仮面ライダークウガ 序論

 特撮番組から遠ざかっていた私は、『ウルトラマンティガ』との出会いから再び特撮作品を愛好するようになりました。いや、むしろこのサイトが目指しているように、過去の作品を取り戻すようにのめり込むようになりました。そんな時、「新しい仮面ライダーのシリーズが始まる」という情報を知り、大きな期待を持ってこの『クウガ』を見ました。

 「仮面ライダー」のシリーズであり、デザイン的にも仮面ライダーらしさが感じられましたが、この『クウガ』は改造人間ではないし、敵も世界征服を企む組織ではありません。今の世の中では、「人体改造」や「組織」の描写はタブーになってきているのでしょうか。
 そしてさらに驚くことに、この作品は「警察とともに闘う仮面ライダー」を描いています。ライダーが搭乗するマシン「トライチェイサー2000(のちにビートチェイサー2000)」も、警察が開発した特殊な白バイのプロトタイプです。作品世界のハードさを描写するためか、かなりリアルな設定になってきています。続く『仮面ライダーアギト』はこの番組の後日譚として描かれ、この「クウガ=未確認生命体第4号」をモデルにした特殊装甲服、「仮面ライダーG3(のちにG3−X)」が登場し(搭乗するマシンはガードチェイサー)、警察官自らが「仮面ライダー」となり、「仮面ライダーと警察の関係」はより濃密になっていくことを付け加えておきます。

 敵の怪人は、遺跡発掘で誤って封印を解いてしまったために古代から蘇った、人類(「リント族」)とは別の種族「グロンギ」です。使用する言語は五十音表を変化させたものを基にしていて、この言葉を解読するのが本放映期間中には1つの楽しみでした。
 怪人の名前は「所属集団」「固有の名」「生物の分類」の3つを組み合わせた名前になっています。例えば第1話に登場した「ズ・グムン・バ」は、「ズ集団」に所属する「グムン」という名の怪人であり、生物として「バ(陸上の節足動物の意)」に分類されています。
 「ズ・グムン・バ」の所属である「ズ」はグロンギ族の階級です。最下層は番組中には登場しなかった「ベ」です。そして下から「ズ」(ベルトの色は銅)、「メ」(同・銀)、「ゴ」(同・金)となっています。その他に「バラのタトゥの女=ラ・バルバ・デ」やゲームの審判である「ラ・ドルド・グ」の「ラ」や、道具などを調達する「ヌ・ザジオ・レ」の「ヌ」などの特別なものがあり、最高位は「未確認生命体第0号」である「ン・ダグバ・ゼバ」の「ン」です。この名前の仕組みを理解すると、ライバル心を燃やしている「ズ・ザイン・ダ」と「メ・ビラン・ギ」の位の違いなどがより深く味わえます。
 グロンギ族が人類を襲う理由が単なる「ゲーム(グロンギ語で「ゲゲル」)」であることが衝撃的でした。そしてゲームの勝者は「ズ→メ→ゴ」というように階級が上がっていくという設定で、このゲームを仕切っているのが「バラのタトゥーの女」こと「ラ・バルバ・デ」です。最終的には「ゲリザギバスゲゲル(セミファイナル・ゲーム)」に進み、さらに「ザギバスゲゲル(ファイナル・ゲーム)」に参加する資格を得ることになっています。
 彼ら怪人と初めて出会う人類は、当然彼らの名前を知りません。警察は彼らを「未確認生命体」と呼び、それぞれに「第○○号」とナンバーをふって識別します。ヒーローの「仮面ライダークウガ」でさえも「未確認生命体第2号」「同第4号」と呼称されます。そして劇中では一度も「仮面ライダー」の呼び名は登場しません
(未確認生命体の番号が飛んでいるのは、番組で描かれている以外に出現したということになっています。児童誌の付録ビデオにだけ登場した怪人も存在します。)

 「クウガ」は敵の特性に合わせて「フォームチェンジ」をします。劇中では五代雄介自らが「超変身」と名付けました。
 変身直後の赤いクウガは「マイティフォーム」と呼ばれ、対戦する怪人の特質に合わせて跳躍力やスピードに長けた青の「ドラゴンフォーム」、射手として視覚と聴覚が研ぎ澄まされた緑の「ペガサスフォーム」、剣の使い手で厚い装甲に包まれた紫の「タイタンフォーム」に姿を変えることができます。
 それぞれのフォームには弱点もあります。ドラゴンはパワーが落ち、ペガサスは神経を酷使するので長時間の変身ができず、タイタンは動きが鈍重になります。これらは『ティガ』の設定に近いものが感じられ、少なからず影響を受けていたのではないでしょうか。

 各エピソードのサブタイトルは、内容を端的に表した漢字2字で表記されるのがカッコよかったです。その中には主人公の「雄介」や「空我」も含まれ、魅力あるサブキャラの「ズ・ゴオマ・グ」の末路を描いた「強魔」などもあります。


