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シカゴにも暖かい陽が降り注ぎ、もうすぐ初夏を迎えようとしている5月の終わり・・・
アーチーとアニー、ディックとパティの2組のカップルは庭を、それぞれ散歩していた。
2組とも、お友達からは卒業した様で、外から見ても恋人同士と分かる位仲良くなっていた。
キャンディとアルバートさんは、そんな4人を見て微笑んでいた。そんなある日、テリィが来る
事になった。それも彼女を連れて・・・テリィは1週間の休みがあると言うので、アルバートさん、
アーチー、ディックも仕事の都合をつけ、休みを取り、全員でレイクウッドに1泊して遊ぶ事にした。
6人はシカゴから車でレイクウッドへ向かい、テリィは汽車に乗ってレイクウッドへ来るという計画
だった。先に6人がレイクウッドに着き、テリィの到着をサンルームで待っていた。1時間近くして
テリィがレイクウッドの別荘に到着した。そして、キャンディが1番に出て行った
「テリィ、久しぶりね。元気そうで良かったわ。はじめまして、こんにちは」
「やぁ、キャンディ、お腹目立ってきたな。でも元気そうで良かったよ。皆も元気そうだな。
アルバートさん、お世話になります」
テリィはニコニコとして、皆に言った。
とりあえず、サンルームのイスに全員が座りコーヒーを飲んだ。
「やぁ、テリィ、久しぶり。そちらのお嬢さんを、皆に紹介してくれないかな?」
アルバートさんは、テリィの横に居た女性を見て言った。
「あ・・はい。俺の彼女のローズです。同じ劇団で彼女は衣装担当なんです。ローズ、こっちから
アーチーとアニー、ディックとパティー、アルバートさんとキャンディのアードレー夫妻だよ。
アルバートさん・・・キャンディなみですよ」
そう言うとテリィはアルバートさんにウィンクした。
「皆さん、はじめまして。ローズ・シンプソンです。よろしくお願いします。
キャンディさんですね?新聞で見るより素敵だわ・・・私、テリィからキャンディさんの話を沢山
聞いているので、初めて会った感じがしないんです・・・」
ローズがキャンディに言った
「そうなんですか?テリィ、どんな話をしているのかしらっ?」
キャンディが腰に手をあてて言った
「ん?え?キャンディは、とても素敵なレディーだと・・・」
テリィが少し上を向いて言った
「貴方、嘘をついてるわね・・・嘘をついてる時の目をしてるわよ。くすっ」
「なんだよ・・・なんでキャンディは分かるのかな・・・くすっ」
テリィとキャンディとアルバートさんは笑っていた。他のメンバーは笑っていいものか分からず
ただ3人を見ていた。するとローズが目を輝かせて言った
「やっぱり、キャンディさんは、テリィが嘘をついてる時が分かるんですね?くすっ」
「ローズさんも分かるんでしょ?」
「はい、すぐに分かります、くすっ」
キャンディとローズは目を合わせて笑った
「・・・でテリィは、何と言ってるのかしら?」
キャンディはテリィを見て言った
「嫌な2人を引き合わせちゃったな・・・」
テリィは下を向いて、小さな声で言った
「テリィ、キャンディとローズさん似てるよ・・・ほら、もう親友みたいだぜ。くすっ」
アーチーが笑いながらテリィに言った
「くすっ、だから言ったでしょ?アルバートさん・・・キャンディなみだって・・・」
テリィは隣に居るアルバートさんに言った。アルバートさんは笑っていた
「何か言った?テリィ」
キャンディは、アルバートさんの膝の上に手を置き、身を乗り出してアルバートさんの隣に居る
テリィに言った。
「いや、何も・・・キャンディは、アードレー夫人だけど木にも登るって言ってあるよ。ローズも木に登るん
だよ。誰かさんみたいに、ターザンまではしないけどなっ・・・くすっ」
テリィはキャンディを横目で見て笑った
「ぶっ・・・テリィ・・・ターザンやる誰かさんって、キャンディだろ?くっくっく・・・聖ポールでキャンディは
夜、ターザンになって僕と兄貴の部屋に来てたよな・・・間違ってテリィの部屋に入って行った事も
あったしな・・・懐かしいな」
アーチーが笑って言った
「本当、懐かしいわ。特別室のお嬢様が男子寮に行くんですものね・・・くっくっく・・・よく見つから
