団を3人で寝なければならないようである。

そして、今日も無事目的地にたどり着いたことを祝い
3人でビールを片手に小宴会!
そして、明後日から天気が崩れるらしいので、
明日は一気に三俣蓮華を越え双六岳を越え新穂高まで下山してしまおうと予定を変更することにして皆就寝したのであった。



トップへ
トップへ
戻る
戻る
前へ
前へ
次へ
次へ