  制作:東映、テレビ朝日、ASATSU-DK
  原作:石ノ森章太郎
  プロデューサー:清水祐美(テレビ朝日)、高寺成紀、横塚孝弘(東映)
  スーパーバイザー:小野寺章
  シリーズ構成:荒川稔久
  アクション監督:金田治、山田一善
  トライアル・アクション:成田 匠
  美術:木村光之、大嶋修一
  撮影:いのくままさお
  キャラクターデザイン:飯田浩司、阿部卓也、青木哲也
  キャラクター造型:レインボー造型企画  前澤 範、蟻川昌宏、山本誠一、浅野 桂
  音楽:佐橋俊彦

  五代雄介:オダギリジョー
  一条薫(警視庁未確認生命体関連事件合同捜査本部):葛山信吾
  沢渡桜子(城南大学考古学教室):村田和美
  五代みのり:葵若菜
  おやっさん(ポレポレのマスター):きたろう
  榎田ひかり(科学警察研究所):水島かおり
  椿秀一(関東医大病院):大塚よしたか
  ジャン・ミッシェル・ソレル:セルジュ・ヴァシュロフ
  杉田守道刑事:松山鷹志
  バラのタトゥの女(ラ・バルバ・デ):七森美江
  未確認生命体第3号(ズ・ゴオマ・グ):藤王みつる
  朝比奈奈々:水原詩生

放映順 サブタイトル 放映日 登場怪人 クウガのフォーム 脚本 監督
復活 平成12年1月30日 ン・ダグバ・ゼバ
(未確認生命体第0号)
ズ・グムン・バ
(未確認生命体第1号)
グローイング
(未確認生命体第2号)
荒川稔久 石田秀範
変身 2月6日 ズ・ゴオマ・グ
(未確認生命体第3号)
ズ・グムン・バ
(未確認生命体第1号)
グローイング
(未確認生命体第2号)
マイティ
(未確認生命体第4号)
荒川稔久 石田秀範
東京 2月13日 ズ・メビオ・ダ
(未確認生命体第5号)
マイティ 荒川稔久 渡辺勝也
疾走 2月20日 ズ・メビオ・ダ
(未確認生命体第5号)
マイティ 荒川稔久 渡辺勝也
距離 2月27日 ズ・バヅー・バ
(未確認生命体第6号)
マイティ
ドラゴン
荒川稔久 長石多可男
青龍 3月5日 ズ・バヅー・バ
(未確認生命体第6号)
マイティ
ドラゴン
荒川稔久 長石多可男
傷心 3月12日 メ・バヂス・バ
(未確認生命体第14号)
ズ・ゴオマ・グ
(未確認生命体第3号)
マイティ
ドラゴン
ペガサス
荒川稔久 石田秀範
射手 3月19日 メ・バヂス・バ
(未確認生命体第14号)
グローイング
ペガサス
荒川稔久 石田秀範
兄妹 3月26日 メ・ギイガ・ギ
(未確認生命体第21号)
マイティ 荒川稔久 渡辺勝也
10 熾烈 4月2日 メ・ギイガ・ギ
(未確認生命体第21号)
マイティ
タイタン
荒川稔久 渡辺勝也
11 約束 4月9日 ズ・ザイン・ダ
(未確認生命体第22号)
メ・ビラン・ギ
(未確認生命体第23号)
マイティ 荒川稔久 長石多可男
12 恩師 4月16日 ズ・ザイン・ダ
(未確認生命体第22号)
マイティ 荒川稔久 長石多可男
13 不審 4月23日 メ・ビラン・ギ
(未確認生命体第23号)
マイティ
ドラゴン
井上敏樹 石田秀範
14 前兆 4月30日 メ・ビラン・ギ
(未確認生命体第23号)
マイティ
ドラゴン
タイタン
井上敏樹 石田秀範
15 装甲 5月7日 ズ・ゴオマ・グ
(未確認生命体第3号)
メ・ギャリド・ギ
(未確認生命体第24号)
マイティ 荒川稔久 渡辺勝也
16 信条 5月14日 メ・ギャリド・ギ
(未確認生命体第24号)
マイティ
ドラゴン
荒川稔久 渡辺勝也
17 臨戦 5月21日 メ・ガドラ・ダ
(未確認生命体第25号)
メ・ガルメ・レ
(未認識)
メ・ガリマ・バ
(未認識)
ズ・ザイン・ダ
(未確認生命体第22号)
ズ・ゴオマ・グ
(未確認生命体第3号)
メ・バヂス・バ
(未確認生命体第14号)
メ・ビラン・ギ
(未確認生命体第23号)
きだつよし
村山桂
鈴村展弘
18 喪失 5月28日 メ・ギノカ゜・デ
(未確認生命体第26号)
グローイング
マイティ
井上敏樹 長石多可男
19 霊石 6月4日 メ・ギノガ・デ
(未確認生命体第26号)
グローイング 荒川稔久 石田秀範
20 笑顔 6月11日 メ・ギノガ・デ
(変異体)
マイティ 荒川稔久 石田秀範
21 暗躍 6月25日 ズ・ゴオマ・グ
(未確認生命体第3号)
メ・ガルメ・レ
(未確認生命体第31号)
マイティ 荒川稔久 渡辺勝也
22 遊戯 7月2日 メ・ガルメ・レ
(未確認生命体第31号)
マイティ
ペガサス
荒川稔久 渡辺勝也
23 不安 7月9日 メ・ガリマ・バ
(未確認生命体第36号)
マイティ
タイタン
井上敏樹 長石多可男
24 強化 7月16日 メ・ガリマ・バ
(未確認生命体第36号)
タイタン
ライジングタイタン
井上敏樹 長石多可男
25 彷徨 7月23日 ゴ・ブウロ・グ
(未確認生命体第37号)
ドラゴン 荒川稔久 石田秀範
26 自分 7月30日 ゴ・ブウロ・グ
(未確認生命体第37号)
グローイング
マイティ
ライジングペガサス
荒川稔久 石田秀範
27 波紋 8月6日 ゴ・バダー・バ
(未認識)
ゴ・ベミウ・ギ
(未確認生命体第38号)
マイティ
井上敏樹 渡辺勝也
28 解明 8月13日 ゴ・ベミウ・ギ
(未確認生命体第38号)
マイティ
ライジングドラゴン
井上敏樹 渡辺勝也
29 岐路 8月20日 ゴ・ガメゴ・レ
(未確認生命体第39号)
ドラゴン
マイティ
タイタン
ライジングタイタン
グローイング
荒川稔久 長石多可男
30 運命 8月27日 ゴ・ガメゴ・レ
(未確認生命体第39号)
ドラゴン
マイティ
ライジングマイティ
荒川稔久 長石多可男
31 応戦 9月3日 ゴ・バダー・バ
(未確認生命体第41号)