なかったわよね・・・でも聖ポールの特別室の人って面白いわよね・・・女子寮はキャンディで
男子寮がテリィでしょ?個性が強い2人が特別室ですものね・・くすっ」
パティーも笑っている
「くっくっく・・・キャンディは、あの学院でそんな事していたんだ・・・保護者呼び出しが無くて
良かったよ。くっくっく・・・あっても行くのはジョルジュだけどね・・・呼び出されたらジョルジュが
泣くよな・・・くっくっく・・でも本当に、あの学院の特別室は変わってるな・・・両方問題児だ。くすっ」
アルバートさんは可笑しくて仕方なかった。キャンディとテリィは、アルバートさんを見て言った。
「誰が問題児なのよ。テリィは問題児だけど、私は違うわよ」
「何いってんだよ。反省室に入れられて抜け出してるヤツが問題児じゃ無いなんて、よく言えるよな。
俺の方が、まだまともだよ」
テリィもキャンディも真剣だった・・・
「くっくっく・・・もういいよ。2人共一緒だよって、目をして皆見てるぜ、くすっ」
アルバートさんが2人を見て言った
「あらっ・・・なんか納得できないけど・・・皆、そんな目ね、テリィ?」
「うん・・・そうだな。俺達は問題児だったんだな・・・くすっ」
キャンディとテリィは2人で笑っていた
「やっと、分かったのね?2人共。気付くのに何年かかったのかしらね・・・くすっ」
アニーの厳しい一言が飛んで、皆が大笑いになった。
「ところで、ローズさんは、木登りも出来るのね?気持ちいいわよねぇ。テリィも木に登るから
ちょうどいいわね。アルバートも木に登るのよ。私とアルバートは木の上で話すのが大好きなのよ」
キャンディは会話に入れずにいた、ローズに気付いて会話を変えた
「そうなんですか?お似合いの夫婦なんですね、くすっ。私の事、ローズって呼んで下さい。
私も皆さんと同じ様にキャンディと呼ばせて頂きますので・・・」
「えぇ、いいわ。それから、その敬語もやめてね。私と同じ位の歳でしょ?」
「あ・・・そういえば、キャンディの歳をテリィから聞いた事が無かったわ・・・私の方が歳上だと思うわ。
私は今20歳よ」
「あら、たぶん同級生よ。そうでしょ?テリィ・・・私は、この前21歳になったのよ。アニーもパティーも
一緒なのよ」
「あぁ、キャンディとローズは同級生だよ。言った事なかったっけ・・・」
テリィがローズに言った
「言って無いわよ・・・でも良かったわ、皆、同じ歳で・・・アニーさんとパティさんは、同じ位と思って
見ていたんだけど、キャンディは若く見えるから・・・」
「くっくっく・・・ローズさん、若く見えたんじゃなくて、幼く見えたんですよ」
ディックが笑って言った
「ディック!もぉ失礼ね」
キャンディは頬を膨らませた。アルバートさんは笑って、キャンディの頬を突っついた。
「くすっ、皆さん、ローズと呼んで下さい。私も皆さんと同じ様に呼ばせて頂きますので・・・
敬語も、もう辞めます。疲れるわ・・・くすっ」
ローズは皆が自分を受け入れてくれ、皆が楽しくて、いい人達と思い安心出来るようになった。
「ローズ、来て良かっただろ?」
テリィがローズを見て、こそっと言った
「えぇ、良かったわ。とっても楽しいわ・・・」
ローズは張っていた緊張が緩んできた
「ねぇねぇ、ローズ、アルバートは何歳に見える?」
キャンディがアルバートさんの手を触りながら言った
「そうね・・・テリィが今年24歳になるから、それよりはお兄さんね・・・27歳位かしら?」
ローズが少し考えながら言った
「くすっ、良かったわね、アルバート。やっぱり、貴方は若く見えるのよ」
「そうだな。ありがとう、ローズ。若く見てくれて・・・くすっ。僕は31歳なんだよ」
アルバートさんもキャンディの手を握りなおして言った
「31歳でアードレー家の総長なんですよね?凄いわぁ・・・」
ローズは感心している
「そんな事言ったら、キャンディは21歳で総長夫人よ。そっちの方がビックリでしょ?挨拶も
仕事も総長夫人らしいものね・・・」
アニーが微笑んでいる
「そうよね・・・立派にやってるものね・・・私には出来ないわ・・・」
ローズがキャンディを尊敬の眼差しで、見て言った
「さぁ、テリィ、アーチー、ディック。外の物置からテーブルを出すのを手伝ってくれないか?
