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アルバートさんとキャンディの結婚パーティーが無事に終わった。
2人は会場内に戻って、近くのイスに座り、少しの間ボーッとしていた。
そこへジョルジュが来た
「ウィリアム様、キャンディス様、お疲れ様でした。無事に結婚式もパーティーも終わり
私も安心致しました。あとは、本宅に戻られて、ゆっくりお休み下さい。ホテルの部屋は
片付けも済んでおりますので、このまま本宅にお戻り頂きます。
明日からはミルウォーキーですので、ゆっくりお2人で過ごして頂けます」
ジョルジュはキャンディとヴァージンロードを歩く事も出来、とても幸せな1日だった。
アルバートさんとキャンディを見る目も、いつもより優しさが溢れている様だった。
「ジョルジュ、君も色々手配とかで疲れただろう・・・お疲れ様。ジョルジュも明日と明後日は
休みにしておいたから、ゆっくり休んでおくれ。あとは、僕が居ない間、頼むよ」
アルバートさんは、微笑んで言った
「はい、かしこまりました。では、本宅へ戻りましょう」
「うん、そうだね。キャンディ行こうか」
アルバートさんは先に立ち上がり、キャンディの腕を引き上げた。
「えぇ、お腹が空いたから、本宅に戻ったら何か食べたいわ」
「そうだね、僕もお腹空いたよ。ジョルジュ何か頼んでおいてくれるかい?」
「はい、では戻りましたら、お2人がお召替えの間にでも作らせます」
ジョルジュは、ニヤリと笑いながら言ったが、2人は気付かなかった
「うん、サンドイッチとかの簡単な物でいいよ。あとワインと簡単なオードブルも頼みたいな。
僕の部屋でキャンディと食べるから、僕の部屋に運んでくれるかい?」
「はい、かしこまりました」
ジョルジュは2人を車に乗せると本宅へ向かった。本宅に着くと、2人はすぐに大おば様の
部屋へ行った。無事終った事を報告しようとしたが、大おば様は居なかった。
使用人にダイニングに居ると聞き、2人はダイニングへ向かった。ダイニングに行くと
大おば様、アーチー、ディック、アニー、パティーが居て、席に着いていた。
「大おば様、只今戻りました。無事に最後の方まで見送り、パーティーも終わりました。
今日は、色々とありがとうございました」
アルバートさんは、大おば様に言った
「大おば様、この様な素敵なドレスとスィート・キャンディをありがとうございました。
沢山の方に誉めて頂けました。感謝の言葉が見つかりません・・・」
キャンディは大おば様の顔を見て、安心した事もあり、また涙が出て来た
「2人共、お疲れ様でした。キャンディ、もう泣くんじゃありませんよ。くすっ・・・
あなた達は何も食べていませんね。食事にしますよ」
大おば様が、2人を見て微笑んだ
「え?皆はパーティーで食べて来たのではないのですか?」
アルバートさんは目を丸くして言った
「大おば様の提案で、今日は皆でゆっくり食事をする事になっていたんですよ。
だから僕達も腹ペコなんですよ」
アーチーがお腹を擦りながら言った
「アルバートさん、キャンディ、早くこっちに来てちょうだい」
アニーとパティーに連れられ、2人は皆を見渡せるアルバートさんの席に立たされた。
そして、アニーとパティーが席に着くと
「結婚おめでとう」
全員で言ってくれた。そこには、いつの間にかジョルジュも居た
「皆、ありがとう、ビックリだよ。今度は皆が僕の奥さんを泣かせたよ、くすっ」
アルバートさんは笑いながらキャンディの涙を拭いた
「皆、ありがとう・・・とっても嬉しいわ・・・」
キャンディは、涙が溢れてきた
「本当に、皆で泣かせてしまいましたね・・・くすっ」
大おば様が言うと、皆が笑った
「ジョルジュ、君は知っていたのかい?」
アルバートさんが聞いた
「どうでしょう・・・内緒です。くすっ」
ジョルジュは、大おば様にウィンクした
「またジョルジュは楽しそうだな・・・」
アルバートさんも笑った。そんな会話をしている時、大きなケーキが運ばれて来た。