メ・ギノガ・デ
(未確認生命体第26号)
メ・ギノガ・デ
(変異体)
メ・ガルメ・レ
(未確認生命体第31号)
メ・ガリマ・バ
(未確認生命体第36号)
ゴ・ブウロ・グ
(未確認生命体第37号)
ゴ・ベミウ・ギ
(未確認生命体第38号)
ゴ・ガメゴ・レ
(未確認生命体第39号)
荒川稔久
竹中清
鈴村展弘
32 障害 9月10日 ゴ・バダー・バ
(未確認生命体第41号)
マイティ
ドラゴン
井上敏樹 金田治
33 連携 9月17日 ゴ・バダー・バ
(未確認生命体第41号)
マイティ
ライジングペガサス
ライジングマイティ
井上敏樹
荒川稔久
金田治
34 戦慄 10月1日 ゴ・ジャラジ・ダ
(未確認生命体第42号)
マイティ
ドラゴン
荒川稔久 石田秀範
35 愛憎 10月8日 ゴ・ジャラジ・ダ
(未確認生命体第42号)
マイティ
ドラゴン
ライジングタイタン
荒川稔久 石田秀範
36 錯綜 10月15日 ゴ・ジャラジ・ダ
(未確認生命体第42号)
ゴ・ザザル・バ
(未確認生命体第43号)
マイティ
ドラゴン
荒川稔久 渡辺勝也
37 接近 10月22日 ゴ・ジャラジ・ダ
(未確認生命体第42号)
ゴ・ザザル・バ
(未確認生命体第43号)
マイティ
ドラゴン
荒川稔久 渡辺勝也
38 変転 10月29日 ゴ・ザザル・バ
(未確認生命体第43号)
マイティ 荒川稔久 長石多可男
39 強魔 11月12日 ゴ・ザザル・バ
(未確認生命体第43号)
ズ・ゴオマ・グ(強化体)
(未確認生命体第3号)
マイティ
ドラゴン
タイタン
ライジングペガサス
荒川稔久 長石多可男
40 衝動 11月19日 ゴ・ジャーザ・ギ
(未確認生命体第44号)
マイティ 荒川稔久 石田秀範
41 抑制 11月26日 ゴ・ジャーザ・ギ
(未確認生命体第44号)
グローイング
マイティ
ライジングドラゴン
ライジングペガサス
ライジングタイタン
荒川稔久 石田秀範
42 戦場 12月3日 ゴ・バベル・ダ
(未確認生命体第45号)
タイタン
ライジングマイティ
荒川稔久 金田治
43 現実 12月10日 ゴ・ガドル・バ
(未確認生命体第46号)
グローイング
ドラゴン
ペガサス
荒川稔久 金田治
44 危機 12月17日 ゴ・ガドル・バ
(未確認生命体第46号)
マイティ
ペガサス
荒川稔久 渡辺勝也
45 強敵 12月24日 ゴ・ガドル・バ
(未確認生命体第46号)
ラ・ドルド・グ
グローイング
ドラゴン
ペガサス
タイタン
ライジングマイティ
荒川稔久 渡辺勝也
46 不屈 12月31日 ゴ・ガドル・バ
(未確認生命体第46号)
ラ・ドルド・グ
ライジングマイティ
アメージングマイティ
荒川稔久 渡辺勝也
初夢 1月2日
47 決意 1月7日 アメージングマイティ 荒川稔久 石田秀範
48 空我 1月14日 ン・ダグバ・ゼバ
(未確認生命体第0号)
アルティメット 荒川稔久 石田秀範
49 雄介 1月21日 荒川稔久 石田秀範