レディー達は、もう少し話してていいよ」
そう言うとアルバートさん達は外へ出て行った。そして女4人の会話が始まった。
「私は、キャンディに会えて、とっても嬉しいわ・・・新聞で見るキャンディの写真はドレスを着て
綺麗で大人っぽいの。そしてキャンディがする挨拶を新聞で読むと、とても年齢が近いとは
思えないほど立派な挨拶をしていて、まさしくアードレー夫人だわ。テリィもそう言ってたわ。
でもテリィの知ってるキャンディの話は新聞のキャンディとは全く違うのよ。テリィの話の中の
キャンディは、私と似たタイプの人なの・・・そのギャップが不思議だったんだけど、今日キャンディに
会って、テリィや皆と話してるキャンディを見て、テリィの話の中のキャンディだと思ったわ。
テリィの言ってる事は本当だったんだと分かったのよ。くすっ」
「テリィが、どう話しているか知らないけど、今の私が本当の私よ、くすっ」
「じゃぁ、いつの間にかアルバートさんと手を握って話してるキャンディも、本当のキャンディ
なのね?くすっ」
さっきのキャンディとアルバートさんをローズは見ていたのだ・・・
「あらっ、見てたの?くすっ。なんか落ち着かなくて、アルバートの手を触っていたのよ・・・くすっ」
「キャンディ、可愛いのね・・・アルバートさんも、キャンディが可愛くて仕方ないって顔してるものね」
ローズがアルバートさんを思い出して笑った
「くすっ・・・そうでしょう・・・アルバートさんは、キャンディと居るとデレデレなのよ。仕事の時は、
とっても厳しいらしいんだけどね・・・」
パティーがディックから聞いている事を言った
「でも、本当のキャンディは、今頃ここに居ないわね・・・こんな天気の日には外に出て走ってるか
木に登ってるんじゃないの?今は妊婦さんで木に登れないだけなのよ、ローズ」
アニーがローズに言った
「くすっ、そうよね。私もそんな気分だからキャンディも一緒ね。私はテリィとキャンディの事、
テリィとスザナの事、全てを知ったうえで今のテリィと、お付き合いしているの。初めは、私が
キャンディに似てるから付き合ってるの?って思ったけど・・・劇団の中にはキャンディを知ってる
人も居るのよ。キャンディは知らないと思うけどね・・・その人達が、キャンディに似てるって言って
いたから、私も一瞬そう思ってしまったの・・・でも違う事に気付いたの。確かに私とキャンディは
似てると思うの。でも、テリィが好きになる女性は、私達みたいなタイプだと分かったのよ。
だから、キャンディに似てるって言われても、何とも思わなくなったわ。前はそう言われるのが
嫌だったんだけどね・・・分かってからは、そう思わないのよ」
ローズはキャンディを見てニコッとした。
「そうなの・・・?テリィとキャンディの仲の良さを見て、何とも思わないの?私だったら、2人の
関係は嫌だと思うんだけど・・・」
アニーがローズに言った。
「うん・・・今日の2人を見たら、前の私だったら嫌だったかも・・・とっても仲が良いものね。
キャンディはテリィの表情や目で、大体の事が分かると思うの。でも、私にも分かるのよ。
テリィを分かる自分にも気付けたし、キャンディと居たテリィ、スザナと居たテリィ・・・色々な
経験を積んだから、今のテリィが居るのよ。そして、私は今のテリィの彼女だわ。今までの
テリィを含めた、今のテリィが好きなのよ」
ローズは3人を見て言った
「ローズ、貴女と私は考えも似てるわ。素敵な事だと思うわ・・・ローズ。そんなローズに
愛されてるテリィは幸せだわ。それに、今のテリィに愛されてるローズも幸せよ。私とアルバートは、
どうしてもテリィに幸せになって欲しかったの。ローズ、貴女ならテリィを幸せにしてくれるわ。
テリィも貴女を幸せにするわね。もう結婚の約束してるんでしょ?くすっ」
キャンディはローズを見て笑った。ローズは驚いていた。
「キャンディ・・・貴女は何者なのかしら?くすっ。テリィの事は本当に何でもわかるのね?」
「本当、キャンディって不思議よね・・・」
アニーも感心している
「テリィが、私達の前に連れて来るなんて、もう決まってるんじゃないかと思ったのよ」
キャンディがウィンクした。
「本当にキャンディは、テリィがわかるのね・・・」
パティが首を捻っている・・・
「アルバートさんの事なんて、もっと分かってるしね・・・くすっ」
アニーがキャンディを突っついた
「当然よ。アルバートは夫ですもの・・・くすっ・・・」
キャンディが言った時、アーチーが部屋に戻って来た
「さぁ、テーブルの用意が出来たよ。アニーとパティーは、お茶の用意を頼むよ。キャンディとローズは
荷物の中からクッキー出して持ってきてくれるかい?」
アーチーに言われた通りに4人は動いた。キャンディはローズと2人になるとローズに言った
「ねぇ、ローズ・・・テリィと私は恋人同士だったけど、関係は持ってないのよ、本当よ。
私の初めての人は、夫のアルバートなの。アルバートに聞いて貰っても構わないわ・・・
そして、テリィはスザナに指一本触れてないって、私に言ったわ。話してるテリィを見ていたけど、
本当の事を言ってるテリィだったから、私はテリィの言葉をしんじてるわ。この事だけは、今、
ローズに伝えたいと私は思ったから言ったんだけど、余計な事だったかしら・・・?」
キャンディはローズの瞳の奥を見るように言った
「ううん・・・でも、ちょっとビックリした・・・。私はテリィとキャンディは1度は結ばれてると思って
いたから・・・」
ローズは少し下を見て言った
「そう・・・皆そう思ってるみたいね・・・アルバートも、アニーも、パティーもそう思っていたわ。
アーチーもそう思っていたと思うわ。でも、そんな事はなかったのよ。テリィは、そんな人よ。
私が言うのも変だけど、テリィは本当に好きな人は大切にするわ。私は大切にして貰っていたと
思えるもの。ローズもテリィに大切にされてるはずよ。テリィは、あんな風だけど遊んでないわよ」
キャンディは、遠くを見て言った
「そうなのよ、私と居るテリィを見てると、遊んでる人に思えないのよ。私もテリィに大切にして
貰ってると感じるの・・・やっぱりテリィは、私の思ってるテリィのようね、くすっ」
ローズがキャンディの話を信じたようだ。とっても素敵な笑顔を見せてくれた。
