シカゴの風
1        あとがき

    シカゴの風

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”キャンディ、僕達は、とっても幸せだ。僕達は何があっても離れない。僕が絶対に君を
離さないから大丈夫だよ。君は、全てを僕に預けて、ずっと笑顔を見せていて欲しい。
その素敵な笑顔を・・・”

”アルバート、私は、とっても幸せよ。だってアルバートと家族になれたわ。
これから家族が増えて、もっと幸せになれるわよ、きっと・・・。だって、アルバートと私で
作り上げていく家族なんですもの・・・いつも貴方が私の横に居てくれる、愛する貴方が・・・”


教会の鐘がシカゴの街に鳴り響き、爽やかな風が2人を包み、全てが2人を祝福して
くれている様だった。
アルバートさんがキャンディを抱き上げ、リムジンに乗り、式は無事に終った。
少し時間をあけ、シカゴで1番大きなアードレーホールでパーティーが開かれる。
そこには、アメリカ中の富豪などVIPが集まるため、シカゴの街の警備は大変な物だった。
アルバートさんとキャンディは一度ホテルに戻った。キャンディは、大おば様が用意
して下さったドレスに着替えてパーティーに出る事になっていた。アルバートさんは
着替えも無いので、キャンディの部屋に居る事にし、キャンディが着替えを始めるまでも
時間が少しあったので、2人は軽く食事を用意して貰った。次のパーティーも挨拶などで
物を口にする事が出来ないと想像がついたからだ。
「キャンディ、疲れてないかい?」
「えぇ、大丈夫よ。アルバートは大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。楽しんでるよ」
アルバートさんはニコニコしていた
「ふふっ・・・そうよね、楽しまないとね。一生に一回ですものね」
「そうだよ、キャンディ、一生に一回だ。キャンディのウェディングドレス姿も、もう見れない」
アルバートさんは残念そうに言った
「そうね・・・でも、アルバートは式の前に、沢山見てたじゃない・・・くすっ」
キャンディは思い出して笑った
「そうだけど・・・まだ足りない・・・くすっ。でも次のドレスも楽しみだね」
「うん、私も楽しみだわ。どんなドレスかしら・・・」
二人が食事を終らせた時、ドアがノックされ、ドリスが入って来た
「キャンディス様、準備のお時間です。お着替えを致しますので、ウィリアム様は、お部屋へ
移動して下さいませ」
「え?僕、居ちゃダメなの?」
アルバートさんは、ずっとこの部屋に居ようとしていた為、とても残念そうに言った
「はい、キャンディス様のお着替えですから・・・」
ドリスも、あまりにも残念そうな顔をするアルバートさんに困惑していた
「くっくっく・・・アルバート、悲しそうね。くっくっく・・・ドリス、私は構わないから、アルバートが
この部屋に居てもいいかしら?」
キャンディはアルバートさんの残念がり方が可笑しくて仕方なかった
「でも・・・キャンディス様、お着替えですよ・・・」
ドリスは、キャンディの発言に少し驚いていた
「えぇ、分かってるわ。アルバートは私の夫ですもの、構わないわ」
「でも・・・エルロイ様がいらっしゃったら・・・」
「大丈夫、私とアルバートで大おば様には話すわ。ドリスには迷惑をかけないから
安心して。アルバート、ここに居たいんでしょ?」
キャンディはドリスにウィンクをして言い、アルバートさんを見た
「うん、出来ることなら・・・」
アルバートさんは子供の様だった
「ふふっ・・・いいわよ。私の用意が終るまで、そこで待ってて。でも大おば様に怒られる
かもよ・・・怒られたら私が助けてあげるわ。くすっ」
「大おば様の、お小言は慣れたさ。君と一緒になってから、沢山驚かして、怒らせてるもんな」
アルバートさんも、やっと笑顔を見せた
「では、キャンディス様、こちらのドレスに着替えて頂きます」
ドリスが出したドレスは、白〜薄い緑へグラデーションのかかった感じで、肩も少し出る
首廻りが大きく開いたドレスだった。
「とっても素敵なドレスだわ。色もデザインも素敵だわ・・・大おば様が選んで下さった
のよねぇ・・・嬉しいわ」
キャンディの目がキラキラと輝いた
「キャンディ、とっても素敵なドレスだね。早く着て見せてよ」
アルバートさんはワクワクしてきた
「えぇ、今着替えるわね。う〜ん・・・ちょっと恥ずかしいから、アルバート少しだけ後ろを
向いててくれる?着替えたら声掛けるわ」
「うん、わかったよ」
アルバートさんは素直にキャンディの言う事を聞き、後ろを向いた。
キャンディはウェディングから大おば様の用意して下さったドレスに着替えた
「アルバート、いいわよ」
「キャンディ・・・綺麗だよ。このドレスもとっても似合ってるよ。君は何を着ても似合うんだね」
「アルバート、誉めすぎよ・・・恥ずかしいわよ」