「さぁ、2人でケーキカットしてください」
言われるがまま、2人はナイフを持ち、2人でケーキカットをした。今日のパーティーでは
立食のうえ、人が多すぎてケーキカットが出来なかったのだ。それを知ったアニーとパティーの
提案で、この場でケーキカットが行われる事になった。
「初めてね、こんな事・・・」
キャンディが言うと・・・
「キャンディ、2度目だったら困るんだけど・・・くすっ」
アルバートさんが、いたずらっ子の目で言うと皆が笑った
「お腹が空きましたね・・・アルバートさん、食べましょうよ」
ディックが言うと
「おっと、その前に、僕達の誓いの言葉を聞いておいて貰おうかな。大おば様には、婚約の
時にも聞いて頂いておりますが、もう一度聞いて下さい。
僕は、キャンディを一生愛して、一生守り抜く」
「私は、アルバートを一生愛して、一生ついていくわ。そして、アルバートが疲れた時は、
私が安らぎを与えて、私の胸で休んで貰うわ」
2人はお互いを見つめて誓った
「皆、聞いてくれた?僕たちは、この誓いを守るからね」
アルバートさんが皆を見て言った
「アルバートさん、キャンディ・・・素敵な夫婦だわ・・・」
アニーの目が潤んだ
「なんか聞いてる僕たちが照れちゃうよな・・・」
ディックは、顔が少し赤い・・・
「誓いを破ったら、僕たちが許しませんからね」
アーチーがウィンクして言った
「そうですよ、ウィリアム、キャンディ。あなた達2人なら大丈夫です。さぁ、食べましょう」
「あれ?誓いのキスとかいいの?」
「アルバートっ!」
アルバートさんはニコニコし、キャンディは赤い顔をしていた
「もう、結構です・・・いただきます」
アーチーも、だいぶ慣れ、交わすのが上手になっていた。
食事もケーキカットしたケーキも、全て皆のお腹に納まり、食後のコーヒーが運ばれて来た。
「明日からミルウォーキーですね。気をつけて楽しんでらっしゃい」
「はい、大おば様。2人の貴重な時間ですので、たっぷり楽しませて頂きます」
アルバートさんが大おば様にウィンクして言った。コーヒーを飲み終わると、大おば様は
部屋に戻ると言い、ダイニングを出て行った。
「ミルウォーキーか・・・のんびり出来そうですね」
アーチーが羨ましそうに言った
「うん、一日中ボーッとできそうだよ」
「キャンディ、楽しんで来てね」
「えぇ、今まで、バタバタしてた分ゆっくりしてくるわ」
6人は、とりあえずダイニングを出て、サンルームに移動して話し出した
「ところでアルバートさん、今日キャンディは初恋の話をしていたけど、アルバートさんが
ポニーの丘で会ったキャンディを、何年も後でポニーの丘で会った子だと気付いたのは
いつだったんですか?」
ディックは聞いてみた。
「僕がポニーの丘で会った女の子だと、気付いたのはレイクウッドの山荘にキャンディが
ボートで流されて来た時なんだ」
「え?そんな事あったの?キャンディ。僕、全然知らないよ・・・レイクウッドって事は
アンソニーも、兄貴も居ただろ?」
アーチーは初めて聞いた事で驚いていた
「アーチー、覚えているかしら?私がラガン家の馬番でアニーがレイクウッドに来た日を・・・。
あの日、ニールとイライザがアニーをいじめようと、アニーのコートに毛虫を入れようと
したのよ。それを止めようとニールの毛虫を取ろうとしたつもりが、喧嘩の様になってしまって、
アンソニーは理由も聞いてくれず私に”おてんばが過ぎちゃいけない”と言ったの。
それも悲しかったし、ラガン家を追い出されると思って、川にあったボートに乗って滝に落ちて
しまったの。そして山荘に居たアルバートさんが、私を助けてくれたのよ。私は次の日
戻ったら、アーチーもステアもアンソニーも私を探してくれていたわ・・・・」
キャンディは思い出しながら言った
「キャンディ、私そんな事があったなんて初めて知ったわ。何故言ってくれなかったの?」
アニーは涙を浮かべていた
「あの時は、アニーはポニーの家の事を隠していたわ。アニーがそうしたいのに私が