「そうよ、ローズの思ってるテリィが、本当のテリィだと、私は思うわよ」
キャンディも、とびっきりの笑顔を見せた
「キャンディ、教えてくれて、ありがとう。とっても安心したし、私の中の小さな塊が無くなったわ」
キャンディとローズは2人で微笑んだ
「ねぇ、ローズ、キャンディ・・・君達楽しそうだね。意気投合しすぎじゃないか?」
アルバートさんとテリィが、2人に近付いてきて、テリィが言った
「そうね、私とキャンディは、とっても意気投合して、もう親友以上だわ、くすっ。ね?キャンディ」
ローズはキャンディに言った。キャンディは頷いて笑っていた。
「おいおい、テリィ・・・この2人を一緒にしたら、僕達やられそうだよ・・・くすっ」
アルバートさんが、キャンディの隣に来て言った
「本当ですよ、予想はして来たんだけど・・・やっぱり2人揃うと強烈だったなぁ・・・」
テリィがローズとキャンディを見て笑った
「くっくっく・・・確かに2人揃うと強烈だ・・・」
アルバートさんも笑った
「テリィ! アルバート!」
キャンディが腰に手をあて怒った
「キャンディ、怒るとお腹の中の子も、怒りん坊になるぞ。くすっ」
テリィがキャンディの頭を撫でて言った
「キャンディ、それは勘弁してくれよ。僕の大切な子供なんだからね・・・くすっ」
アルバートさんは、キャンディの肩を抱いた
「もぉ・・・2人とも・・・」
キャンディは返す言葉も無く、怒れなくなった
「くっくっく・・・キャンディもアルバートさんとテリィに負ける事があるのね?」
ローズが3人のやり取りを見ていて笑っていた
「いつもよ、ローズ。私は、やられっぱなしだわ・・・」
「そんな事言ったら、アルバートさんと俺は、驚かされっぱなしだよ、キャンディ」
テリィがキャンディを横目で見て言った
「くっくっく・・・本当だな。心臓止められる様な事、よくやられたよな・・・」
アルバートさんは、横に居るキャンディを覗き込んで言った
「なんだか、3人は、おかしな関係ね・・くすっ」
「いや、4人だ。ローズ、君も入ってるよ。キャンディと意気投合したら、もう仲間だな・・・くっくっく」
アルバートさんは、ローズに真剣な目をして言おうとしたが、笑ってしまった。
「え?私も?私は遠慮したいわね・・・くすっ。でもキャンディと親友以上じゃ、仲間なのね?
楽しいからいいわ。仲間になるわ。くすっ」
そう言ったローズの肩をテリィが抱き、アルバートさんとキャンディは微笑んで見ていた。
賑やかなレイクウッドになった。夕食も終わり、サンルームでくつろぐ8人。夕食後も楽しく尽きない
話をしていた時に、キャンディがニッコリと笑って言った。
「アルバート、今日も元気に動きだしたわよ」
キャンディが隣に居るアルバートさんに言った
「どれっ?あっ、本当だ、今日も僕たちの赤ちゃんは元気だね」
アルバートさんも触って動きを感じると、キャンディに微笑んだ
「え?動いてるの?触らせて・・・」
アニーもパティーもローズも、お腹の中で動く赤ちゃんに興味津々で、代わる代わる触って
動きを感じると感激して、喜んでいた。テリィー、アーチー、ディックは初めての事のうえ、
キャンディのお腹を触っていいものかどうか分からず、じっと見ていた。
すると、テリィが先頭切って言った。
「ねぇ、キャンディ、アルバートさん。俺もキャンディのお腹触ってもいい?」
テリィは少し遠慮気味に言った
「あぁ、いいよ。テリィ、遠慮しないで触ってみたら?いいだろ?キャンディ」
アルバートさんが遠慮気味なテリィに、少し驚いて言った
「えぇ、いいわよ。大丈夫よ」
キャンディはテリィに微笑んで言った
「うん、ありがとう・・・でも、なんか怖いな・・・」
「くすっ、テリィらしくないな・・・でも初めは怖いよな。僕も恐る恐る触ったもんな」
アルバートさんが、ゆっくり手を出しているテリィを見て言った
テリィは、恐る恐るキャンディのお腹に手を当てた
「え?お腹って、こんなに硬いんだぁ・・・どこ動くんだ?この辺か?ん?あっ・・・動いた・・
ボコボコ動いてるよ・・・すっげなぁ、キャンディ、赤ちゃん動いてるよ。凄いよ!」
テリィは、キャンディを見て言い、初めての体験に感動していた。
「すっごいよ、これ。キャンディ、こんなに動いて、お腹痛くないの?」
テリィは、キャンディのお腹から手を放さない・・・まだ感動したままキャンディに聞いた
「時々、動きすぎて痛い時もあるけど、面白いでしょ?私のお腹の中で動いてるなんて・・・
お腹の中で生きてるのよ。なんか、今のテリィは、初めてアルバートが私のお腹を触って動きを
感じた時と、全く同じで可笑しいわ。ね?アルバート・・・」
「くっくっく・・・本当だな。僕も感動しすぎて、ずっと触ってたもんな・・・」
「アルバートさん、赤ちゃん出来ると、凄く嬉しいでしょ?動くと感動しますよね?」
テリィはアルバートさんを見た
「うん、赤ちゃんが出来たって聞いた時は、とても嬉しかったけど、実感が無かったんだよ。でも
段々キャンディのお腹が大きくなって、赤ちゃんが動き出して、触って感じると父親になったって
実感もあるし、感動するんだよ・・・」
アルバートさんはキャンディの手を握って言った
「そうですよね・・・俺、自分の子じゃないけど、動いてくれると感動したもんな・・・自分の子だったら
どうなるんだろう・・・面白いよな・・・」
テリィがキャンディのお腹を見て言った。テリィは赤ちゃんの動きを感じた事で、興奮している・・・
その様子を見ていたアーチーとディックも触りたくなり、テリィと同じ様に、恐る恐る触り、動きを
感じると感激し、興奮していた。そしてテリィは、アルバートさんが呆れる程、何度も触り喜んでいた。
ローズとアニーとパティーは、その男性達を見てビックリしていた。男の人が、赤ちゃんの動きを
感じて、こんなにも喜ぶものなのかと・・・
「さぁて、今日は、もう寝ようか・・・」
アルバートさんは、既にキャンディと寝れると決め込んで言った
「どう寝ます?」
ディックが言った。アルバートさんは、少し嫌な予感がした。
「私達、女の子4人で寝てもいいかしら?」
ローズが言い出した
「え?キャンディを取られちゃうの?キャンディが横に居ないと淋しいな・・・くすっ。嘘だよ・・・
今日は我慢するから、4人で寝たらいいよ。2階の階段すぐの部屋がシングル4つの部屋だったよね?