キャンディが照れている・・・
「僕は本当の事を言ってるだけさ。ドリスもそう思うだろ?」
「はい、キャンディス様、とっても綺麗です」
「ありがとう、ドリス」
ドリスはヘアメイクの担当を呼びに行き、担当が部屋に入って来た。ヘアメイク担当も
キャンディの部屋にアルバートさんが居る事に驚いていた。
「では、髪とメイクを直させて頂きます」
アルバートさんは、キャンディの横に行き、テーブルに頬杖をついて、じっと見ていた。
その時、ドアがノックされ大おば様が入って来た。
「キャンディ、準備は進んでますか?ウィリアム!!何故、貴方がここに居るのですか?
キャンディは着替えなどの準備をしているではないですか・・・」
「はい、僕は何もする事も無いですし、キャンディの側に居たいので、キャンディの許可を
もらって、ここに居るんです」
アルバートさんは、大おば様を真っ直ぐに見て言った
「キャンディの許可って・・・レディーの着替えてる部屋に居るものではありません。
キャンディもキャンディです!着替える部屋に男性を入れるなんて・・・」
大おば様はキャンディにも怒って言った
「大おば様、男性は男性ですが、アルバートは私の夫です。私は構わないのです」
キャンディも大おば様を、真っ直ぐに見て言った
「僕だって、キャンディが着替える時は後ろを向いていましたし・・・」
「あなた達は、世間の目というものもあるんですよ。少しは考えなくてはいけません」
大おば様も負けずに言う
「大おば様、僕達は世間と同じじゃなくていいんです。自分たちが納得していれば・・・
道を大きくそれてしまう様な事をして、人に迷惑を掛ける様な事は致しません。
でも、2人の時間や、2人の決め事は、僕達の好きな様にやりたいのです。僕達は夫婦です。
今回の事も1人が決めた事ではなく、僕とキャンディの2人が納得の上での行動です。
人に迷惑も掛けていませんし、僕達の時間なので、好きなように使いたいのです」
アルバートさんは、きっぱりと大おば様に言った。
「あなた達には負けますね・・・皆が普通と考える事が通らない時がありますね・・・。
でも2人で決めている事ならば、仕方ないでしょう・・・分かりました・・・」
大おば様もアルバートさんの言う事を分かってくれた
「大おば様、ありがとうございます」
アルバートさんは、大おば様に頭を下げた
「すいません、大おば様・・・私達と居ると苦労が多いですよね・・・」
キャンディも大おば様に頭を下げ言った
「本当です!ウィリアム、キャンディ、あなた達には苦労を掛けられっぱなしですよ、くすっ
でも、あなた達の考えも最近は分かって来ました。私はきちんと話を聞いて理解出来れば
納得します。理解出来ない時は、最後まで納得しませんよ、私も負けませんからね。
くすっ・・・。そんな事より、キャンディ、このドレスも貴女は似合ってますよ。
素敵ですね?ウィリアム」
大おば様は2人を努力して理解してくれ、笑顔を見せてくれた
「はい、僕の奥さんは、とっても素敵です」
アルバートさんは、二コッと微笑み言った
「キャンディ、髪には生花を付けますよ。あとブーケも作りました。これです・・・」
大おば様は髪飾りにする花とブーケを差し出した
「スィート・キャンディ・・・大おば様・・・」
キャンディは涙が溢れて来て、ポタポタと落とした
「大おば様・・・僕の奥さんを泣かせましたね・・・くすっ」
アルバートさんもとても嬉しかった
「今日はウィリアムではなく、私が泣かせてしまった様ですね・・・くすっ」
大おば様も、キャンディとアルバートさんが喜んでくれたのが、とても嬉しかった
「大おば様、こんな嬉しい事って・・・本当にありがとうございます。私、とっても嬉しくて
涙が止まりません・・・」
「キャンディ、花嫁の顔が台無しですよ・・・さぁ、もう泣かないで準備をしなければ、花嫁が
遅刻しますよ。大統領も来て下さるんです。きれいなキャンディの素敵な笑顔を
見せなければなりませんよ」
大おば様はキャンディの顔を覗き込み、キャンディに言い聞かせる様に言った
「大おば様、本当にありがとうございます。ドレスもスィート・キャンディも頂けて、感謝しても
しきれません・・・」
キャンディは、また涙が出て来た
「いいんですよ、キャンディ。貴女が喜んでくれたら、私は嬉しいのです。私は先にホールに
行っていますからね。ウィリアム、邪魔をせず居るのですよ・・・」
「はい、大おば様。大おば様、本当にありがとうございました。僕もとても嬉しいです」
大おば様は部屋を出て行った。アルバートさんもキャンディも、大おば様の優しさに包まれ
幸せを感じ、大おば様の温かさも感じていた。
キャンディの準備中、アルバートさんは、初めから終わりまで、ずっとニコニコして
キャンディを見つめていた。これが、本当に総長なのだろうか・・・とメイク担当者は思って
いた。そしてキャンディの準備が無事終わった