話しかけたり出来ないでしょ?」
キャンディはアニーを諭す様に言った。アルバートさんはキャンディの横にピタッとくっついて
座り、キャンディの肩を抱いた。キャンディが辛くならない様に・・・
「キャンディ・・・ごめんなさい・・・私・・・」
アニーの目から涙が落ちた
「いいのよ、アニー・・・」
キャンディはアルバートさんに肩を抱かれ、落ち着いて言う事が出来た
「キャンディ、覚えてるよ・・・アンソニーはあの時、反省してたよ。キャンディが理由もなく
あんな事はしないのに、聞いてあげなかったとね・・・そして次の日、キャンディが戻って
来て、一番に会ったはずのアンソニーが喜んでなかった日だよね。何でアンソニーが
喜んでなかったのか不思議だったんだ・・・」
アーチーがキャンディに不思議そうな顔をして言った
「あれは、私が悪いの。本当に心配してくれていたアンソニーに1番に会ったの。
それで、どこに行ってたと聞かれて、アルバートさんの居る山荘の事も言わない約束に
なっていたから、森の夢の国って言っちゃたの・・・。そしたら、ふざけるなって言われて
頬を叩かれたわ・・・。もっと違う事を言えれば良かったんだけど、思いつかなくてね・・・」
キャンディは少し悲しげな顔をした。アルバートさんはギュッと肩を抱いた
「そうだったんだ・・・それでアンソニーは怒った顔して、走って行ったんだな・・・」
アーチーは長年の疑問が解決したが、嬉しい気持ちにはなれなかった。
「キャンディ、あの時も色々な事があったんだね・・・。僕も初めて聞いたよ。僕との約束を
守ってアンソニーに叩かれてしまったんだね・・・悪かったね・・・」
アルバートさんも、しんみりとしてしまった
「もぉ、アルバートもアニーも、ずっと昔の事よ。気にしないの!」
キャンディは、自分の気持ちを入れ替え、明るく2人に言った。アルバートさんも、それを
察して、気持ちを入れ替えて言った
「でも、あの時のキャンディは、酷かったんだぜ。僕を見て2回も気絶して、僕をおじさんって
言ったもんな・・・くすっ」
「くすっ、だって、あの時のアルバートは、髪の色もヒゲも茶色でサングラスをしていて
どう見ても山賊の、おじさんだったわ」
「酷いな・・・キャンディ」
皆はアルバートさんの姿を想像して大笑いした。アルバートさんは続きを話し始めた。
「それで、その山荘でキャンディを見て、この子はポニーの丘で会った子だと、すぐに
分かったんだ。昔のまんまだったからね・・・。その時にラガン家で使用人をしている事も
キャンディに聞いたから、この子を養女にしようと考えたんだ」
「え?それじゃ、兄貴とアンソニーと僕が、ウィリアム大おじ様にキャンディを養女に
して下さいと手紙を出す前に決まっていたって事ですか?」
アーチーが驚いて言った
「実はそうなんだ・・・くすっ。大おば様への手紙には、君達3人の願いによりって書いたけど
君達の願いの書かれた手紙を見る前に決めていたのさ。すまないね・・・くすっ」
アルバートさんは笑って言った
「キャンディ、君は色々な話があるんだね、ビックリだよ。アーチーもステアもアンソニーも
キャンディを養女にして下さいなんて、ウィリアム大おじ様に手紙を出していたのにも
ビックリだ。君は皆に愛されているんだね・・・」
ディックはしみじみと言った。ディックもアニーもパティーも初めて聞く事ばかりで驚きの
連続だった・・・
「それで、アルバートさんが、キャンディを養女じゃなくて妻にしたいと思ったには、いつ
なんですか?」
パティーが目をキラキラさせて聞いた
「おいおい・・・今日は質問攻めだな・・・。知りたいの?」
アルバートさんは少し照れていた
「えぇ、とっても」
今度はアニーも加わり返事をした
「仕方ないな・・・僕は記憶を取り戻した時に、1番初めに頭に浮かんだのが、キャンディの
顔だったんだ。その時、僕の手で幸せにしたいと思って、キャンディの兄を辞めたいと
思ったんだ。だから、その時かな・・・」
アルバートさんはキャンディを見て微笑んだ