キャンディ・・・」
アルバートさんは、本当にキャンディを取られ、少し淋しい気分だったが、1晩我慢する事にして
皆には、笑顔を見せてキャンディに部屋の確認をした
「えぇ、そうだったわ。じゃぁ、私達は、そこを使うわ」
「じゃぁ、僕達はアルバートさんと話したいので、寝れる部屋ありますか?」
ディックがアルバートさんを見て言った
「え?また質問されるの?勘弁してよ・・・くすっ」
アルバートさんは笑った
「僕たちの社会勉強ですよっ、頼みますよ」
アーチーも笑って言った
「参ったな・・・キャンディ、あとシングル4つの部屋あったっけ?」
「ん〜、2階の奥に2部屋あった気がするけど・・・なかったっけ?」
「あ、あるある。じゃぁ、僕達は2階の奥へ行こう」
「本当にキャンディは、アードレー夫人よね・・・部屋の場所とか、部屋のベットの数まで把握して
居るんだもんね・・・アルバートさんや、アーチーの方が、ここを長く使っているんじゃないの?」
パティーがキャンディのアードレー夫人ぶりに驚いて言った
「え?僕達の方が長いけど・・・なぁ、アーチー・・・」
アルバートさんがパティーの質問に困っていた。キャンディは横で笑っていた。
「ねぇ・・・アルバートさん・・・僕達には立派なアードレー夫人が着いてるから、
問題ないですよね?」
アーチーもパティの質問にタジタジだった・・・
「くすっ・・・いいのよ。男性は仕事で大変ですものね。こんな事は、私が覚える事だから、大丈夫よ」
キャンディは、アードレー夫人の目をして言っていた。そんなキャンディを、皆は見て、やっぱり
アードレー夫人なのだと感心していた。
「キャンディ、君は僕と一緒に行くよ。階段があるからね・・・荷物は僕が持つよ」
「ありがとう、アルバート」
そんな2人を皆は見て、この夫婦を見本にしたいと思っていた。それぞれの部屋に入り、最後は
キャンディとアルバートさんが部屋の前に居た
「キャンディ、明日の朝は、僕が来るまで部屋に居てね。一緒に階段を降りるからね」
「えぇ、分かったわ、おやすみなさい、アルバート」
「うん、おやすみ、キャンディと赤ちゃん」
2人は入り口の前で、おやすみのキスをすると部屋に入って行った。
その夜は2つの部屋で、それなりの会話が楽しまれていた。夜も更けてきた頃、2部屋の
明かりが消え眠りについた。
翌朝、アルバートさんがキャンディを迎えに来て、2人は一緒に階段を下りた。
そして女性達が朝食を作る事になり、4人はキッチンに入り、男性4人はテラスのある部屋で
くつろいで朝食の完成を待つ事になった。
ところが、キャンディは部屋で休んでいてと言われ、キッチンから部屋へ移動して来た。
部屋に行くと、テリィとアーチーとディックは、部屋のイスに座り話していた。アルバートさんは
テラスに1人出て、両手を少し広げて、テラスに体重をかけてつかまり、外の空気を吸っていた。
「あっ、キャンディ、どうしたの?」
アーチーが部屋に来たキャンディに言った
「うん、私は、こっちで休んでてって言われて、キッチンを追い出されたのよ・・・」
「くっくっく・・・料理出来ないからだろ?」
テリィがキャンディに言った
「もぉ、テリィは失礼ね!アルバートの所に行ってくるわね」
キャンディはテリィを軽く叩き、アルバートさんの居るテラスへ行った。その後ろ姿をテリィ達
3人は見ていた。キャンディは、アルバートさんの広げた左腕と体の間から、自分の体をスルリと
滑り込ませ、アルバートさんと手すりの間に入り込んで、アルバートさんを見上げていた。
「ねぇ・・・今のキャンディ見た?あんな可愛い事されたら、たまんないな・・・」
ディックがアーチーとテリィに言った
「本当だよ。あれじゃ、アルバートさんデレデレだよな・・・」
アーチーがボソッと言った
「うん、彼女に、あんな事されたら、俺は理性失いそうだな・・・」
テリィが笑って言った
「テリィはキャンディに、あんな事された事あるの?」
アーチーが笑ってるテリィに言った
「俺の記憶のなかには、無いな・・・あんな甘え上手じゃなかったぞ。やっぱり、大人の
アルバートさんだから、なのかな・・・でも、あの行動は、可愛いよな・・・」
テリィはテラスに居るキャンディを見て言った
「くすっ・・・うん、あの行動はヤバイ・・・可愛すぎる」
ディックもキャンディを見ている
「そうだよな・・・僕も、あんな事されてみたいな・・・」
アーチーは上を向いて言った。
アルバートさんは、その姿勢のまま、キャンディに顔を近づけて、何かを話している。