2人は、またリムジンに乗り、パーティーの行われる、アードレーホールに向かった。
リムジンはホールの正面入り口に横付けされ、アルバートさんとキャンディが降り
ホールの中へと消えて行った。ホールには沢山の人が居たが、人数が多い割には
空間があった。会場が大きいからだろう・・・来ている人数は1000人近くにもなって
いたのだから・・・

キャンディとアルバートさんが入場して来て、会場は歓声と拍手に包まれた。
2人は舞台の中央に立ち、アルバートさんから挨拶をした。
「本日は、お忙しい中、私ウィリアム・A・アードレーと、妻キャンディス・W・アードレーの
結婚披露パーティーに御参加頂きまして、ありがとうございます。
私達、夫婦は2月の私の誕生日に入籍致しまして、妻の誕生日である本日、挙式を
執り行ないました。私達が、この様に幸せを手にするまでには、沢山の辛いこと、悲しい事
もありました。でも、その色々な事があったからこそ、今の私達があるという事を忘れずに、
私はキャンディを幸せにし、キャンディは私を幸せにし、これからの人生を共に歩んで
いきたいと思います。
今、キャンディの髪飾りとブーケになっている花は、スィート・キャンディというバラの花です。
12歳で亡くなった青年が、キャンディの為に彼が生前、品種改良して作ったバラです。
とても素敵なバラですので、後程、皆様に見て頂けたらと思います」
アルバートさんの挨拶が終わり、キャンディが挨拶を始めた
「皆様、本日はお忙しい中、御参加頂きありがとうございます。
ご存知の方が多いと思いますが、私はポニーの家という素敵な孤児院で育ちました。
そのポニーの家の前には丘があります。ポニーの丘といいます。私は6歳の時に
そのポニーの丘で、スコットランドの民族衣装を着て、バグパイプを持ったお兄さんに
会いました。そのお兄さんは、とっても素敵なお兄さんで、王子様の様でしたので
私は、その人を丘の上の王子様と呼んでいました。しかし、その丘の上の王子様には
その後一度も会う事ができませんでした。これが私の初恋です。
その後、私はウィリアム・A・アードレーに恋をし、丘の上の王子様がウィリアム・A・
アードレーだったと知りました。嘘の様な本当の話です。私は、その初恋の彼と結婚をし、
これから、私が今まで手にした事のない家族を作り上げていきます。どんな家族になるか
まだ全く分かりませんが、皆さんに素敵だと思って頂けるような家族になれたらと思います。
どうぞ、私達夫婦を見守って頂けたらと思います」
キャンディは挨拶を終え、アルバートさんの元に戻った
「キャンディ、今日も立派に挨拶出来たね。素敵な家族になろうね」
「えぇ、アルバートとなら出来るわ」
2人は挨拶を終えると舞台を下り、挨拶廻りに行った。時間の無い中、来てくださった
大統領の所へ1番初めに挨拶に行った。