「じゃぁ、キャンディは、いつからアルバートさんが好きだったの?」
「え?今度は私なの?恥ずかしいわね・・・私は、はっきり分からないけど、アルバートが
記憶を取り戻して居なくなってしまった時は、必死で探していたわ。今までなら、アルバートが
何処かへ行っても、また必ず会えると思っていたんだけど、あの時は、何故か凄く不安で
追いかけていたわ・・・だから、あの時かしらね・・・」
キャンディもアルバートさんを見て微笑んだ
「・・・って事は、結構前から、お互いを好きだったのね?くすっ、なんか面白いわね」
パティーが面白がって言った
「本当だね、それから気持ちを伝えるまで、凄く時間がかかったな・・・」
アルバートさんはキャンディの肩を抱き直して言った
「気持ちを伝えようと思った、きっかけがあったんですか?」
ディックがアルバートさんに言った
「うん、あったんだよ。キャンディに内緒で会いに行った時、キャンディは入院していたんだよ。
風邪のウィルスが胃に入っちゃってな?キャンディ」
「そうなのよ。1泊2日だけの入院だったのよ。その短い入院の時に、たまたまアルバートが
来てバレてしまったの。内緒で済ませるはずだったのに、内緒に出来なかったのよね。
たいした事じゃなかったんだけど、一晩付き添ってくれたのよね」
「あの時、次に来た時に、気持ちを伝えようと決めたんだ。離れていると助けられないし
知らない事も沢山あるからね・・・心配だったんだ」
「確かに・・・そんな事があれば気持ちを伝えようと思いますね・・・離れて暮らしているから
余計ですよね・・・」
アーチーにはアルバートさんの気持ちが分かった様だ
「そうだ、今日、メリー・ジェーン校長先生見てどうだった?くすっ」
アルバートさんは既に笑っている
「おっちょこちょい・・・良かったですね、くっくっく」
「目の前で聞いちゃったもんな・・・くっくっく」
アーチーとディックは思い出して、また喜んでいる
「あっ!そうだ、2人共、本宅に戻ったら許さないと、言っておいたわよね?」
キャンディが思い出した
「くっくっく・・・でも、あれは誰が聞いても笑うぜ、キャンディ」
「う〜ん、そうなんだけど・・・」
「そうだろ?アーチーも僕も、皆と一緒さっ」
「でも納得いかないわ」
「さっ、キャンディ、明日は新婚旅行だろ?もう休んだら?」
「なんか、上手に丸め込もうとしてない?」
「そ、そんな事ないよ・・・キャンディを思って言ってるのさ。な?ディック?」
「そうそう、アルバートさんも、疲れてるから休んだ方がいいですよ」
「くすっ・・・そうだね、連れて行くよ。じゃぁ、おやすみ・・・」
アルバートさんは、納得のいかない顔をしているキャンディを連れ部屋に戻って行った
アルバートさんとキャンディは部屋に戻り、シャワーを浴びるとアルバートさんの部屋の
ソファーに座った
「アルバート、お疲れ様・・・」
「キャンディも、お疲れ様。なんか、やっと終った様な、もう終ってしまった様な感じだな・・・」
「そうね・・・一生に一回の結婚式はどうだった?」
キャンディはアルバートさんの肩に頭を置き、下から覗き込んで聞いた
「僕は満足だったよ。とっても素敵なウェディングドレス姿も見れたし、沢山の人に祝福
してもらったしね・・・キャンディはどうだった?」
「私も満足だったわ・・・とっても楽しかった。皆に祝福して貰えて嬉しかったし、
大おば様の用意して下さったドレスにスィート・キャンディ・・・ポニー先生達にも会えたし・・・
私はとっても幸せだわ・・・ありがとう、アルバート」
「こんな素敵な結婚式になったのも、僕の奥さんがキャンディだからだよ。キャンディ、僕の
奥さんになってくれて、ありがとう」
「あら、私もアルバートが私の夫だから幸せだわ。アルバート、私の夫になってくれて
ありがとう」
キャンディはアルバートさんに口づけをした
「さぁ、明日からは2人だけの時間が沢山あるよ。楽しみだね」
「そうね、とっても楽しみだわ」
アルバートさんはキャンディを抱き上げ、寝室に入って行った。