3人は、その姿も見つめていた。3人揃って、自分もやってみたいと思っていた・・・
「いいな・・・アルバートさん・・・あんな可愛い事してくれるキャンディで・・・」
ディックはアルバートさんを羨ましく思っていた。
少しすると、ボーッとした3人の元に、キャンディの腰を抱きながら、アルバートさんが来た。
「どうしたの?3人ともボーッとしちゃって・・・昨晩寝れなかったの?」
キャンディが3人に言った
「本当だよ、どうしたんだい?」
アルバートさんも3人を心配して言った
「キャンディのせいだっ」
ディックがキャンディに言った
「え?私なにかした?」
キャンディは全く分かっていない・・・
「今、やった・・・俺達には、かなりヤバイ行動だったんだ」
テリィが笑って言う
「え?全くわからないわ・・・ねぇ、アルバート、私何かやった?」
キャンディはアルバートさんに助けを求めた
「さぁ・・・僕もわからないよ・・・」
アルバートさんも、いつもキャンディは可愛い事をしてくれるので、今のキャンディの行動は
アルバートさんにとって、普通の事となってしまっている為、分からなかった。
「今、キャンディは、アルバートさんの腕と体の間を抜けて、手すりとアルバートさんの間に
入り込んで、アルバートさんと話していただろ?」
アーチーが、何も分かっていない、キャンディに説明を始めた。アルバートさんは、やっと気付いた。
「えぇ、そうよ。それが何かあるの?」
キャンディは、まだ分かっていない・・・
「あんな、可愛い事されたら、たまんないよな・・・って、ボーッとしたんだよ」
テリィもキャンディに言った
「くっくっく・・・確かに。やられた僕も可愛い事すると思ったよ。あんな事されたら男はダメだよな。
可愛すぎたよなぁ・・・くすっ。それで、君達は想像しちゃったのかい?はっはっは・・・」
アルバートさんは、3人の気持ちが理解出来たようだ。
「キャンディのせいだぞ!朝からヤバイよっ」
「何がヤバイのよ、ディック」
「そんな事言えるかよ・・・」
「何よ、アーチーまで一緒に怒って・・・」
「あぁ、俺達3人だっ!」
「え?テリィも?何が何だか私には分からないわよ・・・」
「くっくっく・・・いいんだよ、キャンディ。君はいつも通り、僕と居てくれたらいいのさっ」
アルバートさんは、キャンディの頭に手を置いて言った
「アルバートさん、いいよな・・・いつも、あんな事して貰ってるんですか?」
アーチーがアルバートさんに聞いた
「くすっ、そうだな・・・よくやってくれるかな・・・本人は気付いてないのさ。あんな事されたら
抱きしめたくなっちゃうよな。僕も、今抱きしめたかったよ・・・おまけに話すとき、キスしそうになって
辞めたんだ。くすっ・・・後ろに、君達が居たからね・・・」
アルバートさんは嬉しそうに言った
「ふ〜ん、羨ましいな・・・」
キャンディは、全く理解出来ず、1人置き去りにされていた。その時、朝食が出来たとローズが呼びに
来てくれた。ローズは異様な雰囲気に気付き、キャンディに聞いた。
「何かあったの?」
「さぁ・・・私には全く分からないわ・・・」
キャンディは首をかしげて言った
「そぉ・・・じゃぁ、男性の話だったんじゃないの?」
「うん、そんな感じだったわ・・・」
「じゃぁ、ほっておきましょう。くすっ」
全員がダイニングに移動し、朝食の時間となった。
8人でのレイクウッドは、とても楽しい時間となった。午後になり、天気も良いので、庭に出て
散歩をする事になった。キャンディとアルバートさんは、バラの門を見るとキャンディの体を気遣い
先に屋敷に戻って行った。残った6人は、石の門、水の門を周り、湖の畔へ行った。ローズは
気持ち良くて走り、登りやすい木を見つけて、テリィと木の上で会話を楽しんでいた。それぞれの
散歩を1時間ほど楽しんだ。
アルバートさんとキャンディは、サンルームへ行き、ラグの上で、いつもの様にアルバートさんの
足の間にキャンディが座り、アルバートさんは後ろからキャンディを包み込んで話していた。
「キャンディ、大丈夫かい?無理してないかい?」
「えぇ、大丈夫よ。でも、昨晩はアルバートが隣に居なくて、安心して眠れなかったわ。皆と
話しているのは楽しかったんだけどね・・・」
キャンディはアルバートさんの腕に頭を乗せて言った
「相変わらず嬉しい事を言ってくれるね、キャンディ。僕も安心して寝れなかったよ。もう1年半も