「大統領、本日は御多忙の中、足を運んで頂き、ありがとうございす。私も妻も、大変嬉しく
思っております」
「アードレー氏、アードレー夫人、ご結婚おめでとうございます。とてもお二人は幸せそうですね。
私は幸せな人を見ると嬉しくなります。今も、とても嬉しいですよ」
「ありがとうございます、大統領。私は、この幸せがずっと続くと信じております」
キャンディが笑顔を見せて言った
「そうですよ、アードレー夫人。あなたの初恋の話を聞いて、私は思いましたよ。この2人は
運命の赤い糸で繋がれていて、ずっと幸せに過ごすだろうと・・・」
「本当に運命の赤い糸が、あるんですよ。お見えになりますか?くすっ」
キャンディはアルバートさんの手を持ち上げ、自分の手も上げて、大統領に見せた。
「くすっ、本当だ、私には見えますよ、アードレー夫人。アードレー氏、とってもチャーミングな
奥様ですね。私は、こういう女性が大好きですよ」
大統領はアルバートさんとキャンディに微笑んで言った
「くすっ、おてんばの、おっちょこちょいですが・・・」
「はっはっは・・・そうなのですか?アードレー夫人?」
大統領は楽しそうだった
「ちょ、ちょっと、アルバート、余計な事を・・・」
キャンディは慌てた・・・
「はっはっは・・・いいですね・・。実は私は木登りが大好きで、昔は良く登ったものです。
おてんばなアードレー夫人は、いかがですか?くすっ」
「もう仕方ないですね・・・私は木登りが大好きなんですよ、大統領。夫と良く登っています」
「おや、アードレー氏もですか?」
大統領は少し驚いて言った
「はい、私も木の上が大好きなもので・・・木の上で仕事が出来ないものかと時々思って
おります」
アルバートさんは大統領にウィンクした
「おや、奇遇ですね。私も同じ事を思っていますよ。あなた達御夫妻と私は感性が同じ
様ですね。感性が同じ御夫妻なら、ずっと同じ物を見て、同じ事を考え、同じ事を思う事が
出来ます。お2人は素晴らしい夫婦になりますよ。アードレー夫人、素敵な家族も出来ます
大丈夫ですよ。私は、もう時間が無いようです。途中で申し訳ありませんが、退席させて
頂きます。今日、お2人に会え、楽しい時間を過ごさせて頂き、私は嬉しいですよ。
また、何処かでお会い出来る事を願っております。ワシントンDCに、おいでになる事が
ありましたら是非、私の妻にアードレー夫人を会わせたいので、御一報下さい。
また私の方から時間が出来ましたら、連絡させて頂きます。では、また・・・」
大統領はとても楽しい時間を過ごせた事に満足していた。
「大統領、本日は本当にありがとうございました。お体には気をつけて・・」
アルバートさんとキャンディは、大統領を出口まで送った。その後、大統領から連絡が来て
アルバートさんと大統領の交友関係が続く様になった。

2人は、周りがビックリする程、大統領と楽しく話していた。1番驚いていたのは、
アルバートさんとキャンディだった。2人は緊張しながら大統領の所へ行った。
特にキャンディに至っては、足がガクガクでアルバートさんに支えられていたのだった。
大統領の人柄なのだろうか・・・キャンディが粉を撒いたのだろうか・・・アルバートさんと
近くに居たジョルジュはキャンディの粉だと考えていたが、キャンディは大統領の人柄だと
思っていた。無事に大統領への挨拶も終わり、2人は胸を撫で下ろした。
州知事、シカゴ市長と挨拶を済ませ、2人は長老の所へ行った。

