ラストサムライ
LAST SAMURAI

その人の名はデューク の巻



時は幕末、西洋化の進む日本で最後まで侍としての信念を通した男たちの物語、それが『ラストサムライ』だね。政府の軍隊を鍛えに来たアメリカの兵士が侍に囚われ、彼らの生活に触れるうち、武士道というものに魅せられていくんだよね。
自分たちの守るべきもののために信念を貫き、そして散っていく。悲しみの中にも美しさがある、滅びの美学だわぁ。
漢字で書くと「漢<おとこ>!」って感じだな。ちなみに「オトコ」って書くとなんかヤラしく感じるのはわしだけだろうか?
あんただけよセクハラじじい。
主演のアメリカ兵役がトム・クルーズ。共演として日本の名だたる役者たちが共演してるね。まず何といってもサムライ大将勝元役の渡辺謙だねえ。あれだけ存在感がありながら主役のトム・クルーズを決して食ってない、そのバランスが役者として格別だと思うな。アカデミーノミネートも納得。
ただでさえあのガタイにあの顔で、しかもあのボウズ頭だから迫力すごいわよね。あんなのが襲ってきたら銃持った兵士もそりゃあ逃げるわ。
あとわしは小雪がよかったなあ。あのたおやかな大和撫子っぽさがグッとくるぞ。グッと!
でもトムのことを「獣みたいな匂いが我慢できない」とかセリフで言ってたわね。しかも英語の字幕では「豚のような匂い」になってたし!天下のハンサムガイを豚呼ばわりってのが痛快だわ〜。
原田眞人もなかなかいい憎まれ役だったね。
あっ。ちょっとッ!あんたたち誰か大切な人を忘れてない?
だ、だれ?
デュークよ、デューク!
……デューク更家?
それはウォーキングの人でしょ!
……デューク東郷?
それはスナイパーだ!

もう、デューク真田こと真田広之よぉ!千葉真一が海外でソニー千葉と名乗っているように、真田広之は昔デューク真田って名乗ってたのよ!常識でしょ?!

……常識か?
かなりカルトなのでは……。
猛々しいサムライ役で迫力ある存在感を示した、しかしセリフはほとんどもらえなかった男、JACの真田広之を忘れるなってことよッ!
「JACの」って……。
ああ、JACといえばわしは志保美悦子が好きだった!ちょっとここで語っていいか?志保美悦子といえばまずは『2代目はクリスチャン』の――
(無視) この映画のポイントの一つは、ハリウッド産でありながら今までにないくらい日本を正しく描いてることだよね。
そうねえ。大体あっちの人が描く日本は芸者フジヤマ寿司ニンジャーだもんね。
まあ『ラストサムライ』も完全に正しいわけではないがな。時代考証はいまひとつ怪しい気もするし。
へえ。たとえば?
え?えーっと。えーっと。

ああ、あれだ。飛行機に日本刀ホルダーがついてるところだ。

それは『キル・ビル』だ!
え?ああ、違ったあれだあれ。政府要人が日本の刺客に狙われるのを、警察が助けるんだ。

警察署長が「シャシャシャ〜。ニンジャ〜」とか言って。

そりゃ『TAXi2』だッ!
よくわかるね……。
あんた……ひょっとしてこの映画観てないわね?
ブハホッ?!(あせってむせた)

キネマくブホッ(まだむせてる) キネマくん、そろそろ話まとめようかね!

はいはい……。

滅び行く命運を感じつつも己の生き方を貫いた男たちの熱き姿を描き、それが大迫力の合戦シーンとあいまって、壮絶ながら感動的な話になってるよね。未見の人は一度DVDで観てみるといいと思うよ。じゃあそれぞれ印象的だったシーンは?

あたしはトムがひとりでこっそり合気道の真似事をして、それを子供に見られてハズカチー、っていうシーンが一押しね!
そ、そこ!?そこですか!?滅びの美学がどうとか言ってなかったっけ!?

わしはえーと、えーと。

あ、やっぱあれだな。

ラスト侍と桃太郎侍が力をあわせて悪代官に立ち向かうところ。

……やっぱりあんた観てないわね?

 

2004/6/24