一緒に寝てるんだもんな・・・隣に居ないと落ち着かないよな、くすっ」
「でも、赤ちゃんが生まれたら、別室で寝たほうがいいわよ。私は子育てをしたいの。赤ちゃんは
夜中も2〜3時間置きに泣いて、おっぱいを飲むんですって。アルバートは仕事があるから、
そんなに赤ちゃんが泣いて、起こされてたら仕事に支障が出るわ」
キャンディは、体の向きを少し変え、アルバートさんを見て言った
「何回起こされてもいいんだ。僕もキャンディと一緒に子育てをしたいんだよ。だから、僕は同じ
寝室で寝るよ。どんなに起こされても、僕達の赤ちゃんだ、大丈夫だよ。仕事もきちんとやるさ」
「本当に大丈夫?」
「あぁ、何ヶ月かだろ?そんなに起きるのは・・・」
「うん・・・たぶん・・・」
「一緒にやろう、キャンディ。僕達は夫婦だし、パパとママだ。2人で子育てするんだよ」
「わかったわ、一緒にやりましょうね」
そう言うと、キャンディはアルバートさんの首に両手を回し、引き寄せてキスをした。
”キャンディ・・・こんな所をアーチー達が見たら大騒ぎだよ・・・君は、いつも僕が抱きしめたくなる
事をしてくれるんだね・・・僕の奥さんでよかったよ。僕は、こんな可愛い行動が大好きなんだ。
キャンディ、君がやるから余計にいいんだよな・・・”
キャンディの唇が離れ、アルバートさんは、またキャンディを包み込んだ。少しして6人が
サンルームに戻って来た。先頭で入って来たのは、テリィとローズで、2人は入り口で止まってしまった。
キャンディとアルバートさんの座ってる姿を見て、顔を赤くして動けなくなってしまった。2人が
止まっているのを不思議に思ったディックがサンルームを覗くと、また、くっついて座る2人が居た。
ディックは固まっている、テリィとローズを見て笑った。
「くっくっく・・・あの2人、いつもなんだよ。初めて見るとビックリするよな。僕も初めて見た時、
ビックリして怒っちゃったもんな、くっくっく・・・」
そう言うと、ディックは歩いて中に入って行き、アーチーとアニーとパティーは笑っていた。
「お2人さん、僕達戻って来たので、そろそろ離れてくださいよっ。テリィとローズが入り口で
固まって動けなくなってましたよ」
「あっ、ごめん、ごめん。気付かなかったよ・・・悪いね、テリィ、ローズ」
アルバートさんは後ろを向いて言った
「い、いえ・・・別に・・・」
テリィは赤い顔のままだ
「初めて見る人には、刺激が強いんですから、気をつけてくださいよ。くすっ」
アーチーがアルバートさんに笑いながら言った。アルバートさんも笑いながら立ち上がり
キャンディも立たせると、テーブルの方へ歩いて来た
「そうだったね・・・散歩は楽しかったかい?気候もいいから歩くのは気持ちいいだろう」
「はい、ローズは走るし、テリィとローズは木登りもしたし・・・楽しめましたよ。アルバートさんと
キャンディは、ゆっくり話してたんですよね?あの座り方じゃ・・・くすっ」
ディックが言った。
「ローズ・・・やっぱり、テリィの言う通りの人なんだね、くすっ。僕達は、ゆっくり僕たちの時間を
楽しませて貰ったよ、くすっ。ところで、明日は何時にここを出るんだい?テリィはどうするの?」
アルバートさんは、アーチーとテリィに聞いた
「はい、昼過ぎに出れば、シカゴに夕方前には着きますよね、昼すぎの予定です」
「僕達はローズの家に寄ってから、ニューヨークへ戻ります」
「ローズの家って挨拶?」
キャンディがテリィに聞いた
「うん、一応許しは貰ってるんだけど、きちんと挨拶しようと思ってね」
テリィがローズを見て言い、ローズは微笑んだ
「式はいつなの?」
ディックが興味を持ち出し、テリィに聞いた
「ローズの誕生日が10月だから、10月なんだ」
「へぇ・・・皆、奥さんの誕生日に結婚式するんだね・・・なんで?」
ディックは疑問だった
「なんでかな?俺はなんとなく、ローズの誕生日にやりたかったんだよ。アルバートさんは?」
テリィが少し照れて言った
「うん、僕もなんとなくキャンディの誕生日にやりたかったんだよ。キャンディは、僕の誕生日に
籍を入れたいと言ってくれて、僕の誕生日に妻になったんだよ」
アルバートさんとキャンディは微笑んでいた
「え?それで2月に入籍だったんですか?キャンディらしいな、くすっ」
何も知らなかったテリィは驚きながらも、納得していた。
今日もまた夕食後も話が尽きない。その内に、キャンディのお腹の中で赤ちゃんが動き出し、
アルバートさんが触った後は、皆が代わる代わる触り、テリィは今日も何回も触り、一人で