「お久しぶりです。皆さん、お元気そうでなによりです・・・」
アルバートさんが長老達に言った
「ウィリアム、キャンディおめでとう。キャンディ、君は相変わらず可愛いのぉ」
長老の1人が言った
「長老のお孫さんには、渡しませんよ」
アルバートさんがふざけて言った
「はっはっは、わかっとるよ、ウィリアム。ところで、跡継ぎは、どうじゃ?」
長老がニコニコして言った
「長老!そんな事を・・・でもクリスマスパーティーの長老の一言で、あの晩から同じ寝室を
使う事を、大おば様が許して下さったんですよ。感謝いたします・・・くすっ。でも、跡継ぎは
まだですよ。そのうち神様が届けて下さると信じてます」
アルバートさんもニコニコして言った
「もぉ・・・アルバートったら・・・」
キャンディは赤い顔をしていた
「はっはっは・・・そうじゃな。もう少し2人の時間を楽しんだらいいよ」
「はい、そうします」
「でも、エルロイは、楽しみに待っているんじゃろうな・・・」
「えぇ、たぶん。何も言いませんが、僕達が結婚式前から同じ寝室を使う事を許す位
ですからね・・・天にまかせますよ」
「そうじゃな。キャンディ、これからアードレー夫人として色々と大変になるじゃろうけど、
ウィリアムやエルロイに助けて貰いながら頑張るんじゃぞ。1人で頑張ったのでは、
ワシの可愛いキャンディが潰されてしまう。アードレー夫人は大変じゃから、助けて貰って
いいんじゃぞ、分かったな?キャンディ。ワシ達は、君の可愛い笑顔を見ていたいからな」
長老がキャンディに語りかける様に言った
「はい、皆さん、ありがとうございます。皆さんにも助けて頂くと思いますので
よろしくおねがいします」
キャンディは笑顔で言った
「うん、いつでも、おいで。待ってるぞ」
「家にも来ていいぞ。キャンディ」
長老達が口々に言った
「くすっ、わかりました」
キャンディは可笑しくなってしまった
「長老達がキャンディに会いたいだけなんじゃないですか?くすっ」
アルバートさんは、少し呆れて笑いながら言った

2人は長老達との会話も終わり、少し離れた所で飲み物を取った
「ちょっと休もうか、キャンディ」
「そうね、まだ沢山話す方がいるものね」
「あぁ、キャンディは相変わらず人気者だね」
「そうかしら?」
「そうだよ。皆、君と話し出すと楽しんでくれる。そして、また次も君に会いたいと思うんだもん。
前は、周りが、そう思うことが僕は不安だった。君を取られてしまうんじゃないかと思ってね。
特に男性が、そんな対応をした時にはね・・・」
アルバートさんは少し遠くを見て言った
「アルバート・・・」
「でもね、今は、その不安が無いんだ。君の心は僕の方に向いてくれてる事が分かったし
キャンディが僕を愛してくれてる事も分かった。そしてキャンディの全ては、僕のものだ。
だから、なんの心配もしなくなった。でも、いつ、どんな事があるか分からない。どんな事が
あっても、僕の元から飛んで行ったりしないでくれよ」
アルバートさんは、キャンディを見つめて言った
「大丈夫よ。アルバートが不安になる様な事はしないわ。私たちは運命の赤い糸で繋がって
いるのよ。この糸は切れる事はないのよ。飛んで行けるはずもないし、私はアルバートから
飛んで行きたくないわ。今のまま、ずっと安心してて。
私の方が不安だわ。アルバートは外で仕事をしているし、出張もあるわ・・・」
キャンディが少し不安な目をして言った
「大丈夫だよ。僕はキャンディ以外の女性に見向きもしないし、常に見張りがいるさ」
アルバートさんは、キャンディの瞳を覗きこみ、頭を撫でた
「くすっ、信じるわ。私の事も信じてね」
「くすっ、信じるよ。僕の事も信じるんだぞ」
アルバートさんは、キャンディにキスをしようとしたが、ここがパーティー会場である事を
思い出し、キャンディと目を合わせて笑った。キャンディの腰を抱くだけで我慢した。

「さぁ、あっちの方へ行こうか」
「えぇ」
次にアルバートさんがキャンディを連れて行った先には、ポニー先生、レイン先生、
メリー・ジェーン校長、ポニーの家の子供達、アーチー、ディック、アニー、パティーが居た。
ポニー先生達の事は、アルバートさんから聞かされて居なかったキャンディは、ビックリして
涙がボロボロと出てきた。
「あ〜あ、アルバートさん、また奥さん泣かせてますよ」
「本当だ、良く妻を泣かせる夫ですね・・・くっくっく」
アーチーとディックが面白がっている
「アルバート・・・貴方、何も言ってなかったじゃない・・・」
キャンディはアルバートさんの腕を叩いた
「僕は、キャンディを驚かせるのが楽しみなんだよ」
アルバートさんは微笑んだ
「くすっ・・・そうだったわね」
キャンディも笑顔を見せた
「アードレー氏、キャンディ、おめでとうございます」
「2人が幸せな顔をしているのが見れて、とても嬉しいですよ」
ポニー先生、レイン先生も涙を溜めて話した。ポニーの家の子供達もキャンディの綺麗な
姿を誉め、おめでとうの言葉を沢山投げてくれた。
「アードレー氏、私達全員を招待して頂き、ありがとうございました。子供たちは、この様な
場に来る事が、なかなか出来ません。とても素晴らしい体験です。本当に感謝致します」
ポニー先生は、子供達に、この様な世界もあると見せてくれたアルバートさんに感謝していた
「いえ、僕は何も・・・素敵な僕の奥さんを、皆さんに見て頂いて、僕の奥さんが喜んでくれれば
いいのです。その事によって、子供たちの社会勉強になったのなら、僕は二重の喜びです」
アルバートさんは優しい笑顔を見せて言った
「アードレー氏、ありがとうございます」
ポニー先生はアルバートさんに頭を下げた
「アードレー氏、キャンディ、本当に良かったですね。キャンディ、あなたの本当の幸せを
見れて、嬉しいですよ」
レイン先生が言った
「はい、私、幸せです・・・」
キャンディは、また涙が溢れてきた
「ほらっ、おっちょこちょい!いつまで涙を見せているんだいっ。せっかく綺麗にして
貰ったのに、化粧が流れて汚い顔になるよ。さっさと、これで拭きなさい」
メリー・ジェーン校長がいつのも通りに言った
「メリー・ジェーン校長・・・」
周りに居た人はお腹を抱えて笑っていた。
特にアーチーとディックは本物の”おっちょこちょい”を聞き、とても喜んでいた。
「ぶっ・・・本当だ、キャンディ、汚い顔になる前に拭いた方がいいね・・・くっくっく」
アルバートさんは、キャンディが受け取ったメリー・ジェーン校長のハンカチでキャンディの
涙を拭いてあげた。
「メリー・ジェーン校長・・・もう、おっちょこちょいは止めて下さい・・・」
「だめだよ、キャンディ。この前、校長先生は、おっちょこちょいは治らないとおっしゃって
いたよ。くっくっく・・・」
アルバートさんは、笑っている
「そうだよ、おっちょこちょい。治らないから、私はアードレー氏に、ちゃんと見てやってくれと
頼んだんだ。アードレー氏、本当にお願いしますよ。この子のおっちょこちょいは
心配で仕方ないんだよ。何をするか分からないからね・・・」
「くっくっく・・・分かりました。私が治らない”おっちょこちょい”を一生掛けて看病します
くっくっく・・・」
「うん、貴方なら出来ますね。あなたの愛があれば・・・」
「はい」
アルバートさんは、メリー・ジェーン校長の優しさを感じていた
「ほら、おっちょこちょい。まだ他にも行く所があるんだろ?ちゃんと御挨拶して来るんだよ」
「はい・・・メリー・ジェーン校長。シャキンと行ってきます」
キャンディは背筋を伸ばして言った
「そうだよ、シャキンとだよ!おっちょこちょい」
メリー・ジェーン校長も少し笑顔を見せ、うなずきながら言った
「ぶっ・・・おっちょこちょいのキャンディ、しっかり挨拶して来いよ」
ディックがお腹を抱えながら笑って言った
「ぶっ・・・キャンディ、君のおっちょこちょいをアルバートさんが一生看病してくれるなんて
良かったね、くっくっく」
アーチーも笑いが止まらない
「ディックもアーチーも本宅に戻ったら許さないからねっ!」
キャンディが怒っている
「おっちょこちょい!もたもたしないで、さっさと行くんだよ!」
メリー・ジェーン校長は言った
「くっくっく・・・キャンディ、いってらっしゃい」
アニーも笑って言った
「はい・・・もぉ・・・分かりました・・・」
キャンディは、もう何を言っても無駄と諦めた
「くっくっく・・・メリー・ジェーン校長先生は相変わらずだね。口は悪いけど、キャンディの事を
心配しているよ。僕に頼んでくれてるしね。キャンディは良い人に逢えて幸せだ」
アルバートさんは、キャンディの腰を抱いて言った
「そうね、メリー・ジェーン校長も、ポニー先生、レイン先生も、皆、私の目標よ。あんな風に
温かい女性になりたいわ」
キャンディはアルバートさんを見上げて言った
「大丈夫だ、キャンディは、そういう女性達に育てて貰ったんだから、そういう女性になれるさ。
さあ、次に行こうか」
2人は会場の中を歩き廻り、沢山の人に挨拶をして、会話を楽しんでいた。
パーティーの最後には出口に立ち、参加してくれた全員に挨拶をして、パーティーを終らせた。
最後の1人が出口を出た時、2人は疲れがどっと出てきた。