喜び、ニコニコしていた。
「テリィ、あなたって、面白いわね。そんなに楽しいの?結婚したら、早く赤ちゃんが出来るといいわね。
ローズ、大変よ。私のお腹で、これだけ喜んで触っているんだから、自分の子供だったら、一日中
触って動かないわよ、くすっ」
キャンディは、まだお腹を触っているテリィを見て言った
「さすが、キャンディ。よく分かったね。俺は自分の子だったら一日中触ってるよ。くすっ」
テリィは、キャンディに言い、ローズはそんなテリィを見て微笑んでいた。
「さぁ、今日は早めに寝室に行くよ。今日は、キャンディを返して貰うよ。昨晩、キャンディが隣に
居なくて、安心して僕は寝れなかったからね。キャンディ、僕と寝てもらうよ、くすっ。
僕とキャンディは1階で寝るから、もう1組1階で寝たら?」
アルバートさんは、皆を見て言った
「アルバート・・・何を言ってるの?皆が困るじゃない・・・昨日の部屋を皆で使って貰っても
構わないし、一人ずつ一部屋空いてる所を使って貰って構わないわよ。ね?」
キャンディは慌てて、皆に言った
「キャンディ、いいんだよ。君たちの好きにしておくれ。明日の朝食は、バラバラにしよう。
勝手に起きて、勝手に食べてくれよ。まぁ、僕とキャンディは、先に起きてるから、声を掛けて
くれてもいいしね。じゃぁ、僕とキャンディは先に行くよ」
アルバートさんは、すこし微笑んでいる・・・
「ちょっと、アルバート・・・大丈夫なの?」
キャンディは心配で仕方がなかった。その時、テリィが言った
「ローズ、俺達も行こうか・・・俺達は1階を使わせて頂きますよ、アルバートさん」
「うん、じゃぁ、僕達は2階に行こうかな。パティー行くよ」
「じゃぁ、僕達は2階の奥だな、アニー、おいで」
ディックとアーチーも、それぞれ言い出し、ローズ、アニー、パティーは何が何だか分からなかった。
アーチー、アニー、ディック、パティーは2階に上がって行き、テリィとローズはサンルームから遠い
1室を使い、アルバートさんとキャンディはサンルームに近い部屋に入った。
キャンディとアルバートさんは、寝る準備をし、ベットに座り話し出した。
「アルバート、大丈夫なの?」
「あぁ、大丈夫さ。昨晩話していたんだよ。それぞれ一緒の部屋に入って寝るってね」
「そうだったの?」
「うん、3人共ここに来る時に、決めてきたらしいよ」
「へ〜、そうなんだ・・・ここは結ばれる屋敷ね、くすっ」
キャンディはアルバートさんの胸に頭を付けて言った。アルバートさんはキャンディの肩を抱き言った。
「そうだね・・・僕達もだったね。でも、あの時は、予定外だったんだぜ、キャンディ。僕は、きちんと
キャンディの寝る部屋に送り届けたのに、キャンディは眠れないって言って、僕の寝る部屋に
来たんだもんな、くすっ。あんな可愛い姿で、あんな事言われたら、僕も気持ちを抑えられないよ」
アルバートさんはキャンディの頭を撫でて笑った
「くすっ・・・そうだったわね。でも、あの時は本当に怖かったのよ。でもアルバートの部屋に
寝に行くなんて・・・と思ったんだけど、怖いから行っちゃったのよ。私は、アルバートを愛して
いたから、一緒に寝て愛し合う事になっても構わないと思って、覚悟して行ったのよ」
キャンディはアルバートさんを見上げて言った
「そうだったのか・・・嬉しいね。あの時のキャンディ、とっても可愛かったよ。見た瞬間に抱きしめ
たかったんだけど、それは頑張って抑えたんだよ。くすっ」
「あらっ、すぐに抱きしめてくれても良かったのに・・・くすっ」
「そんな訳にはいかないだろう・・・あの時は。今なら、すぐに抱きしめるけどね、くすっ。
さぁ、僕達は、もう寝ようか。今日は安心してぐっすり寝れそうだな」
「私もよ。やっぱりアルバートが居ないとダメね。愛してるわアルバート」
「僕も愛してるよ、キャンディ」
2人は、昨晩の淋しさを埋めるかのように、寄り添い眠りに着いた。とっても安心し、ぐっすりと
眠る事が出来た様だ。
3組は、それぞれの部屋で、それぞれのベットで、それぞれの夜を過ごしていた。
当然の様に、3組のカップルは1つになり、長い夜となったようだ・・・
翌朝、元気だったのはキャンディとアルバートさんだった。残りの6人は眠れなかったようだ。
昼に近い時間に、眠そうにバラバラと起きて来た。キャンディとアルバートさんは、そんな皆を
見て、ニヤニヤとしていた。
そして、楽しい休暇は終わり、それぞれの仕事に戻っていった。